2014年に放映されたアニメ「結城友奈は勇者である」(以下略称の「ゆゆゆ」と表記)は、お世辞にも「大人気」とまでは言えないまでも、熱心なファンが多く、その後も作品展開・メディア展開が継続し続けている作品だ。
2017年に入ってからは先行公開の劇場版に、ライトノベルの関連作品新作、スマホゲームとリリース。2017年10月からのアニメ第二期公開に向け、関連作品を続々リリースすることで人気を再び上昇基調に持ち込んだ感もある。

同人人気としては、都内でオンリーを開いても10サークル前後で推移しており、そこまで規模の大きいジャンルとも言い難い。
ただ、昨年秋・都内開催「スーパーヒロインタイム」内ゆゆゆオンリーは、普段の10サークルから倍増して20サークルが参加。2017年の活発な作品展開・メディア展開も影響し、ジャンル内の人口も、相当増えた感がある。

「ゆゆゆ」の舞台となった香川県観音寺市では、同人イベント主催団体・SDFによる聖地開催型オンリーイベント「勇者部満開」が2016年以降、年1〜2回のペースで開催されている。
SDF主催の艦これオンリー「砲雷撃戦!よーい!」同様に、地元事業者による屋台の出店や前夜祭など、参加者を満足させつつ「町おこし」にも繋げられる企画を用意している。(というかほぼ「砲雷撃戦!」のノウハウの流用だが)
特徴的なのは、都内開催のオンリーよりも参加サークルが多いこと(都内の10サークル前後に対し、観音寺は25サークル前後で推移)。これは、他県からの遠征組のみならず、地元・香川県人のサークル参加比率も比較的高い(2割ぐらい?)ことが影響していると思う。
今回は、ジャンル人口の増大に加え、アニメ第二期放映直後の開催という要素もあり、参加サークルの関心も高かった。
サークル申込は、2018年正月3が日の間に満了(のちに調整の結果、数サークルを追加で受け入れ)。当サークルも間一髪だった。
結果、参加サークルは37サークルで、これまでに比べ約1.5倍の規模に。「ゆゆゆ」始まって以来の規模となった。

観音寺市も、地方創生の補助金を国から引っ張ってきてまで「ゆゆゆ」聖地巡礼者の誘客に熱心。
街中では、アニメ第二期のOP/EDテーマが流れ、商店街は「ゆゆゆ」フラッグを街頭に飾る。地元テレビ局でのアニメ放映もあり、地元民にも作品が浸透してきた感すらある。
3月10日〜29日の間には、市の主催にて、町中を巡るスタンプラリー/シールラリーも実施された(どう考えても「勇者部満開」開催に合わせてるよねw)。
3月21日には、「道の駅とよはま」で市長出席の下「ゆゆゆラッピング自販機」の【除幕式】まで執り行われる始末であるw

過去開催の聖地オンリーに比べ、明らかに盛り上がりの度合いが上昇してる。
私も、冬コミで「ゆゆゆ」聖地町おこしの取組も研究・収録した「コンテンツツーリズム取組事例集4」を抱え(のちに主催団体SDFの同人イベントを評論した「SDFクソ即売会列伝」も急遽追加w)、観音寺に馳せ参じた。

朝に到着したが、午前中はレンタサイクルを借りて町中のスタンプラリーに参加。昨年のスタンプラリーと比べ、キャラを担当する店舗がシャッフルされており、去年のデータが余り役に立たないw
そのため、シールを揃えるためには、回るお店を数多くこなす必要があり、その分買い物もしまくってお財布の中身を減らす結果となったw
とりあえず一通りシールとスタンプを揃え、記念品も入手。余った時間で銭形砂絵・琴弾八幡宮を観光してから会場入り。

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会場は、いつもの「山地かまぼこ音楽堂」。冷暖房の効きにくい環境ということもあり、昨夏開催時はサークル参加を回避したが、今回は3月開催なのでまあ普通に過ごせたかw
会場近辺は見慣れぬスーツ姿の一団も。市役所か観光協会か他の団体かは分からないが、「同人誌即売会とは何ぞや」みたいな会話をしてたことから、恐らく地域団体の関係者が様子を見に、視察に訪れていたのだろう。
開場15分前には、一般待機列の形成スペースにて、作中にも登場した「国防体操」なる怪しげな愛国心溢れる体操が、参加者間で執り行われたw

即売会自体は、12時にスタート。
過去のゆゆゆオンリーに比べ、明らかに人が多い。サークル参加も前回比150%だが、一般参加も150%ぐらいか。
それでいて会場の広さは前回と変わらない、となれば会場の混雑も当然か。来場者を会場に入れるのに30分近くは掛かっているし、混雑緩和のための「奥の手」とも言える会場内の「一方通行措置」も今回初めて発動された。

来場者の購買意欲も全般的に高く、当サークルの隣サークルは長蛇の列。持ち込み分が1時間も持たずに完売した。
他のサークルも同様だった。開始1時間ぐらい経って落ち着いた所で、幾つか目ぼしを付けていたサークルさんを回るも、残念ながら全滅…このイベント、買い手と売り手の両立は無理ゲーかもしれないw
当サークルは、この日参加したサークルさんの中では「売れない方」だったが、それでも閉会直前までに持ち込み5種類の内3種類までが完売。同人誌即売会(但しコミケ除く。コミケはいろいろ例外だw)における売上/冊数最多レコードを更新しているぐらいだ。

参加者を見てみると、聖地巡礼者のみならず、地域内の皆さんが様子を見に訪れるケースも目立った。家族連れでの来場も少なくなかった。
また、地元在住のファンが多いのもこの作品の特徴。この作品のファン全体に見られる独特の熱気も相まって(平日開催のお誕生会に数十人が足を運ぶレベル)、場の盛り上がりも増していったと思われる。

会場外を散歩すると、路地でコスプレイヤーが撮影を繰り広げている。
この作品、そんなコスプレイヤーも多くはなかった印象だが、今回は少なく見積もっても10人以上はいる。コスプレイヤーの増加と共に、コスプレ撮影も盛り上がりが増していったと思う。


当サークルが「クソ主催」と名指しするSDFの主催氏曰く、

「(この賑わいなら)伊吹島(でのオンリーイベント開催)も行けますね」

…とのこと。お前まだ伊吹島諦めてなかったんかいw
だからお前は俺に「SDFクソ即売会列伝」なんて本を出されるんだw

★伊吹島…「ゆゆゆ」第二期にも登場した、観音寺の沖合にある人口700人ちょいの小さな島。煮干しやうどん出汁の原料となる「イリコ」の産地。観音寺から市営フェリーが1日4本だけ出ている。アクセス的には中々大変なところ。普通はここで即売会を開こうとは思わない、普通の主催は。


次回の観音寺開催は11月24日。3連休の真ん中の日を予定しているようだ。
(その前に、都内でも5月に開催予定)
アニメ終了後ということもあり、ジャンルの規模も少し伸張。ファンの熱気もあるし、地域にも作品が浸透しつつある。市も「ゆゆゆ」を通じた更なる町おこし展開を模索していることだし、もうしばらくはこの勢いも持続するはず。
でもやっぱ伊吹島は色々ハードル高いと思いますよ…もし開催されたらたぶん行くと思うけど…