私、STRIKE HOLEの花羅は、7月7日付エントリー「日本同人誌印刷業組合も動きを見せてきました」の中で、日本同人誌印刷業組合の18禁表示推進の働きかけを全面的に支持する旨、申し上げた。
しかし、今になって申し上げるのも遅いかもしれないが、このエントリーでの発言は、後の声明と照らし合わせ、細部で誤った点が存在した。

その点についてお詫びと懺悔を申し上げると共に、以下、フォローイングの意味も込めどのような点に誤りがあったかを検証して参りたい。
STRIKE HOLEでは、日本同人誌印刷業組合が18禁表示推進を要請した理由として、以下のように【同人誌と表現を考えるシンポジウム】に関連する流れの中での事と断じた。

>2006年冬「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」最終報告書
> →18歳未満をエロを見せないような対策取らんかいワレェ!

> ↓
>5月19日「同人誌と表現を考えるシンポジウム
> →いや、ウチら同人業界の人たちは自主規制ちゃんとやってますよ
> →コミケでは、奥付表記・18禁表示等、製作者の責任を明確に表記してる所は少し基準が甘くなるかも…ですよ
> ↓
>アピールした手前もある。じゃあ自主規制をもっときっちり徹底させるべ
> ↓
>今回の奥付・18禁記載の要請

しかしながら、18禁表示推進に走った日本同人誌印刷業組合側の理由は、どうやら違った模様である。
(参照:日本同人誌印刷業組合HP内「サークル・同人誌作家の皆さまへ」)

>(A)このお知らせが生まれた背景には以下のような事件がありました。
> 7月初旬、四国の作家が「わいせつ図画の頒布」容疑で取り調べを受けました。続いて、その共犯容疑として、印刷会社が家宅捜索を受け、その後にいくつかの書店などが事情聴取を受けました。
> 8月23日、この作家は「わいせつ図画の頒布」容疑で逮捕されました。
> その後9月12日までの間、身柄拘束されたままにて「略式起訴」されました。
>
> この事件の発端は、警察側がネット上の通信販売で「わいせつ物に値する」という冊子を発見、さらに当該冊子の存在が「通報」されたため摘発に乗り出したものだそうです。
> そしてこの冊子は「即売会」では頒布されていなかったものの、ネット通販と同人誌専門書店にて販売されていたようです。
>
> この他に、6月には「松文館事件」の最高裁で「マンガもわいせつ図画に当たる」という判決が確定しました。


…ぶっちゃけ申し上げると、日本同人誌印刷業組合が【18禁表示の推進】に走った理由って、【猥褻取締】の模様ですね。
あのう、昔から申しあげておりますが、猥褻と18禁は全く別物なのですが。
同人でメシを食う、同人の[「プロフェッショナル」なあなた方が混同してどーするのですかw勘弁して下さいww

いや、7月に出た話は「18禁表示要請のお知らせ」ですよね。
私は「18禁」と「猥褻」は全く別次元の話と区別して認識してる人間なので、流石にその展開(18禁推進の理由・背景が猥褻取締であったこと)は読めませんでした。

…とは言え、事実と異なる事を当て推量で、「18禁表示要請はシンポジウムの流れを受けて」、と私・STRIKE HOLEの花羅が断じてしまった事は、紛れもない事実である。

また、その後夏コミでの新刊印刷に際し、加盟印刷業者とサークルとのやり取りの中で、一部行き過ぎた徹底が印刷業者側より指導され、サークル側が困惑した、という事例も聞いている。自主規制は必要かもしれないが、行き過ぎた規制も問題だ。この点に触れなかった事は、記事執筆に当たって片手落ちだったと反省せねばならない。

参考:「愛媛県での「わいせつ図画頒布」事件に関連しての「全国同人誌即売会連絡会」の見解」より抜粋

>印刷会社側から、成人指定ではない青年誌、場合によっては少年誌に掲載されていても問題のないものと考えられる同人誌に「成年マーク」の表示を求めたり既刊には全て「成年マーク」のシールを貼るよう半ば強制的な通達をされたという苦情をサークル側から受けていますが、これは発行者の意志を無視した行為であり、本来「誰」が「どこまでの表現」に対して規制を行うのかという問題も含んだ上で、自主規制の範疇を逸脱していると言わざるを得ません。


上記の点、結果として事実と異なる断定をしたことについて、STRIKE HOLEは、大いに反省せねばならない。
今後ブログ執筆の際には、今まで以上に慎重に論を進めていくよう、心がけて参りたい。

※なお、この一連の騒動については、全国同人誌即売会連絡会も、猥褻に対する対応が「18禁表示推進」であった事の混同を誤りだったと批判している
(参考:「愛媛県での「わいせつ図画頒布」事件に関連しての「全国同人誌即売会連絡会」の見解」)

※ちなみに、STRIKE HOLEの花羅は、18禁表示の徹底には原則賛成である。問題の当方の記事「日本同人誌印刷業組合も動きを見せてきました」についても、日本同人誌印刷業組合の行動の問題点に触れなかった点は手落ちだが、それ以外の主張=18禁表示徹底をすべきとの主張(同記事の後半部分)は、今でも変わらない。


さて、そうなると「日本同人誌印刷業組合」の立場ってものは、非常に微妙である。
というか、【18禁・猥褻の混同】のお話以外にも、大きな問題がある。

件の四国の同人作家が摘発された。
これに対し、印刷業組合側が、原因究明や再発防止措置を講じていない事が問題となる。

注意すべきは、この猥褻認定された同人誌に、【印刷業者が関わっている】という点である。
実際、岡山の印刷業者がこの事件に関連して、家宅捜索を受けている。
ここではこの岡山の業者が、同人誌印刷業組合の会員か非会員かは触れられていない。

もしこの業者が、印刷業組合の会員であるならば、大きな問題が一つ発生する。
「同人誌と表現を考えるシンポジウム」出席の、当時の印刷業組合・武川前会長は、印刷業組合では猥褻チェックはしっかり行っている、とアピールされていた
このアピールが、全くの嘘、という事になってしまう。
組合の対応としては、加盟各会員がちゃんと猥褻確認を行っているか否かのチェックを強化する。それが筋であり、正しい措置と言えるのではなかろうか。

一方、この業者が印刷業組合の非会員であるならば、ここにも問題が発生する。
武川前会長の主張「印刷業組合では猥褻チェックはしっかり行っている」は、あくまで会員内での話に過ぎず、非会員は関係無いという現実が問題となる。会員が幾ら頑張っても、非会員がぶち壊してイメージダウンになってしまう点、業界として危惧すべきだろう。
再発防止策として、会員になってしっかり猥褻チェックを行おう、と非会員に呼びかけるぐらいの措置は行ってほしい所である。また、会員業者なら猥褻チェック行って安心、とPRに励んでも良いのでは?
当該業者が印刷業組合非会員とするならば、何故そのようなアピールを行わないのだろうか。


いずれの場合においても、印刷業組合としては上記の通り「原因究明」「再発防止」の策を取らねばならない。
しかし、現時点で印刷業組合が打ち出している施策は、夏コミ前は「18禁の徹底」であった。
行き過ぎた「徹底」については謝罪したものの、いかにして印刷業各社が猥褻認定同人誌の量産に手を貸すという行為を防ぐのか?という観点からの施策は、今だに触れられていない。

せいぜい、

「同人誌印刷業組合はもっと勉強して、わいせつ図画の頒布を禁止した「刑法175条」、そして「青少年条例」「児童ポルノ法」といった法令についてきちんと整理して理解することに努めます。」
(引用:日本同人誌印刷業組合HP内「サークル・同人誌作家の皆さまへ」)

と述べるに留まっている。
それ何もしてないも同然じゃねえかw

猥褻物の量産に関わった、ということは、同人印刷業全体でイメージダウン
もっと業界全体で危機意識を持っても良いのではないか。
そして、今後猥褻認定される同人誌に手を貸すことのないような対策を練るべきではなかろうか。そう私は考える。