6月30日に広島の東方オンリー「東方椰麟祭」にサークル参加予定の私。
前日が休みなので、どこか観光に行こうと考え、強行軍ながらも、隠岐旅行を計画していた。
しかしながら、JRのローカル線・三江線を通じた「コスプレ列車」企画がこの日に実施されるとのこと。最初は余り興味は無かったのだが、コスプレ列車の中の人から、しつこく勧誘され煩くてたまらんので、根負けして参加する事にw
このコスプレ列車は、廃線の噂が取り沙汰されるローカル線「JR三江線」の応援や活性化を企図し、開催されているイベント列車だ。
団体で貸し切り、車内でのコスプレをOKとしている。
今年3月に第1回目が開催され、20数名が参加。地元マスコミも取材に訪れた。
(「山梨コミックチャレンジ」「東方甲州祭」の主催「アニメ倶楽部甲府」が、第三セクター「天竜浜名湖鉄道」を舞台に開催しているコスプレ列車に近いものがある)
企画運営は、西日本コンテンツ文化研究会。「たまゆら」の舞台・竹原市や、「朝霧の巫女」の舞台・三次市を抱える広島県を活動の中心に据えた、萌えの町おこし研究団体だ。
そして、西日本コンテンツ文化研究会の中の人は、元々は、コミケ会場行きの貸切電車「コミケットトレイン」の運営にも携わっており、この手の貸切イベント列車には長けたもの。
そしてこれに、三次市内で使われなくなり放置状態となった蔵造りの建物を、サブカルチャー文化を通じ再活用しようと企図する地域団体「卑弥呼蔵プロジェクト」や、コスプレイベントや「東方椰麟祭」等広島県内のオタク向けイベントに広く関わる「広島オタクマップ」。この二者も強く関わり、コスプレ列車の運行に協力する体制だ。
運輸機関を伴い不特定多数から参加者を募るという性質上、旅行会社が募集を行うという形態を取らざるを得ない。
そこで主催旅行会社には、旅行業も手掛けている地元バス会社の「備北交通」が付いている。
ただ備北交通は、当日の旅程管理やJRとの折衝、旅行代金清算等の業務に専念。
実質的な運営は、やはり企画者たる「西日本コンテンツ文化研究会」が担っている。
今回のコスプレ列車は、地元団体「卑弥呼蔵プロジェクト」の関わりも非常に大きい。
「卑弥呼蔵プロジェクト」は、6月29日〜30日に掛けて、卑弥呼蔵の所在地である三次市の旧市街を舞台に様々なイベントを企画しており、このコスプレ列車も開催各イベントの一つとしての位置付けだ。
このコスプレ列車も、「卑弥呼蔵2号」と名付けられている。
また、三次駅周辺や車内には、更衣室に適した所が無い。
コスプレイヤーは大荷物の為、荷物置き場の問題もある。
一応、車内のボックスシートを一つ潰し、カーテンで仕切るだけの簡素なものながら、更衣所は用意した。
だが、簡単なお着替え程度ならOKでも、メイク等じっくり時間をかけての、本格的なものは難しい。
車両も小さいので、荷物置き場のスペースも無い。
列車でのコスプレについては、この当たりが、実施に際しての大きなネックとなる。
そこで「卑弥呼蔵プロジェクト」は空いてる蔵を更衣室/クロークとして提供。
コスプレイヤーはここで準備を整え、蔵から徒歩10分の最寄り駅【尾関山駅】(三江線三次駅の隣駅)から乗り降りする。
コスプレイヤーの目線に立ち、コスプレ列車運行に当たってのネックを上手く解消したやり方だが、それも、「卑弥呼蔵プロジェクト」の力添えあって初めて出来ることだ。
このコスプレ列車を運行するに当たり、「卑弥呼蔵プロジェクト」の役割は、欠かすことのできない大きいものであると言えよう。
コスプレ列車は、10時40分頃に、三次駅を発車する。
非コスプレ組は三次から乗車。その数、約10人。
今回利用した車両は、通常のディーゼルカーに畳とちゃぶ台を強引に入れ、無理やりお座敷化した代物だw
…まあでも座布団も多数用意され、寛げる雰囲気。これはこれで悪くない。

列車は2〜3分で尾関山駅へ。ここで20分停車し、レイヤーさんの合流を待つ。
1線1面、すれ違い設備も無い駅に何十分も止まって良いものか?と心配になるが…三江線は幸か不幸か、超ローカル線。
お昼の時間帯は数時間列車の運行無く空白の時間帯。多少長く停まっても煩く言われない、大らかな空気だ。

やがて、コスプレイヤーの集団10数人が、駅に向かい歩いてくる。
卑弥呼蔵でお着替えを済ませた皆さんと、この駅で合流する。
この三江線コスプレ列車、実は明日の「東方椰麟祭」ともコラボしている。
コスプレ列車参加者は、椰麟祭でのコス登録料を無料にする特典を用意。
前回も東方レイヤーが多かった事や、コスプレ列車翌日が椰麟祭という日程もあり、両イベントに関わる「広島オタクマップ」さんの仲立ちもあり、このコラボに至った模様だ。
結果、東方キャラのレイヤーさんがやたら多くなり…椛、幽香、さとり、幽々子、妖夢、小傘、華扇…と、東方率の異様な高さが際立ったw
東方以外では、三次が「朝霧の巫女」の舞台という事もあり、この作品のコス(巫女さん)も目立った。
尾関山駅出発時点では約30人。一両編成の車両が埋まる。
正直、やや手狭な感もある。これ以上来ると混みすぎて不満の元になる。
このぐらいの人数が、ちょうど良いレベルかもしれない。
車両に参加者全員が乗り、尾関山駅を出発。
参加者全員に、このイベントガイドとなる小冊子が配布される。
列車の運行時刻や、三江線沿線案内、卑弥呼蔵紹介等が盛り込まれている。
そして、それに加え、サプライズとして、三次が舞台の作品「朝霧の巫女」作者・宇河弘樹氏による書き下ろしイラスト&お祝いのメッセージも…!
カタログが配られた後は、企画者である西日本コンテンツ文化研究会の幹事の皆さんによる挨拶。
それが終わったら、皆に飲み物が振る舞われ乾杯!
ささやかながら茶菓子も振る舞われ、参加者差し入れのお菓子も登場。
車内は、穏やかな歓談の雰囲気に包まれた。
このコスプレ列車は、途中駅で長時間停車する所が大きな特徴…いや特長だ。
30〜40分もの長時間停車は、のんびりし過ぎているかもしれないが、コスプレイヤー達が新鮮な景色の中、撮影を充分楽しめる時間の余裕を取っての事。
衣装をまとい、身動きが取りづらいコスプレイヤーにしてみれば、これぐらいの余裕があった方が良いだろう。
また、駅周辺を散歩しつつ、三江線の知られざる魅力の発見・掘り下げに繋がれば、との狙いも含まれている。
次の停車駅・伊賀和志は、山あいの小集落に佇む駅。
駅から徒歩10分の所に、日本では珍しい野鳥の巣営地があるらしく、皆でそれを見に行ったり。駅を背景に写真を撮ったり。
お店の一つも無い、何も無い無人駅ながら、30分はあっという間だった。
次の停車駅は、地上20mの高さにホームのある「天空の駅」宇都井駅。
鉄道マニアには有名なこの駅、地上からホームまで、100段以上の階段を上らねばならない構造の駅。エレベーターの設置予定も無い。
ここで40分近くの停車。先ずは、皆で地上に降りてみる。
地上に降りると、嬉しいこと地元集落の方がお出迎え。椅子やテーブルまで用意し、この団体列車の為に、飲み物を振る舞ってくれるサービスも。
地元の皆さんと語ったり、参加者全員での集合写真を撮ったり。
ここでも40分の停車時間は、あっという間だった。
次いで、浜原駅で1時間以上の停車。
行き違い設備もあるこの駅で、列車は折り返して三次に戻る事に。
ここで、事前に希望を上げた方には、昼食弁当が配られる。
一食1000円だが、駅周辺にはお店も無いようだし、せっかくの機会なので私も注文。
弁当は、この町のオバチャン達による、地元食材・山の幸をふんだんに用いた「山くじら弁当」。
「山くじら」とはイノシシの事。イノシシの肉が美味な、なかなか味わえない、島根山奥の味覚であった。
浜原からは元来た鉄路を戻る。
帰りは、口羽駅で若干時間調整の停車はあったが、尾関山駅までほぼノンストップ。
尾関山で大半のコスプレイヤーが降車。
そして終点・三次駅で全員下車だが…片付けが若干大変だったかも。
ゴミを分別したり、飲料の飲み残しを処分したり、口の中に入れ処分する事もあるがw…意外に手間がかかるものだ。
運営陣が過去携わった「コミケットトレイン」でも、夜行列車が朝終着駅に着くまでに、全ての片付けを終え「現状復帰」させねばならない、と聞く。
今回も、参加者全員に手伝って貰いながら、三次到着時の「現状復帰」を目指し、何とかギリギリセーフといった所だw
この手のイベント列車において、片付けは大きな難関なのかもしれない。
こうして、最後が慌ただしいながらも、何とか無事に終わったこのコスプレ列車だが…私から見て、白眉に感じたポイントが何点か存在するので、纏めも兼ねて、最後に指摘したい。
先ず一つは、「コスプレイヤーの目線」に沿った施策が心がけられている事。
これはコスプレイベント「コスカレード」も主催される「広島オタクマップ」さんの影響もあるだろう。
車内での簡易更衣所とは別に、車外に更衣室を用意し、じっくり準備ができる環境を整えたり。
各駅の停車時間を長めに取り、動き辛い格好の方でも余裕を持てる時間設定。
この当たりに、コスプレイヤーへの配慮を感じた。
コスプレイヤーあってのコスプレ列車だ。コスプレ列車を今後も続ける上で、レイヤー目線は大切な事である。
加えて、停車駅の選定も面白い。
今回、コスプレイヤー乗降駅となった尾関山、折り返しの浜原以外での長時間停車駅は、伊賀和志・宇都井の二駅。
両駅とも「知る人ぞ知る」隠れた名所があり、三江線の隠れた魅力を掘り下げた。
これを機に、三江線に興味を持てれば、主催側の狙い通りとなろう。
毎回停車駅を変えてみる事で、バリエーションに変化を付けられ、マンネリ防止の効果も期待できるだろう。
一方、これは運営側のみの責でないのは承知しているのだが…募集時点で正確な時刻が出ない(おおよその時刻のみ)程度ならともかく、出発1週間前になってようやく時間が発表されるというのは、慌ただしいし、計画も立てにくい。
ダイヤの調整とか色々ありそうなので、多少の遅れなら仕方ないつもりではいるのだが…せめて2週間前には確定させて欲しいもの。
まあ、常連になればなるほど、「どーせ今回も似たような時間だよねー」で済みそうな問題かもしれないが、初めての人は不安にならないか?
ここは、旅行会社とも連携して、もっと早くダイヤが分かるよう努めていただきたいもの。
光る点多かった三江線コスプレ列車も、そこは今後の課題となりそうだ。
前日が休みなので、どこか観光に行こうと考え、強行軍ながらも、隠岐旅行を計画していた。
しかしながら、JRのローカル線・三江線を通じた「コスプレ列車」企画がこの日に実施されるとのこと。最初は余り興味は無かったのだが、コスプレ列車の中の人から、しつこく勧誘され煩くてたまらんので、根負けして参加する事にw
このコスプレ列車は、廃線の噂が取り沙汰されるローカル線「JR三江線」の応援や活性化を企図し、開催されているイベント列車だ。
団体で貸し切り、車内でのコスプレをOKとしている。
今年3月に第1回目が開催され、20数名が参加。地元マスコミも取材に訪れた。
(「山梨コミックチャレンジ」「東方甲州祭」の主催「アニメ倶楽部甲府」が、第三セクター「天竜浜名湖鉄道」を舞台に開催しているコスプレ列車に近いものがある)
企画運営は、西日本コンテンツ文化研究会。「たまゆら」の舞台・竹原市や、「朝霧の巫女」の舞台・三次市を抱える広島県を活動の中心に据えた、萌えの町おこし研究団体だ。
そして、西日本コンテンツ文化研究会の中の人は、元々は、コミケ会場行きの貸切電車「コミケットトレイン」の運営にも携わっており、この手の貸切イベント列車には長けたもの。
そしてこれに、三次市内で使われなくなり放置状態となった蔵造りの建物を、サブカルチャー文化を通じ再活用しようと企図する地域団体「卑弥呼蔵プロジェクト」や、コスプレイベントや「東方椰麟祭」等広島県内のオタク向けイベントに広く関わる「広島オタクマップ」。この二者も強く関わり、コスプレ列車の運行に協力する体制だ。
運輸機関を伴い不特定多数から参加者を募るという性質上、旅行会社が募集を行うという形態を取らざるを得ない。
そこで主催旅行会社には、旅行業も手掛けている地元バス会社の「備北交通」が付いている。
ただ備北交通は、当日の旅程管理やJRとの折衝、旅行代金清算等の業務に専念。
実質的な運営は、やはり企画者たる「西日本コンテンツ文化研究会」が担っている。
今回のコスプレ列車は、地元団体「卑弥呼蔵プロジェクト」の関わりも非常に大きい。
「卑弥呼蔵プロジェクト」は、6月29日〜30日に掛けて、卑弥呼蔵の所在地である三次市の旧市街を舞台に様々なイベントを企画しており、このコスプレ列車も開催各イベントの一つとしての位置付けだ。
このコスプレ列車も、「卑弥呼蔵2号」と名付けられている。
また、三次駅周辺や車内には、更衣室に適した所が無い。
コスプレイヤーは大荷物の為、荷物置き場の問題もある。
一応、車内のボックスシートを一つ潰し、カーテンで仕切るだけの簡素なものながら、更衣所は用意した。
だが、簡単なお着替え程度ならOKでも、メイク等じっくり時間をかけての、本格的なものは難しい。
車両も小さいので、荷物置き場のスペースも無い。
列車でのコスプレについては、この当たりが、実施に際しての大きなネックとなる。
そこで「卑弥呼蔵プロジェクト」は空いてる蔵を更衣室/クロークとして提供。
コスプレイヤーはここで準備を整え、蔵から徒歩10分の最寄り駅【尾関山駅】(三江線三次駅の隣駅)から乗り降りする。
コスプレイヤーの目線に立ち、コスプレ列車運行に当たってのネックを上手く解消したやり方だが、それも、「卑弥呼蔵プロジェクト」の力添えあって初めて出来ることだ。
このコスプレ列車を運行するに当たり、「卑弥呼蔵プロジェクト」の役割は、欠かすことのできない大きいものであると言えよう。
コスプレ列車は、10時40分頃に、三次駅を発車する。
非コスプレ組は三次から乗車。その数、約10人。
今回利用した車両は、通常のディーゼルカーに畳とちゃぶ台を強引に入れ、無理やりお座敷化した代物だw
…まあでも座布団も多数用意され、寛げる雰囲気。これはこれで悪くない。

列車は2〜3分で尾関山駅へ。ここで20分停車し、レイヤーさんの合流を待つ。
1線1面、すれ違い設備も無い駅に何十分も止まって良いものか?と心配になるが…三江線は幸か不幸か、超ローカル線。
お昼の時間帯は数時間列車の運行無く空白の時間帯。多少長く停まっても煩く言われない、大らかな空気だ。

やがて、コスプレイヤーの集団10数人が、駅に向かい歩いてくる。
卑弥呼蔵でお着替えを済ませた皆さんと、この駅で合流する。
この三江線コスプレ列車、実は明日の「東方椰麟祭」ともコラボしている。
コスプレ列車参加者は、椰麟祭でのコス登録料を無料にする特典を用意。
前回も東方レイヤーが多かった事や、コスプレ列車翌日が椰麟祭という日程もあり、両イベントに関わる「広島オタクマップ」さんの仲立ちもあり、このコラボに至った模様だ。
結果、東方キャラのレイヤーさんがやたら多くなり…椛、幽香、さとり、幽々子、妖夢、小傘、華扇…と、東方率の異様な高さが際立ったw
東方以外では、三次が「朝霧の巫女」の舞台という事もあり、この作品のコス(巫女さん)も目立った。
尾関山駅出発時点では約30人。一両編成の車両が埋まる。
正直、やや手狭な感もある。これ以上来ると混みすぎて不満の元になる。
このぐらいの人数が、ちょうど良いレベルかもしれない。
車両に参加者全員が乗り、尾関山駅を出発。
参加者全員に、このイベントガイドとなる小冊子が配布される。
列車の運行時刻や、三江線沿線案内、卑弥呼蔵紹介等が盛り込まれている。
そして、それに加え、サプライズとして、三次が舞台の作品「朝霧の巫女」作者・宇河弘樹氏による書き下ろしイラスト&お祝いのメッセージも…!
カタログが配られた後は、企画者である西日本コンテンツ文化研究会の幹事の皆さんによる挨拶。
それが終わったら、皆に飲み物が振る舞われ乾杯!
ささやかながら茶菓子も振る舞われ、参加者差し入れのお菓子も登場。
車内は、穏やかな歓談の雰囲気に包まれた。
このコスプレ列車は、途中駅で長時間停車する所が大きな特徴…いや特長だ。
30〜40分もの長時間停車は、のんびりし過ぎているかもしれないが、コスプレイヤー達が新鮮な景色の中、撮影を充分楽しめる時間の余裕を取っての事。
衣装をまとい、身動きが取りづらいコスプレイヤーにしてみれば、これぐらいの余裕があった方が良いだろう。
また、駅周辺を散歩しつつ、三江線の知られざる魅力の発見・掘り下げに繋がれば、との狙いも含まれている。
次の停車駅・伊賀和志は、山あいの小集落に佇む駅。
駅から徒歩10分の所に、日本では珍しい野鳥の巣営地があるらしく、皆でそれを見に行ったり。駅を背景に写真を撮ったり。
お店の一つも無い、何も無い無人駅ながら、30分はあっという間だった。
次の停車駅は、地上20mの高さにホームのある「天空の駅」宇都井駅。
鉄道マニアには有名なこの駅、地上からホームまで、100段以上の階段を上らねばならない構造の駅。エレベーターの設置予定も無い。
ここで40分近くの停車。先ずは、皆で地上に降りてみる。
地上に降りると、嬉しいこと地元集落の方がお出迎え。椅子やテーブルまで用意し、この団体列車の為に、飲み物を振る舞ってくれるサービスも。
地元の皆さんと語ったり、参加者全員での集合写真を撮ったり。
ここでも40分の停車時間は、あっという間だった。
次いで、浜原駅で1時間以上の停車。
行き違い設備もあるこの駅で、列車は折り返して三次に戻る事に。
ここで、事前に希望を上げた方には、昼食弁当が配られる。
一食1000円だが、駅周辺にはお店も無いようだし、せっかくの機会なので私も注文。
弁当は、この町のオバチャン達による、地元食材・山の幸をふんだんに用いた「山くじら弁当」。
「山くじら」とはイノシシの事。イノシシの肉が美味な、なかなか味わえない、島根山奥の味覚であった。
浜原からは元来た鉄路を戻る。
帰りは、口羽駅で若干時間調整の停車はあったが、尾関山駅までほぼノンストップ。
尾関山で大半のコスプレイヤーが降車。
そして終点・三次駅で全員下車だが…片付けが若干大変だったかも。
ゴミを分別したり、飲料の飲み残しを処分したり、口の中に入れ処分する事もあるがw…意外に手間がかかるものだ。
運営陣が過去携わった「コミケットトレイン」でも、夜行列車が朝終着駅に着くまでに、全ての片付けを終え「現状復帰」させねばならない、と聞く。
今回も、参加者全員に手伝って貰いながら、三次到着時の「現状復帰」を目指し、何とかギリギリセーフといった所だw
この手のイベント列車において、片付けは大きな難関なのかもしれない。
こうして、最後が慌ただしいながらも、何とか無事に終わったこのコスプレ列車だが…私から見て、白眉に感じたポイントが何点か存在するので、纏めも兼ねて、最後に指摘したい。
先ず一つは、「コスプレイヤーの目線」に沿った施策が心がけられている事。
これはコスプレイベント「コスカレード」も主催される「広島オタクマップ」さんの影響もあるだろう。
車内での簡易更衣所とは別に、車外に更衣室を用意し、じっくり準備ができる環境を整えたり。
各駅の停車時間を長めに取り、動き辛い格好の方でも余裕を持てる時間設定。
この当たりに、コスプレイヤーへの配慮を感じた。
コスプレイヤーあってのコスプレ列車だ。コスプレ列車を今後も続ける上で、レイヤー目線は大切な事である。
加えて、停車駅の選定も面白い。
今回、コスプレイヤー乗降駅となった尾関山、折り返しの浜原以外での長時間停車駅は、伊賀和志・宇都井の二駅。
両駅とも「知る人ぞ知る」隠れた名所があり、三江線の隠れた魅力を掘り下げた。
これを機に、三江線に興味を持てれば、主催側の狙い通りとなろう。
毎回停車駅を変えてみる事で、バリエーションに変化を付けられ、マンネリ防止の効果も期待できるだろう。
一方、これは運営側のみの責でないのは承知しているのだが…募集時点で正確な時刻が出ない(おおよその時刻のみ)程度ならともかく、出発1週間前になってようやく時間が発表されるというのは、慌ただしいし、計画も立てにくい。
ダイヤの調整とか色々ありそうなので、多少の遅れなら仕方ないつもりではいるのだが…せめて2週間前には確定させて欲しいもの。
まあ、常連になればなるほど、「どーせ今回も似たような時間だよねー」で済みそうな問題かもしれないが、初めての人は不安にならないか?
ここは、旅行会社とも連携して、もっと早くダイヤが分かるよう努めていただきたいもの。
光る点多かった三江線コスプレ列車も、そこは今後の課題となりそうだ。