5月4日、私は茨城県は大洗町で開催された、ガールズ&パンツァーオンリーイベント「セーラー服と戦車道」に一般参加させていただいた。
この日、都内浜松町でも「都産祭」が開催。蒲田でも有力オンリーが、そして東京ビッグサイトでも「SUPER COMIC CITY」とイベント目白押しであった。
私は、「都産祭」内開催・東方Project八雲紫オンリー「八雲立つ」にも寄りたかったので、浜松町と大洗をハシゴする事となった。
「八雲立つ」主催氏の陰部をまさぐったり、そこを徘徊するUPFG・東村光氏の股間を責めたり、幾つかのサークルを回ったり、必要な用件を一通り片付け、11:30には浜松町を発つ。大洗は14時の到着だ。
タイトなスケジュールだが、催事中に間に合わせるには、これしかない。
…という事で、私は、何とか無理矢理大洗に漕ぎ着けたのであった。

今回のレポートは、大洗に14時到着の人間からの視点である。
朝の阿鼻叫喚な雑踏については、色々話は聞いているが、他の参加者の方のブログをご参照いただきたい。


【主催・PureSnow準備会とは】

先ず、今回の主催である、Pure Snow準備会について語りたい。
この準備会は、その名の示す通り、「Pure Snow」というオンリーイベントを開催する為に立ち上げられた主催団体だ。

「Pure Snow」は、人気ギャルゲー「WhiteAlbum」のオンリーイベントである。
2002〜2008年までの計4回都内にて開催され、好評を博した。
加えて、ハヤテのごとく!オンリーイベント「執事とらのあな」も定期開催を続けている。

そして、「Pure Snow準備会」の活動範囲は、都内だけに留まらない。
咲オンリー「さきすぺ」も立ち上げ、咲の舞台でもある信州各地(長野県塩尻市や飯田市等)で開催し成功を重ねていた。今度は大阪の千里山開催を予定しているとか…
過去私が注目し取り上げた「あの花」聖地・秩父開催のオンリーイベント「八月の秘密基地」(参考リンク/拙文「8/28 埼玉県秩父市あの花オンリー「8月の秘密基地」」 http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51831748.html)も、実は、Pure Snow準備会が関係・協力していた。

ここまで説明をクドクド重ねてまで、私は何を申し上げたいのか。
つまり…今回、聖地・大洗でのガルパンオンリーを企図したPure Snow準備会は、【聖地開催の実績と経験が群を抜いて豊富】な主催団体である、という事だ。
恐らく、同人界隈では一、二を争う手練れであろう。
ガールズ&パンツァーオンリー「セーラー服と戦車道」を語るに当たり、先ずはこの事を押さえておきたい。


【突然の会場変更】

当初、この即売会は、大洗町内の公共施設である、大洗文化センターでの開催を志向していた。
ゴールデンウィーク中日という日程面がプラスに働いたか。サークルも120サークル以上と順調過ぎるぐらいに集まった。
無論、ガルパン作品そのものの人気もあるし、それを好意的に受け入れる大洗の町の在り方が話題となり、大洗が人気の「聖地巡礼先」となった事も、この順調な集まり具合を後押ししていただろう。
運営も、先に触れたように聖地開催のベテラン・Pure Snow準備会だ。特に大きな瑕疵もなく、後は本番を迎えるのみであった…

…だが、開催1週間前に、青天の霹靂は起こった。
突然の会場変更。本来の「大洗文化センター」から、別会場への変更だ。
しかも、「大洗マリーナ」「大洗まいわい市場」の2会場に分かれての開催。
更に、成人向け作品の急遽の中止。
余りにも突然の発表に、このオンリーを楽しみとする同人者の間に、動揺が走った。

主催側からの声明としては、以下の通りとなる。

>4月中旬に、成人向けに関しての脅迫性のある匿名のメールが会場側に届き会場を貸し出すことが難しいとの連絡がありました。
>この件についてはイベント立ち上げ当初より調整を重ねていたのですがこれがきっかけとなり会場を借りることが出来なくなってしまいました。

主催側の発表だけを鵜呑みにする訳にも行かない。
ただ、Pure Snow準備会はこれまで、数多くの聖地開催を実行し続けてきた。
そして「さきすぺ」「八月の秘密基地」等は、成人向けの頒布制限を特段実施していない。
そうなると当然、大洗でもその流れで進むのは自然な話だ。
大洗の会場を借りるに当たり、遅くともサークル募集をかける迄には、会場側とその話は詰めていた筈だろう。
にも関わらず、会場から契約を破棄されたあたり、解せないものがある。

脅迫犯に屈する事を決して肯定する訳ではないが、他のオールジャンルイベントは、脅迫対象となるジャンルを苦渋の決断にて排除する事をもって、場の存続を選んでいる。
今回の「セーラー服と戦車道」も、成人向けを取り止めさせる事になったとしても、会場を追い出す必要までは無かった筈だ。
会場側の、過剰な反応という感はどうしても否めない。

ネット界隈では、ガルパンオンリーの大洗開催に当たり、地方開催の即売会なのに成人向け作品の頒布制限を行わないとはけしからん、と批判する意見も見られた。
また、会場変更が発表された折には、成人向け頒布を禁止しないからこうなったと言わんばかりの、ドヤ顔の態度も見受けられた。
だが、私はこの意見には全く共感しない。

先述の通りPure Snow準備会は、他地域の聖地開催においても、成人向け頒布を制限していない。
今までの流れを、大洗でも踏襲しただけに過ぎず、これを責めるのも酷ではないか。
本来責めるべきは、脅迫者である。

また、私はご存知の通り、全国各地の同人誌即売会を行脚し、全国制覇も果たしている。
(勿論上には上がいるが)人より多くの地方即売会を見聞してきた、という自負はある。
その立場から申せば、事情により成人向けを禁止する地方即売会も確かに見かけはするが、殆どの地方即売会(8〜9割ぐらい)は、成人向けの頒布に制限を設けていない。
そこを踏まえると、地方だから成人向けを禁止するべし、とする論調には、違和感を覚える。
地方を知らぬ、或いは知っていたとしても部分的にしか知らない、そんな論理に思えてならない。


しかし幾ら我々が叫んだ所で、会場を貸す貸さないを決める権利は、我々参加者や主催側には無い。
その権利は、会場側にのみある。
我々参加者や主催側と、会場側との力関係においては、決して越えられない壁が存在する。
昨冬以降、黒バスの件でコミケやコミックシティが折れざるを得なかった事からも、それは明らかだ。

如何に会場側が、納得し得ない不合理な要求を出して来たとしてもだ。
勿論、それに抗し交渉する事も当然必要だろう。
だが、会場側が強硬に迫れば、最後はそれに従わざるを得ない。
厳しい話だが、それが現実だ。

会場を借りられなくなった以上、新たな対応策を考えないといけない。
会場が借りられず中止、という事態だけは避けねばならない。
最終的に、近隣の「まいわい市場」そして「大洗マリーナ」が会場提供に応じ、分割開催というイレギュラーな形ながらも、開催中止だけは免れた。
ここで18禁頒布に制限を掛けたのは、成人向けに関する脅迫に端を発し大洗文化センターを追い出された点を、踏まえてのことだろう。

さて、開催に漕ぎ着けたのは「奇跡」という声もある。
だが私は、これは「奇跡」ではない。大洗の皆様の応援がもたらした「必然」である、と考える。

大洗の商工会を中心に、ガルパンを愛し、またガルパンファンを歓迎する町のムーブメントは、非常に強力だ。
特に、この地域における「ガルパン町おこし」のまとめ役が、大洗アウトレットリゾート内に物産店を構える「まいわい市場」である。
このまいわい市場が会場を提供してくれた、という事は、裏を返せば【地元大洗がガルパンイベントを応援】していただける構図の現れ、でもある。

ガルパンオンリーが、会場を変更しながらも開催に漕ぎ着けたのは、決して「奇跡」ではない。
大洗の皆様がガルパンを愛し、そしてガルパンファンを歓迎し大切にしてくれる。
大洗の皆様方の「想い」があってこその、「必然」と言える。

最後に、Pure Snow準備会も関わった、2011年8月開催あの花オンリー「8月の秘密基地」に関連して、当ブログが申し上げた内容(参考リンク/ http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51831748.html)を再掲したい。

>成功の理由は色々あげられる。(中略)これは、聖地開催即売会の成功例(中略)にも言えることだが…この3つが挙げられると思う。
>
>・地元の、作品ファン受け入れの風土
>・地元への告知の積極性
>・地元との連携の成功
>
>地元の協力を得られた即売会は、会場のみが「楽しみ」ではない。
>会場の外にも、楽しみが多く含まれており、それが来訪者の満足度や充実感を更に高めていく。
>少し暴論気味だが、聖地開催型オンリーの成功のカギは、「地元の協力の成否」が握っているのかもしれない。


聖地開催成功の鍵は、地元の協力が大切だという考えは、今も変わる事は無い。
「地元の、作品ファン受け入れの風土」あってこその即売会だとも思う。
「地元の協力」あってこそ、会場の取得に成功(※1)し、即売会も中止とならず済んでいる。
地元住民の協力の大切さを、改めて感じた次第である。


(※1)同様に、地元が会場取得に協力した即売会としては、2013年2月に埼玉県鷲宮で開催された、らき☆すたオンリー「らき☆フェス」が挙げられる。


…とここまでが、このイベントを語る上での「前振り」な訳だが…字数制限の都合により、ここで一旦記事を締めたい。
次回記事では、当日の阿鼻叫喚…いや盛況ぶりを、そして変わり果てた大洗の街の様子をお伝えしたい。