形あるものも、いつかは崩れる。
始まりがあれば、終わりもある。
頭でそう分かっていても、「終わる」と知れば、どうしても、淋しくもの悲しい気持ちになってしまう。
関西男性向け同人の世界を、「屋台骨」として長らく支え続けてきた、オールジャンル同人誌即売会「comic communication」(略称「コミコミ」/以下略称にて記す)が、その歴史にピリオドを打つ事となった。

コミコミは、2000年代初頭、西日本において、男性向けジャンルの即売会が【存在すらしなかった】時期に立ち上がった即売会であった。
今でこそ西日本においては、「こみっく☆トレジャー」や「東方紅楼夢」「勧業祭」の存在も大きいが、当時はこれらの即売会も存在していなかった。
つまりコミコミは、男性向けジャンルの人間にとって、参加できる即売会が存在しなかった「不毛の地」を、1から開拓した、西日本男性向けジャンルにおける「パイオニア」的存在であった。

幸いにもスタートダッシュに成功したこの即売会、気が付いたら常時1000spを集める大規模即売会となった。
規模が大きければ、その分求心力も高まる。
コミコミには、多くのサークルが集い、一般参加者が集った。

コミコミは、男性向けジャンルに生きる、西日本の多くの同人者に活動の場を与えてくれた。
活動の場の提供を通じ、サークルを育ててくれた。
そういう存在だったと思う。
(余談だが、「けいおん!」原作者のかきふらい氏も、西日本出身だが、「けいおん!」以前はコミコミにサークル参加の経歴もある。氏もまた、コミコミで腕を磨き、そして巣立っていった一人であろう)

コミコミが育てたものは、同人サークルのみではない。この地域において、多くの優秀なスタッフを育てていった。
スタッフは、同人イベントを開催するに当たり、同人サークルと同様、欠かせぬ要素の一つである。
若いスタッフが育てば、即売会のノウハウが若い世代に継承される。
人によっては、周りに触発され、自分もイベントを立ち上げようと試みる。その時に、コミコミを通じ得られたスキルが、間違いなく活きる。
また、イベントが新たに立ち上がれば、その分同人界の活性化にも繋がる。

現在、関西や名古屋の同人イベントを見ると、男性向けジャンルにおいて、数多くの同人誌即売会が成功を修めている。
コミコミを通じ、サークルが当地に根付いたから、サークルを集められ成功した、と考えられる。
と同時に、コミコミでのスタッフ業務を通じ鍛えられ、それの成果をオンリーイベントの開催に活かす事もできた。
私は、そう位置づけている。

コミコミは、関西、そして西日本の同人界に、大きな影響をもたらして即売会である。
間違いなく、同人界の歴史を語る上で、その1ページにコミコミは入る筈だ。
だが、そのコミコミも、近年におけるオールジャンル即売会低調という風潮に、抗する事は出来なかった。
近年は1000spの大台を割る事も珍しくなくなり、昨年は864spと大きく割り込んだ。そして今年は、約700sp(併催オンリーを含んでの数字)にまで落ち込んだ。

この状況を鑑みるに、「終了」を決断するのも止むを得ないのかもしれない。
私個人としては、2004年以降ほぼ毎年何らかの形で顔を出し、様々な形でお世話になった即売会だ。思い入れも深い。もう少し踏ん張ってほしかった、との思いもある。
ただ、最終的にどうするかを決めるのは、全ての責任と権限を持つ、主催氏その人だ。
主催氏が、悩み考え抜いて出した結論であろうから、私はそれを尊重したい。

今日、2013年6月9日に開催されたコミコミは、【インテックス大阪最後のコミコミ】との事。
次回(2013年11月17日)は、場所を移し、京都市勧業館(みやこめっせ)で開催。幾つかのオンリーイベントを併催しての開催形態となることから、事実上、例年秋開催のオンリーイベント集合体「勧業祭」との合同開催と言えよう。
次回はスケジュールの都合もあり、コミコミへの参加は断念。私にとっては、今日のコミコミが、最後のコミコミである。

いつも通り、朝早く会場入りし、サークル設営等を済ませる。
11時に開場かと思いきや、今回は11時になっても始まらない。あれ?と思ったが、会場時間が、今回に限り11時30分に変わっている。流石に、少し戸惑った。
今回は設営を前日ではなく、当日朝に設定している。朝の設営開始から逆算し、開場をこの時間にしたのだろう。前日設営の会場費を浮かし、経費削減を図っているのだろうが、それだけコミコミの台所事情も厳しいのかな?とも思った。

一般来場者は、「インテックス最後のコミコミ」という事もあり、数多く来場した。
昨年あまり人が来ずガランとしていたので、少し回復した印象。当サークルの売れ行きも、昨年のコミコミに比べ倍増している。新刊効果もあったのかもしれないが、ありがたいお話である。
友人・知己や常連さんも多くお立ち寄りいただき、「人と会う」事が即売会の醍醐味の一つである事を、改めて実感した。
と同時に、それを味わえる貴重なイベントが無くなってしまう事に、残念な思いも抱いた。

今回は、急きょ「東方輝針城」の体験版フリーゲームコーナーが設置された。
…どう考えても、「金沢東方祭」の使いまわしです。本当にありがとう(ry
まあここは、コミコミにも参加している東方祭実行委員会側のご厚意という事になろうか。私も遊ばせてもらい、ご厚意に甘えさせていただいた。

企業出展も、同人ショップや、「こみっく☆トレジャー」主催「青ブーブー通信社」等いつも通りのメンツ。
ところで、青ブー関係者の皆様は、前夜、全国同人誌即売会連絡会の会合で飲み会という風の噂を聞いたのだが…連絡会の飲みの後即大阪行きですか…お疲れさまです…(汗)
まあ、インテックス最後って事で、無理を押して参加されたのかなあ…?

即売会としては、サークル数の減少が気にはなるものの、それを除けばいつも通りの「コミコミ」であった。
参加して楽しい、良即売会であった事は、間違いない。
こういう即売会が終わってしまう事は残念なのだが…やはり、サークル数の減少が大きかったのだろうか。インテックスを借りるにも、700spで採算合うとも思えない。そう考えると、残念だが、終了やむなし、という結論になってしまう。

まあ、惜しい気持ちを呟き続けても仕方ないので、先ずは、これまでお世話になった「インテックス大阪」そして「comic communication」に感謝の気持ちを申し上げたい。
そして、秋開催の「comic communication」が、有終の美を飾れる事を、心より祈念申し上げたい。