withコロナ時代が続く中、大阪開催「こみっく☆トレジャー」にサークル参加させていただいた。

筆者は、コロナ禍でいったんストップした同人世界が「復活」するためには、各即売会が感染防止策を適宜講じて即売会を開催。即売会を「無事に開催できた」実績を積み重ねるしかない、と考えている。

当時の現状を見ると、1000sp以上規模の同人誌即売会は、来場者の多さもありなかなか会場側も首を縦に振ってくれない。開催できたとしても、出席率が極端に悪く、とても「うまく開催できた」とは評せない厳しい状況だった。
前回記事でも触れたが、8月時点では、数百sp規模すらも上手く開催できなかった。

だからこそ、数百sp規模をつつがなく開催し得た「サンシャインクリエイション」が築いた実績を、意義深いものとして評価させていただいた。

参考リンク・2020年10月04日付『「サンシャインクリエイション」参加レポート〜withコロナ時代の開催様式は模索が続く〜(2020/8/2)』

数百spは、無事に開催できた。
ではその次の段階。1000sp以上の規模、果たして無事に開催できるのだろうか?

その様子を見届けたく、筆者は大阪「こみっく☆トレジャー」にサークル参加させていただいた。


【目次】
◆心配だった出席率は…
◆「こみっく☆トレジャー」の感染防止策
◆最後に:逝去された田中圭子代表のご冥福をお祈りします
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【ニューノーマルのサークル配置】

  • ◆心配だった出席率は…


筆者にとって一番の心配の種は、出席率がどの程度か?という部分。
コロナ禍後の2020年7月、「こみっく☆トレジャー」と同じ「インテックス大阪」を会場とした1000sp超規模の大規模即売会は、無事開催し得たものの、出席率が極端に悪いと聞いた。
元々は春開催だったものが、緊急事態宣言の発令で取りやめとなり、夏に日程を移行した、という事情もあるだろうが。それにしても、出席率1〜2割は厳しすぎる…

「こみっく☆トレジャー」も同じ状況になるのでは?とも心配した。
しかし、結論を申し上げると、出席率は【普段通り】だった。

「こみっく☆トレジャー」は、緊急事態宣言後に募集をかけている。
コロナ禍に伴う外出手控えの気運が芽生えても、なおサークル参加を申し込んでいるわけだから、ある程度の「覚悟」が備わっている。

やはり、出席率の悪い即売会は、コロナ禍前に募集をかけて、コロナ蔓延後に日程を変更した。そういう特殊事情があっての出席率の悪さ、と考えられよう。

…その代わり、元々の申込数は減少しているが。
普段は2ホール体制、1600〜2000sp程度の規模。
しかし今回は、1ホール体制、1000spの大台をかろうじてキープした程度の規模。
欠席は多くない代わりに、元の申込自体が少ない、という構図だろう。

ちなみに、一般参加者も例年に比べると少ない。
会場アクセス新交通「ニュートラム」の混雑度も、肌感覚だが、普段の半分程度にとどまっている。
インテックス大阪の屋上駐車場は、普段なら駐車場待ちの長蛇の車列ができるが、今回は相当ガラ空きだった模様だ。

なお、この時は九州に超大型台風が襲来。
これが来場者減少の一因としてあったことも指摘しておきたい。
この日の午後からは、九州島内の交通機関が計画運休を始めるレベルで、「大阪行ったら(その日のうちに)帰れなくなる」可能性も。大阪遠征断念が無難だろう。大阪遠征を控えた九州勢も、一定数存在したと思う。


  • ◆「こみっく☆トレジャー」の感染防止策


極めて充実した感染防止策の数々に、舌を巻いた。

特に、「手洗い」の機会を極めて豊富に用意してくれた、という印象だ。
会場外には、仮設の水道まで引いての「臨時手洗所」設置。
入口・サークルスペース島中の空きスペースなど、随所にアルコール消毒液を設置した。

withコロナ時代では、会場入場者の上限が設けられている。
(それがあるから「コミティア」も「コミケ」も開催の目途が立たないのだが…)
「こみっく☆トレジャー」では、「収容人数管理カード」を配り、会場内の入場者数が上限を超えないよう、物理的に工夫している。

もちろん、サークルスペースも密回避のため、机と机はくっつけず幅を持たせている。
バックヤードも、普段に比べ相当広々と間隔を取っている。
そして、隣サークルとの間には、飛沫感染防止のための「衝立」を用意。

コロナ対策は、どの程度まで対策を講じるのが適当か?
各主催、手探りで感染防止策を講じている。
明確な「答え」が出ていない状況ではあるが、熟慮の上、可能な限りの対策を講じているものとお見受けする。

今回は、「こみっく☆トレジャー」ならではの「お楽しみ企画」が、コロナ感染防止策の一環として中止せざるを得なくなった。
会場内でのメイド隊ドリンクサービス。終了後の、打ち上げ宴会。
恒例の企画は、軒並み中止になった。


それでも、まずは「即売会」として無事に開催し、無事に終わることが最優先だ。
他を犠牲にしてでも、平穏無事に終える。そこを最優先にして、何とか無事に終えた即売会、と言えるだろう。

1000spの大規模即売会が、「無事開催」という実績を築けた。
大きな規模の即売会も、これでに向けて弾みがつくだろう。
そういう実績が積み重ねが、同人世界の「復活」に向けての着実な歩みとなるだろう。


  • ◆最後に:逝去された田中圭子代表のご冥福をお祈りします


この記事を執筆中の10月6日、訃報が飛び込んだ。
「こみっく☆トレジャー」主催・青ブーブー通信社の代表を務め、また女性向けブランドでは「コミックシティ」主催・赤ブーブー通信社の代表でもある、田中圭子氏が逝去された。

田中代表は、1980年代から「コミックシティ」等の同人誌即売会に尽力。
主に、女性向けジャンルサークルに寄り添った活動を続け、「同人誌の母」とも呼ばれていた。
21世紀に入ってからは、故・武田圭史氏(赤ブー/青ブー運営会社の元社員)らとともに、男性向けブランドとして「青ブーブー通信社」「こみっく☆トレジャー」も立ち上げ。男性創作者にも発表の場を提供された。

田中代表の、これまでの同人界における事績と貢献に、敬意を表するとともに感謝の意を申し上げ、追悼の言葉に代えさせていただきたい。





今後は、赤ブー主催「コミックシティ」や青ブー主催「こみっく☆トレジャー」に参加し続け、同人活動を続けていくことが、田中氏への何よりの「供養」となることを信じつつ、創作活動の一端を担っていきたいと考えている。