山梨県を地盤に活動する同人誌即売会「コミックチャレンジ」の主催・アニメ倶楽部甲府が、昨年以降、東方オンリーに進出した。
昨年12月「東方甲州祭」を開催。サークル数は20サークル程度と少なめだが、多くの来場者に恵まれ、順当に終了した。
また、今年2月には静岡のローカル線・天竜浜名湖鉄道を貸し切っての東方イベント列車「東方遠州祭」を開催するなど、静岡県内にも進出。積極的な動きが目立つ。

「コミックチャレンジ」参加者からの要望を受けて東方オンリーを立ち上げた、という経緯もあって、立ち上げ当初は、東方については余り詳しくなさそうな雰囲気だった。
オンリーを開くに当たり、東方を一生懸命勉強した。その努力は評価して然るべきだろう。
だが、勉強し過ぎてか(?)自身で東方グッズを開発するなど、東方という「沼」の深みにハマってしまったw
…その結果、主催氏の熱意が漲る東方オンリーに仕上がった、という事になろうw

★詳細は、当ブログ昨年12月記事をご参照いただきたい
12/8 山梨県甲府市東方オンリー「東方甲州祭」(前編) http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51976470.html
12/8 山梨県甲府市東方オンリー「東方甲州祭」(後編) http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51976873.html

3月23日は元々別の予定が入ってはいたが、その予定がお流れに。空いたスケジュールに、どこかの即売会参加を組み込めないかと模索。
「東方甲州祭」が熱意の強さから好印象だった事、また静岡の即売会は久しく参加していなかった事から、甲州祭と同一主催が営む「東方駿河祭」への参加を決意した。

とは言え参加を決意したまでは良いが、締切を過ぎていた事が判明。
締切後の申込は電話で相談を…とか「コミックチャレンジ」の公式サイトに書いてあったので早速電話。2〜3日程度の遅れなら問題ない、とのことで申し込むことに。
電話一本でスピーディに事を運べる点は、この即売会主催の長所となろうか。(普通の主催が、電話窓口設けるのは難しいだろうし)
参加費払込に振込が使えないのが不便なのは否めないが、(それをフォローする意味もあるとは思うが)現金書留による決済もOKとの事。申込書と現金を封入して申し込む。
とは言え、やはり振込可能な方が有り難い。振込可どすべきだ!と強硬に叫ぶつもりはないが、将来的な検討課題の一つとしていただければ幸いである。

こうしてサークル参加する事となった私は、「青春18きっぷ」普通列車乗り継ぎで、沼津に足を運んだ。
会場のキラメッセ沼津は、JR沼津駅から徒歩3分の好アクセス。最近立て替えたばかりで、新しくきれいな会場だ。
甲州祭参加時、サークル入場が一般入場11時の30分前・10時30分は、サークルの準備が慌ただしいのでは?と指摘させていただいたが、今回駿河祭においては、10時には開場していただけた。(一般入場11時は変わらず)
サークルとしても、準備時間が長く取れる方が有り難いので、この改定は、歓迎すべき改善だ。
入場口で、主催謹製・朱の鳥居とノボリがお出迎えする光景は、コミックチャレンジ系列東方オンリーの風物詩。今回も健在である。
(鳥居の固定にちょっと苦心した形跡が見え隠れしたような気がw)

今回のサークル規模は36sp。空きスペもあるので、実質30spぐらい。
サークル数ベースでは19サークル。
何故か大手有力サークルの「豚乙女」さんや「幽閉サテライト」さんが、遠征してサークル参加。
サークル数は、明らかに甲州祭よりも増えている。

来場者も、甲州祭より多い。
甲州祭では列整理の必要性もなかったが、駿河祭は、朝10時の段階で50人ぐらいはおり、列整理が必要なレベル。
初動は100人ぐらい、最終的には400部刷ったカタログが完売したので、400人以上の来場数は間違いない。
サークル数の増加以上に一般参加者の増加が著しく、来場数をサークル数で割った「動員係数」は20超。
数年前の「東方バブル」の頃ならいざ知らず、近年の東方オンリーで動員係数20超えは珍しい。
明らかに来場者過多で、手応えを感じたサークルさんも少なくなかったのではないか。
ちなみに、来場者は中・高・大学生の男子が多かった。一般参加者は、地元民が多いと考えられよう。

甲州祭・駿河祭、サークル参加した私の目から見ても、明らかに駿河祭の方が、手応えは大きかった。
静岡東部の東方熱は、今なお、なかなかのものがあると思う。

運営面を見ると、「東方俳句」「オークション」「東方クイズ」など、「甲州祭」での豊富な企画をそのまま取り入れている。
主催氏のサークルで、自作の東方グッズが頒布されているのも、甲州祭と同様だ。
甲州祭で私が注目した、主催氏頒布の「文々。新聞」も健在だ。今回は、12月の甲州祭を射命丸文がレポートする、という設定だ。

駿河祭独特の企画としては、痛車展示会が挙げられる。
キラメッセ沼津という広めの会場を生かした企画で、痛車6台が参集。痛バイクも2台展示された。
また、今回は会場内に屋台も登場。クレープやホットドックを調理・提供するお店で、常時人だかりができていた。

課題としては、やはりスタッフが不足気味な事だろう。
(これは駿河祭のみならず、コミックチャレンジ系列イベント全てに言える事だが…)
前回の甲州祭は狭い会場という事もあり、会場全体に目が行き届きやすかった。スタッフ不足気味とはならず済んだと思う。
しかし今回は、甲州祭の2倍以上の広さを持つ、キラメッセ沼津での開催だ。会場が広い分、人手不足気味に映った。
とは言え、開場までが慌ただしかった程度で、開場後は問題無かったが…
ただ、イベント告知に来ていた某東方オンリー主催が、人手が足りないということで、急遽会場外の列整理を手伝ったという1コマはあった(10分程度だとは思うが)。

実際、「東方駿河祭」パンフレットによると、普段のスタッフが全員参加できず、「東方蓬莱祭」(主催・ツインポケット)スタッフやその他応援スタッフの助力を得ている旨が記されている。
わざわざカタログに書くぐらいだから、スタッフ人員面における台所事情は、相当良くなかったのだろう。
今回は、東方蓬莱祭/ツインポケット側との提携・協力により何とか回す事ができたのだろう。
自前でスタッフを用意できればベターだとは思うが、今回のような万が一の事もあるので、今後も、蓬莱祭/ツインポケットとの協調関係を密に取ることが望ましい。

もう一つの課題は、その東方蓬莱祭/ツインポケットとの「日程調整」の問題である。
確かに、静岡県東部の東方熱は、一般来場者も規模の割に多く、今もなお相当のものがある。
ただ、その背景には、これまでこの地域に東方オンリーが無く、イベントに飢えていた、という事情もある。

しかし今現在、「東方駿河祭」「東方蓬莱祭」2つの有力オンリーが、この地域には並立している。
蓬莱祭は年2回以上のペースで開催するだろう。
駿河祭も今年の開催は今回限りだが、富士市での開催を9月に予定している。また、来年3月の「駿河祭」は、「2015前編」と銘打っており、年2回以上の開催を示唆している。

両イベント合わせ、年4回以上の開催は、いくら静岡県東部が東方熱の強い地域とは言え、開催回数過多だ。
開催回数が多いと、いくら静岡県東部が東方熱の盛んな土地柄とは言え、その内食傷気味となるだろう。
飽きて一般・サークルともに目減りし縮小する、「共倒れ」の未来が予想される。

これを防ぐ為には、両イベント共【年1回】程度(沼津・富士合わせて)にイベント回数を抑制する。そういう方向性が考えられよう。
(そういう意味でも、両イベントは密な提携・協力関係を維持いただきたいとも思う)
両イベント間で、開催日程についての話し合いを定期的に持ち、せっかく立ち上がった2つのイベントを共倒れさせず、大事に育てていくべきではないか。そう私は考え、両イベント主催様にはお願い申し上げたい所である。