昨年秋、開催3日前に突如開催中止が宣言された、艦隊これくしょんオンリー「浦賀船渠ノ航跡」。
中止の理由として、当初は、(かつて存在し今は消滅した)浦賀船渠株式会社の社章や浦賀ドックの写真を、イベントのパンフレット・チラシ等に無断で使用した事により、浦賀船渠の権利所有者より咎められた事を挙げていた。
主催氏本人が、他所のサイトからのパクリ常習という事も知られており、この話は、相当の信憑性をもって受け入れられた。

しかし、先日、昨年よりこの中止事件の真相を調べ続けていたktgohan氏(以下「たまご提督氏」ないし「たまご氏」と称す)より、浦賀船渠中止事件の真相を記した、新たなレポートが纏められ、大きな反響を呼んでいる。
これまで説明会等でアナウンスされていた内容とは、180度異なる内容ではあるものの、証拠も相当しっかり揃えられている。大半の方には、信憑性高いものとして受け入れられた模様だ。
ただ、昨年末の中止事由とは180度異なる内容という事もあって、俄かには信じがたいと判断を保留される方も少なくない。たまご氏の解釈・論理展開等に疑念を呈す声も、一部だが聞こえてくる。

たまご氏のレポートについては、以下のリンクを参照いただきたい。
ktgohan blog 
2015-04-19付・「「浦賀船渠ノ航跡 中止問題」 中間レポート: 開催中止に至る経緯」


私は、「浦賀船渠ノ航跡」開催中止少し経った後に、「定説」とされた「社章や写真の無断使用を咎められての中止」を、「虚偽」であると見做していた
「偽の権利」(架空の権利と言っても良い)を行使した「偽権利者」が、不当な形で中止に追い込んだものと解釈していた。

【参考リンク】
艦これオンリー「浦賀船渠ノ航跡」中止は、偽の権利者が、偽の権利を盾に追い込んだ悲劇ではないか
(前編) 
(中編) (後編)

知的財産権関連の法律を精査の上、著作権・商標権等の諸権利は既に期限切れないし未登録。失効(または無効)状態である、と論じた。言わば、その権利は「架空の権利」である。
また、浦賀船渠株式会社の諸権利を承継する「住友重機工株式会社」からの権利申立が行われていないとの証言や、その一方、主催側に権利申立が行われた事を前提とする動きが見られた事を指摘し、【権利者を騙った偽物による権利申立】が為されたのではないか?と推測した。
たまご氏も、私同様、浦賀船渠がらみの知的財産権が失効・無効状態であるにも関わらず、権利者からの申立が為された、という事態を不審に感じていたのだろう。
半年近い時間をかけ、独自に調査を続けつつ証拠集めや裏取りに勤しんでいた模様だ。
その結果が、2月初頭に立ち上げた、浦賀船渠中止問題に対する見解を纏めたブログ「ktgohan blog」として日の目を見る事となった。



【スタッフメーリングリストの信頼性】

先日のたまご氏ブログ記事は、「スタッフメーリングリスト」という本来外部に公開しない筈の資料を公開している。
業務連絡としての要素強く「私信」の性格は弱いとは言え、それを公開する事に道義的な問題を問う意見も、私の元には上がっている。本来ならば、そこは問われて然るべきである。
しかしながらその一方、「偽権利者からの架空の権利を盾に、イベントが中止にまで追い込まれた」という、不法行為とも取れる、同人世界において極めて深刻な問題が発生している点は見逃せない。催事を楽しみにしていた多くの参加者に、迷惑を掛けている。
今後同様の悲劇を再び起こさないためにも、「何が起こったのか」を解明する事には、一定の「公益性」もあると思う。
メーリングリストの公開については、人により賛否分かれるであろう。私は、その賛否は保留させていただき、あくまで「真実を追い求める」事を最優先としたい。


このメーリングリストを基にした、たまご氏の纏め記事には、幾つかの疑問・反論も上がっている。

一つは、「都合の良い事しか触れていない」というものである。
確かに、膨大なメーリングリスト群の中から何を公開するか決定したのは、執筆者であるたまご氏その人である。たまご氏にとって都合の良い部分をピックアップしているのは間違いない。
しかし、ならば「都合の悪い事」とは何なのか?という疑問もある。もし「都合の悪い事」とやらがあるのなら、それも判断材料の一つに加えるつもりなので、是非ご提示いただきたいものである。
そういう提示が無く、「都合の良い事だけ云々」と言われても、「まーそりゃ人間そうでしゃろなー」という感想しか持ち得ない。今の現状認識を覆す材料とはならないだろう。
是非「都合の悪い事」をぶつけていただく事で、たまご氏が都合の良い事ばかり言って捻じ曲げている、という証拠をご提示いただきたいものだ。


もう一つは、「論理展開が強引なのでは?」という疑念である。
確かに、今回の記事は、メーリングリストを元にしたた、まご氏なりの解釈である。
私個人的としては、氏の論理はロジックがしっかりしており、おおよそ同意できるが、人によって感じ方が異なるのも当たり前の話。氏の論理展開に異論を持つのは仕方ない。

ただ、たまご氏の論理展開に疑問があったとしても、それはたまご提督が引っ張ってきた「史料」すなわちメーリングリストの信憑性とは別の問題である。
氏の論理展開は、メーリングリストという史料を、たまご氏なりに解釈したもの。
氏の論理展開への疑問…それはメーリングリストという史料の解釈の違いから来ているものであり、メーリングリストそのものの信憑性を揺るがすものでもない。


そしてこの「メーリングリスト」の信憑性についてだが、相当高いものとして、私は捉えている。
確かに、公開された内容は全てではない。都合の良い事しか取り上げていない、というご指摘もごもっともだろう。
だが、そこに公開され、記されている内容に、決して偽りは無い。私は、そう考える。

このメーリングリストの信憑性の高さを裏付ける根拠を、幾つか列記する。

1.そもそもこんな多くの文書を偽造すること自体が手間で、考えにくい(偽造しても他のスタッフから声が上がればすぐにバレる
2.スタッフは20人近く居るにも関わらず、この内容そのものには、誰も異議を唱えていない。
(スミス氏一派も、主催氏及び主催氏友人スタッフも、どっちの立場のスタッフの誰もが、である。スミス氏一派に至っては、このメーリングリスト公開後、Twitter上から逃亡ないし鍵を掛け公開制限に入った)
3.私自身も、公開されたメーリングリストの内容を前提として、元スタッフとの意見交換を行っており、その中で前提内容の食い違いや齟齬は発生しなかった(勿論意見の相違は大きかったが…)
→根拠(Twitter)(画像


少なくとも、メーリングリストの内容は真実である。先ずは、そこを押さえておきたい。
その上で、それをどう解釈するか。(例・「乗っ取り」があったか否か。メーリングリスト以外の内容を信じるか否か。等)
それは、皆さん一人一人に委ねられていると思う。



【メーリングリスト上で何が起こったのか】

今回の一連の流れの中で、個人の解釈に相当する部分を可能な限り排除し(とは言え、私自身のバイアスも少し入りそうだが/汗)、メーリングリストから読み取れる、中止に至る経緯についてピックアップする。

要約すると、こんな流れである。

(1)「浦賀船渠ノ航跡」は、後からスタッフとして加入した「長野@スミス氏」(以下「スミス氏」と表記)及び彼の一派が、事前準備に大きく関わるようになる

(2)スミス氏が連れて来たスタッフの一人「トリック★スタァ氏
が、パンフレット掲載予定の浦賀ドック写真に、「著作権違法」(原文ママ)の疑いがある、と主張(但し、実際は著作権法上問題無し)。「住友重機工株式会社」に叔父がいるから聞いてみる、と言い出す

(3)トリック★スタァ氏、住友重機械工業勤務の叔父からの話として、「著作権違法により訴訟対象」「暇なら金(賠償金)になるから訴える」(原文ママ)と報告。
これを受け、中核スタッフたるスミス氏一派が、一斉にイベントスタッフ業務からの撤退を宣言する。(スミス氏管理のスタッフ用メーリングリストも閉鎖した)

上記内容は、メーリングリストの文面に記載されている確実な内容のみを、ピックアップ・要約したものである。
スミス一派の「乗っ取り」については、結果として「乗っ取り」と認定されて然るべきだと私は考えるが、異なる解釈の余地も若干残るので、上記からは割愛した。

なお、メーリングリスト閉鎖後のメールでのやり取りも加えると、以下の内容も読み取れる。

(4)「撤退」した筈のスミス氏一派は、その後も主催氏に干渉を続ける。トリック★スタァ氏からは、「当日は担当者を配置」「事前に法的措置を以って強制閉会」との話を受けた、とのメールも来る。主催氏は中止を宣言する。

メーリングリストに比べると目に触れている人も少ない以上、メーリングリストに比べやや信頼性は落ちるが、これについても当事者誰からも異論が上がっていない事や、メール内容の偽造が考えにくい事等から、これらのメールのやり取りも、取りあえずは真実と認定して良いと思う。

次回記事では、このメーリングリストを元に、当ブログで昨秋に論じた考察と照らし合わせながら、自分なりに事実関係を検証したい。