2019年05月06日付記事『いよいよ「行き尽くした」感のあるSTRIKE HOLEの即売会行脚(2019年度中の訪問見込も含め、国内156市町村・海外3市)』では、当サークルが日本全国数多くの町の同人誌即売会に足を運んで、もはや「行き尽くした」レベルに達していることを記させていただいた。
即売会が年1回以上開催されている市町村で、未訪の(かつ訪問予定が立っていない)箇所は、もはや北海道紋別市・室蘭市、東京都福生市、愛知県犬山市、兵庫県豊岡市、そして熊本県八代市。未訪の町は、もはや数えるほどしかない。

その中の一つとして挙げた「兵庫県豊岡市」。
兵庫県北部・日本海側に位置する人口7万の町だが、この町で近年定期・継続開催を続ける『参羽鴉』が開催されるとの報を聞いた。
スケジュールも調整できたので、私は、豊岡に急行した。

◆◆目次
1.豊岡市の同人誌即売会
2.豊岡の同人誌即売会『参羽鴉』当日参加レポート
  1. 豊岡市の同人誌即売会


兵庫県の同人誌即売会は、県都・神戸での開催が殆どだ。大規模なオールジャンルイベントに、オンリーイベント。大阪府内の開催に比べると数は多くないが、定期的に即売会が開催され続けている。兵庫県内は無論、大阪・京都など関西他府県からも参加者が足を向ける。
この他、西部の加古川市や姫路市でも、地場に密着しての同人誌即売会が開催されている。

ただ日本海側の豊岡市ともなると、神戸等の都市部と、地理的に相当隔絶している。
神戸までは、高速バスで3時間弱かかる。
JRは神戸に直行せず、いったん大阪か京都に出る必要あり。そこから神戸に乗り換えだ。しかも、大阪へは2時間半近く掛かる。

となると同じ県とはいえ、実質別の地域だ。
同人誌の世界においても、神戸・大阪等の都市とは別の文脈で、独自に同人文化が発展していったものと思われる。
確認できる限りで最古の同人誌即売会は、2001年11月、豊岡駅前の商業施設「Aity」内で開催された「SPACE」だが、それ以前も、豊岡で即売会が開催されたであろうことは想像に難くない。

21世紀初頭は、個人主催のオールジャンル即売会が次々と勃興していたが、2005年からは、当時県内加古川市に地盤を持っていたオールジャンル同人誌即売会『S.I.N.』が豊岡に進出して開催。
また、少し遅れてだが、『参羽鴉』も年1回ペースで定期的に開催。
「S.I.N.」は諸事情あり豊岡を撤退したものの、『参羽鴉』は継続、現在に命脈を保っている。

なお、『参羽鴉』は、2013年京都府舞鶴市にも進出。舞鶴赤れんがパーク(←艦これオンリー『砲雷撃戦!よーい!』の会場としても有名)を会場に、定期開催を継続。
現在では、舞鶴・豊岡それぞれ年1回ペースの開催にて、安定している。


  1. 豊岡の同人誌即売会『参羽鴉』当日参加レポート


とは言え、やはり豊岡市は遠かった…
夜行バスで京都に到着。そこから特急で2時間半をかけ、10時頃にようやく豊岡に到着。(帰りも、豊岡12時前→京都で新幹線乗り換え→都内17時、といった案配)

会場の豊岡市民会館は、駅から1km半近くは離れている。
路線バスの本数は決して多くはないものの、バスの大半は豊岡市民会館近くを経由するので、市民会館行のバスは頻繁か。そんな不便は感じずに済んだ。
最寄りのバス停で降りて、市民会館に到着。4階のホールが会場だ。

10時30分の開場手前に到着すると、待機列こそは形成されていないものの、会場周辺に20〜30人程度がたむろしている。
開場アナウンスと共に会場入りするが、しょっぱなから「蛍の光」がBGMで流れるという放送事故も発生w いやそのBGMは早すぎるだろw

気を取り直して(?)会場内を巡回。
サークルは17サークル・24sp規模。そんな大きな規模ではない。全サークルを、楽に一巡できる規模だ。
この規模だと、1サークル・1ジャンルの様相。突出し目立つジャンルも存在しない。
サークル参加者の男女比は2:8ぐらいなので、やはり女性ジャンルが強いものの、男性ジャンルもそこそこ存在しており、極端なアウェイ感も無い。
(いや、本当のアウェイは男女比1:99のイベントなので…)


一般参加者ベースでの男女比は、半々ぐらいだろうか。
年齢的には、20〜30代のやや若い層が中心。アラフォー以上の年長者は、お見掛けしなかった。学生も、そんな多くはなかった。
学生クラスの若年層がやや少ないもの、若い世代が中心の即売会と言えよう。

頒布物の傾向としては、やはりラミカ・アクセ等の小物が多い。
これは最早、地方即売会での定番とも言える頒布物だろう。
豊岡ならではの特徴としては、色紙を有償頒布するサークルの多さだろうか。17サークル中、5〜6サークルは確認できた。色紙勢は一大勢力と言えよう。
値付けは、サークルによりバラバラだが、カラー500〜700円・モノクロ300〜400円ぐらいのサークルが多い印象だ。


個人的に好印象だったのは、サークルも一般参加者もそんな数は多くなかったもの、不思議と閑散感が無く、明るい雰囲気だったこと。
これは、会場が規模相応のちょうど良いサイズということもあろうし、日当たりの良い会場ゆえの「明るさ」も作用しているとは思う。
ただ、それ以上に、参加者一人一人が「楽しそう」なのだ。それが、『参羽鴉』という即売会の、明るさに満ちた雰囲気を形成している一番大きな原因だろう。

残念ながら限られた滞在時間の中、明るい雰囲気の「謎」こそ解明することはできなかったが、「雰囲気が良い」という実感は間違いないと思う。
どなたか『参羽鴉』にお越しの方がいらっしゃれば、是非あの明るい雰囲気の「理由」を御解説いただきたいものである。