4月11日、都内で開催された東方Projectオンリー「幻想発掘祭」にサークル参加させていただいた。

幻想発掘祭は、東方オンリーを開催したいと意気込む若い方が、新たに立ち上げた東方オンリー。
最近の東方オンリーは、有力イベンターの進出、並びに好評に応えて2回目・3回目…と繰り返し開催するパターンが多く、新しい主催・新しいイベントの登場は極めて少なくなっているのが現状だ。
それは、ジャンルが成熟し、落ち着いてきた事の証でもあるとは思うが、たまには新しい主催が新風を吹き込んで貰わないと、マンネリ化に陥り、飽きも生じる。
今現在、各東方オンリーが減少傾向なのは、そういうマンネリ化や飽きに一因がある、とも思う。

私は、昨年9月の「諏訪風神祭」にて主催氏とお話させていただいたが、結構ヤル気を感じさせるお話を聞いており、応援したいという気持ちにさせてくれた。
幸いにも日程的に都合が付いた事もあり、折角の機会という事でサークル参加させていただく事とした。
サークル参加は、各プチオンリーを合わせ約100サークル。
都内の東方オンリーが(巨大規模の例大祭や、2月の「東方合同祭事」のような一部例外はあるが)全般的に青息吐息の苦しい状況。しかもイベント数は多く、競合も激しい。
そんな中でありながらも、何処の馬の骨とも分からぬ、実績の無い新人主催が100サークルも集めた。
募集300spには満たないものの、数字的には、充分健闘していると思う。

プチオンリーを多数誘致し、該当ジャンルのサークルの参加を促した事。
土曜日の開催で、翌日に新潟東方祭等他の東方オンリーが控え、土曜・日曜と効率的に遠征ができる事。
そして何より、主催氏が、各所でチラシ配り等告知に積極的だった事。
これらの要因が重なって、新人主催ながらも3桁のサークルを集める事に成功したのである。

残念ながらサークル参加者には恵まれず、一般参加は初動60人とイマイチ。
大手サークル「幽閉サテライト」ライブの併催による、来場者押し上げ効果にも期待したが(昨夏の「夕張まんがまつり」はそれで動員力を大幅に向上させた)、都内ではその効果も限定的。余り大した効果は無かった。
これまで、都内では幽閉サテライトのライブが多数行われており、既に飽きが来ているのかもしれない。(そういう意味では、幽閉サテライトのライブは、寧ろ地方でこそ効果を発揮しそうな気もする)

12時30分過ぎから、会場内でミニライブも開催されたが、聴衆は20〜30人程度。
夕張の時のインパクトとは、比ぶべくも無い。
ただ、懸念していた、音響が即売会の頒布に与える影響(過去幾つかの即売会で音響が大きすぎて頒布の妨げとなるケースを考慮した)は、それほどでもなかった。
ライブステージとサークルとの距離も離れていた事もあり、サークルスペースからは、BGM程度の音色。頒布に支障は無く、そこは杞憂に終わった。
「幽閉サテライト」もこれまで相当の場数を踏んでいる、その経験に裏打ちされた音響面での配慮が見られたと言える。

気になった音響面の心配も、心配には及ばず。
「魔理沙のお使い」と称した、サークルの頒布物を購入した方に記念品(特製のキーホルダー)を贈呈する、シールラリー的企画も好評だった。
参加者の数こそ少ないものの、平穏に終わったイベントであったと思う。


但し、運営陣の皆さんに関しては、今回のイベントは、反省すべき点の多いイベントであったと思う。
一言で言えば「経験不足」による瑕疵が、非常に多かった。
運営陣の皆様は、まだまだ若い方々揃い。今回の失敗を省みて糧とし、今後の同人活動に活かしていただけるようお願いしたい。

彼らが反省すべき点は数多いが、私からは二点ほど取り上げたい。

一つは、サークル参加案内の発送に関してだ。
即売会主催が、なぜサークル参加案内を発送するか。【サークルが出店するに当たり必要な情報】を、サークルに周知徹底させる為である。
配置情報、配置図、サークル入場時間やサークル参加に当たっての注意書きなどが挙げられるだろう。大荷物のサークルさん向けに、宅配搬入の案内も必須だろう。
特に搬入に関する事項は、事前の手配が必要なため、遅くとも開催2週間前には伝達する事が望ましいだろう。

今回、サークル参加案内が届いたのは、開催の3日前。余りにも遅い到着だ。
人によっては、もう家を空けて旅立つ方も出てくるだろう。
だが、問題はそれだけではない。一番の問題は、その中身である。

中身を見ると、当日のスケジュールや、【一般参加に当たっての注意事項】を記した紙が入っているが…肝心の【サークル参加に当たっての案内文】が全くない。
配置スペースの案内も無い。配置図も入っていない。宅配搬入の案内も無い。
サークル参加に当たっての必要事項が、殆ど入っていない。

最後の方にちらっと、宅配搬入とかはTwitterと公式サイトを確認してください、とあるだけだ。

一方、今回封入されていた「一般参加に当たっての注意事項」は、webやカタログに掲載されている内容の丸写しである。
…これを丸写しして発送するんならさ、webに掲載されていた宅配搬入の内容を丸写しして発送するべきじゃないかなあ。

つまり今回のサークル向け案内は、到着が極めて遅いのみならず、中身も「一般参加案内」であり、サークル向けの案内としては体を成していないという事だ。
恐らく、運営側は「サークルに何を案内すればよいのか」という事を理解していなかったのだろう。そう解釈しなければ説明が付かない。

思うに運営側は、他のイベントに宣伝で顔を出す事はあっても、サークルとして参加した事が無かったのではないだろうか。
他所のイベントにサークル参加していれば、サークル案内を必ず受け取る。それを研究し、自らのイベントに活かす事が出来る。こんな事態には絶対にならない。
主催として経験不足なのは致し方ないとしても、サークルとしての経験の無さが、今回の情けない事態を呼び込んだと言えるだろう。


そしてもう一つ。当日、本部での「業務放送」と称するアナウンスがやたらと多く、「落ち着きの無さ」を露呈した点だ。
あれを聞いているだけでも、主催がパニックに陥っている有様がよく分かる。

開場前後がそのピークで、「業務放送」を30秒に一度は発する。
しかもその音量がやたらうるさく、サークルスペースでの買い手との会話に支障を来すレベル。
私も流石に我慢できず、業務放送の頻度と音量を抑えるよう本部にお願いしに行ったぐらいだ。(まあ、その後はだいぶ落ち着いてきたが…)

「業務放送 スタッフの皆さんは●●してください」

最初の内は、あースタッフ間のやり取りに無線とか使ってないのかなあ、程度にしか思ってはいなかった。
だがこれが頻発すると、「幾らなんでも頻繁すぎないか?」との疑念を抱く。「音も大きいからうるさいよなー」とも感じた。

業務放送 サークルの皆様にお願いがあります。間もなく入場開始となりますので、サークルスペースに戻って下さい」

…ちょっと待て。「業務放送」ってのは内向きのアナウンス。この催事においては、スタッフ向けのアナウンスじゃないか?
どうもスタッフ向けである筈の「業務放送」と、サークルや一般参加者向けのアナウンスとが、混同されている雰囲気だ。

実は、よくよく聞いてみると、スタッフ向けのアナウンスに敬語が入ったり、その割にはサークル・一般参加者向けのアナウンスに敬語が無かったりもした。
そういう当たりからも、両者の混同を感じさせる。

…主催、完全にパニックに陥ってるなあ。

何故パニックに陥るか。やはりそれは、イベントの運営経験が皆無だからだろう。
最初は誰でも初心者から入る。それ自体は仕方ない事だ。
ただ、普通は主催を始める前に、他のイベントでスタッフをする等して、業務の流れや催事の進行状況を勉強するものである。
ただ、このパニックぶりを拝見するに、主催初心者なだけでなく、イベントスタッフとしてもこのイベントが「初」なんじゃないかとすら思えてくる。そう捉えざるを得ない狼狽ぶりだった。


今回のイベント、普通の失敗イベントでもなかなか有り得ない、妙な瑕疵が目立った。
普通にサークル経験があれば、或いはスタッフ経験があれば、起こり得ない瑕疵である。
そういう瑕疵が起こった理由。それは、絶対的・圧倒的な【経験不足】にある。

実際、今回の運営陣、主催はじめ、イベント運営は大半が初めての経験と聞く。
一部スタッフ経験者もいたようだが、そんな多くないようだ。

次に何かイベントを開こうとするならば、この経験不足を埋める手立てが必要であろう。
他所のイベントにサークル参加をしてみる、或いはスタッフとして参加してみる。
そういう経験を積んで、経験不足を補い、研鑽を積むべきだ。


運営陣は皆若いんだから、もの覚えも早い筈だ。
今回の失敗から学ぶ点も多いだろうし、他所での修行を重ねる事で、イベントの事をより深く学ぶ事もできる。そしてそれを、次のイベントに活かす事ができる。今回の失敗の、リベンジ果たす事も、決して不可能ではない。
先ずはどんどん経験を積んで、どんどん学んで貰いたいと思う。