3月19日付「同人世界 猥褻・18禁対応の新たな動き」の続きです。
前回のエントリーでは、5月19日・豊島公会堂開催「同人誌と表現を考えるシンポジウム」の開催について触れた所で、記事を中断させていただいた。
今回は、同シンポジウムについて少々語りたい。
とりあえず、同シンポジウムの宣伝、という事で概要を引用。
「同人誌と表現を考えるシンポジウム」
主催:「同人誌と表現を考える会」
後援:全国同人誌即売会連絡会、COMIC1準備会、日本同人誌印刷業組合
日時:5月19日(土)13:30〜開場 〜16:30終演予定
場所:みらい座いけぶくろ(豊島公会堂)
予約:不要
料金:入場無料
今後の同人世界の対応方を考える上で、意欲的な新しい試みであり、非常に稀有な、かつ重要な催しの一つとなるであろう。
一般・サークル・スタッフの別を問わず、お誘い合わせの上是非ご参加頂きたい。
特に、表現の担い手たるサークルさんには、表現に関する意識を高めていただく一助として、是非万難を排してご参加頂きたいと願う。
前回のエントリーでは、5月19日・豊島公会堂開催「同人誌と表現を考えるシンポジウム」の開催について触れた所で、記事を中断させていただいた。
今回は、同シンポジウムについて少々語りたい。
とりあえず、同シンポジウムの宣伝、という事で概要を引用。
「同人誌と表現を考えるシンポジウム」
主催:「同人誌と表現を考える会」
後援:全国同人誌即売会連絡会、COMIC1準備会、日本同人誌印刷業組合
日時:5月19日(土)13:30〜開場 〜16:30終演予定
場所:みらい座いけぶくろ(豊島公会堂)
予約:不要
料金:入場無料
今後の同人世界の対応方を考える上で、意欲的な新しい試みであり、非常に稀有な、かつ重要な催しの一つとなるであろう。
一般・サークル・スタッフの別を問わず、お誘い合わせの上是非ご参加頂きたい。
特に、表現の担い手たるサークルさんには、表現に関する意識を高めていただく一助として、是非万難を排してご参加頂きたいと願う。
先ず、主催が「同人誌と表現を考える会」とある。
初見の団体名だが、後援に全国同人誌即売会連絡会、COMIC1準備会、日本同人誌印刷業組合の3団体が明記されている。普通に考えて、事実上この3団体のの共催と考えるべきだろう。
昨年警察庁により開催された「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」。最終答申で、同人作品の現状についての言及と、警察から即売会への指導・関与についての方向性が示された。
今回のシンポジウムは、この最終答申を受けての企画である。
全国同人誌即売会連絡会は、即売会間の緩やかな横の繋がりによるネットワーク構築や、有事の際に即売会主催合同で当たる事を目的として結成された業界団体である。事務局はガタケットが務め、コミケ・シティ・コミティア・サンクリ等の大イベントに加え、岡山コミ連・金コミ(KAC)・杜の奇跡・コミコン・ADVENTURES・コミックライブ等、地域に根ざした即売会主催も参加している。
平時の際は親睦会、勉強会を行う程度かもしれないが、有事の際には連絡会として協同して事に当たるようだ。
今回の答申は、各即売会主催への警察からの指導や働きかけが示唆されている。各即売会主催にとっては、これも一種の「有事」と捉えられよう。同会が動きを見せるのは、当然の流れと考える。
COMIC1は、代表氏ご自身の、猥褻問題に関する意識が大変高い。
既に先行して、COMIC1のアフターイベントで、この問題を考える討論会の開催を告知されている。
COMIC1がこのシンポジウムにも動きを見せるのは、至極当然の流れであろう。
(尚、3月23日に配布された”COMIC1メールマガジン”によると、COMIC1代表氏ご本人の出演が予告されている)
そして、日本同人誌印刷業組合。主に「(同人)業界の拡大、同人誌文化の地位向上」を目的に結成された、同人誌印刷の業界団体である。同人誌業界の維持・発展に努める事は、自社の維持・発展にもつながる。
だが、猥褻物という事で、同人誌を発行するサークルが摘発されれば、それを印刷する印刷屋も「幇助罪」に問われ摘発される危険がある事は、前回もお話しした。印刷業者の摘発は、同業他社への摘発として波及する恐れもあるし、同人印刷業界全体のイメージダウンにもつながり、業界全体でマイナスだ。
業界団体たる同組合が、この件に強い関心を示すのも、至って当然の事であろう。
出演のパネラー、議論項目等は未発表。今後詳細が明らかになるであろうから、それを気長に待ちたい。
今後、より細やかな情報もリリースされるであろうから、その時折ごとに当ブログでは引き続き触れて参りたい。
という訳で、まだ未発表なのを良い事に、以下、花羅的に当日論議して欲しいと考える内容を、以下箇条書きにて申し上げたい。
これは、一般・サークル・主催スタッフの別を問わず、皆さん一人一人に考えて欲しい論点でもある。
皆さんが一連の問題を考える上で、参考になれば嬉しい限りである。
【論点】
・猥褻物・18禁の基準明確化の是非
(長所)猥褻物・18禁の定義が正直言って曖昧。明らかな18禁物に18禁表示を入れない作品や、猥褻チェックで修正食らう作品、これらの増加につながる側面も。基準を明確化する事で抑止効果が期待される。
(短所)基準を明確化する事で、同人文化の長所である「表現の自由」を侵害する危険
・自主規制組織の結成の是非
(長所)エロビデオの「ビデ倫」に見られるような、業界内自主規制組織の同人誌版の結成。件の「バーチャル社会〜」最終答申の中でも、ビデ倫が相応に機能している点を取り上げ、同人誌世界でも自主規制組織を結成し事に当るのが望ましい旨を匂わせている。警察側の要望に最も沿った形の対応策であり、警察へのアピールにもなる。
(懸念点)エロビデオに比べ圧倒的に刊行点数の多い同人誌で、ビデ倫のように上手く機能するのか。仮に結成したとしても、相当取りこぼしそうな気もするが…。また、表現の自由を侵害する危険も孕む。
・サークルのカット、ディスプレイ、同人誌表紙に関する問題点
→とある有識者の方よりお話をいただいた中で気付いた事だが、サークルのカット・ディスプレイ・同人誌の表紙にも過激な内容のイラストが含まれた所がある。如何に18禁を謳っていても、「18禁」は18歳未満に買わせない事だけではなく、18歳未満の目に触れさせない事も含まれている。18禁なディスプレイや同人誌の表紙は、18歳未満の目に自然と触れさせる事になる。ここにも意識を払いたい。
・刊行物の奥付表記の是非、基準
→これもとある有識者さんからのお話で気付いた事だが…個人情報・プライバシーへの意識の高まり、一般読者がサークルの個人宅に押しかける所謂「押しかけ厨」の登場による身の危険等、サークルが奥付に自己の住所を書かなくなった経緯は理解できる。しかし他方では、奥付を書かない事で「発行者の責任」が曖昧ともなっている。
2chやふたばちゃんねる等ネット発祥のジャンルに至っては、住所・本名は無論、URLやメールアドレスさえ記載の無い刊行物も、一部見受けられる。
…どうやって連絡取れ、と??
発行者がその刊行物に責任を持つという事は、有事のクレームや問い合わせに責任を持って対応するという事でもある。無理に奥付書けとは言いたく無いが、私は、最低でも「発行日」「ペンネーム」「印刷会社」「サイトURL」(←URLが無ければ自身の住所)の4項目の記載は必要と考える。メールアドレスもあった方が良かろう。
(※人によって基準は異なると思うので、異議等あれば遠慮なくお願いしたい)
もし猥褻物としてそのサークルの本が摘発されたとする。しかし、奥付表記が何も無い。これを見た一般の(同人特有の事情を解さない)警察官はどう感じるだろう?
恐らく、「こんなエロいの書いてるから、逃げようとして奥付を無くしてるんだな」と感じるのではなかろうか。
サークルのプライバシーの保護、奥付表記による発行者の責任の自覚、双方を立てるのは非常に難しい問題だが、これについても考えていくべきであろう。
・規制の程度問題
→主催側が規制を強化するのは簡単だが、同人文化の長所でもある「表現の自由」との兼ね合いの問題が常に絡んでくる。また、規制強化はより多くの人的労力を割く事にもつながる。
主催からサークルへの「呼びかけ」レベル(HARUシティの赤ブーの取組がこのレベル)に留めるべきか、スタッフが官憲ばりにガンガン取締るべきか…規制するとしたらそのレベルを何処に持っていくかも議論の余地有り、と考える。
・18禁ゾーン設定の是非
(長所)18歳未満の区域を作り、そこへの入場は身分証明証の提示が必須。18禁を18歳未満に見せない為の最強最後の手段。サークル側には、安心してドエロなディスプレイを掲げられる、というメリットもw
(短所)これは特にコミケに言える事だが、考えようによっては「表現の自由」とか「全ての参加者の許容」とかの理念に抵触するのかも?
更にそれ以前の現実的な問題として、導線どないすんのか、という問題も。これはシティ・サンクリ他の大規模イベントにも言えそうだ。
・地方イベントでの18禁に対する対応方
→地方即売会は低年齢層の参加が多い故、都心以上に主催は注意を払わねばならない。警察庁よりも地方県警の方が、人口が少ない事もあり仕事量に余裕はありそう。…暇になれば査察に訪れる可能性も、無きにしもあらず。考えようによっては、都心よりも地方の方がやられる危険性が強いかも。
・同人誌委託書店の対応方
→「とらのあな」「メロンブックス」「アニメイト」等店舗を構える書店、通販を行っている「快適本屋さん」、更には「タガミ社出版」のように一般書店に同人誌を流通させる店舗も出てきている。
同人店舗の発達・発展は、同人流通の販路拡大・地場同人者の拠点としての役割・即売会の告知先としての役割等、同人世界活性化の一翼を担う長所が認められる。だが、その一方で、流通させる側としての社会的責任も有する。18禁本を18歳に売ったり、修正の無い猥褻物を売ったりしたら、書店も摘発対象である。
委託書店の販売のあり方についても考えたい。
以上、自分なりに今後皆さんに考えて頂きたい論点を提示させていただいた。
花羅個人の意見としてはまだ固まっていないが、【叩き台】として暫定的な考えを提示させて頂きたい。
穴空きまくりの論理であろうから、皆さんには遠慮なくコメント欄等突っ込んで頂きたい。
皆さんの意見も参考にしつつ、勉強を深め、自分なりの考えを固めて参りたい。
【以下、花羅の私見】
・同人界全体を統率できる組織が、何かあっても良いのでは。この組織がある程度の統率力を見せれば警察対策にもなろう(組織が盾になる事で、各主催や各印刷業者の摘発を防げるかも)。また、偏見の多い同人世界、同人世界の地位向上や一般世間へのアピール的な活動を行う事もできる(同人文化が市民権を得られる事も視野に入れたい)
→既存の即売会連絡会にしても、同人誌印刷業組合にしても、加盟していない即売会・組合が余りにも多すぎる。いざと言う時に統一が取れなければ、業界で一致して当る等、対応が取り辛くなる。
→同人誌即売会主催、同人誌販売業者・印刷業者等、業種を横断し同人世界全体を対象範囲とする「業界団体」が結成されないものか?
→その際、出来る限り多くの方に加入してもらう為、「正会員」とは別に、年会費無料、門戸の広い「サポーター会員」を募集する。サポーター会員には、メーリングリストによる同人世界・イベント開催に関する情報提供等、業務に役立ちそうなメリットを提供する。そこを「入り口」「取っ掛かり」として関わっていただき、会の理念に賛同する方を年会費付の正会員に取り込む。
→正会員各主催・各業者を中心に、自分の所での刊行物(同人誌、イベントカタログ、印刷所なら自社広告物等)に会員募集の呼びかけを行う。印刷業者の告知力と主催の告知力の合体で、知名度は相当に上がるはずである。
・業界内の自主規制について、ビデ倫のような規制は、「表現の自由」にも抵触する為同人世界には馴染まない。代わりに、業界内で「18禁・猥褻に関する合・違法のガイドライン」を策定し、これを正会員及びサポーター会員に発信する。同時に、「奥付に関するガイドライン」も策定したい。
私は、18禁や猥褻に関する規制強化は馴染まないだろうが、同時に18禁・猥褻基準の明確化は必要と考える。そこで、規制と言う形を取らず、【ガイドライン形式】で世にアピールしてはどうだろう?と提案申し上げたい。
まだまだ稚拙であるが、これが現時点の私の考え方である。
これをご覧の皆さんにも、是非色々と考えて頂きたい所である。「自分はこう考える」というのがあれば自分のブログにエントリーしてこっちにトラバ投げても良し。自分ところのコメント欄に書いても良し(字数制限あるのでご注意願いたいが)。
何れにせよ、皆さん一人一人に考えて頂き、自分なりの意見をどんどんぶつけて頂きたい。そう願う次第である。
初見の団体名だが、後援に全国同人誌即売会連絡会、COMIC1準備会、日本同人誌印刷業組合の3団体が明記されている。普通に考えて、事実上この3団体のの共催と考えるべきだろう。
昨年警察庁により開催された「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」。最終答申で、同人作品の現状についての言及と、警察から即売会への指導・関与についての方向性が示された。
今回のシンポジウムは、この最終答申を受けての企画である。
全国同人誌即売会連絡会は、即売会間の緩やかな横の繋がりによるネットワーク構築や、有事の際に即売会主催合同で当たる事を目的として結成された業界団体である。事務局はガタケットが務め、コミケ・シティ・コミティア・サンクリ等の大イベントに加え、岡山コミ連・金コミ(KAC)・杜の奇跡・コミコン・ADVENTURES・コミックライブ等、地域に根ざした即売会主催も参加している。
平時の際は親睦会、勉強会を行う程度かもしれないが、有事の際には連絡会として協同して事に当たるようだ。
今回の答申は、各即売会主催への警察からの指導や働きかけが示唆されている。各即売会主催にとっては、これも一種の「有事」と捉えられよう。同会が動きを見せるのは、当然の流れと考える。
COMIC1は、代表氏ご自身の、猥褻問題に関する意識が大変高い。
既に先行して、COMIC1のアフターイベントで、この問題を考える討論会の開催を告知されている。
COMIC1がこのシンポジウムにも動きを見せるのは、至極当然の流れであろう。
(尚、3月23日に配布された”COMIC1メールマガジン”によると、COMIC1代表氏ご本人の出演が予告されている)
そして、日本同人誌印刷業組合。主に「(同人)業界の拡大、同人誌文化の地位向上」を目的に結成された、同人誌印刷の業界団体である。同人誌業界の維持・発展に努める事は、自社の維持・発展にもつながる。
だが、猥褻物という事で、同人誌を発行するサークルが摘発されれば、それを印刷する印刷屋も「幇助罪」に問われ摘発される危険がある事は、前回もお話しした。印刷業者の摘発は、同業他社への摘発として波及する恐れもあるし、同人印刷業界全体のイメージダウンにもつながり、業界全体でマイナスだ。
業界団体たる同組合が、この件に強い関心を示すのも、至って当然の事であろう。
出演のパネラー、議論項目等は未発表。今後詳細が明らかになるであろうから、それを気長に待ちたい。
今後、より細やかな情報もリリースされるであろうから、その時折ごとに当ブログでは引き続き触れて参りたい。
という訳で、まだ未発表なのを良い事に、以下、花羅的に当日論議して欲しいと考える内容を、以下箇条書きにて申し上げたい。
これは、一般・サークル・主催スタッフの別を問わず、皆さん一人一人に考えて欲しい論点でもある。
皆さんが一連の問題を考える上で、参考になれば嬉しい限りである。
【論点】
・猥褻物・18禁の基準明確化の是非
(長所)猥褻物・18禁の定義が正直言って曖昧。明らかな18禁物に18禁表示を入れない作品や、猥褻チェックで修正食らう作品、これらの増加につながる側面も。基準を明確化する事で抑止効果が期待される。
(短所)基準を明確化する事で、同人文化の長所である「表現の自由」を侵害する危険
・自主規制組織の結成の是非
(長所)エロビデオの「ビデ倫」に見られるような、業界内自主規制組織の同人誌版の結成。件の「バーチャル社会〜」最終答申の中でも、ビデ倫が相応に機能している点を取り上げ、同人誌世界でも自主規制組織を結成し事に当るのが望ましい旨を匂わせている。警察側の要望に最も沿った形の対応策であり、警察へのアピールにもなる。
(懸念点)エロビデオに比べ圧倒的に刊行点数の多い同人誌で、ビデ倫のように上手く機能するのか。仮に結成したとしても、相当取りこぼしそうな気もするが…。また、表現の自由を侵害する危険も孕む。
・サークルのカット、ディスプレイ、同人誌表紙に関する問題点
→とある有識者の方よりお話をいただいた中で気付いた事だが、サークルのカット・ディスプレイ・同人誌の表紙にも過激な内容のイラストが含まれた所がある。如何に18禁を謳っていても、「18禁」は18歳未満に買わせない事だけではなく、18歳未満の目に触れさせない事も含まれている。18禁なディスプレイや同人誌の表紙は、18歳未満の目に自然と触れさせる事になる。ここにも意識を払いたい。
・刊行物の奥付表記の是非、基準
→これもとある有識者さんからのお話で気付いた事だが…個人情報・プライバシーへの意識の高まり、一般読者がサークルの個人宅に押しかける所謂「押しかけ厨」の登場による身の危険等、サークルが奥付に自己の住所を書かなくなった経緯は理解できる。しかし他方では、奥付を書かない事で「発行者の責任」が曖昧ともなっている。
2chやふたばちゃんねる等ネット発祥のジャンルに至っては、住所・本名は無論、URLやメールアドレスさえ記載の無い刊行物も、一部見受けられる。
…どうやって連絡取れ、と??
発行者がその刊行物に責任を持つという事は、有事のクレームや問い合わせに責任を持って対応するという事でもある。無理に奥付書けとは言いたく無いが、私は、最低でも「発行日」「ペンネーム」「印刷会社」「サイトURL」(←URLが無ければ自身の住所)の4項目の記載は必要と考える。メールアドレスもあった方が良かろう。
(※人によって基準は異なると思うので、異議等あれば遠慮なくお願いしたい)
もし猥褻物としてそのサークルの本が摘発されたとする。しかし、奥付表記が何も無い。これを見た一般の(同人特有の事情を解さない)警察官はどう感じるだろう?
恐らく、「こんなエロいの書いてるから、逃げようとして奥付を無くしてるんだな」と感じるのではなかろうか。
サークルのプライバシーの保護、奥付表記による発行者の責任の自覚、双方を立てるのは非常に難しい問題だが、これについても考えていくべきであろう。
・規制の程度問題
→主催側が規制を強化するのは簡単だが、同人文化の長所でもある「表現の自由」との兼ね合いの問題が常に絡んでくる。また、規制強化はより多くの人的労力を割く事にもつながる。
主催からサークルへの「呼びかけ」レベル(HARUシティの赤ブーの取組がこのレベル)に留めるべきか、スタッフが官憲ばりにガンガン取締るべきか…規制するとしたらそのレベルを何処に持っていくかも議論の余地有り、と考える。
・18禁ゾーン設定の是非
(長所)18歳未満の区域を作り、そこへの入場は身分証明証の提示が必須。18禁を18歳未満に見せない為の最強最後の手段。サークル側には、安心してドエロなディスプレイを掲げられる、というメリットもw
(短所)これは特にコミケに言える事だが、考えようによっては「表現の自由」とか「全ての参加者の許容」とかの理念に抵触するのかも?
更にそれ以前の現実的な問題として、導線どないすんのか、という問題も。これはシティ・サンクリ他の大規模イベントにも言えそうだ。
・地方イベントでの18禁に対する対応方
→地方即売会は低年齢層の参加が多い故、都心以上に主催は注意を払わねばならない。警察庁よりも地方県警の方が、人口が少ない事もあり仕事量に余裕はありそう。…暇になれば査察に訪れる可能性も、無きにしもあらず。考えようによっては、都心よりも地方の方がやられる危険性が強いかも。
・同人誌委託書店の対応方
→「とらのあな」「メロンブックス」「アニメイト」等店舗を構える書店、通販を行っている「快適本屋さん」、更には「タガミ社出版」のように一般書店に同人誌を流通させる店舗も出てきている。
同人店舗の発達・発展は、同人流通の販路拡大・地場同人者の拠点としての役割・即売会の告知先としての役割等、同人世界活性化の一翼を担う長所が認められる。だが、その一方で、流通させる側としての社会的責任も有する。18禁本を18歳に売ったり、修正の無い猥褻物を売ったりしたら、書店も摘発対象である。
委託書店の販売のあり方についても考えたい。
以上、自分なりに今後皆さんに考えて頂きたい論点を提示させていただいた。
花羅個人の意見としてはまだ固まっていないが、【叩き台】として暫定的な考えを提示させて頂きたい。
穴空きまくりの論理であろうから、皆さんには遠慮なくコメント欄等突っ込んで頂きたい。
皆さんの意見も参考にしつつ、勉強を深め、自分なりの考えを固めて参りたい。
【以下、花羅の私見】
・同人界全体を統率できる組織が、何かあっても良いのでは。この組織がある程度の統率力を見せれば警察対策にもなろう(組織が盾になる事で、各主催や各印刷業者の摘発を防げるかも)。また、偏見の多い同人世界、同人世界の地位向上や一般世間へのアピール的な活動を行う事もできる(同人文化が市民権を得られる事も視野に入れたい)
→既存の即売会連絡会にしても、同人誌印刷業組合にしても、加盟していない即売会・組合が余りにも多すぎる。いざと言う時に統一が取れなければ、業界で一致して当る等、対応が取り辛くなる。
→同人誌即売会主催、同人誌販売業者・印刷業者等、業種を横断し同人世界全体を対象範囲とする「業界団体」が結成されないものか?
→その際、出来る限り多くの方に加入してもらう為、「正会員」とは別に、年会費無料、門戸の広い「サポーター会員」を募集する。サポーター会員には、メーリングリストによる同人世界・イベント開催に関する情報提供等、業務に役立ちそうなメリットを提供する。そこを「入り口」「取っ掛かり」として関わっていただき、会の理念に賛同する方を年会費付の正会員に取り込む。
→正会員各主催・各業者を中心に、自分の所での刊行物(同人誌、イベントカタログ、印刷所なら自社広告物等)に会員募集の呼びかけを行う。印刷業者の告知力と主催の告知力の合体で、知名度は相当に上がるはずである。
・業界内の自主規制について、ビデ倫のような規制は、「表現の自由」にも抵触する為同人世界には馴染まない。代わりに、業界内で「18禁・猥褻に関する合・違法のガイドライン」を策定し、これを正会員及びサポーター会員に発信する。同時に、「奥付に関するガイドライン」も策定したい。
私は、18禁や猥褻に関する規制強化は馴染まないだろうが、同時に18禁・猥褻基準の明確化は必要と考える。そこで、規制と言う形を取らず、【ガイドライン形式】で世にアピールしてはどうだろう?と提案申し上げたい。
まだまだ稚拙であるが、これが現時点の私の考え方である。
これをご覧の皆さんにも、是非色々と考えて頂きたい所である。「自分はこう考える」というのがあれば自分のブログにエントリーしてこっちにトラバ投げても良し。自分ところのコメント欄に書いても良し(字数制限あるのでご注意願いたいが)。
何れにせよ、皆さん一人一人に考えて頂き、自分なりの意見をどんどんぶつけて頂きたい。そう願う次第である。
http://sokubaikairenrakukai.com/news070330.html
出演者の皆様のお話から学びつつ、かつ表現の問題について考えを深化させる一助となる事を期待したいものです。