8月10日、私は山形県酒田市のオールジャンル同人誌即売会「カーヴィルソールスマック」にサークル参加させていただいた。
この即売会は、山形県の日本海側…いわゆる庄内地方を地盤に、安定・継続開催を続ける同人誌即売会。
通算開催回数は30回以上に及び、今年で10周年との事。

前から注目しており参加を検討。
実際2011年春には、スケジュールも合いそうなので一般参加を予定していたが、東日本大震災の余波で断念…
あの時以来、実に3年越しの宿願であった。

山形まで夜行バス。そこから新庄まで進み、新庄で乗り換え日本海側・酒田に出る…予定だったが、新庄から酒田に向かう陸羽西線が、強風でまさかの運休…
参加断念も覚悟したが、JR東日本が代行バスを出してくれたお陰で何とか酒田に辿り着く。
会場の「酒田勤労者福祉センター」までは駅から徒歩20分とやや遠い。時間も押しているので、今回はタクシーに飛び乗る。
こうして何とか、開場11時ちょい手前に到着。かろうじて遅刻せずに済んでひと安心、である。

さて、開場はしたものの、一般参加者の初動も、20〜30人と少なめ。
サークル規模は40spとまあまあ集まったものの、半分近くが開場時におらず。
コミケ前という時期的なものもあろうが、それ以上に、天候が影響してるのだろう。
日本海側は台風の影響で風が強く、私が乗る予定だった陸羽西線はバス代行。羽越本線も遅れや運休が頻発し、ダイヤが大幅に乱れていた。
「来たくても時間までに来れない」方が、多かったのだろう。
実際、時間が経つに連れ、空席だったサークルスペースも埋まったし、一般来場者も増え賑わう。
地方開催の即売会は、全般的に来場者が尻上がりな傾向にある。酒田もこの傾向通りなのだろうが、この天候によるダイヤの乱れが、それに拍車を掛けたと思う。

頒布物傾向としては、ラミカやアクセサリーを中心とした小物系が多いのは、よくある傾向。
ただ、この即売会では、同人誌を頒布するサークルも少なくなかった。
年齢層的に、年長のサークルも決して少なくはなかったが、同人誌率の高さとの関連性はありそう。

ジャンル傾向としては、創作オリジナル・ハイキュー!が突出していた。
共に、7〜8サークルぐらいで、40spという規模を考えると多いと思う。
他はバラバラで、1サークル1ジャンルの様相だ。
東方Projectも、当サークル以外に1サークルあったぐらい(但しメインは艦これ)なので、個人的に少し寂しい(汗)

このイベントの特徴としては、「コス衣装のレンタル」なんてのを実施しているところ。
若い世代が多い即売会だけに、同人初心者も少なくない。
そういう方々にも、気軽に楽しめるよう取り計らった試みである。
また、コスプレスペースでは、各種背景布に加えて、ソファーセットで置かれている。ソファーを使った撮影が出来るのかな…とか思ってたら、実際にはレイヤーさんがソファーにタムロして【ラウンジ】と化していたw

館内には、イラストコーナーや落書きコーナーも設置され、力作が披露されている。
これを眺めるのも、また楽しい。
これらの企画も、同人初心者にも気軽に参加できるような企画であろう。
企画全般が、そういうものを取り揃えていそうだ。

他の企画としては、ビンゴ大会も用意されているが、ひと工夫が図られ、これは特筆すべきと言ったところ。
やり方としては、12時・13時・14時に、少しだけ数字を読み上げ小出しに。15時で一気に勝負を付ける、という手法だ。
この方法は、ビンゴの数字を読み上げアナウンスする事で、間延びを防ぐ効果がある。
人間、1時間も経つと退屈になるもの。1時間置きのアナウンスも、退屈になりかける頃合いを見計らうかのタイミングで、絶妙だ。
また、15時にビンゴ本番だとアナウンスを入れる事で、15時までの会場滞留率を上げる効果ももたらした。
先に、来場者も尻上がりと評したが、この工夫も、後半の盛況に寄与しているだろう。


このイベントは、主催さんがサークルと積極的にコミュニケーションを取っている印象だ。
主催と参加サークルとが気さくに会話を交わしており、人間関係がしっかり出来ているかのように映る。
庄内地方も人口はそんな多くはなく、サークルも、決して集まりやすい環境とは言えない。
それでも、サークル数は40spと相当健闘している。
これも、主催とサークルとの間で、人間関係ができている事が一因だろう。
仲良くなったサークルなら、あの野郎がイベントやるなら参加すっぺ、という心情になりやすいからだ。

地方の即売会は、お世辞にも来場者が多いとは言えない。
サークルで参加しても、そんな売れる訳でもない。「売上」を重視するならば、魅力に欠けるだろう。
にも関わらず、サークルは何故足を運ぶか。それは、「そこに行けば仲間に会える」からだろう。
即売会は、人と人とを繋ぐ「コミュニティー」としての「場」でもある。
そして、主催がサークルと人間関係を築けられれば、その「会える仲間」の中に、主催自身も加わる。サークルがその即売会に足を運ぶ動機も、より強いものとなる。
そうして、当地の同人者をリピーター化出来ているからこそ、安定して参加者を集められているのだ。

そう言えば、イベント全般を通して感じた事だが、このイベントは、「アットホームな空気」が流れている。
悪く言えば「内輪」なのかもしれないが、そういうアットホームな空気が、穏やかな雰囲気や居心地の良さを生んでいる。
人口や市場規模の割に参加者を集め健闘している秘訣としては、主催が参加者とコミュニケーションを密にしている事に加え、このアットホームな空気も挙げられるだろう。


さて、「カーヴィルソールスマック」の活動は、同人誌即売会の枠に囚われていない。
9月7日にはアニソンライブ「こあそーる」を開催。
他にも「学生ミーティング」(学ミー)「若者ミーティング」(若ミー)といった世代別のオフ会/交流会を開催している。

とある地方即売会主催からの聞きかじりだが、最近の地場のオタクコミュニティーを支える場は、昔のように即売会一辺倒ではない。
オフ会だのコスイベだの、他にも様々な場が存在し、細分化傾向にある。
だからこそ、こういう即売会「以外」の場を創ることは、即売会では取り込み切れないオタクの受け皿になるから、意義ある取り組みだと思う。
こういうイベントを通じ、当地のオタクコミュニティーの輪が広がれば、即売会の方にも良い影響を及ぼす事も期待できるだろう。各イベント間の相乗効果が出てくれば、しめたものだw
芋煮会だとか山形ならではの取り組みも見られるし、これらのイベントも、楽しいものになることを期待したい。

ただ、サイト上で余り情報が流れて来ないのがネックだ。
現状ではGoogleカレンダーに日程がぶち込まれてるだけで、いつイベントがあるのかが分かる程度にとどまっている。
正直、何のイベントなのかが全く見えてこない。
私も、これらのイベントは、名前だけは聞いていたが、即売会に足を運ぶまで、何のことかさっぱり分からなかった。
何のイベントかが見えてこないから、初見者には敷居が高く、取っ付きにくくしている。
これらのイベントは、それ専用の告知ページを設け、どんなイベントか紹介しても良いのではないだろうか。

私が思うに、酒田のオタクコミュニティーは、同人誌即売会「カーヴィルソールスマック」が核とはなるが、周辺の関連イベントの興隆も、今後を占うポイントになると思う。
これらのイベントも盛り上がり、当地のオタクコミュニティーが、より堅固に培われていく事を、願ってやまない。