前回記事の続きです。

当ブログでは、昨年秋の時点で、「艦これオンリー「浦賀船渠ノ航跡」中止は、偽の権利者が、偽の権利を盾に追い込んだ悲劇ではないか」と題した記事を発表させていただいた。
既にありもしない権利を盾に、権利者を名乗る者が、勝手にクレームを付けて中止に追い込んだのではないか?そう推測した。

私は、中止説明会席上で中止原因として挙げられていた事もあり、当時は、ロゴや社章等が引っかかったものと認識していた。
そこで、該当しそうな知的財産権(著作権・商標権等)全てを総ざらいした上で、これらの権利は皆、無効ないし権利消滅しているものばかり、と論じていた。
ロゴや社章に関しての論を中心としていたが、メーリングリストを確認した所、社章等よりもむしろ【浦賀船渠のドック写真】が問題だと指摘されていたようだ。

そこで、浦賀船渠の写真に関し、「著作権違法」(原文ママ)とやらが存在するのかどうかを再確認したい。

なお、既に先行で調査されているたまご提督氏とは、微妙に解釈がずれていると思う。
あくまで表出したメーリングリストをメインの材料としつつ、自分なりに考えた上の解釈である、という事を、ご了解いただければ幸いである。
【「浦賀船渠」権利者に写真の「著作権」は帰属しない】

先ず、建築物そのものの著作権
これは元々、「浦賀船渠株式会社」ならびに承継会社「住友重機械工業株式会社」に帰属するものだが、業務上発生した著作権「職務著作」の為、製作から50年の有効期間となる。
50年の有効期間はとうに過ぎており、既にその権利は「消滅」している。

写真についての著作権だが、これは昨秋記事でも僅かに触れているので再掲する。

>確かに浦賀船渠の写真使用はNGだが、これはあくまでマナーとして写真撮影はご遠慮いただきたい、という「お願い」的なものである。
>写真に著作権は発生するが、これは【撮影者】に帰属する権利であって、被写体=浦賀船渠=住友重機械工業に帰属するものではない。住友重機械工業がこれに権利を主張し、これを理由にイベント中止を求める、と言うのはあり得ないのである。

著作権法46条では、建築物の著作物は、特定の条件下にある場合を除き、「自由に利用できる」事が定められている。その特定の条件に「写真撮影」は入っていない。
すなわち、写真撮影は、著作権上では自由にOK。被写体側の著作権は、発動されない。
仮に建築物に著作権が残っている期間内だとしても(実際にはそれすらも消滅しているが)、写真撮影に関し、被写体=建築物の所有者に、著作権は残らない。
条文に記載されてはいないが、写真の著作権は、あくまで撮影者に帰属するものとして運用されている。(私も資格試験の勉強過程でそう教えられた)

やはり、この写真について、権利者・住友重機械工業が「著作権違法」(原文ママ)とやらで「浦賀船渠ノ航跡」側にクレームを上げるなんてのはあり得ない。
(住友重機械工業が「冊子とかへの引用はご遠慮いただきたいですがー」とクレームを上げるぐらいはあり得るかもしれないが、著作権法を盾に中止を迫る、という構図は考えられない)
住友重機械工業は写真に関する著作権を有しておらず、「トリック★スタァ氏」の主張する【住友重機械工業が持つ著作権】とやらは、【脳内に存在する権利】のようだ。「架空の権利」「嘘の権利」といっても問題は無い。

ちなみに、たまご氏ブログによると、

>後日小川さんに照会したところ、写真等は小川さんが自分で撮ったものであり、撮影データも手許にあるとの回答を得た。
(注・小川さん…「浦賀船渠ノ航跡」主催氏)

との事だ。

あくまで当人の自己申告なので、軽々しく鵜呑みにはできないが、これが本当ならば、撮影者である主催氏自身が、写真の著作権者となる。
著作権者自身が、「著作権違法」(原文ママ)等と言い掛かりをつけられる。訳が分からない展開だ。

もし主催氏やその周辺スタッフに、著作権法に関する知識や理解があれば、こんな言いがかりは、戯言として一蹴できたはずである。
「著作権者は撮影者である主催自身」とでも言って跳ね返せば、こんな大事にはならずに済んだのだから。
知識という名の「武装」が、いかに大切かを痛感する。



【疑わしさ募る「住友重機械工業」関係者のお話】

そもそも、住友重機械工業が「浦賀船渠ノ航跡」にクレームを出した、とされる経緯がおかしい。
たまご氏ブログの内容を読み返すと、これは本当に住友重機械工業からのクレームなのか?と疑うレベルで、不自然な事だらけだ。
何故これを、主催もスタッフ関係者も、誰一人として疑問を差し挟まなかったのか?何でお前らこんな不自然な嘘にコロッと騙されるんだ…私はそう思った。

以下、住友重機械工業が出したとされるクレームについて、メーリングリストに上がったやり取りを、抜粋する。
( )内のコメントは、私の個人的な見解、心の声とお考えいただきたい。


(2014/11/04 17:55)
・トリック★スタァ氏、浦賀ドック写真について「無許可の撮影・使用はNGのはずだが大丈夫か?」と疑念を呈す

(尚これは、別メーリングリストに「トリック★スタァ氏」が間違えて流したメールを、スミス氏がコアスタッフ用メーリングリストに転送したものである)


(2014/11/04 21:22)
・主催氏、写真掲載に許可は取ってないと明言。でパンフレットをキャンセルしようかと言い出す。

決断がアッサリしすぎてはいないだろうか…この頃の主催氏からも、他のスタッフから突き上げ喰らったりなんだりで、正常な判断力が奪われていったような気がする。)

・これに対し、スミス氏もパンフレットキャンセルは勿体ない。差し替え・修正等で対応できないかと提案。

(ここまでは、まあ…普通のやり取りかなあ。)


(2014/11/04 22:22)
・トリック★スタァ氏から、新たなメールが来る。
住友の叔父に確認取りました」
「国外(特に韓国、中国)に情報が漏洩する事は絶対的な禁忌の為、いかなる理由でも住友重工に帰属する物件の写真や資料の無断掲載は著作権違法により訴訟対象となるそうです。」
「許可は東京の住友重工の本社広報部に承認願を出すそう」

(ちょっと待てや…機密漏洩を避ける所までは分からなくはないが、著作権法違反とそれが何故結び付くんだ?機密が入っていようがいまいが、著作権法に引っかかるものは引っかかるし、引っかからないものは引っかからない。両者は別次元の話だが…機密漏洩違反と著作権法違反とを混同してるっぽい?
(動いている工場なら機密扱いは分かるが、浦賀ドックの跡地は既に稼働を終え「つわものどもが夢の跡」の状況だ。定期的に見学ツアーも開催され、不特定多数の目に晒されている。それを機密扱いと言うのも変な話だ

(2014/11/04 23:17)
・トリック★スタァ氏による、カタログ上の「著作権違法対象」(原文ママ)項目の指摘メール。ここで初めて、社章も「著作権違法対象」(原文ママ)として上がって来る。

(2014/11/05 0:18)
・メインスタッフの一人・くろかい氏が、キャンセル後の差し替え再印刷発注を仄めかすメールを送る

(2014/11/05 1:10)
・トリック★スタァ氏より再度メール。浦賀ドック写真に加え、社章も消すべきと進言。
「エンブレムについては本社総務部が忙しかったらスルーするかもしれないけど、暇なら金(賠償金)になるから訴えるって言ってました」

(「暇なら金になるから訴える」って…そんないい加減な判断基準で訴訟を起こす法務がこの世の何処にいるよw住友重機械工業は、金目当てに訴訟を起こすゴロツキ企業ってことか?
(あとさ、君が3時間前に送ったメールにはさ…「本社広報部」に使用の許認可権がうんたら、って言ってませんでしたっけ?広報部と総務部とどっちに許認可権あんねん。不自然じゃね?)

(2014/11/05 2:27)
・「重大なコンプライアンス違反」の為、スミス氏と、スミス氏に付き従っていたコアスタッフのくろかい氏・かぶ氏の3人連名で、スタッフからの離脱を宣言。スタッフ用メーリングリストも、5日24時で閉鎖すると宣言

トリック★スタァ氏が、写真の使用に疑念を呈してから僅かに8時間後の話である。半日も経たぬうちに、「重大なコンプライアンス違反」でスタッフ離脱ですか…いくらなんでも皆さん動き早すぎじゃね?
(この電光石火の早業に気を取られ、皆正常な判断力を失っていたような気がする。しばらく目を離してたらこんな話になってた、ってスタッフもいただろう。今思うと、もう少し時間的な余裕があれば、「住友の叔父の話は本当か?」と疑問を抱いたり、著作権法を調べたりする人も、もしかしたら出て来たのかもしれない
(というか、スタッフ用メーリングリストぐらい残したままにしとけよ…残されたスタッフ同士の連絡どーすんだよ…無責任じゃね?)


(2014/11/05 7:30)
・スミス氏一派スタッフのバージル氏が、webの訂正や、配布済フライヤーの回収等を進言
・同じくスミス氏一派スタッフのかぶ氏が、スタッフ内にかん口令を敷く

(2014/11/05 24:00)メーリングリスト閉鎖。以後はメールでのやり取りとなる

(2014/11/05 7:30〜8:52)
「浦賀船渠ノ航跡」主催氏、web修正作業を行う。主催氏、何故か「撤退」した筈のスタッフ・くろかい氏にお伺いを立てている。トリック★スタァ氏も絡む。

(普通は、スタッフのくろかい氏が主催にお伺いを立てると思うのですが…主従関係逆転してますね…)

(2014/11/06 17:11)
トリック★スタァ氏から「最終通告的」なメールが。
このメールは、非常に味わい深く、ツッコミ甲斐のあるメールである。
少し長くなるので、次項で別途長々記すが、このメールが決定打となり、その日の夜「中止宣言」が出されるに至った…そう私は捉えている。



【トリック★スタァ氏のラストメール検証】

「検証」というよりタダの「ツッコミ」なのだが(汗)
中止宣言直前、11月6日の17時過ぎに、トリック★スタァ氏が、主催及びスミス氏らのコアスタッフに送ったメールである。

本日の早朝に話し合った内容の通り」
(早朝に話し合いを持つって事がそもそも異様なのですが。それをさて置いても、早朝って…この日の7:30にメールでやり取りを始めてましたから、それよりも前に話し合いをしてたって事ですよね?しかも、あんたら前日夜にも横浜で会議してませんでしたっけ?22時までやったとかいうお話だった筈。…お前らいったいいつ何処で会議やってたのよ?

さて、気になるのはその会議の中身なのだが、濱澤更紗氏ブログ「すべてのものを人にする・MeToBe!!」・3月14日付記事「強要された嘘、証拠のない真実 」に気になる記事があるので抜粋する。

>この件については、「11/5にN氏側に主催とエロイ人と一部スタッフが呼び出されて、そこで中止するよう迫られたけど主催は折れず、22時頃エロイ人は帰った」
>「その後主催も帰ろうとしたが、そのままN氏側に近くのカラオケボックスに強制的に拉致られて、中止すると宣言するまでえんえん責め立て帰さなかった。で、カラオケボックス閉店の5時になってようやく開放された

>(ちなみにどこのカラオケボックスで何番の部屋かまでは裏取りできてます)

これが上記・トリック★スタァ氏の言う「早朝に話し合った」事の中身なのか。
濱澤氏も仰るように「録音その他なんて物証は残ってないわけで、目に見える証拠はほぼ皆無」「当人(ここでいう当人はエロい人と主催)の証言以外にない」との事なので、鵜呑みにはせず、もう少し検証を重ねる必要はあるだろう。ただ、気になる記事という事で取り上げた。


話が逸れたので、トリック★スタァ氏のメールに話を戻そう。

「まず、電話番号非通知、また社名を伝えた後、問い合わせ回答を解説して頂きました。」

住友重機械工業が、電話番号非通知でトリック★スタァ氏に電話で回答したという事なのだろうか。住友重機械工業はそんなテキトーな会社なのか?そんな法務がこの世の何処にいるのか?


「これは社会人としてコンプライアンス違反を申請して来るのを待つと言う事で、報告無くイベント開催した場合は法的措置を取ると言うことでした。」

(「コンプライアンス違反を申請」という珍妙な単語を私ははじめて聞いた。「著作権違法」といい、変な言い回しが多いような… それはともかく、そもそも住友重機械工業は著作権とか既に持ってないのに、どうやって法的措置を取るというのか…?


「ここで、今回コンプライアンス違反を申請した事により法的措置は現時点で回避されました」

(んで、その「コンプライアンス違反を申請」とやらは、いったい誰が申請したのか?というのがポイント。申請したとされる人物は、トリック★スタァ氏その人でしかない。住友からのお言葉も、全てトリック★スタァ氏からの口伝である。主催氏含め、誰も住友重機械工業とやり取りを行っていない。この事は押さえておきたい。)


「11/7(金)9:00までにHPにてイベント開催中止の旨を公開すること。また、公式HPではトップページ以外全て削除すること。問い合わせ先(代表)を公開し、ツイッター等のアカウントは削除すること。」
「・配布していたフライヤーは店舗保管分は全て回収し、焼却、若しくは裁断処分すること。こちらも自分(=トリック★スタァ氏)が目視確認すること。すでに一般に広まってしまったものは可能な限り回収を行うこと。」

(この要求が、11月6日夜の中止宣言における文言に繋がっているのではないかと思う。中止時、イベント関連物の全てを破棄せよ、とか謎のメッセージが呟かれたのも、この要求に起因するのではないだろうか)


「・パンフレット、割り箸(袋)、シール、クリアファイル等、弊社帰属品に対し許可を得ていない販売予定品は全て販売禁止とし、未開封の製品はそのまま焼却、若しくは裁断処理すること。」

(仮に明らかに度を超えた不当要求ではないだろうか…と言うのが一点。仮に向こうさんに権利があったとしても(実際は無いけど)、普通ライセンス料貰って販売許可を出すとかするんじゃね?販売が無理でも仲間内の無料配布とか製作者が個人で使用するならば文句は言えないだろうし…破棄を要求するのは、たとえ主催側に落ち度があったとしても(実際は殆ど無いけど)行き過ぎた要求だ。)
(というかこれらのグッズ類って、艦これオンリーイベントで頒布するグッズの筈なのだが、何で何の知的財産権も持っていない住友重機械工業の「弊社帰属品」になるんだよ?まだKADOKAWAやDMMに帰属するとかなら全く分からないって訳じゃあないが…)


「尚、11/7(金)の9:00までにHPを変更していない場合、開催の意思有りとみなし、当日は担当者を配置、イベントが開催される場合は事前に法的措置を以って強制閉会とするそうです」

人を遣って強制閉会って…できるもんならやってみろ、の世界ですな。サークルが80〜100人、一般参加者も、少なく見積もっても100人は来るだろう。スタッフも20人はいる。そんな多勢の中、どうやって閉会させるというのだろうか…?脅しにしても、現実味が無さすぎる。
(というか「強制閉会」させるなんて荒っぽい発想、普通の法務は持たないぞ。繰り返すが、そんな法務がこの世の何処にいるのか?


とこんな感じでツッコミを入れまくってみたのだが、要点を纏めると、こんな所だろうか。

住友重機械工業に知的財産権は無いのに、何故住友に著作権があるかのような内容になっているのか?「法的措置」なんぞ取れるのか。
・会社の法務部門にしては、「強制閉会」だの「グッズは焼却処分せよ」だの荒っぽい要求が多すぎる。そんな法務がこの世の何処にいるのか?

彼の話す「住友重機械工業からのお言葉」には、不自然な点が多すぎる。
これ本当に、住友重機械工業の言葉なのか?疑問は強まるばかりである。

今回の一件、著作権も無いのに著作権を主張した挙句、担当部署が総務だったり広報だったり二転三転し、挙句の果てには「開催を許可しない」とまで話が出てくる。
その割には、住友重機械工業から「浦賀船渠ノ航跡」側には、文書1枚すら届いていないのである。普通の企業が何かクレームを出すのなら、内容証明の1枚ぐらい送り付けるはずだが。
全て電話だとか「叔父の話」だとか、口頭ベースである。そして、それを取り次いだのは、トリック★スタァ氏以外には誰もいない。あくまで、トリック★スタァ氏の自己申告だ。

これら住友側が語ったとされる内容の荒唐無稽・不自然・不当要求っぷりと併せ考えると、トリック★スタァ氏が住友重機械工業を騙っての「虚言」と判断するのが自然であろう。
私は昨秋、「艦これオンリー「浦賀船渠ノ航跡」中止は、偽の権利者が、偽の権利を盾に追い込んだ悲劇ではないか」と論じたが、どうやらそれは、そんな外れた推論でもなかったようだ。

というか、住友重機械工業の叔父さんって、本当に実在してるのですか?いるんなら連れてきて下さいな。
そして、本当に住友重機械工業の担当者は、あんな事お話されたんですか?お話しされたという事なら、部署名・担当者名でも上げてくださいな。
もし本当にこれらをご提示いただけるのであれば、私の論は「一撃必殺」で粉砕できるはず。

もしトリック★スタァ氏に、本当に住友に叔父がいて、住友の方から話を受けたというのであれば、是非ご提示をお願いしたいものである。


【最後に】
メーリングリストをベースに長々と検証し続ける事で、トリック★スタァ氏の虚言により、この即売会は中止に追い込まれた、という点を明らかにさせていただいた。
架空の権利を盾に、実在の企業担当者を騙り、一つの催事を中止にまで追い込む結果をもたらした。
ここまで来ると、我々には手に負えない、というか我々の出る幕ではない。司法の手による何らかの対応が必要だと思う。

大まかな事実関係は、これでほぼ確定だろう、と思う。
ただ、まだ細かい未解明の部分も残っている。
(例・スミス氏らの他スタッフがトリック★スタァ氏の虚言に乗ったのは「過失」か「故意」か?とか、彼らが虚言を働いたないしそれに乗った動機・背景は?とか)
幾つかの仮説はあるが、まだ断定し切るには至っていない。

次回記事「補遺」は、この記事(後編)までに明らかになった事実関係を元にし、自分なりに考察を加えていきたいと思う。
また、今後の「着地点」をどう持って行くか?だとか、我々はこの事件をどう教訓にしていくか?だとか。そこら辺についても語れれば、とも考えている。
前編・中編に比べ、アットランダムに書き散らすつもりなので、その点ご承知おきいただきたい。