北海道洞爺湖町にて、2010年から開催されている漫画・アニメの祭典「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」
洞爺湖の温泉街をまるごとコスプレフリーとして、痛車展示会や同人誌即売会、スタンプラリー等々様々な企画を盛り込みつつ、アニメ・マンガ等のコンテンツを通じ「町おこし」を図ろうとする取組だ。
2010年、洞爺湖温泉誕生100周年を記念して開催されたこのイベントだが、好評を博したため次年度以降も継続開催。洞爺湖観光協会を事務局とし、その後も来場者は年を重ねるごとにうなぎ上りに増加。2010年初回開催時が3000人の動員に対し、2014年は57000人動員にまで膨れ上がった。
コンテンツツーリズム界隈でも、北海道大学の山村高淑教授を中心とした研究者グループを筆頭に、熱い視線が注がれている。

私も、昨年冬コミ刊行で好評を博した「コンテンツーリズム取組事例集1(主に東日本編)」において洞爺湖の事例を取り上げさせていただいたが、実はまだこのイベントに参加した事が無いw
これは、同じ2010年からスタートして同じ初夏に開催の町おこしイベント「夕張まんがまつり」の方に参加していたというのが大きな理由だったりする。夕張と同じ月に、もう一度洞爺湖まで行くのは流石におっくうであるw
要は、洞爺湖という視聴率の取れる番組の「裏番組」ばっかり見ていた、ということになろうw

2015年に入り、「夕張まんがまつり」も終わった。コンテンツツーリズムへの研究を行う中で、洞爺湖の話を聞く機会もだいぶ増えてきた。
そろそろ、今まで一度も行った事が無かった洞爺湖に、足を運ぶべき時が来たのかも。
そう考え、今回この「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」にサークル参加を決意した次第である。
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成田空港からLCCで千歳空港へ。千歳からは、特急で約1時間30分で洞爺駅に到着。
洞爺湖へは、ここからバスで約15分ぐらいだが…バスが1時間待ちなのでタクシーを利用。トランクを抱えて一目で「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」行きと分かる「同業者」を捕まえ、タクシーを相乗りして交通費を節約する。
成田や千歳では土砂降りだったが、洞爺湖に着くころには雨も止んでおり少し安心する。この日は、雨が降ったり止んだりの天候だったが、洞爺湖はギリギリ雨も降らずに済む。
この手の「町おこし」イベントでは、町中コスプレフリーで、コスプレイヤーに町歩きを楽しんで貰おうとの意図が強いので、雨が降る降らないでは大きな違いだ。

タクシーは、「洞爺湖バスターミナル」に到着。
バスターミナルの建物が、洞爺湖観光情報センターと直結。そこの最上階が、同人誌即売会の会場だ。
即売会の設営はすぐに終わるので、先ずは周辺の巡回から。

バスターミナル・観光情報センター付近には広めの駐車場がある。この駐車場が事実上のメイン会場となり、土地の味覚を味わえる屋台が出店され、またコスプレイヤーのたまり場として、痛車展示会場として活用されている。
ここが、この催事で一番賑わいのある、コアスポットと言えるだろう。

痛車展示を見ると、東方Projectが一番多かったように思える。
他、艦これ・ボカロ・ガルパン・アイマス・まどか☆マギカなど人気作品の痛車もそれなりに数が多い。
珍しいところでは、「北斗の拳」なんてのもあったぐらいで…w
また、洞爺湖を舞台とするアニメ「天体のメソッド」での痛車が登場しているのも、洞爺湖らしい展開だろうか。

即売会が開催されるのは、観光情報センターの建物の最上階・4階。
2階に出入り口があり、そこから入館(1階はバスターミナル)。2階には観光協会の事務所があり、事務所に足を運びサークル受付を行う。観光協会の事務所が、この催事の「本部」という事になるのだろうw
2階フロアは、「天体のメソッド」等身大パネルが林立する中、コスプレイヤーのたまり場となる意味不明の様相だ。

階段を上った先の3階は、本来「洞爺湖サミット」の開催を記念しての展示資料館になっているはずだが、本来の展示の大半が封鎖。
専門学校学生たちのイラストが展示されていたり、北海道大学や聖地巡礼プロデューサー・柿崎俊道氏のミニセミナ―が実施されていたりとカオスな雰囲気。

2階・3階だけでもゴチャゴチャしすぎていて色々カオスだが、こういう具合に、やりたい人がやりたい企画を持ち込んで何かできる、というのもこの「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」の面白みかもしれない。
与えられたコンテンツを受け身で楽しむのも悪くはないが、企画を持ち込むなどして能動的に楽しむという選択肢もあると思う。

とは言え、2階・3階はカオスすぎてお腹いっぱい状態だw
ここを通り抜けると、即売会会場の4階。流石に4階まで足を運ぶ人はそんな多くなく、カオスな雰囲気はだいぶ薄まったか。
とは言え、一種の隔離配置なのは否めないので、即売会会場そばにくじ引きコーナーを設置。パンフレット持参者は1回くじ引きができる、という企画で、4階に足を向けさせる工夫を図っている。
即売会開場時は初動50人ぐらいだが、その後も随時入れ替わりで色んな方が訪れる。コスプレイヤーさんが、くじ引きがてら即売会の様子を見に来てくれる、というパターンが多かったのだろうとは思うが、寂しい雰囲気にならず済んで良かったとは思う。


即売会は、全体で24Sp。
2日間開催で、私は土曜のみのサークル参加だったが、土日通しで参加される方が過半数か。
ジャンル的には、東方Project3サークル(但し内2つは東方オンリー主催のイベンターだがw)、オリジナル・ボカロ・艦これ各2サークルといった具合で、やや男性向け傾向に寄ってはいるものの、結構ばらけた印象。
参加者は、若いコスプレイヤーさんか、洞爺湖の取組に注目するコンテンツツーリズム関係者やら「天体のメソッド」舞台探訪者などの面倒くさいクラスタが多い印象w あとは、地元民が親子連れで訪れる光景も目立った。

これは多分当サークルに限った話だと思うが、企業関係者・研究者関係とお名刺交換する事が度々。
当サークルの近辺に限り、何故か同人誌即売会というより「異業種交流会」の様相を呈していたw

尚、即売会会場内は飲食禁止なので注意。サークルスペースでも不可らしい。
会場側のルールもあり、たまにこういうルールの即売会に出くわしてしまうのだが、今回もそういう類である。
何か飲み食いしたければ、外に出て屋台とかで飲み食いする形になるのだろう。


「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」は、同人誌即売会「だけ」が全てではない。温泉街全体が会場となり、町の至る所で小さな催しが行われている。
こういう細かい催し諸々を楽しみ、町歩きを楽しむのが、このイベントの楽しみ方ではないかと思う。
せっかく来たのに、サークルに張り付いているだけではもったいないので、サークルは無人店舗にして町歩きを楽しむ。

「観光情報センター」の隣には、「洞爺湖文化センター」という建物が。
時間を区切って、声優やクリエイターのトークショーも開催。また、KADOKAWAやクリエイターによるイラスト展も実施されている。

温泉街に出ると、大勢のコスプレイヤーが街中を練り歩く様子が見える。
「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」会期中は歩行者天国となっており、町歩きを楽しめる。
観光協会から用意されたPOPなのだろうが、喫茶店・飲食店などでは「コスプレ入店OK!」と張り出されており、来店を促している。
お店によっては、チキンやら魚介類やらお酒やらの露天販売も。郵便局も、地元・北海道日本ハムファイターズ・大谷翔平選手の切手を露店販売(なお、郵便局の方は以前は【コスプレ】で販売頑張っていたこともあったらしいw)

洞爺湖の各温泉旅館・ホテルも、来場者の日帰り入浴を積極的に受け入れている。私も、洞爺湖万世閣さんの大浴場に浸かる。
お湯をたっぷり堪能しホテルを出ると、ホテル目の前の空き地・仮設ステージから生ライブが。近くのセブンイレブンでも、駐車場スペースに椅子が置かれ、ミニライブが行われていた。
土産物屋「越後屋デパート」でも、声優トークショーが開催されていた。

(ちなみにこの「越後屋デパート」は木刀を多数取り揃えているお店でもある。「銀魂」主人公の木刀に「洞爺湖」と刻まれていることから、「銀魂」の聖地ともなり、多くの「銀魂」ファンを「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」以前より受け入れている。そして今でも、銀魂ゆかりのグッズやら木刀やらを売り続けてもいる。

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列挙するだけでももうキリがないのでこのぐらいにするが、町中歩いて、地元の方々が、色々企画やら仕込みやらを持ち込んでおり、それを眺めるだけでも飽きが来ない。んーこりゃいくら時間があっても足りんわーw
(このあたりの雰囲気は、「ガルパン」の町・大洗の商店街や、徳島「マチ☆アソビ」に近い感じ。各事例に共通するが、一つ一つのお店が、互いに競い合うかのように色々仕掛けて参加者を呼び込もうと自助努力を図っている


とこんな感じで、「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」に足を運び、この目で見た様相をレポートさせていただいた。
私は土曜日のみの参加。16時にはバスで洞爺湖を出る身だが、イベント自体は土・日の2日間開催。土曜に洞爺湖に宿を取り、日曜まで通しで参加すると「違った面白さ」があるらしいw
土曜の夜、温泉街を歩くとコスプレヤーが大量に闊歩する。日曜の朝、ホテルで朝食バイキングを取っていると周囲はコスプレイヤーだらけ。期間内なら、夜中だろうがホテルの中だろうが構わずコスプレOKとのこと。泊まる部屋でコスプレ衣装に着替える事も充分可能だろう。
コスプレイヤーにとっても自由度が高いし、見る側も普段とは異なる世界を楽しめる。

もう一つ申し上げると、「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」は、洞爺湖温泉だけが会場ではない。
洞爺・壮瞥・月浦など温泉街以外の洞爺湖畔の町も、更には近隣の観光地・昭和新山も会場となっており、コスプレフリーだ。洞爺湖温泉とこれらの地域とは離れているが、1時間1本のペースで無料送迎バスを運行し、往来し易くなるよう計らった。もちろん、コスプレしたままの乗車もOKだw

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温泉街以外の地域には行けなかったが、こういう「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」ならではの光景も、機会があればお目にかかりたいものである。