SDFが、作品聖地で開催する同人誌即売会には、2つの「顔」があると思う。
1つは、コンテンツツーリズム(聖地巡礼)を意識。地域の「町おこし」成功モデルとして確立し得た「成功即売会」としての顔。
…そしてもう1つは、SDFの「クソ即売会量産装置」としての顔。

舞鶴の「砲雷撃戦」は、SDF2つの「顔」が、どちらも表出した即売会と言えるだろうw

艦これオンリー「砲雷撃戦!よーい!」の舞鶴開催は2014年以降だが、以後年1〜2回ペースで開催。
即売会会場そばで地元の商工会有志が屋台村を形成。事業者は商売で潤い、地域活性化にも寄与する。
参加者は舞鶴の「食」も楽しめ、満足度も向上する。
皆が、笑顔になれる構図を創り上げている。
筆者も過去2回参加しレポートを上げたし、コンテンツツーリズム(聖地巡礼)の視点からも舞鶴の事例を分析させていただいた。

【参考リンク】
当ブログ2015年06月05日付『5/17 京都府舞鶴市・艦これオンリー「砲雷撃戦!よーい!」』

当ブログ2016年08月08日付『7/17 京都府舞鶴市・艦これオンリー「砲雷撃戦!よーい!」』

拙著『コンテンツツーリズム取組事例集 第1巻』


成功法則も完成しており、その盛況ぶりも安定している舞鶴だが、昨年あたりから異変が起きた。
人が来すぎて屋台村での「食」にありつけない、というのだ。
サークル数も一般参加者も増え、キャパシティオーバーという声も聞いた。
以前とは比較にならない盛り上がり、ということか。筆者は、同日開催の「コミティア」すら回避し、舞鶴に急行した。
前日開催の前夜祭から、足を運んだ筆者。
会場は、東舞鶴駅から徒歩15分、いつもの舞鶴赤れんがパーク。
新型コロナウイルスが巷を騒がせ始めた頃だけに、「手を洗おう」との注意喚起も目立つ。入口では、アルコール消毒液が参加者に配られていた。

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立食パーティーで7000円とは高額だが、その値段を出すからには、料理には自信あり、ということなのだろう。かえって期待は高まる。
実際料理は相当のもので、舟盛りの刺身あり、ローストビーフあり、海鮮丼もあり、ビーフシチューも海軍カレーもあり。海の幸たっぷりの海鮮汁も振舞われた。ここに行けば、充分満足し得るだけの舞鶴の「食」を楽しめるだろう。

ここ数回で定着した風習なのだろうが、地酒を持ち込む「提督」が増えたところが大きな特徴だ。
提督が皆自慢のお酒を持ち込み、色々なテーブルに注ぎに回っている。10年以上寝かせた高級酒を、惜しげもなく振舞い続ける提督たち。我々もその恩恵に与り、貴重な銘酒を堪能させていただいた。ご馳走様です!

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…でも、よくよく考えてみると、この即売会の前夜祭

一升瓶片手の提督が多数徘徊している

ということでもあるw
ある意味、異様な光景だが、それももはや「恒例」になってしまったようだw


そしてその日の宿泊。
以前「砲雷撃戦」に参加したときは、東舞鶴エリアで宿は取れなかったものの、隣駅の西舞鶴エリアで宿を確保できた。
しかし今回は、西舞鶴エリアで宿を確保することすらも叶わず。苦渋の選択で、舞鶴から電車で30分、綾部市内に宿を取る事とした。

人によっては綾部で宿を取ることもできず、舞鶴から電車で1時間圏内の、福知山市や亀岡市に宿を取ったという話も聞く。
明らかに、以前と比べ宿泊事情は悪化している。すなわち、それだけ舞鶴入りする人が増えた、ということでもある。


当日朝。提督たちの、朝は早い。

即売会は12時からだが、朝7時台に綾部を出る舞鶴行きの電車には、提督たちが大量に乗り込んできた。

前回の「砲雷撃戦」は、人が集まりすぎて、屋台に並びお目当ての「食」にありつくのに1時間以上並んだという逸話も聞く。ボルシチ3時間待ち、という伝説も生まれたようだ。
商工会の屋台も、朝5時から営業するお店も出てきており、明らかにエスカレートしている様子がうかがえるw
何故、朝7時の綾部発に大量の提督が乗り込むか、お察しいただけよう。

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【東舞鶴駅前 商工会関係者による催事案内の看板】

舞鶴到着は朝8時頃だが、既にボルシチ屋台やアワビ屋台は長蛇の列。
前回参加サークルからの「屋台でご飯食べられなかった」との苦情にこたえ、各屋台にサークル専用の受け渡し口を用意させ、またサークル通行証の配布は朝8時からに設定するなど、参加サークルへの配慮も見られた。
…それでもこの長蛇の列である。しかも、朝8時の寒空で、だ。

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とりあえず筆者も、ラーメン・ホルモンうどん・カニ汁・熱燗など屋台を一通り堪能。
前夜に続き舞鶴の「食」をひたすら堪能しつつ、12時の開場までを過ごす。

会場周辺の天候は不安定で、曇りがちで時々強い雪も降ってくる。
吹雪の中、長蛇の列を成し、ひたすらボルシチの給仕を待ち続ける提督たち。
我が国は、いつからそんな貧しくなってしまったのだろうかw

今回は、サークル参加数も明らかに多い。
以前訪問した時は、2015年で140sp程度、2016年で170sp程度だった。
それが今回は、なんと299サークル。sp数ベースならば、300超えは間違いないだろう。
以前は赤れんがパーク5号棟一つで収まっていたが、それでは収まり切れず、隣の3号棟・4号棟も含めての分散開催に。規模の拡大を伺わせた。

しかもそれだけではなく、4号棟の【屋外】にも、4サークルほど配置した。
大手サークルということで、列形成の観点から屋外になったという事情もあるのだろうが…ちょっと待てやおい

いや、SDFのクソ即売会はさんざん見慣れてきた身、屋外配置は常態化しているし、筆者自身も屋外に配置された経験すらある。
でも、それは春や秋など、比較的過ごしやすい時期だ。

…ここ、2月の舞鶴ですよ。外の気温は氷点下行ってるよ…
それひどすぎね?(汗)

参加サークルのバックヤードを見ると、暖をとる【ストーブ】が用意され、また体を温めようと【鍋】や【地酒】が大量に装備されていたw
…こんなバックヤード、見たことねえ。
数々の同人誌即売会に足を運んだ筆者だが、ここまで退廃を極めたサークルバックヤードは、流石にお目にかかったことがないw

しかも、不安定な天候、時折吹雪く。

吹雪きはじめた途端、屋外配置サークルの様子を見に来ていた主催氏が、こうつぶやいた。

「いやー、舞鶴らしくなってきましたねw」

参加サークル「…勘弁してくださいw」

屋内の配置で良かった。心の底から、そう感じさせる一幕であった。


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【屋台出店の酒屋からサークル机上に配布された酒類の注文書】