兵庫県内のオールジャンル同人誌即売会は、案外多い。
県都・神戸ではオールジャンルが殆ど無く、オンリーイベントの開催が中心。大阪に近い距離感ということもあり、大阪の大規模オールジャンル同人誌即売会が、受け皿的役割を果たしているのだろう。
ただ、大阪から遠い距離…加古川市や豊岡市、姫路市などでは、定期的にオールジャンル同人誌即売会が開催されている。加古川は昔お邪魔したことあるが、姫路の即売会は未踏…ということで予定が空いたので、当方も姫路に足を運ぶ。

即売会申し込み後、大阪・千里中央で「かんおんじフェア」の開催が発表。
「結城友奈は勇者である」シリーズを活用した、香川県観音寺市の町おこしの取組を研究している当方としては、これは可能な限り外したくない。
ということで、千里中央に朝立ち寄ってから、1時間程度遅刻しての姫路入りを決断した(汗)
姫路の到着は12時少し手前。
会場の「姫路労働会館」へは駅から1km弱、徒歩で約10分。駅から歩いて行ける範囲内なので、決して不便はしない。

会場に入ると、既にコスプレイヤーさんが大勢フリースペースにたむろし、賑わいを見せている。
参加者層的には、20〜30代の若手が多い感もあるが、40代50代も少数だがいらっしゃる。
地方即売会は、女性陣・学生中心の参加層という傾向は強いが、この即売会は、男性参加者も3割ぐらいはいるので、普段の傾向とも少し異なりそうだ。
老若男女問わずの参加層ということで、地域在住のオタク全般に対しての「受け皿」として機能していることが伺えるだろう。
とは言え、サークルとしての売れ行きは、予想していたとはいえ余り良くなく、そこが残念なところかw

参加サークルは20サークルを少し超えたぐらい。スペース数ベースでは、32sp規模だ。
これに加え、フリーマーケットや企業出展などのブースが数sp出ている。
ジャンル的には、この規模だと1ジャンル1サークルの様相。艦これ・とうらぶ・評論・ラブライブ!・ユーリ!等の他、アクセサリー系・オリジナル創作も目についた。
面白かったのは、姫路の町の見どころスポット・グルメスポットを紹介する本とか、ご当地萌えキャラの本とか、姫路「ならでは」の作品をお出しになったサークルさんがいらっしゃったところだろうか。

また、この即売会の特徴としては、ユニークな企業さんの出店は見られたところ。
掛軸・額・屏風・衝立・襖などのいわゆる「表具」を扱う市内の業者「片山表具店」は、「掛物継美」という萌えキャラを起用。同人サークル向けに「豆掛け軸」制作請負をPRしていた。
また、掛け軸の制作実演も実施された。





高砂市のプラスチック加工会社「匠工芸」の出店も、面白かった。
元々の強みである加工技術を、萌え系オタ系に転用し、コスプレ造形物の製作にも進出。「ロリータ包丁」というパワーワードな商品をはじめとした、コスプレ用武器造形物の製作に挑んでいる。
また、スペースでは、何故かコスプレ写真集も頒布していたw

匠工芸は、この事業でイノベーションを興し、県より経営革新計画の承認を(加えて支援も)受け、コスプレ造形事業の確立を目指しているようだ。
ステージ上でのPRでは、ジャパンエキスポへの出店も予定していると聞き、精力的な動きを感じさせる。

地域密着型の即売会では、地場の企業・事業者により出店も時折見られるが、飲食や画材販売が多い。
この手の造形関連企業、しかも元々の本業で培ったスキルをオタク系に転用するタイプで取り組んだ企業の出店は珍しい。
(諏訪の萌えキャラ「諏訪姫」も、金型加工の技術をフィギュア造形に転用し業種転換を果たしているが、生き残りをかけた中小事業者によるこういう動きは、今後も出てくるのかもしれない)

こういう地域密着かつユニークな企業と出会えるのも、地域即売会ならでは…というか姫路の即売会ならではの面白さと言えるだろうか。