2月23日、私は、長野県長野市開催のオールジャンル同人誌即売会「QUEST light」にサークル参加させていただいた。

長野県の同人誌即売会においては、北信・長野市の同人誌即売会は、中信・松本市に比べいささか低調、という印象があった。
中信・松本市に100sp超規模の同人誌即売会が目立つ一方、北信・長野市は50sp前後ないし未満の即売会が多かった。「おでかけライブ」が長野に進出した事もあったが、定着せず振るわなかった。

ただ、長野市開催の同人誌即売会「QUEST light」は、その傾向とは違っていた。
当初は50sp規模の小規模なレベルだったが、回を重ねるごとに徐々にサークル数も増えていく。
昨年2月の開催時点では、100spに迫る勢い。
長野市開催即売は平均50sp規模と認識してはいたが、「QUEST light」の躍進は、明らかに当地の平均レベルを突出していた。
俄然私は、「QUEST light」に注目するようになっていった。その後も、中々スケジュールが合わずに参加できなかったものの、1年経過して、ようやくスケジュールの都合が付き、サークル参加させていただく運びとなった。

開催場所は、長野駅からバスで10分、アークスホールでの開催。
アークスホールは同人誌即売会の会場として多用される会場。長野市は、同人誌即売会が開催可能な会場に恵まれているとはいえず、数少ない、同人誌即売会が開催可能な貴重な箱だ。
近くには立体駐車場も備わっており、車組も問題なく来訪できる。
公共交通機関も、長野駅からバスで10分程度と近いが、1〜2時間に1本程度の運行なので、バスの時刻を予めチェックしておいた方が良さそう。最悪タクシーを利用するとしても、1000円以内で済むので、そこまで不便ではないだろう。雪の厳しい冬季でなければ、レンタサイクルの利用も有力だろう。

あともう一つ、この即売会…というかこの会場の弱点としては、周辺に「食糧を調達できるお店等が存在しない」という事。
アークスホール自体が、工業団地ど真ん中の立地。平日はともかく、土休日に食糧を売るお店は、営業していないw
コンビニも、レストランも、歩いて行ける範囲には存在しない。
遠方へも行動しやすい車組はともかく、公共交通機関利用組は、バスに乗る前に、長野駅で食糧を買い込んでおくなどの工夫が必要かと思われる。

今回は、開催規模としては、90sp程度。昨年同時期と同じレベルだとは思うのだが、カタログ挨拶曰わく「やや控えめ」とのこと。
後で知ったのだが、昨年秋開催時には100sp超えを果たしており、それに比べれば少し減ってしまった、という事なのだろう。
ただ、2月の開催は、雪深い中の開催。長野が雪国で、雪に慣れている部分もあるかもしれないが、それでも、どうしても外出は控える傾向になるだろう。
一般参加者も初動30人と余り多くなかったが、これも含め、2月開催である以上、どうしても動員数は減ってしまうもの、と考えるべきなのだろう。

ジャンル傾向としては、5つの島がこういう形で分けられている。

A島→黒子のバスケ B島→マンガ・アニメ C島→創作 D島→クラフトブース・アクセサリー等 E島→ゲーム

1ジャンルで1つの島を埋められる、黒子のバスケ・創作が最大勢力と考えるべきだろうか。
それ以外では、進撃・東方・艦これが目立つ、といった所か。不思議な事に、何処の地域でも見かけるジャンルであるはずのボカロが、今回は見当たらなかった(見逃していただけかもしれないが…)

注目すべきは、D島のクラフトブース。
公式サイト・募集要項などには、こう説明されている。

>クラフトブースとは、180cm×180cmのエリアの中で自由にレイアウトできるスペースです。

頒布を行わないが、その代わりにスペースを広めに使い、自由に展示を行えるスペースということ。
サークルの中には、少数派かもしれないが、頒布を行わず、展示のみを行うサークルもいらっしゃる。
特に、ドールを扱うサークルに、展示オンリーのサークルをお見かけするような気がする。
そういうサークルさんに、展示に特化した環境を提供できる、という意味があり、一つのユニークな取り組みと言えよう。
今回も、造形・ドールの展示を中心とし、力作が披露されていた。


頒布物の傾向としては、意外に「本」の比率が高かった。
地場の同人誌即売会の傾向としては、本が少なく、ラミカ・アクセサリー等の小物・グッズ類中心という印象が強い。
だが、この即売会はその傾向に反し、「同人誌」という形で作品を頒布するサークルの比率が高かった。その数、全体の半分以上。
勿論、小物・グッズ類も健在だが、それと一緒に同人誌も頒布しているサークルさんも多かった。

この即売会は、委託参加も受け付けており、毎回10サークル前後が参加しているが、委託サークルも、殆どが本のサークルだ。
明らかに、地場の同人誌即売会としては、異質とも言えるレベルで同人誌率が高い。

恐らくこれは、「QUEST light」成立に至るまでの「歴史」が影響していると考えられる。
2009年頃までは前身的存在のイベントとして、「Comic QUEST」「本のみの市」を開催していた。当時は長野市民会館での開催だったが、会場の規約により、会場内でのみ使用可能な金券に両替をして頒布を行うという、特殊な…というか苦心を重ねた方法で運営されていた模様だ。
(参考・2008年11月25日付「元気の出てきた長野県の同人誌即売会」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51405719.html)
その中でも、特に「本のみの市」は当時地方で若干流行っていた「同人誌オンリー」という形態での開催だった。
恐らく、同人誌オンリーの名残が、今の「QUEST light」における同人誌率の高さに繋がっているのだろうと推測される。

思えば、6年前・2008年に松本の同人誌即売会に参加したが、あの時、本オンリーを発展的に解消させて新しいオールジャンルをつくりたい、と私のサークルに挨拶に伺っていた。
あの時の主催さんが、今の「QUEST light」の主催さんという事になる。
あの時から数年を経過し、今こうして花開いたという事であり、私としても、非常に感慨深いものも感じる。

2014年のこの日も、「QUEST light」の主催さんは、直々に当サークルにもお越しいただき、「遠方からお疲れ様でした」と記念品のチョコレートを差し入れて下さった。勿論、全サークル一つ一つに挨拶回りをし、記念品を手渡ししていた。
その実直さとマメさは、松本でお会いした時と変わらない。
1サークル1サークルを大事にし、コツコツと頑張る姿勢があるからこそ、サークルのリピーターも多く、今のように毎回100spに届くか届かないかレベルまで、参加サークルを増やすことができたのだろう。

特に派手な企画は無く、お昼過ぎからイラストオークションが開催された程度だ。
(ただ、そのイラストのレベルが、やたら高かった気がするのだがw)
一般来場者もそんな多くなく、作品もそんな売れた訳じゃあない。
ただ、サークルも一般参加者も、老若男女問わずの参加で、年長者・男性であっても違和感なく参加でき、居心地も悪くはなかった。
コスプレも受け入れているが、コスプレ参加者が過多とならないよう、登録人数に制限を設け、サークルとコスプレとのバランスも取っている。サークルにとっては、コスプレ多すぎて居心地悪い…という事態にならず、安心して参加しやすい環境になっていると思う。

そして何より、主催がコツコツ地道に運営を行い、1サークル1サークルを大事にして下さる。
そういう諸々の積み重ねで、サークル参加者も徐々増え、100sp前後規模でサークルが集まるほどに成長できたのだろう。
地場のオールジャンルが低調傾向の中、成長を続ける「QUEST light」の躍進に学ぶところは多々ありそうだ。今後も、注目し続けたい即売会の一つである。