最近、表現関連の話題ばかり取り上げ、ブログの論調も殺伐となってきている。
そこで、本日は「STRIKE HOLE」の初心に戻り、良き即売会を「褒める」「応援する」という方向で取り上げて参りたい。

例の記事以降、どうも自分には厨イベントを青龍刀で快刀乱麻するイメージがつきまとって正直本意ではないのだが…あの記事書いた以上、自業自得だよなw
 でも、当ブログの初心というか理念は、先ず最初に、頑張っている即売会を「褒める」「応援する」という方向。今日の記事は、当ブログが初心に還る記事、という事でお読みいただければ幸いである)

何度も主張しているが、地方の同人誌即売会は都心部に比べ、人集め・サークル集めが大変だ。
しかも、それが男性向けジャンルとなると、その大変さはとんでもない事になる。
男性向けは、良くも悪くも東京を中心に動いており、それ以外の地域との盛り上がりの格差は、人口比以上に大きい。

オールジャンルだって、男性向けなら良くて仙台「杜の奇跡」の140〜160サークル、他都市では30〜40程度が当たり前だ。
オンリーになればもっと大変で、過去開催の男性向けジャンルオンリーは10サークルが標準だ。ジャンルの忠誠心が高い「伺か」ジャンルや「東方シリーズ」ジャンルは別だが、それ以外のジャンルだと、開催を決めたと同時に苦戦フラグが立ちまくりだ。
(参考:06年10月12日付「金沢東方オンリー「るなフェス」」

いくらそれが人気ジャンルのアイドルマスター(以下「アイマス」と表記)とは言え、場所が【鳥取】、しかもキャラオンリーとなれば、何処をどう考えてもサークルが集まって成功するとは思えない。
アイドルマスター亜美・真美オンリー「亜美にπタッチ!」の開催が発表された時、この即売会の盛況を予想する方は誰も居なかった事だろう。いらっしゃったらその洞察力の鋭さに尊敬し、神認定させていただきたい。

という訳で、今日は開催が終了してだいぶ時間が経ってしまったが、「亜美にπタッチ!」の頑張りについて語りたい。
ゴールデンウイーク明け、5月13日開催「SDF0513」にて、「亜美にπタッチ!」の開催が告知された。「SDF0513」はオンリー合体型イベントだが、その中にアイマスオンリーも含まれており、それゆえにここでの告知となったのだろう。
だが、場所が鳥取。亜美・真美、キャラオンリー。しかも開催日はサンシャインクリエイション(10月8日)前日の10月7日開催

…どこをどう考えても、盛況に導ける要素は存在しない。
唯一の光明は、東京のアイマスオンリーで告知、という告知の基本線をしっかりこなしている所だろうか。男性向けは東京中心に動いている。いかに地方即売会とは言え、地元鳥取で告知をしても殆ど意味は無く、むしろ東京都内での告知の方が重要だ。
でも、いくら東京都内で告知を行っても、鳥取まで来るサークルが果たしてどれだけ居るのか?
当初からそれは疑問であり、鳥取で開催する事自体が無謀では?とすら思ったほどだ。

ちなみに、何故開催が「鳥取」かというと、鳥取でゲーセンに通い詰めてるアイマスファン有志が即売会やってみたい、という話だそうだ。
(これは当日のオンリーに参加された方からのお話ゆえ、明確なソースは提示できない。信じる信じないは自己責任で。私はたぶんそれで正解だろうと思っているが)


だが、蓋を開けてみると、直接参加20・委託10募集に対し、直接参加33サークル・委託参加4サークルを集め、サークル満了となった。
サークルが参加すれば買い手も参加しようという気になるもの。ブログ関係者だと@++様日記というか雑記というか戯言。様が鳥取まで遠征された。
当初懸念された数々の悪条件を乗り越え、盛況の結果を呼んだ。
アイマスオンリーを鳥取の地にて、見事に成功させた。

では、何故鳥取の地でありながら、アイマスオンリーは成功に至ったか。

やはり、先ず東京都内・アイマスオンリーを中心に、積極的に告知を図った事にあろう。
昨年10月、金沢で開催された東方オンリー「るなフェス」の成功について語った記事の中でも申し上げたが、大都市圏での告知は重要であり、基本である。

今回のアイマスオンリーも、SDF0513を皮切りに、「ぷにけっと」「サンシャインクリエイション」「コミックマーケット」等の都内有力即売会で積極的に告知。オンリーでも「律子の特等席」「えっわたしもですか?」等都内開催のアイマスオンリーで告知を果たした。大阪で成長を続けるオールジャンル「こみっく☆トレジャー」でも告知を行い、西日本のアイマスサークルに告知を果たした。
地場即売会での告知は無く、せいぜい隣県岡山のオールジャンル「ぶちすげえコミックバトル」で告知した程度だ。都心での積極的な告知とは対照的だ。
店舗での告知も、地場の店舗でも告知したが、寧ろ都内店舗の方が設置店は多い。

だが、男性向けジャンルの即売会であれば、それが告知の「基本」となる。
地場の即売会は無視してでも、都内の即売会で告知を図らねば、サークルは集まらない。「基本」を忠実にこなした事で、サークルへの告知を図れた。

とは言え、鳥取人が都内に告知を図る事は、如何に都内に協力者が居ようとも骨が折れるはず。全てを協力者に任せるわけにもいかないだろうし、主催者自身も何度か東京に遠征された事であろう。主催にパワーが無いと、ここまで積極的な告知はできない
その源は、やはりジャンル愛ーというかアイマス好き故の熱意、これが積極告知の原動力となっていよう。


あともう一つは、東方シリーズや伺かと同様、ジャンルに対するサークルの「忠誠心(ロイヤリティ)」が高かったのではないか、という部分。
私もアイマスはあまり詳しくないが、サークルのオンリー参加率が高いジャンルであるように捉えている。というか、地方遠征はエネルギーが要る。サークルに、高いジャンルへの忠誠心(ロイヤリティ)が無いと行く気にならないだろう。
(というか、鳥取・サンクリの2連戦で臨むサークルも結構いらっしゃったような…大変に強行なスケジュールであり、ジャンルへの愛が無いとできない芸当だろう)

また、遠征者を対象とした合宿企画(即売会終了後に宿泊先を用意)、2週間前の9月25日開催「みんなであそぼ→YO!」との連動トレカ企画等、遠征者をターゲットにした企画を打ち出した事も、多数の動員に貢献したと考えられる。


まとめると、都心部の告知に特化した事サークルにジャンルへの忠誠心が強い事―いやむしろジャンル愛が強いと言うべきか―、そして主催者のアイマスへの熱意。この3点が複合された結果が、今回の盛況に繋がったと言えよう。
これが一点欠けたところで、成功には至れなかった。

例えば、都心で告知を行わなければ、サークルに知れ渡らず、サークルも集まらなかったであろう。

サークルのジャンル忠誠心が薄いと、遠征してまで参加しようという気にはならない。
例えば過去開催された2chオンリー「ジサクジエン」は、都内や大阪の大規模イベントで徹底的に告知を図ったが、当時の2chサークルは、コミケでの売り上げがオンリーイベントに比べ圧倒的だった事もあり、オンリーイベント離れが進んでいた。「ジサクジエン」の少し前に東京都内で開催されたオンリー「ワショーイ」は急激にサークル参加数を落とした。諸々ゴタゴタ・内ゲバの起こった影響もあろうが、以後東京での2chオンリーの開催は、一切無くなった。
このような形で2chジャンルは急激に縮小、凋落。この流れの中「ジサクジエン」も努力したが、結果、努力の割に成果は実らず、10〜20サークルの参加に留まった。
(九州で20サークル弱だから「大健闘」という見方もできるかもしれないが…)

そして主催の熱意。これが一番大切だろう。熱意が無ければ、告知に汗を流す気にもならない。主催の熱意を見て、即売会への参加を決めるサークルも居よう。主催の熱意が欠けていれば、それはサークルが不参加を決める材料にもなりかねない

今回のアイマスオンリーは、地方で即売会を成功させる3要素

・都心部での積極告知
・ジャンル忠誠心
・主催の熱意


この3つ、全てを満たしていた。
昨年10月の金沢東方オンリー「るなフェス」も40サークル近くを集め盛況であったが、「るなフェス」もこの上記3要素全てを満たしていた。

地方での男性向け即売会開催は、大変厳しい。
開催決定、即苦戦確定と言っても過言ではない。

だが、上記3つの要素が揃えば、いかなる地域であっても、成功の可能性は相応に残されている。東方のようにジャンルの勢いが凄ければ尚の事だ。ジャンルの勢いが弱くとも、伺かオンリーのように団結力があれば成功できる。実際、伺かは名古屋でも仙台でも30サークルを集めた。
(余談だが、東方オンリーだったら、石垣島稚内で開催しても20サークルは来そうな気がするのは気のせいだろうかw)

逆に言えば、この3要素が無ければ、地方での開催は失敗と見て良いだろう。地方でのオンリー開催をお考えの諸兄は、開催を決める前にこの3要素が満たされているか、自己点検すると良いだろう。