
全国47都道府県の同人誌即売会制覇を目標としている自分だが、山口県以外の即売会には、各県最低1つは訪問している。
残る即売会未踏県は、山口県のみ。
今日この即売会の訪問をもって、即売会の「全国制覇」を無事に達成する事となった。
(冬コミでは、これを記念し、全国各地の即売会を「ほぼ全て」紹介する本の刊行を、予定している)
周南市では、地元のお祭りとして「のんた祭」が開催されている。
そこに周南市商工会議所が主催として加わり、サブカルチャーで町を盛り上げたいとの趣旨の下、「のんた祭」に併催する形で、周南市の中心地・徳山駅の繁華街で開催された萌えのお祭り。それが、「萌えサミット2012」である。
今回私が参加した同人誌即売会「Comic Site萌えサミ2012」は、この「萌えサミ2012」を親イベントとし、その中の一部門として開催された子イベントである。
何故この周南市・徳山で「萌えサミット」かというと、「新世紀エヴァンゲリオン」を手がけた貞本義行氏が生まれ育った町…という事だけが根拠であり、半ばこじつけ色が滲むが、まあそれは置いておくw
徳山の街を歩くのは初めてだが、幸いにも駅前にカートを引いた女の子が多数居り、彼女らの後をついて行けば会場にたどり着ける分かり易い展開で助かったw
目抜き通り全体が「萌えサミ」会場であったが、地元学生のマーチングバンドによる「残酷な天使のテーゼ」の演奏が私をお出迎えする。
商店街を歩くと、有料駐車場が痛車展示会場になっている。ありがち過ぎる展開であり、この手のイベントにおいては最早様式美とすら言えようかw
ゲームショップの「メディオ!」が屋台を出し、おもちゃを販売している。
トヨタカローラの出展ブースでは萌えキャラを投入し、モータースポーツの個人スポンサー集めを図っている。
更には自衛隊までも出展!独自の萌えマスコットキャラのPRを図っている。
様々な企業・団体が、各々独自のアプローチにて、萌えのお祭りに加わっている所が面白い。
目抜き通りを通り抜けるところに、イベントホールを備えた「ピピ510」という建物があり、これが今回の「Comic Site萌えサミ2012」の会場である。
先のカートを引いた女性陣も会場に入ると思いきや、彼女らは会場を素通り…
東方【パチュリー】のコスをしているスタッフに聞いた所、萌えサミではコスプレも可能だが、更衣室は即売会建物の更に奥に用意しているのだとか。なるほど、カートを引いた彼女らはコスプレ組であり、そして野外の萌えサミ会場でもコスOK、という事か。
会場の「ピピ510」は、5階建ての立体駐車場の施設だが、1階がイベントホールとなっており、ここで即売会を営む構図。
今回は26サークル50sp。防府開催は80sp満了なので、それに比べれば物足りなさは否めないが、1年に1回、萌えサミ合わせの開催で、認知度が弱いのだろう。もう少し数を重ねれば、定着すると思う。
配置/ジャンル傾向は、ほぼ全サークルが複数ジャンルの頒布物を抱える「よろず」ジャンルという事もあり、集計は困難だ。
ただ、見た限りでは、黒子のバスケが10サークルで最大勢力。
スマイルプリキュア・ボカロ・イナイレ・BASARA・東方の各ジャンルが、4〜5サークルクラスで続く。
初動はおおよそ50人程度。
サークル数から見れば普通に想定できる範囲内の数字だし、「萌えサミット2012」会場の端っこに追いやられてる事も考えると、決して悪くは無い数字だ。
サークルは、老若男女問わぬ年齢層。年長者も男性も、普通に参加している。
この年齢層なら、普通は、ラミカやポスカのような小物に拘らず、同人誌も頒布する傾向にあるが、この即売会においては、その手の小物ばかり。薄い本の置いてあるサークルは、探すのに苦労するレベルだ。
一般参加は中高生中心で、彼(女)らは、カード・ラミカ等の小物を買い求める傾向にある。もしかしたら、買い手の求めるものに、売り手も合わせているのかもしれない。そんな印象を抱いた。
会場内の企画として、「落書きコーナー」が。せっかくなので、全国制覇を記念しての書き込みを少々w
落書きしたからこそ気付いたのだが、筆記用具の色鉛筆が、用意された数十本の全てが細く尖らせて削ってある。主催側のこだわりだろうか、芸の細かさを感じた。
今回の即売会は、あくまで「萌えサミット2012」枠内での開催だが、これについては、良い点悪い点両方存在している、と感じた。
例えば今回、恒例企画の「じゃんけん大会」に、声優・今井麻美さんのサイン色紙を提供する事ができた。
また、アフターイベントに、声優・安元洋貴さんのサイン会を実施。
萌えサミット側が声優・事務所側と当たっていた節があるので、萌えサミット側から話が振られたのだろう。
この当たりは、萌えサミ傘下であるがゆえのかメリットである。
また、普段の即売会と異なる参加者層も少なくなかった。萌えサミ参加者が「ついでに」的な感覚で即売会にもぶらり立ち寄り、という構図だろうが、新たな参加者層の開拓という意味で、これもメリットと解釈できるだろう。
一方、今回は、萌えサミ側の意向により、コスプレでの即売会入退場が急遽不可となった。
野外萌えサミットでのコス組、コミックサイトでのコス組、それぞれ更衣室も分けて用意していた。
即売会会場がコス可で、会場外もコス可。入退場をコス不可とする事の合理性に疑問だし、そもそもコスプレ参加者に不便だ。
正直、私には意図が理解できないが、それが親イベント側の意向というなら、子イベントも従わねばならない。
元々コスでの出入り可となっていた事もあり、「Comic Site」側も、参加者へのアナウンスに追われていた。
子イベントであるがゆえ、親イベントには従わねばならない。子イベントの宿命であり、デメリットである、と感じた。
結局、コスプレ分断の影響か、コスプレイヤーはサークルに若干いる程度。
一般参加でのコスは、皆無であった。
そりゃあ、コスプレイヤーも屋外大通りと即売会会場、事実上の二者択一となれば、広々と動ける前者を選ぶだろう。
最後に、「萌えサミ」全体を歩く中で、一つ面白そうな同人誌即売会を発見した。
徳山大学は、「知財開発コース」と称した、クリエーター養成過程を有する大学だ。
萌えサミには、学生達の卒業制作の展示コーナーがあり、そこにも私は足を運んだ。
彼らは、大学としての活動の一環なのだろうか、「comic college」という即売会を開催しているそうで、チラシも頂戴した。
正直、同じ萌えサミ内の「Comic Site」でチラシを配っても良かったのに?とも思ったが…それはそれとして、この「comic college」、徳山大学を会場に、12回開催しているとのこと。
徳山は即売会が少ないので、こういう動きは、当地同人界の活性化に繋がる。歓迎したい動きの一つと言えよう。
「Comic Site」も、この徳山(周南市)のみならず、宇部市・防府市・下関市等で定期的に同人誌即売会を開催し、山口の同人界を支えてきた。
「comic college」も、年1回ペースで12回目だから、極めて息が長い。
山口には、「Comic Site」なり「comic college」なり、開催が安定している点が心強い。
両イベントの今後の隆盛と発展とを祈念したい。