SDFの艦これオンリー「砲雷撃戦!よーい!」は、都内での大規模開催もあれば、地方・聖地での開催も積極的。海外での開催もあった。
その開催形態・開催箇所の多様さは、同人史上類を見ないレベルだろう。
…ただ、いかに「宿毛湾泊地」があって聖地だからとは言え、高知県宿毛市で開催するのは、スタッフ/サークル/一般の別を問わず、ハードルが高いのではないだろうか…。

東京起点としても、新幹線で岡山まで3時間。そこから宿毛まで、在来線特急で、約5時間。電車だと、東京から約8時間。
関西起点でも、新幹線の移動時間が1時間になるだけだから、2時間減るだけにすぎる、所要時間6時間は見たい。
いや、同じ県内の高知ですら、高知駅から特急で2時間弱はかかる。
高知県の最西端で、関東・関西等主要都市圏からの移動時間は、離島を除けば、国内最長クラスだろう。

ここまで移動の大変な場所に、果たして誰が来るのだろうか、という話である。
取りあえず私はこの手の、普段と違った地域で行われる同人誌即売会には、可能な限り参加するではあるが…そういう人間ばかりではあるまい。
大湊(青森県)のように、僻地開催でも数百人集まる事例はあるが、今回は果たして。

という訳で、私は宿毛に急行した。
(といっても、12時に埼玉を発って、飛行機経由でも7時間を要し19時到着だがw)
会場は、宿毛市大島の「国民宿舎 椰子」。観光客向けのレジャーホテルだが、ここの会議室を借りての開催となる。
万全を期し、私は前日宿泊をこの「椰子」で手配。宿泊客は送迎してくれるとの事なので送迎も予約、特急の到着時間に合わせ駅まで迎えに来てもらう。駅から3km以上は離れているので、送迎を出してもらえて大変助かった。

運転手さん曰く、「明日のイベント、どれぐらい来るのでしょうか?」との事。宿の皆さんも、明日の人出を心配されている模様だ。
確かに「砲雷撃戦」には、遠隔地開催の大湊で、600人来たという実績はある。だが、宿毛は大湊以上にハードルが高いような気がする。ここで開催しようとした主催は、絶対火あぶりにしてやろうと決意を固めてしまうほどに、遠い場所だ。
大湊の実績はあるが、大湊以上の遠隔地というマイナス要素もあるので、正直読めない。当日蓋を開けてみないと分からない、とお答えするしかなかった。

宿毛到着時点で、既に前夜祭が始まっていた。
この日は、昼間より海軍の史跡巡りツアーが企画。少し料金は高めだが、大型バスや船をチャーターした「砲雷撃戦」おなじみの前日企画で、バス1台埋まるぐらいの参加はあったとか。
このツアーの参加者の多くが、前夜祭にそのままなだれ込む構図だ。

今回の前夜祭は、40人ぐらいの参加。
大湊や舞鶴のそれが3桁参加なのに比べると流石に小じんまりだが、その分アットホームな雰囲気。
人数が少ない分、料理の消費スピードも遅めなので、欠食児童が出ずに済んで良かったw
宿が宴席をお膳立てしてくださったので、キビナゴをはじめとした当地の海の幸が充実。ビールも、宴会係の方がサーバーをこさえて生ビールを給仕。美酒美食に恵まれた立食パーティーだった。

私は、恒例の「大型艦建造祭」に初めて参加…したのは良いが、伊401を狙うも来たのはまるゆ・あきつ丸と撃沈。
料理も刺身を食いそびれるなど、後悔残る宴席だったがw
それはともかく、こうして夜は更け、いよいよ翌日の「砲雷撃戦!よーい!」本番を迎える。

当日はサークル入場10時なので、それまでは部屋で寛ぐ。チェックアウト時間でもある10時ギリギリまで、部屋で粘るが、部屋から眺める宿毛湾の景色が素晴らしい。

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宿毛湾の景色は、即売会の会場からも眺められるが、この景色を楽しめるのも、宿毛ならではの「特権」と言えるだろうか。

宿の駐車場も、一部区域がサークル駐車用、並びに一般参加待機列用に確保・封鎖される。
会場は12時だが、既に朝10時過ぎの時点で一般参加者が10人以上待機する熱の入りよう。恐らく皆、前日からの「椰子」宿泊組と思われる。

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宿側も、「砲雷撃戦」開催に合わせ準備が整えられる。
1階の売店では、「砲雷撃戦」開催に合わせ艦娘イラストをあしらった特製ラベルの焼酎を限定販売。
元々「海交新聞」等海軍関係の資料を展示してあるコーナーも設置されており、それも相まって、「砲雷撃戦」らしい雰囲気が形成される。

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開場1時間前の11時になると、「国民宿舎 椰子」レストランにてミニキビナゴ丼の提供がスタート。
キビナゴのそんな取れない時期という事と、それでも可能な限り多くの方に味わってもらいたいという狙いからか、ミニサイズでの提供だ。
そこに群がる、はしたない大人たちの図…!
キビナゴ丼は、開場30分前の11時30分頃、全て完売した。「なのは完売」をも凌ぐ、光速の展開であったw

なお、最前列に陣取っていたのは、主催経験も豊富で今回スタッフとして参加していたベテランスタッフであった…スタッフからして率先してはしたないのが、この宿毛「砲雷撃戦」の特色であるw

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キビナゴ丼を平らげ、会場を出る。
先のスタッフ達は、キビナゴ丼だけでは飽き足らず「生ビール」や「カツオのタタキ」に走っていたので、冷たい視線を投げかけておくw
即売会場に戻ると、今度は、本部席で主催本人が一杯始めているw

例の「砲雷撃戦」記念焼酎を1本開け、宿にお願いして氷とお冷を持ってきてもらう。そして自ら水割りをつくり、一杯飲りながら主催業務を行う有様。
宿泊の「お客様」だから、宿も当然サービスに応じてくれるのだろうが、全くもって宿泊者の特権を濫用しているご様子が伺えるw

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…ちなみにこれ、全て【イベント開催前】のお話である事も付記しておきたい。

まあそんな感じで、ゆったりと、かつ堕落した平和な時間を過ごしつつ、いよいよ12時、即売会がスタート。
初動列はその後余り増えなかったようで、70人程度で終わった模様。
ただそれでも、即売会会場は狭く(勿論今年1月の蒲田ほど酷くはないが)、結構な混雑ぶりだ。

やっぱり宿毛は遠かったようで、最終的な総来場者数は300人。大湊の半分ぐらいだ。
このイベントは、「人を選ぶ」イベントのようだ。
だが、大湊並みに人が押し寄せてたらどうなっていたか…このぐらいの人出で、ちょうど良かったのかもしれない。

「人を選ぶ」イベントなだけに、参加者の大半は、他県からの遠征組が中心。
連泊組の中には、宿の浴衣を着用し、【自分の部屋から】即売会に参加する人もいたようだ。
これも、宿開催の即売会「ならでは」の光景なのだろうかw
訓練された遠征組が多かったせいか、購買意欲も高かったようだ。参加した艦これオンリーの中では、売り上げも比較的良く、サークルとしては参加しがいもあった。

一方、地元民もまあまあお見えになったようで、地元民の若い女の子が、お母様とご一緒に会場入りする展開も見られた。

上手いと思ったのは、参加者向けの、送迎バスの運用の仕方だ。
宿毛駅からは3km以上離れているため、アクセスの整備が課題。
そこで送迎バスを用意し、電車の時間に合わせ駅への送迎も行ったが、それ以外の時間(というか大半の時間)は、市営の駐車場と宿とを結ぶピストンバスとしての運行。
大湊等他の地域の経験も生きているのだろうが、地方開催の砲雷撃戦では、多くの参加者が車で来場する。宿の駐車場のキャパシティでは足りないの判断したのだろう。一般参加者はキャパシティの大きい駐車場に誘導し、そこから送迎バスでピストン輸送を行う、という運用だ。
地方即売会の実情に即したバス輸送で、会場へのアクセスを上手く整備できたのではないだろうか。

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サークルは、40サークル以上が参加。スペース数ベースで50spが参加して満了。
皆、訓練された遠征好きの連中ばかりだ。
地元・高知の参加は僅か2サークルに過ぎず、東京9サークル・福岡8サークル・埼玉5サークル、という勢力図だ。
…このイベント、高知開催じゃなかったっけ?w

こうして四国の最西端という難しい場所での開催ながらも、それなりに参加者が訪れ、宿毛での即売会は無事、成就した。
私は、帰りの電車の時間があるので14時には撤収したが(なお、関東の自宅への到着は24時を回っているw)、参加し応えのある楽しい即売会だったと思う。

一つ指摘を受けたのだが、今回、宿毛の町には「砲雷撃戦」のポスターが殆ど掲示されていなかったと聞く。
大湊や舞鶴のように、駅に貼られている形跡も無い。
町の協力体制は、これらの地域のように大がかりなものではなく、宿の全面的なバックアップを受けたとは言え、それを超えた協力の枠組が構築し切れなかったとも言える。

もっとも、大湊や舞鶴のように、地域が前のめりな所は珍しいのではないか?とも思う。
冬コミ新刊のコンテンツツーリズム研究本「コンテンツツーリズム取組事例集1(主に東日本編)」でも触れるが、大湊や舞鶴は、元々「萌え」を通じた町おこし、コンテンツツーリズムへの関心が高い土地柄だ。
だからこそ、あれだけ前のめりに「砲雷撃戦」に協力してくれる。
言わば舞鶴や大湊は「出来すぎ」の感もある。同じ「砲雷撃戦」とは言え。、この両地域と比べられると、宿毛は少し気の毒かもしれない。

ただ、協力してくれる所が「宿」だけだと、楽しめる内容にも、限界は出る。大湊や舞鶴の域には至れなくとも、地域から受ける協力の枠組みが、もう少し広がる方向性が築けないものだろうか
そこが、再来年の宿毛開催をもくろむ「砲雷撃戦」の、今後の課題になりそうな気もする。