10月25日が、様々な同人誌即売会が全国各地で開催された。
前日も台湾で艦これオンリー「砲雷撃戦!よーい!」の開催も話題になるなど、この週末は有力・話題の即売会が多数乱立。私もどこにお邪魔するか相当悩んだものである。
熟慮の上私が選んだ即売会は、佐渡ヶ島で開催される東方Projectオンリー「新潟東方祭in佐渡」であった。

佐渡ヶ島で同人誌即売会が開催されたケースは、過去を紐解いても形跡が確認されない。
恐らく、佐渡ヶ島が東方の「聖地」というご縁が無かったら、決して開催されることはなかった。佐渡での開催は、同人史上「初」と思われる。
そしてこの先、いつ開催されるとも分からない。佐渡で即売会を楽しむ、またとない好機と捉え、この即売会を選んだ次第である。

…とは言え、佐渡への道は遠かったw
普段の「新潟東方祭」の会場は、新潟駅からバスで10分の「朱鷺メッセ」。そこからもう少し奥に行くと、新潟港フェリーターミナル。そこから、船で日本海を渡らねばならない。
高速船なら1時間で済むが、6000円台と高め。フェリーなら2000円台で済むが、2時間かかる。費用的にも、時間的にもコストが大きく、二の足を踏んだ方も少なくないはずだ。

それでも、【朝6時】新潟港発のフェリーには、我々の同業者が多数いたw
節約志向のフェリーだが、これを逃すと、お昼の佐渡着となる次のフェリーを使うか、或いは大枚はたいて高速船で開場前に間に合わせるか、だ。
朝早い便とはいえ、同業者の利用が多いのも当然であろう。
前夜東京発の夜行バスで新潟入りした自分は、夜行バス故不足しがちな睡眠を、フェリーの2等船室で補う。

目が覚めると、佐渡・両津港。早速下船するが、まだ時間に余裕はあるので、ターミナル内を散策。すると、ショッキングなニュースが目に飛び込む。
佐渡〜新潟間の高速船、午前便全便欠航、との事。
フェリーは多少波が高くても運行できるが、高速船だとフェリーほど波に強くないから、運航できない。そういう事だろう。

そして、佐渡入りの手段は、我々のように早朝フェリーを使う人間ばかりではない。
寧ろそれは早すぎるから、朝8時前新潟発の高速船、もしくは9時40分新潟発の高速船を利用する方が多いだろう。その両便でも、充分催事には間に合う…はずだった。
これで、開場時来場者の減少は確実となった。加え、サークルの遅刻や欠席も出てくるだろう。
幸いにもフェリーの方は動いている。高速船利用予定組の多くは、9時30分新潟発・12時佐渡両津着のフェリーを利用し、佐渡に向かう事となった。

いや、これは私の帰りの予定にも、響いてくる。
夕方家庭の事情で用事を抱えている関係上、14時30分両津発(15時30分新潟着)の高速船で帰る予定を固めていた。そして、その予定は外せない。
この高速船、欠航になる可能性が、現実味を帯びてきた。
一応、最終手段として、12時40分両津発(15時新潟着)のフェリーを利用する事も考えたが、そうなると、即売会のサークルとしての滞在は2時間足らずになってしまう…!

不安を抱えつつ、会場入り。
会場の「あいぽーと佐渡」は、今年4月に開業したばかりの新しい施設。ステージも備わった多目的ホールは、音響もしっかりしており、アフターライブにも相性がよさそうだ。
設営時間を利用し、アフターライブを務める同人サークル「TAMUSIC」さんが、ライブのリハーサルに勤しんでいた。

DSC_0027

ただ少し狭めで、30サークルぐらいが限界だろうか。
今回は離島での開催という事で、サークル数も普段より少なく20サークルぐらいにとどまったが、これぐらいの規模で丁度よかったのかもしれない。


高速船の欠航は、一般参加者の出足にも影響した。
一般参加者の初動列も少なく、30人程度と弱い。
後続のフェリーで遅れて来る人も、多々いらっしゃった。
サークルも、フェリーに切り替えて遅刻参加の方も少なくないようで、会場内には空席が目立つ。
一般参加者の多くは、高速船欠航の影響を受けない地元民。地元の学生さんが多く、若い世代の比率が高い印象だ。
主催氏によると、総来場者は170人。内70人が佐渡島民、100人が当該からの遠征組の模様だ。

とそんな感じで、来場者も多くない代わり、まったりムードの即売会だった。
スタッフも佐渡行きを呑んでくれる方はそんな多くなかったようで、普段の東方祭とは打って変わって、僅かに7人。それでも十分回しきれる人の少なさ。
見方を変えれば、その分のんびり、牧歌的な雰囲気だったとも言える。
まあ、普段来場者に恵まれる分殺伐とした雰囲気の多い東方オンリー、たまにはこういうのも悪くない。

主催氏もだいぶのんびりしていたようで、自ら色紙を描いてオークションに出すなんてお遊びを始めていた。

DSC_0028

…なんか図に乗ってるような気がしないでもないので、後で公開処刑を検討したいとも思うがw

12時近くになると、高速船来場予定組を吸収したフェリーが、ようやく両津港に来航。
主催氏も、「今フェリーの2便が来ましたー!お暇な方、屋上から手を振ってフェリーにアピールしましょう!」と意味不明な突発企画を呼びかける。皆暇なので、それに応え屋上へ。
多数のコスプレイヤーも含め、皆で手を振る光景は、果たして船中にはどう映ったのだろうか(汗)

と同時に、私も決断を迫られる。もし高速船がこの先も欠航が続くのなら、このフェリーの折り返し、12時40分両津港発に乗らねばならない…
果たして佐渡汽船のホームページ、運行状況を見ると

見 事 に 高 速 船 全 便 欠 航 で し た

STRIKE HOLE、無念の早期撤収を強いられることになったw
かくして、お隣の遅刻したサークルが【設営】を始める横で、私は、【撤収作業】を開始する事になった。
腹いせに本部席に鎮座する主催氏のマシュマロ腹をツンツン突つき、「ああん、らめえ」と淫らな喘ぎ声を出させた上で、12時20分、無念の撤収。

こうして、私の「新潟東方祭in佐渡」は、速攻で終わりを告げた…

その後も、遅刻組を交え即売会は続いた。
少ない人数ながらも、アフターイベントまで盛り上がったとの話を聞く。オークションでは、初値6,000円とかおかしな数字が出るのも、新潟東方祭らしい景気の良さだろうか。
離島という難易度の高い即売会ながらも、無事終わりご同慶の至りである。


しかしながら、やはり離島ならではの難しさも感じた。
以前、瀬戸内海の江田島で開催された同人誌即売会に足を運んだが、あそこは船が欠航しても本土と橋でつながっており、最悪陸路で何とかなる。
だが、佐渡へのアクセスは、「船」しかない。今回はフェリーが動いたからまだ良かったものの、高速船が動かず、少なからず影響を及ぼした
かと言って有効な対策が即売会側で打てるわけでも無く、せいぜい好天を神に祈るぐらいしかできない。離島での開催は、リスクを抱える上有効な手段も無く、非常に難しいと感じた。

一方、こういう離島に即売会がやって来る事で、島の人々に「即売会の楽しさ」を知らせる事ができたのは、非常に意義深い事でもある。
新潟市内にも即売会はあるが、そこまで足を伸ばすのも中々しんどい。一方、島内ならば、比較的気軽に足を伸ばせる。
この「新潟東方祭in佐渡」が、即売会初体験、という地元民も少なくないだろう。
彼ら地元民が、即売会の「楽しさ」に目覚め、新潟市内の即売会に顔を出したり、或いは自ら島内で即売会を開催しようという気になれば、しめたもの。そういう展開になれば、佐渡での即売会も、決して無駄にはならずに済むと思う。