6月15日、私は「夕張まんがメロン祭り」にサークル参加させていただいた。
元々この即売会は、2010年より、「夕張まんがまつり」名義にて、同人誌即売会のを通じての「まちおこし」という理念を持ち、開催されていた。
私も、色々事情あり、夕張とのご縁が深い身。夕張を応援したいとの思いもあり、2010年〜2012年の計3回参加させていただいた。(但し2010年は本人が行けず、他の方に売り子をお願いした)

【参考リンク】
2010年「夕張まんがまつり」論評(前編) http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51655859.html
2010年「夕張まんがまつり」論評(後編) http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51655898.html
2011年「夕張まんがまつり」論評 http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51812163.html
2012年「夕張まんがまつり」論評 http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51891280.html

…ただ、2012年の「夕張まんがまつり」が正直イマイチだった事もあり、参加する気が失せたのは、今だから言える事実。
2013年は参加せず。「夕張まんがメロン祭り」と改題した今回も、参加する気は無かった。

折しも「艦これ」のレア軽巡艦・夕張が、いくら挑戦しても入手できなかった時期。
「夕張ちゃん入手したら夕張まんがメロン祭りに参加する!」と私は宣言した。
夕張が入手できないと見越し、これを「夕張まんがメロン祭り」不参加の口実としようという算段だった。

その宣言の僅か3日後…あっさり夕張が手に入った。
こうして私は、意図に反し、「夕張まんがメロン祭り」に、サークル参加する事となったw

今回の「夕張まんがメロン祭り」は、左前で衰退傾向、オワコン寸前の即売会だったのに、新たな力が吹き込まれV字回復。これまでに無い盛り上がりを見せて復活蘇生した。
そういう即売会だった、と私は位置付けている。
「夕張まんがメロン祭り」には、全国各地の衰退傾向の即売会にとって、衰退からの脱却、そして復活への道標となる「ヒント」が隠されている。
意図せず参加を強いられた即売会ではあったが、結果的に、「行って良かった」と断言できる即売会であった。
以下、当日の状況を振り返りつつ、この即売会の「復活」「成功」の要因を指摘して行きたい。

朝6時成田発のLCC・バニラエアは、無事7時30分に千歳に到着した。
ここから乗り継ぎを経て、南千歳から、帯広行の特急「スーパーとかち」に乗車。
新夕張で降り、夕張行きの汽車に乗る…これは2年前の「夕張まんがまつり」に参加した時と同じルートだ。
新夕張は特急停車駅とは言え、周辺人口も数百人程度の閑散とした駅。2年前は、私以外、誰も降りる人はいなかった。
…ところが。今回は、新夕張駅の階段を降りる私の後ろから、大量の足音が聞こえてくる!
後ろを振り返ると、30人以上の大軍が駆け足でこちら(が歩むのと同じ方向)に向かっているではないか…!

じぇじぇ!これはただ事ではない!

私は慌てて、夕張行きの列車に急いだ。
いや、快速ムーンライトながら到着後の、大垣駅での接続列車の座席争奪戦…所謂「大垣ダッシュ」と同じ臭いを感じまして。
でもさぁ…ここ…新夕張ですよね…(汗)

結局、座席に座れないという事は無かったものの、1両編成に30人近くが乗り込み、ほぼ満員状態。
3月にお邪魔した、岩手県遠野市で開催された東方オンリーへのアクセス列車の混雑に比べるとスケールは小さいが、夕張にも、遠野の時と同じ雰囲気を感じた。
あ、ちなみに、2年前の同じ列車には、3人しか乗って無かったと思います(汗)

こうして、同業者を多く乗せた列車は、夕張駅に到着。
昨年までは、夕張駅前のリゾートホテル「ホテルマウントレースイ」内のレストランを、即売会会場として充てていた。
だが今季は、マウントレースイが混み合い会場としての利用が困難な状態。
そこで、会場を、駅から1km弱北の「アディーレ会館ゆうばり」(旧・夕張市民会館)に移して開催することとなった。
近くには夕張市役所、ハローワーク、商工会議所、警察署等もあり「官庁街」的な立地だが、この地区(本町地区)の人口流出は夕張の中でも特に著しく、現在地区の人口は1000人程度。空き家も多く、人通りも少ない、閑散とした街並みだ。
会場のアディーレまでは、駅から徒歩10分程度、そんなアクセスも悪くは無い。
ただ、荷物も重たい上起伏のある道のりだったので、タクシーを利用して会場入りする。

会場「アディーレ会館ゆうばり」目の前の駐車場は、痛車展示場として充当。
痛車展示の復活は、素直に嬉しい。
ただ、痛車は4台ぐらいしかなく、せっかく広めの駐車場を用意したのに、残念な展開。ここは盛り上がりに欠けた。
後述するが、痛車展示の活性化は今後の課題となるだろう。

今回は、「まんがメロン祭り」用にのぼりを随所に立てている。
痛車展示場にも立っているし、会場入口にも立っている。
こういう小道具もまた、場の盛り立てに貢献している。
と同時に、今までの「夕張まんがまつり」とは、気合いの入り方が違ってるな…とも感じた。今までのぼりを用意したことも無かっただけに、そう感じざるを得なかった。

今回は来場者も尋常ではなかった。
会場一時間前の時点で、待機列は100人を突破。最終的にどこまで伸びたかはカウントしていないが、200人近くに達したのではないか。
イベントパンフレットは、開始30分もしないうちに300部が完売。
狭い会場なので段階的に入場制限を掛けたが、全員会場に入り切るのに40分近くもかかった。

最終的には、700〜800人来場とも囁かれている。これは、相当の盛り上がりを見せた、2010年の「夕張まんがまつり」に並ぶ水準。
昨年は300パンフ刷って100以上は余ったと聞くので、昨年との入場者数の差は、歴然としていよう。

このイベントは、前日からジンギスカンパーティーを「前夜祭」的に開催しているが、これも数十人集ったと聞く。
ホテルでの宿泊プランも、30〜40人が利用。
共に、例年を上回る数字。来場者の多さを裏付けているだろう。

今回は、サークル参加も尋常ではなかった。
このイベントは、東方オンリー「東方嶺水祭」も併催しているが、今回は更にこの地に因み、艦これ・夕張メイン軽巡オンリー「お、置いてかないでよぉ!」も併催。
オールジャンル側に9サークル。艦これ夕張オンリー側に5サークル。東方側には14サークルが集まった。
3イベント合わせ、28サークル39spという数字は、これまでに見られない水準。間違い無く、過去最高の規模だ。

とは言え、ここまで来場者が多いのには、当然理由がある。
お昼12時過ぎから、東方大手サークル「幽閉サテライト」が手がける音楽ライブ「森羅万象ノ宴」が、この即売会との併催形式で、開催される。
ライブ出演サークルの面子も豪華で、集客力も高い。ライブ目当てに夕張に引き寄せられた参加者が多数、というのは言うまでもない。
ライブ出演サークルは、即売会側にも出店し、参加サークル数も押し上げている。

サークルの立場としては、こう考えた。
ライブ目当ての参加者が多いから、ライブ開催中は皆そちらに吸着される。その間は、作品も売れないものと諦めよう。
…俺も音楽ライブ見たいし、その間は無人店舗にしてやるw
しかし、ライブ目当てとは言え、ライブが始まるまでは、皆さんサークルを回ってくれる筈…STRIKE HOLEとしては、開場からライブ開始までの60分が勝負。その間に頑張って売ろう。
そんな風に作戦を練った。

それに、これまでの「夕張まんがまつり」だって、最初の30分にどっと人が押し寄せ、それ以後は人出もまばらだった。
元々、そういう傾向が強いイベントなのだ。
今回は、ライブの登場で、それがより一層顕著になった、というだけの話だ。

ただ、12時にライブが始まっても、入場制限で遅めに会場入りした人が残っていたせいか、減ってはいるものの少なからず巡回者はいた。
巡回者も無くなり、人出もまばらになったのが12時30分過ぎ。
そこでようやく無人店舗化し、サークルを離れた。

併催オンリーの影響を大きく受けてか、艦これと東方のBGMが流れる館内を抜け、外の様子を見る。
用意された野外コスプレ広場には誰もおらず。会場内のレイヤーさんも、幽々子や霊夢、レミリア、金剛がちらほら見かけた程度で、余り多くない。
コスプレ参加者が、以前に比べ明らかに激減している。これも、このイベントの課題となろう。

会場周辺を散策。
普段閑散とし人っ子一人見ない市役所の近辺だが、今日は若いのがちらほら。「まんがメロン祭り」効果で、少しは人の往来が出てきた。
近隣のカレーそば屋「吉野家」は、夕張のB級グルメ・カレーそばを提供する老舗の蕎麦屋だが、ここも若いのでごった返す。島風のトートバック持ってる方もいらっしゃったので、間違い無く同業者だw
周辺で他に食事をとるお店もなかなか見当たらない、という事情もあるにせよ、夕張でこの混雑は、やはり異様であろう…

吉野家で昼食を済ませ、アディーレ会館ゆうばりに戻る。
この会場の入口入って右手側の、元レストランだった空き部屋が、即売会会場だが、今回は左手側に向かう。
こちらには、ステージ付のホールがあり、ここで音楽ライブ「森羅万象ノ宴」が行われている。

よくよく考えてみれば、このホールは、世界的にも著名で、夕張を「映画の街」としても知らしめた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」のメイン会場である。映画祭の時は、ここで映画の上映や式典が開催される。
そういう由緒のある会場でライブ、というのも贅沢だなぁと感じる。
ホール内の音響もしっかりしている。防音も完璧なので、以前「夕張まんがまつり」の時に指摘したような、隣のライブの音量がサークルの頒布や交流の妨げになる、ということもない。

今回は普段の会場が使えず、やむなく会場をここに移したが、「音楽ライブ」という企画は、新しい会場の特性と相性が良い。
災い転じて福となす、という訳ではないが、新しい会場の特長を上手く活用した企画を打ち立てることに成功した、とも感じる。

ホール内は数百席の客席。映画祭の来場者を収容する為には、このぐらいの規模でないと間に合わないのだろうが、今回の来場者規模からすると、少し大きめかも。
ライブで盛り上がりたい方は、サイリウム持参でステージ前方に陣取り、まったり鑑賞したい方は、後方の席ががら空きなので、自由に座れば良い。
自分のペースに合わせて楽しめたライブだったと思う。
見た感じ200〜300人は常時居り、前方の皆さんの熱狂的な盛り上がりもあり、上々にライブも終わった。

14時30分にライブ終了。ここから15時の即売会終了までが、サークルとしても頑張りどころ。
ライブを観た皆さんが、即売会会場に戻り、再び開場直後の活況が蘇る。
私もサークルスペースに戻り、作品の頒布に励む。
最後のラストスパートでそれなりに捌けた。珍しい展開だが、これも今回のタイムスケジュールゆえの特徴だろう。

こうして、今回の「夕張まんがメロン祭り」は、これまでにない盛況を見せ、終了した。
「成功」と評して問題は無いだろう。
次回記事(後編)では、「夕張まんがメロン祭り」成功の要因を論じつつ、今後の課題についても少し触れていきたい。