3月の同人誌即売会は、春休みに入るという事もあり、多数の同人誌即売会が目白押し。シーズン真っ盛りである。
参加イベントを検討すべく情報収集を行っていたところ、3月29日は、北海道紋別市や長崎県五島市といったこれまで同人誌即売会の開催が無かった町での開催が目に付いた。これらの即売会に注目していたが、もう一つ、同様の理由で、栃木県足利市の同人誌即売会「Acom」にも注目していた。
「Acom」のAは「足利」の頭文字。「com」はComic, communityに由来しているようだ。

栃木県の同人誌即売会は、現在宇都宮の「おでかけライブin宇都宮」が元気だが、それ以外に即売会の開催される動きは見られない。
かつては足利市で「地域粘着型同人誌即売会」と謳う「SubNormal」が安定的に開催され、私も注目を寄せてはいたものの、残念ながら2010年、その歴史に幕を閉じた。(おおよそ50〜80sp規模での開催)
以後、足利は同人誌即売会の開催が無く、即売会空白地域となった。

足利での同人誌即売会は、実に5年ぶりの事となる。
主催は、同人活動やサブカルチャーを、地域に根差した形で支援する活動を積極的に行っている「いいねこ。のみせ」さん。足利市内に店舗も構えており、昨年から積極的な活動展開を行っている。
公式サイト上では、過去あった足利の即売会が無くなってしまった事に触れつつ、再び交流の場を復活させたい。今後も継続的に開催したい、と今後の抱負も語っている。
見た感じ、結構ヤル気に満ちた団体さんっぽい?そう考え、応援の意味も込め、サークルとして参加させていただいた。
残念ながら、即売会の参加サークル数は、決して多いとは言えなかった。
サークル数は僅かに7サークル。過去の足利開催の即売会と比べても、明らかに数は少なく、サークル参加を如何に集めるかが、今後の課題となるだろう。

その一方、来場者数はサークル数の割には非常に多い。常時20人以上が出入りし、開場から閉会直前まで人の出入りも頻繁。サークル的にも、案外手応えを感じられたと思う。
数年即売会が開催されていなかったがゆえに、地元民も、即売会に渇望していたのかもしれない。
特に、会場内の、レトロゲームのフリープレイ企画も好評だった。「スペランカー」や「ハイパーオリンピック」等ファミコン世代にはおなじみ懐かしのゲームがプレイできる企画で、見物者も付き賑わいを見せる。
もちろん、来場者による持ち込みも可能だ。

東方オンリー等でフリープレイコーナーの企画は散見しており、フリープレイコーナーの設置自体決して珍しい取組という訳ではないが、レトロゲームという点がユニーク。
このイベントにおいては、会場内のBGM代わりになると共に、即売会にありがちな場の間延びにアクセントを付け、会場滞留率を底上げする効果が見られた。
まったりとした、小規模なイベントだからこそ、フリープレイコーナーが場の盛り上げに活きたのではないか?とも感じる。
もっとも、このコーナーに群がるファミコン世代が多いお陰で、地場の即売会なのに若い世代よりも年長者(ファミコン世代)の参加率が高かったような気もするがw

一般来場者が多かったのは、会場の「足利市民会館」の別ホールで、「おいでよ!あしかが!私たちの街へ」と題するイベントが開催され、「Acom」も付随イベントとしての位置付けで開催されていた事があるだろう。

このイベントは、主催「いいねこ。のみせ」が開業1周年を迎えた事を記念しての感謝祭としてのイベント。
足利市のグルメ物産や、栃木県内の萌えキャラ・ゆるキャラ・ご当地ヒーローに関する物産の出店をがメイン。近隣の群馬県桐生市のコスプレショップ「cosmin」や、同じく近隣のみどり市在住の漫画家・渡辺圭佑先生もゲスト出店していた。
加えて、コスプレイベントとイラストコンテストも併催。
また、アマチュアアーティストによるプチライブも開催された。

足利

(画像「いいね。このみせ」さんの実店舗に鎮座する萌え自販機)

「おいでよ!あしかが!私たちの街へ」の人出はなかなかで、常時人が絶えずやって来る。
こちらから「Acom」にやって来る参加者も中々多い。コスプレのままもAcom側に行くことも可能なので、コスプレイヤーも数多く「Acom」にやって来る展開。
特に14時を過ぎてから、何故か分からないが、「おいでよ!あしかが!私たちの街へ」側から「Acom」側へ流れる来場者が急増。それ以降、当サークルの売れ行きも良くなるw
両イベント併催としたことにより、また両イベントとも入場無料で相互の往来もしやすい環境となった事により、「Acom」側の来場者も増え、賑わいを増したのではないかと考えられる。

纏めてみると、この即売会、「少ない参加サークル」「多数の来場者」…この2つの事象に集約されるだろう。

後者「多数の来場者」に関しては、主催の1周年イベント「おいでよ!あしかが!私たちの街へ」と同時併催した事の効果が大きいだろう。
「おいでよ!あしかが!私たちの街へ」の動員力はそれなりのものがあったので、これは主催「いいね。このみせ」さんの日ごろの活動の積み重ねの成果とも言えるだろう。

足利は、同人誌即売会こそ最近は無かったものの、「足利ひめたま痛車祭」が今年10回目を迎えている。「あしかが☆萌絵魂」も定例化され、コスプレイベントも開催されている。
サブカルチャーに関するイベントは案外多く、同人誌即売会を受け入れやすい風土は備わっており、それが良い方向に作用したのではないかという見方もできると思う。

となるとやはり問題は、「サークル数の少なさ」であろうか。
「コミケットスペシャル」と被った事を理由として挙げていらっしゃるが、それだけでないと思う。私は、やはり【サークルに対する】告知・宣伝が足りていなかったのではないか?という気がする。

Twitter上では、「Acom」公式アカウントにおいて、「宣伝、告知はそんなにやるのかと思うくらい多方面に協力していただきました」と仰っている。
確かに、地元近辺での告知は結構頑張っていたと思う。市内のお店にチラシを置かせて貰ったり、市内のイベントでチラシを配ったり…地元に密着した活動の形跡が見られる。
そういう活動があったからこそ、来場者自体は多かったのだろうとも思う。

しかし、その告知・宣伝活動は、果たして「サークル集め」の役に立っていたのか。サークル参加に結び付くような告知先なのか?そこを再検証する必要があると思う。

5年前に、当地開催の同人誌即売会「SubNormal」が終了した。この即売会は、少なく見積もっても50サークル以上を集めていたイベントだ。足利をはじめ、桐生・大田・佐野等周辺地域のサークルも多かったはずだ。
「SubNormal」時代には、多数のサークルさんが足利に存在していた。「Acom」は、そういうサークルさんを、まだまだ全然呼び戻せていない。
「SubNormal」時代のサークルさんを、5年の時が経過している以上皆呼び戻す事は不可能としても、その一部分だけでも呼び戻す事は出来ないものか。それができてこそ、「Acom」は、「SubNormal」の意思を継ぐイベントとして認められるであろう。

では、これらのサークルさんは、「SubNormal」が終わった後、自身の作品発表の場を何処に求めたのだろうか?何処の即売会に流れたのだろうか?
そこを考え抜いた上で、サークルが流れた先に告知を図り、足利イベントに呼び戻す。そのアプローチこそが、サークル集めに繋がるのではないか。

私の推測だが、「SubNormal」以後のサークルさんは、以下の4つに大別されると思う。

1.前橋「おでかけライブin前橋」 … 両毛線一本と便利
2.宇都宮「おでかけライブin宇都宮」 … 同じ栃木県内という事で
3.都内のイベントに流れる … 東武線一本で上京可能
4.同人活動自体を終了させる

4の方はどうしようもないとしても、1〜3に流れた方ならば、まだ足利に呼び戻せる見込みはある。

前橋・宇都宮の両イベントでの告知は、既にされているのかもしれないが、それをより一層強化する。チラシを撒くだけではなく、自らサークル参加する事が望ましい
サークル参加する事で、他所のイベントがどんなサークル参加案内を送っているかを研究し、自イベントに反映させる事もできるだろう。(というか、今回はサークル案内が無く、サークル入場証がハガキで送られてきただけ、であるw この形式、俺はいいとしても、慣れてない人は戸惑うと思いますよ…)
加えて、自スペースを拠点に、各サークルへの挨拶周りも出来る。サークルへの挨拶を通じ、サークルとのコミュニケーションを強化。サークル参加に結び付けたい。

都内イベントへの取組に関しては、数も膨大なのでどこから当たれば良いのか見当もつきにくいが、取りあえず「COMIC CITY」や「コミックマーケット」のような大規模イベントで、カタログに広告を載せて貰う所から始めたい。
チラシを撒ければそれに越した事は無いが、即売会数・サークル数共に膨大過ぎてキリが無い。サークル机上にチラシを置かせてくれるような、協力サークルさんを開拓する当たりが、現実的な線だと思う。

サークルさんの活動の場所は、あくまで「同人誌即売会」である。
サークルさんは集う「同人誌即売会」という場での告知を強化する事により、サークル集めに結び付く告知を目指していく方向ではどうだろうか。
そして、その積み重ねの結果が実り、サークル数が増え、今後の安定開催に繋がる事を願っている。