「コミティア」も終わって翌日の5月6日、少しヒマができたので、一般参加で都産業貿易センター浜松町館へ。
長年同人誌即売会の会場として親しまれ続けてきたこの浜松町館も、間もなく閉館となる。3〜4日は「都産祭」など、都産との別れを惜しむイベントが開催された。
私は3〜4日は別用あり、都産に足を運べなかったので、ヒマのできた6日、「ひとりお別れ会」的に都産に足を運んだ。

この日は他にも幾つかのオンリーイベントが開催されていたが、私が注目していたのは、スタジオYOU主催のオンリーイベント「ing!」である。
このイベント、懐かしジャンルをピックアップした形でのオンリーイベントを企図している。
前日の刀剣乱舞よろしく、旬ジャンルに群がるイベンターが多い中、敢えて逆を張るスタンスだ。

この試みがユニークに思えた事も、この即売会に足を運ばせた大きな要素となろう。

今回、対象となったジャンルは、以下の各ジャンルである。

・SLAM DUNK(28sp)
・封神演義(28sp)
・幽々白書(10sp)
・HUNTER×HUNTER(6sp)
・るろうに剣心(12sp)
・最遊記(20sp)
・鋼の錬金術師(4sp)
・新機動戦記ガンダムW(8sp)
・爆走兄弟レッツ&ゴー!!(32sp)

※トータル148sp規模

どのジャンルも皆、20世紀後半〜21世紀初頭にかけて一世を風靡したジャンルばかりである。
このコンセプトでのオンリーイベントは今後も開催が予定されているようだが、開催回ごとに、ピックアップジャンルを入れ替えて開催する意向のようだ。

流石にこの手の「懐かしジャンル」だけに、当たり前と言えば当たり前なのだが、年長の参加者が非常に多い。
特に30代〜40代に差し掛かった、奥様方が非常に多いような気がする。
親子連れで参加のサークルさんも、ちらほらお見かけする。
その一方、若い世代(20代以下)がほぼ皆無だったことや、男女比が2:98ぐらいで極端に偏っていた事も特徴か。
もっとも、このコンセプトのオンリーイベントである以上、このような参加層の偏りは予想の範囲内でもあるがw

会場に入った感じた事としては、一言で言えば「同窓会」的な雰囲気を強く感じた事だ。
「懐かしジャンル」のオンリーである以上、当然と言えば当然なのだが…。

新刊率が、極めて高いのも特徴だった。
参加サークルの本を手に取るが、奥付の発行日が、「5月6日」となっていたサークルが非常に多かった。
これは、2〜3日前にゴールデンウイークの一大イベント「SUPER COMIC CITY」(スパコミ)があったにも関わらず、そこで刊行していない、という事でもある。

恐らく、普段は、別ジャンルで活動している。もしくは、(年齢層考えると)普段は同人活動を休止しているのではなかろうか。
だから、スパコミを発刊日とする本が、置いていないのである。
そういう方々が、久々にオンリーがあるから、と「いざ鎌倉」よろしく、新刊携え馳せ参じる。そういう構図と見て良いだろう。

そう考えると、この即売会は、やはり「同窓会的雰囲気」と言えるだろうか。

興行的にも、浜松町館を1フロア埋めることに成功しており、上々の成果と言えるだろう。
同人的には、同人活動止めた、もしくは別ジャンル移籍者を、オンリー開催を通じこのジャンルに連れ戻せた、という点に意義深いものも感じる
両方の意味で、このオンリーは成果を上げ、成功を収めた。
古くて、同時に新鮮なコンセプトを打ち立てたからこその「勝利」と言えるだろう。