昨年に引き続き、山梨の東方オンリー「東方甲州祭」にサークル参加させていただいた。

12月開催という事で、冬コミ直前の多忙な時期。
サークルによっては、参加をためらう方もいらっしゃるだろうが、他のイベントも、冬コミ前という事で開催を控えがちだ。開催する側から言えば、他の即売会とのバッティングを心配せずに済む、というメリットもあある。

サークルとしても、追い込みに入ってるサークルは参加しづらいかもしれない。
ただ、各サークルにより事情は異なるので、参加できるかどうかは、サークル次第であろう。
勿論多少は減るかもしれないが、バッティングで吸われる心配が無い分、サークル集めはしやすいのかもしれない 。

ちなみに、私は冬コミの新刊を前倒しして準備するタチなので、この時期は却ってヒマになる。
即売会の開催件数も減って、甲州祭以外に行きたい即売会も無かったので、甲府に足を運んだ次第である。
「東方甲州祭」にせよ、この主催が静岡で開催している東方オンリー「東方駿河祭」にせよ、イベントを回すに当たっては、同じ静岡で東方オンリーを主催していた「東方蓬莱祭」主催・ツインポケットの助力を得ていた。(過去のイベントではスタッフの大半を、ツインポケット=蓬莱祭が出していたケースも)
ところが、ツインポケットは、6月の「東方蓬莱祭」までは無事に終わらせたものの、その後公式サイトは消失。音信不通状態で、1月予定と打ち出して いた開催も危惧されるようになった。

となると、運営面で彼らの助力を得ていた「東方甲州祭」、音信不通たるツインポケットの助力が得られるとも考えにくい。
元々「甲州祭」に限らず「アニメ倶楽部甲府」主催の各イベントは、人手不足で運営が後手後手になる傾向も強かった。正直回していけるのか?って部分が非常に気になった。
嫌な予感が漂う。そして、その予感は、残念ながら当たってしまった。

スタッフは、主催本人含め僅かに3人。明らかに人手不足だ。
そして、その影響はイベント内各所に現れた。

先ず、このイベントのランドマークたる朱の鳥居が持ち込まれず。
加えて、「東方俳句」など幾つかの恒例・好評イベントも中止になっ た。
企画にまで割ける人員が無い、という事なのだろうが、これら中止になった企画は、「甲州祭」が他の東方オンリーとの差別化を図れる、「強み」となる楽しい要素である。
これらが軒並み削られた事は、残念に思うし、加えて、この即売会の最大の課題が「人手の確保」である事を印象付けた。
(他にも、申込書をダウンロードできる体制にしてほしいとか、オンライン申し込みを!とか色々あるが、人手不足の問題はそれ以上の喫緊の課題である)

設営面にも影響が出ている。
以前は、サークル入場時間を早め、サークルが設営に充てる時間を長めに取るなどの配慮が見られたが、今回はサークル入場時間が10時30分と遅めになってしまった。
そして、一般参加者の入場開始は11時だから、30分しか設営時間が取れず、各サークルとも難儀していた。
流石にサークルの様子を見かねて、入場時間を10分遅らせる対応を取 ってはくれたが、それでもサークルにとっては厳しい展開だろう。

人手が少なく設営に時間がかかり、サークル入場時間が遅くなるのは仕方ない。
ならば、一般参加の入場時間をもう少し遅らせる方向で考えられないか
一般参加者は尻上がりに増える傾向にあると思うので、30分ぐらい遅らせてもそんな影響は無いと思う。
一般入場時間を遅らせてでも、サークルの設営に充てる時間を確保すべきであり、それは最低1時間必要だと思う。10時30分サークル入場開始ならば、11時30分(12時でも良いぐらいだが)の一般入場開始・開会とするべきだ。

参加サークルは、おおよそ20サークル・25sp程度であろうか。
締切時点での申し込みは6サークル程度で、開催が危ぶまれかけたが、締切後の受付も多かったようで、何とか形にできたのでひと安心。
12月の開催という事で、開催を控えるイベントが多く、「競争率」は低い。私のように、コミケの追い込みが必要なく、かつイベント遠征クラスタだと、参加するイベントに「飢えて」しまう時期だ。
そういう層の受け皿として機能したのだろうと思う。


初動は50人ぐらいだろうか。
以前よりも、少し年齢層が下がったかも?中高生クラスの若い参加者も、少なくはなかった。
コスプレは何故か他ジャンルもOKだったようで、自宅警備隊のレイヤーも登場。
自宅警備員の装備を奪い取った東方レイヤーが、銃撃戦ごっこを始めその様子を撮る、という意味不明な展開を眺めるw
趣向を凝らした企画各種が中止になったのは残念だが、それを除けば、普通に楽しめた即売会だったと思う。

こうして、とりあえずは無事に回した「東方甲州祭」だが、やはり最大の課題は「人手の確保」であろう。
これが巡り巡って、この即売会の長所を打ち消す勿体無い展開になってしまう以上、人手の確保は喫緊の課題だろう。
これまで、「東方甲州祭」や「東方駿河祭」の開催に、人員面も含め貢献してきた、東方蓬莱祭主催・ツインポケットが音信不通である以上、これまでのように彼らの助力は期待できない。
ツインポケットに頼らず、人手を集める努力が必要だろう。

私は、打開策の一つとして、「開催スケジュールの見直し」を提案したい。
具体的には、開催回数を減らす、という方向性だ。
例えば甲州祭の年2回を年1回にするとか、富士東方ランドを沼津の駿河祭と統合し、これまで沼津・富士合わせ年3回なのを年2回開催に抑えるとか。オールジャンルの「コミックチャレンジ」の開催回数を減らすとか。そんな感じだろうか。

回数が多ければ多くなるほど、それに比例して人手を確保する手間が掛かる。
例えばの話になるが、年5回手伝うのはしんどいが、年3回位なら何とか…という方がいたとする。年5回開催なら、内3回はスタッフとして計算できるだろうが、残り2回分、別のアテを探さねばならない。これを年3回にすれば、別のアテを探す手間が省ける、という具合にだ。
回数を減らす事により、人手を確保し易くする、という考え方だ。


開催回数を減らす事には、他にもメリットがある。
一つは、イベントの開催回数を減らす事で、一個一個のイベントに割く労力を増やせる事。
加えて、参加者の「飢餓感」を煽り、1回当たりの参加サークル数増加も期待できるだろう。

そしてもう一つのメリットとしては、イベント回数を減らす事で、空いた日程で、主催氏ご自身が、他所の東方オンリーにサークル参加する事も出来るようになる点を挙げたい。
他の東方オンリーに参加する事で、主催氏自身で制作されたグッズ等の作品を売る事も出来る。自身の東方オンリーの告知宣伝に励む事も出来る。
他の東方オンリーに遠征参加する事のメリットは、決して少なくないと思う。


最後に、「東方甲州祭」の今後について、期待を寄せたい点を一つ。
主催氏が発行している新聞形式の二次創作に「文々。新聞」という作品がある。結構読み応えがあって個人的に気に入ってるのだが、この中に、今後の展開に期待を寄せたい記事が。
具体的には、「東方甲州祭を盛り上げよう企画推進中!」という事で、ライブイベント・映写会等を行う方向で調整している模様だ。(まあ誰と組むかはだいたい見当つくのだがw)
2016年の開催を視野に、今後具体的内容を詰めていくものと思われるので、今後の続報に期待したいものである。