広島県における同人誌即売会は、オールジャンル同人誌即売会「広島コミケ」や東方オンリー「東方椰麟祭」に代表されるように、広島市内開催の即売会に有力なものが多い。
ただ、広島市以外での即売会は、目ぼしい即売会が見当たらない。

例えば、昔はスタジオYOU主催のオールジャンル同人誌即売会「おでかけライブin福山」が存在したが、2007年の開催をもって終了した。
市郊外・松永駅近辺でもオールジャンル同人誌即売会「コミパラ」が開催されたが、2011年の開催以降、継続が確認できない。
三原市でも、「MIHARAシンドローム」というオールジャンル同人誌即売会が存在し、当サークルも遠征参加を目論んでいたが、日程が合わず遠征を先送りしている内に開催が終わってしまった…(最終開催は2011年頃)
尾道市でも、2007年にかみちゅ!オンリーイベント「神様にお願い!〜来福神社例大祭〜」が開催。「聖地開催型」同人誌即売会の先駆的存在とも言えるが、この一回のみで終了。
2010年代に入り、広島県東部での即売会は、事実上根絶されてしまった。

ここ2〜3年は、艦これ人気や、同人イベント主催団体「SDF」の暗躍もあり、呉市・江田島市での艦これオンリー。竹原市でのたまゆらオンリー等、聖地開催の即売会も散見されてきた。
しかしそれでも、県東部に関しては、ほぼ何もない状態であった。

とは言え、県東は、市場的に厳しい地域でも、決してないとは思う。
県東には人口40万規模の福山市をはじめ、尾道市・三原市と人口10万規模の町も控えている。福山には、アニメイトやフタバ図書もお店を構えている。
何かきっかけがあれば、同人誌即売会を開いてもそれなりに盛り上がれる地域だとは思っているのだが…

そんな中登場したのが、東方Project・東方輝針城オンリーイベント「東方輝針祭」である。
岡山や広島での東方オンリーは数あれど、福山での東方オンリーは「初めて」である。同人誌即売会全体を見ても、2011年「コミパラ」以来、実に11年ぶりの椿事だ。
何故福山開催?という疑問はあるが(おそらく主催氏の地元が県東だからだとは思うが)、存在を知った瞬間、速攻参加を決意した。
会場のエフピコRim(リム・ふくやま)は、JR福山駅から歩いて5分の商業施設。
元々「福山そごう」として開設された商業施設だが、経営難により撤退。繁華街から明後日の方角で、人が流入しにくい立地という不利な条件もあり、その後も経営者が変遷を続け、現在に至るという状況だ。
とは言え、元百貨店ということもあり、マイカー来場者向けの駐車場も備わっている。この点、街中ながらも、車組にも利便性の高い会場である、と言えるだろう。
この会場の最上階・9階が多目的ホール「スカイホール」として供用されており、ここを利用しての開催だ。

県東で同人誌即売会が開催されなかった大きな理由の一つに、同人誌即売会に適する会場が見つからなかった、という点が挙げられる。
だから「コミパラ」は市郊外の松永を会場にしていたし、「おでかけライブin福山」に至っては、福山駅から北に車で数十分のアクセスに難ある会場を起用していた。
それが今回は、街中で駅にも近く、車組も参加可能な会場を発掘し得た。これだけでも、今後の県東における同人文化の再興にも道筋を付けたという意味で、極めて意義深く大きな功績を遺したと言えるだろう。

ただ「スカイホール」はそんな広い会場でもない。
今回は52sp規模での開催だが、正直けっこう詰め込んだ部類だと思う。コスプレ参加者向けのスペースが、ほんの少しだけ用意できる程度の余裕しかない。収容量ギリギリだと思う。
(可能ならば、屋上喫煙所付近の広場などを、コスプレスペースとして開放しても良いのでは?今回はコスプレイヤーさんにとっても、少々窮屈だったと思う)


参加者の年齢層は、普段の東方オンリーに比べ、少し若い印象。
高校生・大学生ぐらいの若手が多く…いや、そのセリフは5年前と同じこと申している訳だがw
ただ、5年時が経てば当時の学生も社会人になっている。時の経過分、確実に加齢する。にもかかわらず5年前と同じこと申しているということは、その分若手の新規流入が見られるということだ。
「東方輝針城」が比較的新しめの作品ということも影響しているのかもしれないが、これまでの東方オンリーとは、いささか参加者層が違う。もっと言えば、既存のコミュニティと異なるコミュニティなのかもしれない。

参加サークルにしても、普段の東方オンリーなら事前に何の示し合わせが無くとも、知己は軽く10サークルぐらい見かける。
今回は2サークル程度で、極めて少ない。
多くの遠征サークルが、同日の北海道開催「東方神居祭」に足を運んだという事情もあるかもしれないが、「輝針祭」が普段と違う参加者層たることをうかがわせる。

コスプレイヤーは20〜30人程度常駐しており、結構目立つ。
コスプレスペースが狭く窮屈そうではあったが、積極的にサークルも巡回し買い物にも勤しんでいた印象。
今回は何故か鬼人正邪のコスが多く、仲良しグループが皆正邪で揃えていた。また、他のコスプレイヤーからも「正邪多くね?」との声も上がっていたw

場の落ち着いた15時過ぎには、コスプレイヤーによる集合写真撮影。
30人ぐらい集まったが、「ポプテピピック」キャラぬいぐるみを抱えたり、ビールジョッキ(の小道具)を片手にポーズ取ったり、小道具にも芸の細かさを感じたw


運営陣は、大都市のイベントのように熟練スタッフを揃えている訳でもなく、正直練度は低かったかもしれない。実際、サークル関係者(特に聖地巡礼系サークルが多かったと聞くが…)からスタッフを集めていたとも聞く。
ただそれでも、彼らスタッフ陣が不慣れな中一生懸命動いてくれたおかげで、この即売会も大過なく終えることができたと思う。

主催氏が挨拶すると、周りのスタッフやサークルからツッコミが容赦なく入るw んーこれって、もしかして主催氏、いじられキャラっぽい?w
ただその中で、主催氏は「来年もやろうかな…」とボソッと呟いていたので、今回の手ごたえを受けての次回開催も期待できるだろう。
その中で、今回の反省点を見出し、それを踏まえて運営に臨めば、より良いイベントになり、皆に愛されるイベントとなり得るだろう。