2月28日、私は、大分県別府市開催の東方Projectオンリー「東方久遠境 別府」にサークル参加させていただいた。
九州の東方オンリーは久々の参加だったが、九州の東方界隈の元気さを実感させられるイベントであった。皆様からパワーをいただきながら、東方界隈の健在ぶりも感じたひと時であった。
当サークルとしても手応えがあり充実した時間。別府まで足を運んで良かったと実感する即売会であった。
多くの皆様に足をお運びいただいた事、心より感謝申し上げたい。

「東方久遠境」は、2010年2月28日に久留米での開催からスタート。九州各地で断続的に東方オンリーを開催し続けている。
奇しくもこの日は、初回開催から丸5年目に当たる、記念すべき日での開催だ。
主催や運営体制も随時変化しているので、過去の久遠境の歴史については、以下の記事をご参照いただければ幸いである。

2013年03月25日〜26日執筆
「九州の東方オンリー「東方久遠境」その軌跡について語る」
「3/20 福岡県久留米市 河城にとり中心・東方Projectオンリー「ちかっぱかっぱ!」」
今回の「東方久遠境 別府」は、「東方地霊殿」が「地獄」を舞台とした作品という事もあり、「地獄」繋がりで、地獄めぐりという観光地を有する別府市での開催となった。
別府は、関西から「フェリーさんふらわぁ」が直行する町でもある。
関西で開催された「東方紅楼夢」では、「久遠境へはフェリーさんふらわぁが便利!」とアピールした、どう見ても【フェリーさんふらわぁの回し者】としか思えぬチラシを配布し、東方界隈の耳目を集めた。

その「東方紅楼夢」の辺りから、参加サークル数は急速に増加。1月締切にも関わらず10月末時点で募集60spを超過する勢いに達した。
会場の拡張等も検討したようだが、最終的には、先着順の受付を急きょ中止。(既に受け付けたサークルは優先的に受け入れ)
調整の結果、若干spを用意した上で、狭き門となる事を前提とした抽選での受付を1月締切まで続けることで対応した。
狭き門の抽選たる事を謳っても、1月締切までに30サークル以上が申し込む展開となり、ここで多数のサークルが涙を呑む展開に…
最終的には、先着受付分+抽選分とで、78sp規模となった。
(俺、募集開始翌々日ぐらいに申し込んでおいて良かったわ…)

ここまで多数のサークルが応募したのは、元々大分は東方サークルが多かった事、福岡からも近いので、福岡のサークルも気軽に足を伸ばしやすかった事もあるだろう。
加えて、「大分県初」の開催という事で、「ご祝儀」としての効果もあったと思う。
だが何より、やはり別府と言う観光地での開催に魅力を感じた事が、多くのサークルを殺到させた要因になると思う。

また、翌日3月1日には、愛媛県松山市でも東方オンリー「東方いよしこく祭」が開催された。昨年まで開催されていた「東方四国祭」の流れを組む即売会だ。
「東方いよしこく祭」が翌日開催となった事による相乗効果も、相当大きかったと思う。

別府から、愛媛県八幡浜市までは、夜行のフェリーが運航している。
別府を24時頃に出港、八幡浜には深夜に到着するが、5時頃まで船内での休憩ができるので、宿代わりになる。
そして、八幡浜から鈍行を乗り継げば、朝8〜9時頃には松山に到着できる。
無理のないスケジュールで、別府と松山とを効率的にハシゴできる。1回の遠征で2つの東方オンリーに参加できる効率の良さもあったから、遠征組の多くが別府にも足を運んでくれた、という構図でもある。
事実、「東方いよしこく祭」の方も、昨年秋の「東方四国祭」の時に比べサークルを増やしている。別府との相乗効果で、遠征組を呼び込める日程になったお蔭で、別府も松山も、参加者を底上げすることができたのだろう。


会場の「ビーコンプラザ別府」は、別府駅から内陸側に徒歩10分…と言えば一見近そうにも見えるが、別府は坂の町なので、坂道を10分上る事になるので、少し大変。
私は、大分空港からリムジンバスでに乗り、別府北浜で下車。そこから歩くと20分以上かかりそうで少し大変なので、別府北浜でタクシーを捕まえて会場入りした。

別府での同人誌即売会自体が、少なくとも21世紀に入ってからは「初」となるのではないか。
別府が「坂の町」である事の特性上、この施設も、斜面に建つ会場。メインフロアの玄関から階段で下に降りた「地下」の会場を利用するという特殊なつくりだ。

スタッフ陣は、NPO法人Project Arbalest(現・あるばれすと365)の面々を中心に、同人誌即売会でのスタッフ経験豊富な方々を揃えている。
しかし、いかにイベントに慣れているとはいえ、この別府の会場に慣れた人間は、誰もいない。そもそも別府での即売会が、21世紀に入って「初」なのだから。
しかも、その別府の会場のつくりは、結構特殊である。
皆、別府の会場に慣れておらず、会場のつくりを把握するので精いっぱい。皆四苦八苦しながら運営に臨まれていたようだ。

パンフレットは、600部用意したと聞いている。
普段の「東方久遠境」に比べ多めの数字。強気の設定だが、それに対応できるだけの経験豊富なスタッフ陣を揃えていた、とは思う。
しかし彼等をしても、特殊なつくり、かつ慣れない別府の会場を前には大変だったようで、結構大変そうにせわしなく動いていたように目に映る。

開場(12時)直前の初動は160人。これ自体はそんな多い数字ではない。
但し、地場の即売会は、都心の即売会のように初動に集中するものではない。寧ろ、後からじわりじわりと、尻上がりに来場者が増加する傾向にあり、会場直後はそんな混雑しない。別府も、同じ傾向だった。
…それで初動160人という事は、相当大変な状況である。
(ちなみに参加者層は、地元の若い子と、ある程度年長な遠征者とで半々ぐらいだったと思う)

案の定、開場後も断続的に来場者が押し寄せる展開。
来場者が案外多かったため、急きょ久遠境運営側から要請を受けた一部顔見知りのスタッフ・サークル連中にも手伝いをお願いし、上手く切り抜けた。
館外の列整理スタッフも相当大変だったようで、館外列が消え業務がひと段落したのは、開場から1時間以上後の事であったようだ。

館内のつくりも特殊で、会場の扉を開けると、そこに10サークル程度が机を並べる。
その両脇に【下に降りる階段】があり、階段を降りるとそこがメインフロア。階段を降りた先には、60サークル近くが机を並べている、という配置だ。
階段を降りた所で、人の流れが止まる所謂「血栓」ができ、階段の所で入場制限のかかる光景もしばしば見られた。

これに対し、右回りでの一方通行とする通行規制を掛け、館内アナウンスも繰り返しその事を案内し続ける。
また、この特殊なつくりゆえ、入口入ってすぐの、階段上のサークルの所からはメインフロアを見渡せる環境。これを利用し、そこにスタッフを一人置き、メインフロアの様子を高所から把握した上で、メインフロアのスタッフや館外スタッフに指示を出したりもしていた。
上から会場を見下ろす事で、会場の様子を一目見ただけでも的確に把握できたようだ。
この会場の特殊なつくりに苦戦させられた運営スタッフも、この特殊なつくりを逆手に取って、運営に活かしていったという構図だ。


14時近くになると、カタログも完売。人出も幾分落ち着く。
私もようやく参加サークルへのあいさつ回りを始める。

ここで有難かったのが、「久遠境」参加者サークルに貸与されるサークル証の存在だ。
首に掛ける形式のサークル証であり、参加受付の際に貸し出される。
これ自体は、久遠境草創期の主催であったNPO法人Project Arbalest(現・あるばれすと365)が自身主催のイベントでよくやっている方式だ。東方界隈では珍しい取組だが、過去何度もあるばれすと主催イベントに参加している自分としては、そんな珍しさは感じなかったし、当たり前のものとして捉えていた。
しかし今回、この首掛けサークル証の存在が、個人的には非常に有難い物に感じられた。ありがたみを実感した、というべきか。

外に出る時も、首にかけておきさえすれば、カタログやサークル通行証を提示する必要も無く、かえって楽である。
そして挨拶回りの時。今回初めてお会いするサークルも少なくなかったが、首にサークル証を掛けておくことで、自分が「STRIKE HOLE」の人間である事が一目瞭然。
私も、サークル証のお蔭で、挨拶先のサークルの方である事をすぐに把握できた。
サークル証を首にかけておいたお蔭で、サークル同士の交流が円滑になったという構図であり、そのありがたみを痛感した。

これまで、何度もあるばれすと主催の即売会に参加していながら気付かなかったが、この首掛けサークル証、地味に便利な存在で、相互交流に大変役立つ取組だと思う。


カタログも充実した構成。
サークルカットや注意書き等は当然盛り込んではいるが、大分の観光スポットや名物料理の紹介(ジョイフルは名物料理に入るのだろうかw)、更には泉都・別府の歴史も開設するなど、遠征参加者を意識し、大分を満喫して貰おうとする意欲を感じる充実した内容だ。

こうして盛況に終わった久遠境。
終わってみて感じる事としては、九州東方界隈の元気さ、そして東方遠征組の元気さを感じる即売会であった。
運営陣も、人の多さや会場のつくりの特殊さで大変だったようだが、工夫や奮闘で何とか切り抜けられた。カタログも、内容の充実ぶりが光っていた。
イベント内で特にこれといった企画は無かったものの、参加者の満足度も高く、笑顔で皆過ごせた良即売会だったのではなかろうか。

次回の久遠境は、7月20日、場所を福岡県大野城市に移しての開催。
福岡市のベッドタウンとなる街での即売会なので、福岡民の参加が多く見込まれる事だろう。
3連休最後の日の開催なので、飛行機代も高くなり遠征組にはかえって敷居が高くなりそうだが、地元民中心に盛り上がりを見せる事だろう。
今後の久遠境も、成功が期待できるし、成功を祈念したいとも思う。