世にあまたある東方オンリー。「変わり種」と言える個性的なオンリーも、決して少なくはない。
主催が裁判にかけられるオンリーもあれば、オンリーの名を借りた宴会をやってる即売会もある。
ただ、【列車の中の同人誌即売会】となると、流石に「東方遠州祭」が唯一であろうか。

主催は「アニメ倶楽部甲府」。山梨を地盤とする同人イベンターで、元々はオールジャンル同人誌即売会「コミックチャレンジ」を運営していたが、昨今は東方オンリーの開催に注力。
地元で「東方甲州祭」を開催し東方界隈に参入。次いで静岡県沼津市で「東方駿河祭」、長野県松本市で「東方信州祭」を立ち上げ。大手サークルの協力も得たことで即売会も軌道に乗ったようで、特に沼津の「東方駿河祭」は先日開催が過去最大の動員を記録したとの事。
山梨県及び近隣地域での東方オンリーを数年続け、一定の実績を収めている。

そして、どう考えても「鉄道好き」という主催の趣味がこじらせた結果だとは思うのだが(汗)、貸切列車の中で即売会をやろうという無謀な試みが始まったw
舞台は、静岡県西部を走るローカル線「天竜浜名湖鉄道」。新所原〜掛川間を結び、浜名湖北岸を走る鉄道だが、貸切で全区間を踏破しつつ、その中で即売会という試みだ。
普段は、東方キャラのヘッドマークを用意し、「快速・遠州幻想郷号」と名付けたイベント列車としての運行。年1回ペースで開催(運行)し続けている。

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残念ながら、これまでは有力東方オンリーと日程が被るケース多く、参加が叶わなかったものの、今回都合が付いて初めて参加することに。
折しもNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の舞台がこの天竜浜名湖鉄道沿線。気賀駅そばに大河ドラマ館が開設される展開で、コンテンツツーリズムの視察もできそう、という判断も働いた。
というわけで、午前中は直虎ドラマ館を見学し、その後天竜二俣駅に移動。ここからイベント列車「快速・遠州幻想郷号」に乗り込むことに。

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事前に主催からもアナウンスされていたが、今回は東方イベント用に予定されていた車両が故障により運行できず。「代打」で戦国BASARAラッピング車両が出動。
東方なのに「戦国BASARA」という意味不明な展開になってしまったが、まあこれは誰が悪いわけでもない。不可抗力だし仕方ないか…

列車前方のロングシートには、机が搬入。ここがサークル「本部」としての機能を備える。
主催氏自身が頒布している東方同人誌やグッズ、そしてこのイベント列車合わせの「東方萌え弁当」などが販売されていた。
旅ノートも用意されており、当サークルも足跡を描き遺すとともに、お昼過ぎの時間だったので「萌え弁当」を購入・賞味する。

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列車中央はコンパートメント。ここに一般参加の乗客が既に座っている。何人かはコスプレにお着替えを済ませている。
コンパートメント2つ分を潰し、ブルーシートで遮蔽することで、簡易ながらも更衣室も備わっている。

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残念ながらサークルでの参加者はいなかったが、まあ、その分主催自身が色々同人誌やグッズを売ってるから、主催1サークル参加ということで、ギリギr即売会としても成立してるかな(汗)
サークル参加者がいれば、コンパートメントがサークルスペースに充てられるのだろう。

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総参加者は10人ぐらいで、普段よりも少ないとのこと。
まあ、少ないなら少ないなりに、車内はゆったり過ごせる。車窓を眺めながら、のんびり列車旅を楽しめるので、これはこれで良しとしよう。
車内では東方系のBGMが延々流され、東方オンリーらしい雰囲気も味わえる。
私も、萌え弁当を味わった後は、車窓を眺めてのんびり寛いだ。


…とは言え、乗車駅・天竜二俣駅から、終着・掛川駅までは1時間ちょっとの所要時間。弁当食べて景色を眺めたら、あっという間の到着だ。
列車は掛川で折返し、天竜二俣に戻り、そこで運行終了だが、私は掛川で降りて帰京するスケジュール。僅か1時間ちょっとの乗車で、少し物足りない思いも感じつつ、列車を降りた。

乗ってみて、人数は少なかったものの、その分のんびりとした雰囲気。
東方曲を耳で堪能しつつ、車窓を目で眺め、土地の味覚を舌で味わう。
五感で楽しめる東方オンリー…というか「汽車旅」
だったと思う。

今後の課題としては、3つほど挙げられる。

まず1つ目。これは「アニメ倶楽部甲府」主催他イベントにも共通して言える指摘。以前から申し上げている指摘(というかお願い)ともなるが、決済方法の不便さの改善だろうか。
現在は、為替の郵送、もしくは現金書留での参加費郵送の2通りしかないが、どちらの場合においても、郵便局に行かねばならない。…郵便局に営業時間内に行くのも、結構ツライのですよ自分。
他の即売会だと、ほぼ全量、振込決済での対応なので、ATMで何とかなるのですが…振込決済の方が参加者としては楽なので、ここは今後の改善・導入をご検討いただきたいところである。

2つ目は、日程調整の問題だ。
今回は、たまたま他に有力なイベントも被っておらず参加しやすかったが、普段の開催は、他の有力イベントないし近似地域の東方オンリーと被るケースが多い。
初回は名古屋の「幻想郷サミット」と被ったし、その次は「文々。新聞友の会」など京都合同と被り…うーむ、参加しづらい…(汗)
東方オンリーも毎週毎週どこかで開催されているし、日程被りを解消させるのは難しい。それに、列車を手配できる日取りだって、限られていることだろう。それでも、せめて有力な東方オンリーとは被らないよう、可能な限りの調整をお願いしたいところである(現実には難しいかもしれないが)


そしてもう一つの課題は、「マンネリ化防止」であろう。
「東方遠州祭」は既に4回を数えているが、基本的に掛川〜新所原間を貸切で走る、という設定に変わりはない。でもそれだけだと、毎回同じ様式ゆえに飽きが来るのでは?という気もする。
少し変化を付け、マンネリ感の解消を図りたいところである。
今回、若干コースを変更(これまでは掛川発新所原着だったが、今回は新所原発→掛川着後折返し→天竜二俣着に変更)したのもその一環なのかもしれないが、それ以外にも変化を付ける事は可能だと思う。

例えば、一つの駅に20〜30分ぐらいじっくり停車して、駅近辺の町歩き・散策、あるいはホームでの撮影会を楽しめるようなスケジュール組みはできないだろうか。
過去私はJR三江線でのコスプレ列車に乗車したこともあるが、この時は一つの駅に30〜40分停車して、駅近辺の隠れた穴場スポットを開拓するなんて楽しみがあった。
天竜浜名湖鉄道ならば、天竜二俣駅に長時間停車。駅向かいの交通公園で撮影に興じるとか、転車台見学ツアーと組み合わせるなんて趣向も面白いかもしれない。

とは言え、運行スケジュールも、鉄道会社側から提示されたものをそのまま受容することになるケースが多いだろう。必ずしもこちら側の希望が通るわけでも無いし、むしろ通りにくい部分の方が多い。実現できるかどうかは分からない。
ただ、予め鉄道会社側に要望を出してみてば、鉄道会社側から何かしらの提案を引き出せるかもしれない。
鉄道会社との相談を通じ、スケジュールにも変化を付け新味を演出できるよう調整できれば、マンネリを打ち消し、新鮮味のある「東方遠州祭」になるのではないか?という気もする。