3月2日は、岩手県遠野市で開催された東方Projectオンリー「東方紅楼夢9.5 遠野物語」「夢の世紀 魅知の旅」にサークル参加させていただいた。
岩手県遠野市は、遠野伝承が東方Project作品のモチーフとなっていることもあり、東方の「聖地」として扱われている場所である。
典型的な、聖地開催型のオンリーイベントである。

東方の「聖地」である遠野でオンリーを開催しよう!そう思い立ったのが、東方界隈を代表するオンリーイベントの一つ「東方紅楼夢」の主催氏、ならびに東方・秘封倶楽部オンリーの東西両主催(東京開催「境界から視えた外界」・京都開催「科学世紀のカフェテラス」)である。
これに、東北を代表する同人誌即売会「杜の奇跡」主催氏も、協力者として運営に加わったという構図。東方界隈、というか同人界隈の重鎮が運営に揃う、超重量級の体制となった。
開催形式は、「東方紅楼夢」のエキストラバージョン「東方紅楼夢9.5 遠野物語」と、東方・秘封倶楽部オンリー「夢の世紀 魅知の旅」の合同開催。昨年の春に開催を発表後、秋口からサークル集めを本格的にスタートさせた。

サークルの関心も、各地東方オンリーへの遠征参加に積極的な層を中心に、高いものがあった。
募集計80sp(正確には各イベント毎に40sp)に対し、参加数は84sp。
紅楼夢側と秘封側とで参加数に偏りはあるものの、満了と相成った。
遠征好きのサークルが、遠野に関心を示した結果であろう。
加えて、東北各県(特に岩手県)のサークルも、地元という事で多くが参加。これも、満了の原動力となっている。
遠野は宿が少なく、会場でもある宿泊施設「あえりあ遠野」も早々に満室。遠野で宿を取る事は中々難しい部分もあったが、花巻・北上や盛岡といった、東北新幹線沿いの各都市は宿泊施設が豊富。
これらの町の宿を拠点とし、遠野に電車で来訪される方も、少なくなかったようだ。

私は、花巻駅からバスで30分、山中の「新花巻温泉郷」の一軒宿に宿泊した。
私が泊まったのは「鉛温泉」というところだが、そこから3kmぐらい離れた「大沢温泉」というところのお風呂に立ち寄ってみると、「歓迎 東方交流会様」なる立て看板がw
…どうやら、花巻温泉の山中にまで、遠野を目的とする「駐屯地」が形成されていた模様だw


当然、翌日の遠野行列車も、同業者ばかりで尋常ならざる混み方だったw
遠野経由釜石行の「快速はまゆり」は、3両編成の内2両が自由席・1両が指定席という編成だが、自由席はほぼ満席。立ち客も出たぐらい。(それでも、指定席車両はまだガラガラだったが…)
朝の花巻駅待合室は妙に混雑し、駅のホームも人でごった返す。そして、花巻まではガラ空きだった筈の「快速はまゆり」も、花巻を境に大混雑w
なお、新幹線との乗り換え口でもある「新花巻駅」でも、花巻駅ほどではないが、それなりに乗客が乗り込み、混雑をより一層エスカレートさせていったw

花巻を出て約45分で、10時15分頃に、遠野に到着。ローカル線ゆえ、運行本数の少なさには注意が必要だが、快速で45分はスピーディーだ。花巻を拠点にしても、遠野行きに不便は感じず済みそうか。
ちなみに、遠野駅で降りた人間は、【乗客の約98%(推定)】ぐらいだろうか。
ローカル線の小駅・遠野駅の入り口から、人が次々吐き出される光景は、中々お目に掛かれない、圧巻の光景だ。


会場の「あえりあ遠野」は、遠野随一のシティホテル。駅から少し離れているが、徒歩10分以内でたどり着ける。
10年近く前にこのホテルにご縁あって宿まった事もあったが、料理も美味で、温泉ではないものの大浴場も充実。部屋もきれいに整えられ、なかなかのグレードのホテルという印象だった。
遠野は無論、三陸海岸沿岸部を含め見回しても、このグレード以上のものは見当たらないと思う。
ここの良さは一度泊まって知っているだけに、泊まれなかったのは残念。まあ、このイベントが開催が決定するや否や、速攻で部屋が埋まったらしいし、仕方ないか。
今回は、このホテルの2階・コンベンションホールを即売会会場に充てての開催となる。

初動待機列は、10時30分過ぎに形成。おおよそ約100人弱。
遠野からの列車を降りた人達が、会場に辿り着いた頃合いの列形成だ。
開場直前には、150人以上に膨れ上がっていた。

参加者の特徴としては、一般・サークル・スタッフを問わず、明らかに【どこかで見かけた面々】が目立つw
聖地開催型のオンリーである以上当たり前だろうが、普段様々な東方オンリーに遠征する好き者どもが、全国各地から遠征して遠野に集結している構図だ。
会場内で取ったアンケートによると、それでも一番多いのは、岩手県内からの参加者だ。沿岸部・内陸部問わず、県内幅広い地域から遠野に集結している。関東・関西からの遠征組も多いが、同時に、近隣地域でもある宮城や青森・秋田からの遠征も目立った。
考えてみれば、これまで東北では、仙台で散発的に東方オンリーが開催されたものの、北東北3県(岩手・青森・秋田)では、この遠野が初の東方オンリーだ。北東北で開催されるまたとない機会、という事で、皆ふるって参加したのだろう。
純粋な地元…遠野近辺からの参加者は、流石に余りお見かけしなかったが、隣の音楽発表会のイベント参加者が、興味を持ちこっちにも立ち寄って下さった、という事例もあったようだ。(その方は、昔有明に行ったこともあるとか…?昔の血が蘇ったのだろうかw)
なお、最遠の参加者は、北米バンクーバーからとのこと。次点で長崎県対馬市、他にもごく少数だが、中四国・九州からの参加者も。

即売会自体は、流石に東方オンリーの開催経験豊富な方々だけに、全く問題なく進んでいった。
参加者がどの程度来るのか読めない部分もあったが、終始人の出入りが多く、適度に賑わっていたと思う。
カタログも、開場後1時間もしない内に完売した。


聖地開催オンリーである以上、遠征参加者が過半数だ。
それを見越してだろうか。遠征の記念品となる物販の充実ぶりも、このイベントの特長と言えよう。

先ず、本部で販売していた「河童弁当」
これは、あえりあ遠野で製造・提供しているお弁当に、秘封倶楽部のイラストをノシ紙として被せた「萌え弁当」だ。
価格は1300円と高めだが、過去宿泊した時飯がやたら美味かったのを記憶していたので、「あえりあ遠野の料理なら安心だ」と判断し購入。
予想通り、地産の食材も豊富に用いた、美味な弁当だった。
このお弁当は、開場後5分で完売。「なのは」並みの速さでの完売だった。

公式グッズでは、「河童捕獲許可証」も頒布していた。
元々遠野の観光公社が販売しているグッズだが、これに河城にとり等河童の妖怪のイラストを添え、東方色豊かなグッズに仕上がった。観光公社と主催側との、コラボグッズと言えよう。
これも、開場後程無くして完売となった。

この他、企業出店という形式にて、遠野の観光公社が地元の土産物などを販売。お土産の品揃えは豊富だったが、酒類は「受注販売」という事でその場で購入できなかった点がいささか残念。
ただ、遠野の観光業者も潤いつつ、我々参加者も旅の記念品を購入できる。両者にメリットのある取り組みだったと思う。

この「聖地」開催オンリーの良い点としては、観光公社等地元団体との協調が上手くいった所が挙げられる。
ただ単に「聖地」に箱を用意し、即売会を開催する…ここまでならば誰も出来る、とまでは言わないが、比較的難易度は低いと思う。

地元の団体を上手く巻き込むとなると、その分難易度は上がるだろうが、メリットも多々ある。
先ず、地元との協調を図る事により、地元とのトラブルなく開催する事が出来る。我々は、「聖地にお邪魔している」立場であり、決して「開催してやっている」立場ではない。地元とのトラブルを起こさず、平穏に終える事が望ましいと言えよう。

地元の協力を得られる事で、参加者にとっての、そしてイベントにとってのメリットも大きい。
聖地オンリーにおいて、参加者の大半は遠征参加者。折角現地に足を運ぶのだから、ご当地の美味いものでも食べたい、ご当地の名物を買いたい…そう思うのが人情であろう。
地元の協力を得られる事で、会場内に地元の名物を販売すえる業者が出店する。そこに足を運び、買い物や飲み食いを楽しめる。その分、参加者の満足度も高くなる。

例えば、諏訪の東方オンリーでは地元業者と提携しての酒類や弁当の販売が恒例。舞鶴の艦これオンリーは地元業者の協力で海産物に舌鼓を打てたと聞く。また、豊郷のけいおん!オンリーでは、地元業者の出店により、当地で不足がちな供食機能を強化した。
これらのオンリーは、上手く地元との提携を進める事により、オンリーに彩を添え、参加者の満足度向上に貢献している。
(大洗ガルパンオンリーに至っては、中止の危機も、地元業者が会場を提供してくれたおかげで救われたぐらいだ)

聖地オンリー開催に当たっては、地元との提携は、非常に大切な要素と考える。
場合によっては、オンリー成功の可否をも左右しかねない。
今回のオンリーも、地元・遠野市の観光公社等と提携を密にし、遠野遠征の記念となる物販を充実させることができた点は、大変良かった点だと思う。


総じて見て、決してアクセスが良いとは言えない遠野での開催ながらも、全国各地から遠征者が遠野に集結。地元との提携にも成功した。何百人もの参加者が訪れ、賑わいを見せた、聖地開催型オンリーイベントであったと言えよう。
(何故か都内イベより売り上げが良い…ええと、ここ遠野ですよね/汗)
最近は艦これが一大ムーブメントだが、こうして全国各地から遠野に集結する様を見ると、東方ジャンルの活気も、艦これに決して負けてはいないとも思う。
遠野で足を運ぶのも決して楽ではなかったが、苦労して足を運んだ甲斐のあった良即売会であったと思う。


なお、最後にオチを少々。閉会は15時だが、帰りの電車の都合もあった為、閉会直後の15時13分遠野駅発「快速はまゆり」に乗って帰る事とした。
少し余裕を見て、閉会少し手前の、14時40分頃撤収した。
歩いて10分、駅に到着する。駅の構内を見て、私は驚愕を覚えた。

立 錐 の 余 地 な い レ ベ ル の 混 雑

決して広くは無い遠野駅の構内。列車待ちの乗客で渦巻いている。
これは明らかに、私も乗る、15時13分発「快速はまゆり」待ちの乗客…というか我々の【同業者】である。
中で待つのもゴミゴミしていてしんどいので、駅構外に脱出。喫煙所で時間を潰した。
そうこうしている内にも乗客はどんどん増え、ピーク時には、駅構外にまで人があふれ出す始末だw

これほどの混雑では、座れないかもしれない。
そう思った私は、520円を拠出して指定席券を購入した。行きの混雑した列車ですらも、自由席に座れるから不要と目もくれなかった「指定席」の車両を目指したが、この判断は間違っていなかったと思う。

何故なら、「快速はまゆり」遠野出発時点の状況は…1〜2号車は座れず立ち客多数。3号車指定席も、ほぼ満員だったからだ。
指定席券を買わなかったら立ちっぱなしで難儀したはず…指定席券買っておいて良かった…心からそう思った。

しかし、行きも混んではいたが、それでも3号車指定席はガラガラだったはず。
1〜2号車の自由席も、座れないレベルではなかった。
行きの混雑を圧倒的に凌駕した、帰りの列車であったw

なお、この「快速はまゆり」は、新幹線の接続駅でもある【新花巻駅】で乗客の9割が下車した事も付け加えておきたい。
乗客のほとんどが、新幹線利用の遠征組であった、という事だ。

私は花巻までこの列車に乗ったが、一気にガラガラとなった車内の光景を眺めながら、心の中で呟いた。


…嫌な…列車だったね…