元々は、「君の名は。」聖地・岐阜県飛騨市開催の同人誌即売会に参加を予定。「君の名は。」町おこしに関する研究本でもひっさげてサークル参加しようと思ったものの、サークル申し込みの難易度が過去類を見ないレベルの難しさのため、サークルとしての参加を回避。
(オンライン不可・紙申込書と参加費としての為替郵送のみ対応、程度の不便さなら享受するが、にもかかわらずサークルカットのテンプレートが用意されていないとなると厳しいものを感じる)
それでも、一般参加で足を運ぶ方向ではいたが、開催10日前の段階にて、サークル申し込みがゼロだったので即売会は無くなる、との報を受け参加を断念。(同時開催の痛車展示会は実施方向)

そんな中、たまたま目に触れたツイートがこちら。





岩手県盛岡市の郊外、滝沢市で昨年より立ち上がったというこの同人誌即売会。
名前だけは存じており気にはなっていたのだが、今からでもサークル参加できるのなら、顔出してみようかしら。
そう考えサークル参加を打診。
主催側の迅速な対応もあり、その日のお昼には返事が来て即オンライン申込。
決済もクレジットカードで済ませたので、サークル参加を決意・打診してから僅か数時間で全て事足りてしまったw

カタログに載らないのは、直前申込だし仕方ないかとは思ったが、何とか印刷スケジュールに間に合ったとのこと。機敏な対応に、心からの感謝を申し上げたい。

岩手県滝沢市は、県都・盛岡のベッドタウン的な土地柄で、市内には盛岡大学・岩手県立大学が立地。キャンパスシティとしての色彩も感じる町だ。
元々は「滝沢村」という村だったが、盛岡のベッドタウンとして人口が急増。人口5万を超え「日本一人口が多い村」としても知られていたが、2014年に市制施行し「滝沢市」となった町である。

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会場「岩手県産業振興センター アピオ」へは、盛岡市からIGRいわて銀河鉄道(旧:東北本線)で約10分、滝沢駅下車。
駅から3kmぐらい離れているが、土日は路線バスが運行。これにとどまらず、主催側も随時送迎バスを運行してくれている。アクセス的に困ることはない。
会場周辺に飲食店・コンビニ等が無さそうなので、食糧調達面での心配こそあったものの、会場内にはクレープやホットドッグ、蕎麦など軽食を提供する業者が出店しておりその点もひと安心、といったところか。

開場10分前の時点で、初動の待機列はおおよそ30〜40人程度。
地場の同人誌即売会なら尻上がりに参加者が足を運ぶ傾向がある。そして、盛岡から少し離れた郊外という立地条件も、それに拍車をかける。
そんな多くはないが、まあこんなもんだろうか。
実際、お昼の1時過ぎまでは、足を運ぶ方がちょくちょく。そんなメチャクチャ多いわけではないが、コンスタントに来場いただけたということだろうか。

特徴的なのは、男性・女性の参加比率がほぼ半々という点。
地場の即売会は、女性陣・学生の参加が圧倒的に多い。その傾向とは反し、滝沢の「イワケット」は、男女比半々に持ち込む程度には、男性陣も多かった。
一般参加者も、男女ほぼ半々。加えて、年齢層が30オーバーとやや高めの傾向。これも、地場即売会の一般的傾向とは異なる

ジャンル分布も、男性向けが目立つ
「イワケット」は44サークル・60sp規模の即売会だが、最大手は男性向け色の強い「艦これ」の8サークル。女性向け色の強いアクセサリー系が6サークルと続くが、その後は「東方Project」の3サークル。
他は1サークル1ジャンルでバラバラだが、刀剣乱舞等の女性向けジャンルに交じり、ガルパン等の男性向けジャンルも散見する。

そういう客層・雰囲気もあってか、当サークルの作品群も「手ごたえ」を感じられたが、当サークルにお越しの買い手さんは、イワケットについて「盛岡開催の”おでかけライブ”とは雰囲気が違う」という感想を述べられていた。
参加者の傾向が、地場のオールジャンル即売会とは異なるからこそ、こういう感想に至ったのだろう。
逆に言えば、そこが盛岡「おでかけライブ」との差別化にもなるだろう。女性だけじゃなく、男性も楽しめる同人誌即売会、という部分が。


少し気になったのは、主催が【滝沢市商工会青年部】というところ。
私も全国各地の同人誌即売会を行脚したが、主催が地方自治体というイベントは稀に見るが、商工会が主催というのは初めてだ。
主催が地方自治体のイベントだと、イベント業者等に委託・丸投げというパターンは多いが、この「イワケット」は、商工会の関係者がスタッフとして従事。地方自治体のような丸投げ感も無く、自力でのイベント運営だ。

イベントカタログを見ると、奥付には商工会青年部の主催、と明記されている。
カタログ内には、商工会会員企業(後援企業)の広告が多数(なぜか土木系の業者が多い)ひしめいている。

…何で「商工会」ともあろう機関が、わざわざ「同人誌即売会」なんて始める気になったわけ?

どうしても気になったので、本部スタッフ(滝沢市商工会の皆さん)に疑問をぶつけてた。
「上の者を呼んできます」と言われた後、呼ばれてやってきたのが、覆面コスプレのスタッフさん。

え…この方が…偉い人…(汗)

覆面を脱いだその方と名刺交換をさせていただくと、青年部のトップの方との由。
地域活性化事業を模索している中、商工会青年部の会員さんから、即売会やってみては?という提案を受けて実行に移したとのこと。2014年の市制施行も、開催に当たっての「きっかけ」となっているようだ。
また、滝沢は秋のシーズンには祭事・イベント等も特段無いとのこと。これが、秋開催の理由の一つになっているようだ。

スタッフとしての業務従事中ながら、お時間割いてお相手いただいたことに、心kらの感謝を申し上げたい。

実際このイベント、中の人はけっこうやる気があるようで、先日には、花巻市開催の「はなけっと」に宣伝を兼ねて参加するなど、他の県内即売会からも色々吸収している模様だ。
商工会という団体の性質上、そこまで同人の世界に詳しいとも思えない筈なのだが、だいぶ勉強されている様子が窺える。
こういう熱心な主催の下で開催される即売会は、過去の事例を踏まえて考えるに、今後の成長・伸長も期待できる。次回はまだ決まっておらず、おそらく来年秋だろうが、今後が楽しみな即売会だと思う。