愛媛県を地盤に活動されている同人誌即売会主催団体「ふらいんぐたうん」。
元々オールジャンル同人誌即売会「美柑たると。」を安定開催し、好評を博していた。私も、2011年に訪問させていただいた。

「ふらいんぐたうん」は、東方オンリーにも進出。元々別の方が主催されていた「東方四国祭」の権利を承継し、四国祭は、ふらいんぐたうん主催のイベントとなった。
ふらいんぐたうん主催の下、四国祭の運営は安定し、定期的に開催されるようになった。

一時期は徳島県にも進出したこともあるし、サークル数は100の大台を超えたこともある。
最近はサークル数も落ち込み気味だが(これには幾つかの理由あるが後述)、それでも尚、東方界隈において「四国の雄」とも言える存在で、一定の存在感を有している。

11月2日は、3連休中日という事で、非常に数多くのイベントが目白押し。
東方界隈においても、京都で【アヤチャンカワイイでおなじみ天狗狂信者】やら【娘の親権を主張する自称稗田阿求の父】やらが主催する東方オンリーがある。
これらは500spを超える一大規模、東方界隈多くの友人が、京都に足を運ぶ。
私もそっちに行こうかな…と思ったが、私自身が携わる高知開催東方オンリーの宣伝を四国の地で行いたい、との思いも強く、熟慮の末、愛媛行きを選んだ。
会場は、JR松山駅から徒歩10分の「松山市総合コミュニティセンター」。3年前の「美柑たると。」と同じ会場である。

初動は200人ぐらいだろうか。以前に比べれば少ないかもしれないが、今回の人出は尻上がり傾向。
後になればなるほど、参加者は増えて賑わう。
今回はアフターイベントに、有力音楽サークルの生ライブを投入している。尻上がり傾向も、その効果ゆえんであろう。
(ちなみに、3年前の「美柑たると。」は、最初の1時間を過ぎたら閑散という状況で、そのギャップが大きく対称的でもある)

参加者の傾向としては、男女比8:2ぐらいだろうか。
野郎の参加の多い東方だが、女性陣も健闘といった所か?
年齢層としては、東方らしく若手が多い。20代前半が多かったと思う。

企業出店としては、金沢から遠征の「GREP」さんと、地元のゲームショップ「ショコラ」さんが参戦。催事に彩りを添えた。

屋外は痛車展示会が開催。
痛車は東方に限ってはおらず、ガールズ&パンツァーや艦これ・島風の車も。
東方は、射命丸文やフランドール、八雲藍など、といったところだろうか。

こんな感じで盛況の内に終わった「東方四国祭」だが、残念ながら、参加サークルを落としているのが気になる所だ。
参加サークル数は52、sp数ベースでは80前後だろう。
他の即売会よりは充分数を集めていることは間違いないが、最盛期は過ぎ、明らかに数を落としている。

理由としては幾つか考えられる。
全国各地で、東方オンリーがサークル参加数を落としている傾向にある。この即売会にも、当然影響している。そう考えられるだろう。
また、京都開催の東方オンリーとのバッティングも痛かった。実際、私の友人・知己も、多くが京都に足を運んでいる。

この2つの理由が真っ先に挙げられるが、加えて私は、【地元を重視するという主催の方針】も影響していると思う。
昨今の「ふらいんぐたうん」は、愛媛県内でのイベント開催が多い。また、それも同人誌即売会のみにとどまらず、コスプレイベントやオフ会等の「交流会」的なものが増えている
その反面、以前には見られた他地域での宣伝告知は、どうしても弱まっている(勿論、西日本の東方オンリー中心に、押さえるべきは押さえているとは思うが、都内のイベントにも顔出していた以前に比べると流石に…)。
地元でのイベント開催に注力する結果、宣伝力が衰え、それもサークル数減少の一因になっていると思う。

逆に言えば、イベント数を絞り他地域での宣伝を絞れば、もっと違った結果になるだろうが、それが最善手とも思わない。
主催氏と若干お話したが、最近の愛媛県内における同人事情の低迷に、相当の危機感を感じているたようだ。
愛媛では「おでかけライブin松山」が長年安定的に開催され、当地唯一かつ最大級のイベントとして君臨していた。だがその「おでかけライブ」すらも、かつては100spを超えていた筈なのだが、今は100spを割り込み、60sp前後で推移しているとの事。
この状況は極めて良くない、今のままでは愛媛の同人自体が死んでしまう。そのレベルで危機感を抱いており、それゆえの地元重視なのである。


当ブログでは、少し前の記事だが、「8/10 山形県酒田市・オールジャンル同人誌即売会「カーヴィルソールスマック」において、こんな事を申し上げた。

>地場のオタクコミュニティーを支える場は、昔のように即売会一辺倒ではない。
>オフ会だのコスイベだの、他にも様々な場が存在し、細分化傾向にある。
>だからこそ、こういう即売会「以外」の場を創ることは、即売会では取り込み切れないオタクの受け皿になるから、意義ある取り組みだと思う。

山形県酒田市の「カーヴィルソールスマック」もそうだが、【オフ会等即売会以外で皆が集える場】を提供する事で、同人者の「予備軍」となる人々を掘り起こしていく。そして、最終的に即売会の参加者増加にもつなげていく。そういう考え方に当たると思う。
愛媛の「ふらいんぐたうん」が、オフ会・交流的なイベントを増やし「地元志向」を強めているのも、同様の考え方だろう。
「東方四国祭」としては今回が「ふぁいなる」だが、後継イベントとして「東方いよしこく祭」も企画されており、これは実質的な「名称変更」と言えよう。このリニューアルも、ネーミングを見る限り「地元志向」の強まりの一環として捉えられると思う。

東方オンリーを開くに当たって、単に数を集めたいだけならば、他所の地域に出張って宣伝すれば良いだろう。
ただ、地域同人界の活性化を図りたいのならば、地域内での掘り起こし作業も重要だと思う。
どちらを重視するかは、各主催の考え方次第。各主催の判断を尊重したい。
個人的には、どちらに偏っても良くは無いと思うので、上手に両者間のバランスを取っていただければ、と願う次第である。
そして、「ふらいんぐたうん」の、地元愛媛の同人者を掘り起こし活性化を図ろうとする試みが、奏功する事も強く願っている。