本日1月27日、私は、大田区産業プラザPiO開催の東方合同オンリーに、サークルとして参加させていただいた。
「ぷにけっと」等でおなじみ、ぷにけっと準備会が定期的に開催している東方系オンリーだ。

「ぷにけっと準備会」の即売会については、これまで何度か参加させていただいたが、STRIKE HOLEで記事にする事は、殆ど無かった。
理由は色々あるが、一つは、これまでは一般参加主体で、余りじっくり即売会を見られなかった事。
そしてもう一つは、安定感のある良即売会だとは思うが、それゆえに「普通の良即売会」という事になり、かえって特徴を描きにくかった…という私自身の筆力不足に起因していると思う。

とは言え、昨秋「もりや神社例大祭」、そして今回「紅のひろば」と2回も、ぷにけっと準備会系統の東方オンリーにサークル参加させて頂いたわけだし、会場の空気に触れる時間も増えた。じっくり即売会を見るだけの時間も増えた。
そこで今回、今更ではあるが、参加して感じた事を、記事としてしたためさせていただきたい。
最近のぷにけっと準備会系統のオンリーは、東方小規模オンリーを複数立て、これらを合同しての開催が多い。
私が過去、守矢一家オンリー「もりや神社例大祭」にサークル参加した時も、茨木華扇オンリー「華扇浪漫」、幽々子・妖夢オンリー「ゆゆみょん!」との合同開催という形式を取っていた。
一番分かりやすい例は、他ジャンルの集合体だが、「スーパーヒロインタイム」であろうか。20〜30の小オンリーの集合体としての開催であり、合同開催型オンリーの「究極進化型」とも言えるだろうか。

今回私は、紅魔館スカーレット姉妹オンリー「紅のひろば」の方にサークル参加を申し込んだ。
ただ今回も、「紅ひろ」単独の開催ではなく、十六夜咲夜オンリー「このはな咲夜」、チルノ・妖精オンリー「ようせいげんき!」、東方音楽系オンリー「遊音ファンタジウム」の各イベントと合同形式にての開催だ。

合同開催形式は、1つのイベントがサークル数が集まらずコケても、他のイベントで補いトータルでサークルを集められれば興行的に成立する為、潰しが利きやすくなり定期開催の安定化を図れるという、主催者的に大きなメリットを持つ。
また、キャラオンリーとする事で、総花的な東方オンリーに比べ、ある程度の差別化も図れる。
都内は東方オンリーの数も多く、総花的な東方オンリーを開いても、差別化を図れず、サークルを集める事も難しい。
キャラオンリーを集合・合同させての開催とし、多少の差別化を試みなければ、サークルを集められず、戦えないような気がする。
今後も、この手の開催方法が、都内では主流となるだろう。

合同開催形式の弱点としては、ジャンルの異なるオンリーの集合体である以上、1オンリーごとの独自性が弱くなり、会場の雰囲気も「オンリーらしからぬ」ものになりかねない。場合によっては「カオス」になりかねない。
この辺りは、合同開催形式における、避けられぬ弱点と言えるだろう。
ただ、東方小オンリーの合同の場合は、根底に「東方」という共通した概念がある以上、東方的な雰囲気は保て、多少はその弱点も緩和され、或いは紛れると思う。


今回は、「ようせいげんき!」が52サークル、「このはな咲夜」が45サークルと数を落としている一方、「紅のひろば」は247サークルと前回から2割増の健闘。
サークル数を落とすイベントがあっても、他のイベントでその穴を埋めて、一定規模を確保できる構図となる。
この3イベントが大ホールでの開催だが、スペース数も計360sp台と一大勢力に。他の都内東方オンリーよりも、集まりは良いだろう。

ここまで集まりが良かった事の背景としては、1月に都内で開催される即売会が不足していた事が大きいだろう。
2月に入れば、サンクリやコミティアが控えていようが、1月は幾つかのオンリーが開催された程度で、開催数も少ない。
サークルとしては、コミケの在庫を捌ける数少ない機会の一つになるし、ぷにけっと準備会系統の即売会だから安定してるだろうという計算も働く。(特に何度も開催してる「紅のひろば」に、それは言える)
「ぷにけっと準備会」特に「紅のひろば」のブランド力が作用した、とも言えるだろうか。
こういった事情が重なり、今回の即売会の盛況に至ったのだろうと推察する。

コミケから既に1か月近く経つ。買い手側も即売会に「飢えて」いた事は間違いない。
初動の一般参加者も数百人以上だし、サークルへの食いつきも全般的に良かったと思う。
私も、冬コミ新刊の効果もあろうが、早めに撤退させて頂いたにもかかわらず、売上は過去十指に入る好調さ。お立ち寄りいただいた皆様方にも、この場をお借りして御礼申し上げたい。


サークルとして「ぷにけっと準備会」系統の即売会に参加して感じたことと言えば、「経験豊富さを十分に活かした運営が成されているな」という部分であろうか。
その経験豊富な運営が安定感を生み、サークルとして参加するに足る安心さも、もたらす。
勿論、この感覚は、ケットコム主催の即売会に参加した時も感じたし、他の多くの即売会に参加して感じた事でもあるのだが、ぷにけっと準備会主催即売会において「改めて」感じた事でもある。

例えば、会場内外のポスター・POPは、人の目の位置を考慮した高さで、見やすい位置。
POPに掲示される情報量も、簡潔・的確。非常に分かりやすい。
トイレに行きたい時、本部に用事がある時、チラシ置場を漁りたい時。何かしたい時にまごつく事の無い案内の出し方は、様々な即売会開催を経験しての、蓄積の賜物だろう。
以前、ケットコム主催の即売会において、ポスターやPOPの出し方が極めて上手だと申し上げたが、ぷにけっと準備会の即売会もそれに匹敵する上手さである。
(もっとも、両方のスタッフを兼務されている方も、けっこう多い訳だが…)


他に思う事としては、「運営のシステムが、相当に考え抜かれているな」という部分。

「ぷにけっと」系統イベントの「名物」の一つが、アフターイベントである。
膨大な数の色紙が用意され、その色紙を景品に、抽選会が開催される。その盛り上がりは凄まじく、毎回夜6時〜7時まで延々続くほどである。
この「名物」の抽選会が、実はサークル受付のシステムともリンクしているとは、私もサークル参加するまでは気付きもしなかった。

先ず、サークル参加者は、サークルチケットを提出する。これはいつも通りだが、後に本部に提出する登録用紙と一体化され、ミシン目で切り取り提出する形式。
サークルチケット・登録用紙ともバーコードにより緻密な管理が成されているあたりは、ケットコム主催の即売会に近いやり方だ。
システム構築に手間はかかるから、一般の即売会がおいそれとは真似できないだろうが、ダミーサークルのチェックに効果を発揮しそうだ。

サークルチケットを提出し、自分のスペースへ。
スペースには、漏れなく「サークル参加受付用」の「封筒」が置かれている。
椅子に養生テープで貼られている形なので、スペースに撒かれるチラシと混同せずに済む。
封筒に必要事項を書き、新刊があればそれを封筒に入れ、先述の「登録用紙」と共に本部に提出する。
これは、参加サークルが必ず行わねばならない登録作業である。

ここで注目すべきは、本部での登録と、サークルへのカタログ進呈とが、一体化している所である。
サークルにカタログを無料進呈する即売会は、決して少なくはないと思うが、ポイントは、その「タイミング」である。
入場時に渡すというケースが多いと思うし、大9州東方祭のように、事務の効率向上の観点から、サークルチケットと一体化させる所もある。イベントによりそのタイミングは、様々だ。
ぷにけっと準備会の即売会は、登録用紙を本部に提出。サークル登録の完了を以て、カタログを進呈する、という方式だ。
カタログがサークル登録をしてくれたご褒美、という訳ではないだろうが、サークル心理からすれば、サークル登録をすればカタログを貰える訳だから、「サークル登録はちょい面倒だけど、カタログの為にも頑張るか」という気持ちになるw
流石ぷにけっと準備会、上手く考えているw

ちなみに、ケットコム主催即売会も、ぷにけっとと同じような要領だ。
違いは、登録用紙の代わりに「同意書」(これが実質的なサークル登録となるが)を提出し、同意書と引き換えにカタログを進呈する所だろうか。

そして、更に工夫されている、と感じる所はこの後である。
登録が済んだら、お待ちかねのカタログをいただけるが、同時に、色紙も手渡される。
正確には、アフターの景品用に色紙をご提供いただきたい旨の、主催からのお願い文も添えてであるが。

勿論、色紙提供は、サークルさんの「好意」である。提供するしないは、サークルさんに委ねられている。色紙を受け取ったからとはいえ、必ずしも色紙を描かなくてはいけないわけじゃない。
(義務だったら、私のような絵心無い文章サークルは非常に困るしw)

ただ、目の前に色紙がある。サークルだって、いつも売り場に立っているわけじゃないし、ヒマになる時間帯は必ず存在する。そんなヒマな時に目の前に色紙があれば、絵心のある方なら、暇つぶしも兼ねて、何かしら描いてみたくなるものだと思う。
その結果が、大量に提供される景品色紙の数々である。
…ぷにけっと準備会、策士過ぎるwww

サークルにとっては暇つぶしにもなるし、アフターの盛り上がりにも大きく貢献する、一石二鳥の仕組みと言えるだろう。

尚、この色紙は、即売会会期中はイベント会場内に掲示される。サークルにとってはサークルアピールとしての効果もあるし、一般参加者も鑑賞して楽しむ事ができる
幾つかの取り組みをリンクさせる事で、一石何鳥にも効果を生む。考え抜かれたシステムである。


また、この他、DDR(東方ダンスレボリューション)や、アフターイベントを仕切るラクト害ずのお二方(GORISA・GA☆ちゅりー両氏)のトークも、ぷにけっと準備会ならではの名物であり、楽しみと言えよう。

これまでは余り触れてこなかった「ぷにけっと準備会」主催の即売会だが、安定した運営に加え、考え抜かれた運営上の工夫や名物企画の数々は、STRIKE HOLEとして取り上げて然るべき特長だと思う。


さて、この日大ホールで開催された即売会は、「紅のひろば」「このはな咲夜」「ようせいげんき!」の3イベントである。
もう一つ、東方音楽オンリー「遊音ファンタジウム」は、ぷにけっと準備会の従来型即売会とは、また違った工夫が成されている。
次回は、「遊音ファンタジウム」について取り上げてみたい。