岩手県南部は、独自の同人誌即売会文化が息づいている地域である。
花巻市では、過去複数の同人誌即売会が長らく続いており、現在もその系譜は「はなけっと」が継承し、当地同人者の受け皿として場の提供が続いている。。
奥州市水沢区(旧水沢市)でも、21世紀初頭より「CRUSH!」が頑張っている。今回は、長年気にはなっていたもののタイミングが合わず参加し損ねていた「CRUSH!」にサークル参加させていただいた。

会場の奥州市文化会館「Zホール」は、最寄りの水沢駅から北東に約2km。
うーん、その気になれば歩けない距離じゃないけど…荷物抱えながらだと厳しいですのう…
レンタサイクルも考えたが、水沢駅から西に数百m歩かないと借りられない。…それ、レンタサイクルのメリット、あんま無くね?
というわけで今回は、駅からタクシーを利用。おおよそワンメーターで行ける距離なので、そこまでタクシー代も掛からずに済んだだろうか(汗)
会場近辺は、ロードサイドの郊外店が数多く開発されている。
コンビニも徒歩圏内だし、半径200m以内に飲食店も結構ある。周辺環境という面では、そんな困ることはないだろうか。
ただ、周辺見ると「あてるいパーク」「あてるい整形外科」など、阿弖流為だらけで少しびびったw(いくら郷土の英雄だからって…そこまでアテルイ尽くしにならんでも…/汗)

サークル設営を終え開場を待つと、会場5分前より「開会式」が執り行われる。
「開会式」というと一見もの珍しいが(過去には苫小牧市の同人誌即売会「まるうたげ」でお見掛けしたぐらい?)、主催の挨拶と諸注意が案内される程度なので、まあ他の即売会でやってることとそんな変わりはないか。
ただ、何故か主催が挨拶終了後に【腕立て伏せ】を始めていたがw

そしていよいよ開場。
初動はだいたい20〜30人ぐらいか。高校生〜20代前半の若い子が多い。男女比は、2:8ぐらいだろうか。
外の天候は、風雨が吹きつけたり晴れたりと忙しかったが、学校夏休みの期間ということもあり、人出は好調。最終的には、用意したカタログも完売した。
折しもこの日は、県内盛岡市で「おでかけライブin盛岡」が、仙台でも「仙台コミケ」と日程が被っており、地勢的に2つのスタジオYOU主催即売会に南北から挟撃される格好とはなったが、その影響も無かったようだ。

サークルは、42サークル・75sp。毎回参加の常連さんも多く、安定感あり。
最大手は雑貨20sp、次いでとうらぶ15sp、銀魂4sp、fate4spといった具合。
雑貨カテゴリー以外のジャンルでも、小物が多く、全体の過半数がアクセサリーや小物類を出していたと思う。
自分のような「同人誌」で攻めるサークルはそんな多くはなかったが、10サークル以上は同人誌サークルも頑張っていたと思う。

時が経つと、ステージ上を会場にコスプレイヤーさんが撮影に興じる。
ステージと言えども、奥行きがあるので(数mぐらい)、コスプレイヤーさんの撮影スペースとしても充分な広さだろう。
7月ということもあり、七夕企画も。用意された笹に、萌えのたけをぶつけた描き込んだ短冊を飾る。他にも、イラストコンテスト・落書きボード等、参加者が気軽に遊べる企画も用意されていた。

参加して感じたこととしては、一般・サークルともに常連が安定して参加し続けている、ということだろうか。
最近急激にその傾向を加速させつつあるが、全国的に、地方即売会・オールジャンル即売会は衰退基調だ。
そういうご時世であっても、「CRUSH!」は過去のカタログと比較する限り規模面で大きな目減りが無い。これは、常連が安定しているからだろう。

とはいえ、参加者が常連だけだと、その即売会は蛸壺化して先細りとなる。
(参考:2017年09月12日付『【他地域の即売会関係者も必見】長野県内における同人誌即売会の現況を論ずる』
「CRUSH!」が良かったのは、常連のみならず、若い世代の参加者も少なくないところだ。家族ぐるみで参加しているケースも見られた。
若い世代が多いということは、ご新規さんが多い、ということでもある。今は一般参加者であっても、そのうちサークル参加に興味を持つかもしれない。サークル開拓という観点からも、一般参加者、特に新規参加者の存在は重要だろう。

以後も、年2〜3回ペースでの開催が予定されているようで、「継続性」という点でも安定感が高い。
今後も、地域に根差した同人誌即売会として、期待を寄せたい即売会であった。