福井の同人誌即売会「がーでんえふ」を視察後、そのまま京都に直行。サークル参加としていた東方オンリーに足を運んだ。
到着は13時40分過ぎと遅めだが、京都の開場時間が12時ということもあり、1時間40分の遅刻で済む。

京都の東方オンリーは、数イベントの合同形式。毎年秋に開催されている。
例年は10〜11月の開催が多いが、今年は会場取得の都合上、9月と少し早めの開催だ。
いつも通り「文々。新聞友の会」(射命丸文中心オンリー)、「科学世紀のカフェテラス」(秘封倶楽部オンリー)、「求代目の紅茶会」(稗田阿求オンリー)、「エンジニアワルツ」(河城にとりオンリー)の東方4イベントに、同人音楽オンリー「MUSIC COMMUNICATION」を加えた陣容だ。

サークル数は、東方人気もひと段落着いた中でもかかわらず、約600サークル。SP数ベースだと600以上か。
関西「秋の風物詩」として定着してきた感が強い。
元々この催事、京都市勧業館「みやこめっせ」での開催。これも会場取得の都合上と聞くが、今回は場所を移して「京都パルスプラザ」での開催だ。
当サークルが以前著した「同人誌即売会の歴史」において、1990年代の京都開催即売会を調査している中で、1990年代までは、この「京都パルスプラザ」が、即売会会場として多用されていた。赤ブーブー通信社主催の「コミックシティ」も、今はなき東京文芸出版主催の「コミックシティ」も、スタジオYOU主催の「おでかけライブ」も。そして、地場のオールジャンル即売会「ComiCon」も。
1990年代中盤までは、京都の同人誌即売会と言えば「京都パルスプラザ」と言っても過言ではない。

変化が生じたのは、現在の京都市勧業館「みやこめっせ」が、1996年に新築オープンしてからの話だ。
これまでパルスプラザを利用してきた即売会が、皆潮を引くかの如く「みやこめっせ」に移ったのである。
以後は京都の即売会といえば「みやこめっせ」での開催が主となり、今に至る。

「でも、なんで皆一斉にみやこめっせに移行したのだろう?」

こういう疑問を、SNSで投げかけたところ、「京都パルスプラザは場所が不便」という回答が。
確かに、京都駅から南に7kmぐらい。京阪中書島駅、もしくは地下鉄/近鉄竹田駅からさらにバス乗り継ぎ、ということで立地的には結構厄介だw
市街地の平安神宮や岡崎動物園にも近く、バスや地下鉄でのアクセスも容易な「みやこめっせ」に流れるのも、自明の理である。

とは言え、最近になり京都駅からパルスプラザ直行のバス「らくなんエクスプレス」も登場。距離はあるがほぼノンストップなので、所要時間15分ぐらいで、京都駅からパルスプラザに辿り着ける。
この直行バスの存在により、パルスプラザへのアクセスも、大幅に向上した。

パルスプラザ自体も、敷地面積が広く、待機列に使えそうなスペースも用意できそう。
やや古めの建物ではあるが、会場も広く、配置も比較的ゆったりと取れる。
まだまだ充分、同人誌即売会に使える会場だと思う。

600sp規模で、来場者も相当数。その割には周囲にコンビニがちょびちょびといったところで、若干供食施設に難があるのでは?という気はするが、それを逆手に取って「萌え弁当」の販売とかやってみれば、マッチしそうだ。
会場内に、ケータリング業者呼んで飲食の物販を始めても良いだろう。

「京都パルスプラザ」で開催された最後の即売会は、21世紀初頭と聞く。
実に、15年ぶりの即売会会場起用ということで、実質的には即売会会場を「新規開拓」したも同然だろう。
昨今は即売会の会場事情が良くない、という話も聞くが、こうして色々掘っていけば、まだまだ開拓の余地もあるのでは?と「京都パルスプラザ」十数年ぶりの起用を成功させた今回の即売会を通じ、感じた次第である。