念のため申し上げておくが、本日5月14日現在、北陸本専2の開催なんぞ全くアナウンスされていない。
今日の文章は、北陸本専の次回があると仮定(期待)した上で、本専の本来の趣旨でもある【北陸同人世界の活性化】と絡ませながら、何が今後必要なのか?それを申し上げたいと考えている。
今回の論は、【STRIKE HOLEの花羅が先走り汁を放出】させたフライングな事この上ない文章である事を明言させて頂きたい。
【会場について】
今回の北陸本専の会場は、「ITビジネスプラザ武蔵」。
普段同人誌即売会では利用されない、同人者が余り慣れていない会場である。
馴染みの薄い会場だった事が一般参加者が少なかった一因かもしれないが、他のイベント会場にしたからといって参加者が増えるかどうかとなると疑問である。

KACの「こみたい」「金コミ」、ユウメディア「コミックライブ」等で利用する「MROホール」などは金沢駅からバスで20分と若干不便である。こっちに変えて人が来るか?となると疑問である。
金沢駅から徒歩圏内、バスも香林坊〜金沢駅間は3分1本ペースで運行しており(「ITビジネスプラザ武蔵」最寄会場の「武蔵が辻」バス停は香林坊〜金沢駅の中間)、交通アクセスはMROホールに勝る。場所も、ランドマークとなる百貨店「名鉄エムザ」の建物の6階、という事で比較的判り易い。

また、このITビジネスプラザ武蔵、会場使用料も驚く程に安い。
詳細は割愛するが、興味のある方は金沢市内他の会場使用料(金沢流通会館アートシアターいしかわ、MRO等)との条件差を見比べて頂きたい。

となると、手頃な広さでかつ利用条件も良い。アクセスも良い。
非常に綺麗で新しい会場で、参加者からも好評である。
となると、この会場を今後も使わない手はない。というかよくこのような素晴らしく条件の良い会場を開拓したものである。後はこの会場を、皆でマナーと節度を持って利用し、今後も同人誌即売会で利用できるよう我々一人一人気を遣っていきたいものである。せっかくの好条件の会場、大事に使い続けて行きたいものである

この会場の唯一の弱点は、10時からしか借りられない事。
一般的に、同人誌即売会は11時一般入場開始である。
スタッフが会場に入ってから一般入場まで、設営にかける時間は僅か1時間しかなく、主催の設営面での負担は大きい。事実、11時の一般開始は間に合ったものの、委託の準備に手間取り(委託の点数が多かった事も一因だが)、委託の販売時間が遅れてしまった。
1時間遅らせ一般入場を12時に設定するとか、委託販売は12時開始にするとか、スケジュール面での工夫が必要な会場だと思う。


【地元最大イベントとの連携強化を】
今回、北陸本専は多くのサークルを集め、一般もそこそこ来て「成功」を収めた。
ただ、本専の成功は、地元活性化の第一のステップに過ぎない。
本当に地元同人を活性化させたいのならば、理想論かもしれないが、次の段階を考えたいところである。

地元最大規模のイベントに、KACが主催する「金コミ」「こみたい」がある。
300sp規模で推移する、金沢最大、いや北陸3県最大のイベントである。
このイベントと本専が連携を深め、互いに相乗効果をもたらすような取り組みが計れないものだろうか?

大阪の男性向け同人市場は、「コミックコミュニケーション」「コミックトレジャー」の2つが牽引している。コミコミは6月と10月に開催、トレジャーは1月と8月に開催されている。
この2つの即売会は、主催元は違うが、お互い切っても切れない関係にある。
考えてみれば判る事だ。コミコミが開催されるに当って、最大の告知先は何処だろう。自イベントの開催前に、自イベントと同じ会場で開催され、自イベントとほぼ同規模の即売会「コミックトレジャー」しかない。
これはトレジャーにも言える。トレジャー最大の告知先は、コミコミである。
両イベントは、互いに持ちつ持たれつの関係になっている。もしトレジャーが中止されたら困るのはコミコミだし、コミコミが中止になったら困るのはトレジャーである。

この2つの即売会は、お互いが牌を食い合ったり、潰し合ったりする事もなく、見事な共存共栄関係を築き上げている。
そして、トレジャーは1,000spに手が届く所まで来ているし、コミコミも1,200spと規模を拡大させる事に成功した。両イベント、互いに「良い意味」で競い合い、関西の同人市場を拡大させ、そして活性化させている

KACと本専も、コミコミとトレジャーのような関係を築けないものか。

KACのイベントに本専のチラシを置き告知に努め、本専側も、KACのチラシを置きたい所である。コミコミとトレジャーのような、相互補完・相互依存関係が出来れば、コミコミとトレジャーが規模を競って拡大するように、北陸でも良い意味での競争が生まれるのではなかろうか。それこそが、真の北陸同人の活性化であると言えよう。

無論、本専側からKACへのアプローチも必要だ。しかし、それ以上に北陸同人世界の大先輩でもあるKAC側からの、本専へのアプローチも欲しいところ。
いや、何だかんだ言って北陸本専は新米イベント。一方、KACは経験も年季も深い地域一番イベント。大先輩が後輩に優しく手を差し伸べ、大先輩の貫禄を見せて欲しいものである

両イベントを掛け持ちするスタッフが居れば、関係構築の鍵として面白い存在になろう。
事実、コミコミとトレジャーが関係を深めつつある一つの要因は、両イベントを掛け持ちでスタッフしている人間の多さにある。

両者が関係を深める事は、色々とメリットも大きい。
本専のサークルは東京で鍛えられ比較的レベルの高いサークルが多い。KACが自分のショップで委託販売するに値するサークルを、本専を通じ開拓する事も出来る。
今回は、本専の翌週・5月20日にKACのイベントが金沢で開催され、日程が近接している。完全にバッティングしてないだけまだマシだが、日程の近接が互いのイベントに変な影響が出ないとも限らない。
関係を深める事で、お互いが開催前に情報交換をし、日程を調整し合う事が出来る。そうすれば、日程の競合しないコミコミとトレジャーのように、互いの共存共栄が図りやすくなると思う。
(開催前の日程調整は非常に重要な事である。1,000sp規模の大規模イベント同士が、日程が被るケースが少ないのはどうしてなのだろうか?少し考えれば判るはず。)

北陸同人を活性化させるのなら、互いが争う必要は毛頭無い。(良い意味での「競争」は必要だが)
少なくとも、お互いが潰し合いになる事だけは、絶対に避けなくてはいけない。(今回は恐らく、互いに相関わらず、的なスタンスだったと推測する。潰し合いにならずに済んで心底良かったと思う)
もし仮に本専が発展しても、KACとはサークルのバッティングが少ない(今回本専の9割以上がKACには参加していないサークルの模様だ)ので、KACのサークル数の減少には直結しないだろう。
逆に、本専が潰れても、KACのサークル数増加には繋がらない。
本専がKACを盛り立て、KACが本専を盛り立て、トレジャーとコミコミのような相互関係を構築できないものか。

それがKACの為でもあり、本専の為でもあり、そして北陸同人活性化の為でもある。
些事には目をつぶり、北陸同人全体の活性化というマクロな視点で考えていきたい。そうなると、両者の連携強化・相互依存、そして共存共栄は必須、という結論にならざるを得ない。