★今回の記事作成に当たっては、多くのサイトを参考にしつつ執筆させていただいたが、以下のブログ記事がリンク集的機能を有している。
私も参考にさせていただいた、多くのサイトを収録している。
興味をお持ちの方には情報収集のお役に立てるであろうから、以下ご紹介申し上げる。

「ilyaの日記」様 「2014-11-09 同人誌即売会『浦賀船渠ノ航跡』開催中止


11月9日に開催予定であった、艦隊これくしょん「浦賀船渠ノ航跡」。
横須賀市の「産業交流プラザ」での開催。「横須賀生マレノ艦娘ノ為ノ艦これオンリー」と題した、地元愛に満ち溢れたイベント…になる筈だった。
サークル数も、50数サークルを集め、カタログも入稿。サークル案内も発送。
後は、当日の開催を「待つのみ」となった。

しかし、開催3日前の夜、「浦賀船渠ノ航跡」公式Twitterから、突然の中止を伝えるメッセージが流れた。

>@uragasenkyo 2014-11-06 20:03:41
>【緊急なおしらせ】正式なアナウンスはまた後ほどになりますが、諸般の都合により当イベントを中止せざるを得ないことになりました。開催数日前ながらこのような事態になりまして大変申し訳ありません。
>また、このツイッターアカウントも今夜中には削除しなければならない為、対応はメールにより行うことになります
>【緊急】なお、お手持ちの当イベント関連物について、必ずすべて破棄して頂けるようお願い致します

この3ツイートだけである。
これでは、いったい何の事か分からない。参加予定者に動揺が広がった。
しかも「イベント関連物を処分せよ」とか証拠隠滅(?)を参加者に要請するという謎のメッセージ付。
告知用のアカウントも今日中に削除する、という事で、ただ事ではない雰囲気を漂わせる。
事情も語らず、開催3日前に突然の中止とは、いったいどういう了見か。
このタイミングならば、サークルさんは既に宅配搬入を行っているだろう。あるいは、当日に新刊を間に合わせようと、必死に新刊準備に取り掛かっている頃だろう。
そんなタイミングで、しかも事情を話さず中止…余りにも有り得ない展開だ。

聞けば、「浦賀船渠ノ航跡」主催氏は、今年6月に交通系オンリー「ノリモノの学校」を、開催1か月前にサークルが集まらなかったからと「中止」を決めている。
今年二度目の中止、である。最早呆れて、怒り狂い青龍刀を振りかざす気力すらも沸いてこない。

「浦賀船渠ノ航跡」公式サイトは、その日の夜遅くに閉鎖されたが、Twitterでの中止告知から閉鎖までの間、若干のタイムラグがあった。
公式サイトを見ると、普段見られたイベントロゴ/社章等が削除された形跡を確認できた。そして、これが原因ではないか?とネット上で囁かれる。

このロゴ/社章は、1960年代まで横須賀・浦賀に実在した「浦賀船渠株式会社」のものをそのままパクっている。
浦賀船渠株式会社自体は合併を繰り返し消滅。現在は住友重機械工業株式会社の一部門となっている。
また、浦賀船船渠に関する諸権利は、住友重機が継承している。浦賀船渠の権利継承者・住友重機からのクレームではないか?と囁かれるようにもなった。
「イベント関連物を破棄せよ」という奇妙なアナウンスも、イベント関連物に問題あるから、と考えれば辻褄は合う。

「浦賀船渠ノ航跡」のサイト自体も、JR九州の寝台列車「ななつぼし」のページのパクリとも指摘され、主催=パクリ常習、というイメージが固まる。
主催がいろいろパクって問題化した、と考えるのが自然であろう。

やがて程なくして、「浦賀船渠ノ航跡」スタッフを名乗る「スミス@長野」氏がTwitter上に降臨。これが、11月6日の深夜の事である。
(氏については、この即売会の中止に大きく関わる超重要人物である。サイトにより、N氏・長野氏等表記が異なるが、当ブログでは、以後「スミス氏」と称したい。)

>スミス@長野@smithnagano 2014-11-06 23:24:47
>【浦賀船渠ノ航跡について】
>(前略)私も当イベントにおいてサークル参加を予定していたものであり、また同時に当即売会のスタッフとして10/18より運営に関与して参りました。
>(中略)事象を把握してから11/09まで、当即売会を実現し、成功に導くべく力の及ぶ限り努力をしてまいりました。
>ここで、皆様にご理解いただきたいのは、当即売会に関与したスタッフは私を始め大部分が10/18以降に関与したということです。
>10/18以前(5月頃からと記憶しております)より各所にて配布されていたフライヤー・webサイト・および(頒布予定だった)パンフレットのデザイン・内容に至るまで、全ては代表個人の手によるものであり、スタッフ達は関知しておりません。


問題として指摘されていたロゴは、自身が関与していない事の表明である。
ロゴの問題が原因で中止された事を前提とした発言であり、ああやはり、ロゴ(社章)の無断使用がクレームになって中止に追い込まれたんだ。私もそう納得した。

私はこの頃は、主催にはきっちり返金等の事後処理をきっちりカタ付けてもらわにゃあかんな… でもその前に、行き場を無くしたサークルさん(とその荷物)が心配だ。そんな思いを抱いた。
だが、そこに救世主現る。同日開催のミリタリーオンリー同人誌即売会「帝都軍事宴会 参」、プチオンリーに艦これオンリーを含む「ぷにけっと」、そして仙台のオールジャンル「杜の奇跡」…この3イベントが、急きょ「浦賀船渠ノ航跡」参加予定サークルを受け入れる旨の声明を出した。

そしてさらに、翌日11月7日には、有志サークルが、艦これオンリー「衣笠だけど浦賀の会」を立ち上げた。会場も同じ横須賀市内のはまゆう会館を手配。パンフレットも200部する等急ピッチの機動力で準備を進め、サークルを迎え入れた。
中止翌日の金曜日に会場を手配し、配置・簡易パンフレット制作もこなし、当日日曜日には30サークル以上を集める盛況に。スタッフも有能な腕利きが集まったようで、この盛況を下支えした。
僅か2〜3日でここまで持って行った主催氏の手際は、ケットコムがかつてエルシャダイオンリー立ち上げからわずか数日で100近いサークルを集めた伝説を思い起こさせる。これに勝るとも劣らぬ神域の良さ。

宅配搬入の荷物も、有志(航跡か衣笠のスタッフさんっぽい?)が宅配業者と連絡を取り、衣笠なり他イベントなり返却なり、各サークルの動向に合わせ処理した。
(本来これは「浦賀船渠ノ航跡」主催が、中止の事後処理の一環として行うべき話なのだが…)

急な中止により、行き場を失ったサークルは、これらの各救済イベントに吸収され、何とか落ち着けたのではないかと思う。


そして11月8日(「航跡」開催前日)、航跡主催より、Twitter上での声明が発表された。
明日、開催当日の午前中に、中止に関する説明会を実施する旨がアナウンスされた。また、中止に関する経緯について、Twitter上での簡単な報告もあった。

浦賀船渠ノ航跡 広報@uraga_seisan
>続いて今回中止となった経緯についてご報告致します。
>イベントのチラシ、パンフレット等制作物においてオリジナルではない物を使用しておりました。その事についてスタッフより報告がありました。
>このことに関して検討した結果、このまま継続すると重大な問題に発展する恐れがあったため、スタッフが全員辞退を申し出ました。
>これにより、当日運営するスタッフがいなくなりました。
>指摘された箇所について修正・差替等を行えるよう調整してまいりましたが、途中で資金繰りが困難になりました。
>
>一、ロゴの使用について折り合いがつかなかった。
>ニ、スタッフが全員辞退し、当日の運営が困難になった
>三、資金難に陥り、運営の継続が困難になった
>これら三点の理由によりイベントの中止を決断いたしました。

こんな感じでアナウンスが成され、当日、説明会が実施された。
経緯説明や質疑応答が行われたようだが、私は当日、北海道コミティアにサークル参加していたため、足は運ばず。
ただ、この説明の中にある「権利者」とはいったい誰なのだろうか。そこが気にはなっていた。
(詳細は、Twitterの実況まとめを確認されたい。)

中止の経緯については、こんな感じだろうか。

>みさきまぐろ(キハダ)@misakimaguro 2014-11-09 10:08:48
>イベントを実行した場合、権利元からイベント開始前に強制閉会されるとの事態が発覚。ロゴの変更などをしてもイベントの中止措置はとられる事が、分かったため。中止の告知を出した

>赤坂 翔/ななごー/三日目オ-36a@scarletshow 2014-11-09 11:07:01
>中止が勧告されてから決定まで一日あったとの事だが、その最中になぜサークルにメールなどがされなかったのか「パニクっていた。考えられなかった」
>なぜスタッフと協議しなかったか「(長野氏から補足あり)小川が独断で開催を強行しようとし、最終的に中止を決定した」

>濱澤更紗@koumyonakakureg 2014-11-09 11:07:03
>権利者側から中止したほうがいいじゃないか-スタッフはやめろと言った-主催は強硬-やってられんとスタッフ離脱-以降の中止判断が主催一人の判断(元スタッフより説明)

権利者から、中止を迫られた。スタッフ達も、中止した方が良いと進言した。
だが、主催は、開催を強行しようとした。
これにスタッフが反発し、当記事冒頭でも触れた「スミス@長野」氏らスタッフが離脱。最終的に、主催も折れて中止を決断した…という事だろう。


ちなみに、このスミス氏の運営面における貢献は非常に大きく、持ち前の交友関係とバイタリティーを通じ多くのスタッフを招聘するなど、高い影響力をお持ちの方だ。
スミス氏のスタッフ離脱に際し、他の多くのスタッフ(ほぼ全部?)も行動を共にする当たり、その影響力の大きさを物語る。
説明会当日も、主催が答弁に詰まると補足で説明を始めるなど、スタッフを辞めた身でありながらも、主催の答弁をフォローされている。
運営陣の中ではナンバー2、いや主催を押しのけて事実上のナンバー1・トップの地位にいたと言えよう。

権利者からの中止勧告もあろうが、主催は強行突破での開催を試みた。
だが、その気持ちを打ち砕き変心させたのは、運営の根幹に携わるスミス氏、並びに氏とかかわりのあるスタッフ多数の離脱。
メインスタッフの多くが抜けて、ヤル気を逸した構図が見て取れる。
(とは言え、開催を強行しようとした11/5から、開催断念に至った11/6の間に何かがあったのでは?という指摘も上がっているが、具体的に何なのかが見えないので、ここでは触れない。何かあったのかもしれないが…)

これは、今回中止した理由について、公式Twitterの中で摘出された

>ニ、スタッフが全員辞退し、当日の運営が困難になった

という部分からも伺える。
(実際には全員辞退という訳ではなく、一部当日スタッフに入る予定だった方も確認している。恐らくスミス及びスミス氏が引っ張ってきたスタッフが全員辞退、という意味なのだろうが…)

ここまでは、まだ辻褄の合う筋書だったと思う。

ただ、「権利者とは誰か」という問いには、「権利者からの要請で答えられない」との事。
私の一番知りたかった項目はそこなので、その点お答えをいただけなかった事は、極めて残念である。
しかし、権利者からの要請って本当なのだろうか?「答えられない」というのが、どうも引っかかる。
私の周辺の方々からも、この辺りを疑問視される方が少しずつ増えてきたこともあり、私も、否が応にも気になってしまう。

その翌日、11月10日月曜日の事だが、ショッキングな報告が上がった。
これまで謳われてきた、「浦賀船渠ロゴ・写真の無断使用が原因となっての中止」という概念を、根本から打ち砕く報告であった。