これまでは諸事情により(詳細は後述)余り触れてはこなかった…というか極力言及を避けてきたのだが、自分は、吹奏楽経験者ではある。一応。
高校3年間はチューバ。大学に入ってからはトロンボーンに転向したという経歴もある。
反面、学生時代は、同人・オタクと無縁の生活を送っていた。

ただ、楽器を通じた学生生活、正直申し上げて良い思い出もほとんど無い。
一方、嫌な思い出は山ほど積もってしまった。
一種の「トラウマ」になっており、社会人に入ってからは、当時の記憶を払拭・抹消しようと頑張っていた感すらある。周囲から吹奏楽のことが話題に上がっても、その話題へのお付き合いは最低限に留めた。他の話題に、強引に変えたこともあった。

その後オタク・同人の世界に足を踏み入れ、一定の年月が経過。
程なくして、吹奏楽を題材とした「響け!ユーフォニアム」がアニメ化され好評を博すと、当然、自分の周囲でもこの作品に触れる方が増えてきた。
一応、作品も原作・アニメと鑑賞するが…うーん。吹奏楽の世界の面倒なところには、作品の世界観とエンターテイメント性を損なわない範囲で触れてるねー。そんな印象だった。
(要はもっと面倒くさい「収拾不可能」な人間関係の話とかには触れてない…ということ。もっとも、それ触れたら作品の楽しみ半減するんで当たり前なんだがw)

「響け」が世に出ても、過去のトラウマゆえ、自分は極力回避方向で努めていたと思う。
その態度を変えざるを得なくなったのは、やはり2015年以降「コンテンツツーリズム」「アニメ聖地町おこし」の研究を深めたことが大きいだろう。
全国各地のアニメ聖地町おこし事例に触れる中、顕著かつ特筆すべき実績をおさめた「響け」舞台・宇治市の存在は、決して避けては通れない。
そして2016年冬コミ刊行の「コンテンツツーリズム取組事例集3」にて、宇治市の取組を紹介。自分なりに分析の上、地元にキャンパスを構える「京都文教大学」の学生団体による働きなどを指摘した。

こうして作品が世に出れば、それを頒布する場が欲しくなるのは人情である。
宇治で即売会あれば絶対参加するのになあ、と渇望するようになり始めたw
そして「響け」シリーズの新作「リズと青い鳥」公開に合わせるかのごとく、2018年夏の「ようこそフェスティバル」開催が決定。私は即サークルとしての参加を申し込んだw
…およそ吹奏楽にトラウマを持ち、「響け」と吹奏楽を話題にすることすら極力避けていた人間の言動とは、とても思えないのだが(汗)
当日、即売会は12時からの開催だが、開場前に宇治の商店街を歩くと、「ようこそフェスティバル」のポスターが至る所に見える。
宇治の街中で積極的に告知・宣伝を行っていた効果だろうが、一部のお店ではスタンプラリーのチェックポイントにもなっていて、聖地巡礼者がちょくちょく足を運んでいたようだ。
そう、この「ようこそフェスティバル」は「即売会」だけではない
聖地開催という地の利と、吹奏楽を題材とした作品としての特性を活かし、様々な企画を打ち立てていた。

スタンプラリーは、市内6カ所を巡る企画。即売会に付随しての企画だが、即売会開催の6月2日(土)と、その翌日・6月3日(日)までを対象としている。
チェックポイントを全てクリアすることで、特製のクリアファイル等を進呈していた。

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会場は、宇治市文化センター。JR/京阪宇治駅からやや距離があり、バスの利用が望ましい。バスも20分に1本ペースなので、不便するアクセスではないが、宇治中心部に戻る時は渋滞が激しいので注意が必要か。
少し不便かもしれないが、京都文教大の学生団体「響け!プロジェクト」によるお誕生会等のファンイベントや、ファン有志により結成された「北宇治高校OB吹奏楽団」の定期演奏会の会場としても起用されており、「響け」ファンにはお馴染みの会場だ。

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会場横の駐車場では痛車展示会も実施。10数台の「響け」痛車が並び、その横でコスプレイヤーも撮影に興じる展開。
また、会場内では「楽器の楽しさを味わって貰おう」との趣旨から、楽器体験の企画も用意された。楽器経験者が指導してくれるので、初心者にも入りやすい。結構人気の企画で、自分が様子を見た時には、20〜30人が列をなしていた。会場内の「リハーサル室」を活用していたので、防音対策もきっちりしている。
さらには、16時過ぎから楽器経験者を中心に、2曲を合奏する「ミニコンサート」的な企画も。会場は、音響設備もきっちり整った小ホールを利用。開会前には、100数十人が列を為して並ぶ人気を見せた。 


そして肝心の即売会だが、その小ホールを囲むホワイエを会場としている。
ホワイエのソファーをサークル用の椅子に充てる展開。
うーむ、これ、2015年に自分が参加した秋田の「響灯小町祭」と、サークル配置のしかたが酷似してるなあw(当時の「響灯小町祭」は東方ライブイベントと併催で、ライブ会場周囲のホワイエに東方サークルが配置されていた)

12時の開場前には、150人ぐらいが列をなして並んでおり、聖地開催ならではの高揚ぶりが感じ取れた。
その後も来場者は続々訪れ、14時近くまでは出入りは絶えず。当サークルも、宇治での「響け」町おこしを題材とした本をメインに据えていたこともあってか反応はなかなか良く、14時過ぎまでは慌ただしく過ごしていった。
見た感じ、来場者は意外に年配が…具体的には、40前後のアラフォー世代が多かったような気がする。んーもっと若年層がメインかなと思ったんだが…(汗)
振り返ってみると、作品ファン・同人者といったオタ属性の参加者は多かったが、一方で、吹奏楽趣味の方や一般市民っぽい方…要は非オタ属性の来場も少なくなかったように思える。

参加サークル数で見ても、案外健闘していたと思う。
「響け」ジャンルで活動するサークルもそんな多くはない。過去開催された「響け」オンリーの同人誌即売会でも、10サークル台に留まっている。
正直申し上げて、他のオンリーとの合同開催ならいざ知らず、このジャンルだけでの単独開催が成立し得るかどうかは微妙なレベルだと思っていた。
しかし蓋を開けてみると、サークル数は28サークル。30sp規模で、充分オンリーイベントとして成り立つサークル数が集った。やはりこれは、「聖地開催」の効果と言えるだろうか。

総じて見て、町中でのスタンプラリー実施、そして吹奏楽題材の作品という特性を活かし「吹奏楽」を前面に押し出した企画等が、この催事には盛り込まれた。
そして、その取組によって、これまでの「聖地開催型」同人誌即売会とはまた違った個性や趣のある即売会に仕上がったのではないかと思う。


ただ残念なのは、毎年この時期に京都・出町桝形で開催される、たまこまーけっとオンリー「うさぎ山大バザール」と日程がバッティングしてしまったこと。
この「ようこそフェスティバル」も、作品中にも登場する催事「あがた祭り」やそれに付随する公式ファンイベント等に合わせての開催で、どうしてもこの日からは動かせない。一方、「うさぎ山大バザール」も毎年この時期の開催で譲れない。
どちらもこの日程は譲れない、ということでバッティングしてしまったようだが…

不幸中の幸いとしては、宇治と出町桝形は1時間強で行き来できる環境。両作品とも「京アニ」制作ということもあり、ジャンル間の親和性も比較的高い。両イベントにハシゴ参加する人も少なからず。
「うさぎ山」も宇治の直撃でサークル数は5サークルと半減したものの、ハシゴ組の一般参加も多かったようで、最終的には例年並みの100人超え。まあ、被害は最小限に留められたと思うが…
ただ宇治「響け」の勢いは相当だ。両イベント間で引き続き協議を行っていただき、来年以降はバッティングを回避できるよう模索いただきたいと願う。

いや、両イベントともサークル参加したい俺のような人間は、結構困るんでw
(最終的には、宇治「ようこそ」一般参加・出町「うさぎ山」委託参加&終了直前に一般参加…とは決めたがけっこう苦渋の決断だった…)