ご無沙汰しております。
変態評論ブログ「STRIKE HOLE」の花羅です。
諸々の事情がございまして、今年2月以来2か月以上更新の無い状態でございました。
ようやく少し時間が取れるようになってきましたので、今日からブログも再開する事に致します。
思えば更新停止していた2か月の間、同人界隈では様々な事がございました。
・児童ポルノ法の理念に沿わない法改正の動き
・イベント主催者同士のバトル勃発
・都産貿がますますおかしくなる
…一応一通り動きは捉えているつもりですが、まだ自分の考えを整理し切れない部分もございます。その内簡単にコメントさせていただく…かもしれませんが、その時は宜しくお願い致します。
という訳で、本日のお題は、本日開催「COMIC1」の見本誌に関するお話。
変態評論ブログ「STRIKE HOLE」の花羅です。
諸々の事情がございまして、今年2月以来2か月以上更新の無い状態でございました。
ようやく少し時間が取れるようになってきましたので、今日からブログも再開する事に致します。
思えば更新停止していた2か月の間、同人界隈では様々な事がございました。
・児童ポルノ法の理念に沿わない法改正の動き
・イベント主催者同士のバトル勃発
・都産貿がますますおかしくなる
…一応一通り動きは捉えているつもりですが、まだ自分の考えを整理し切れない部分もございます。その内簡単にコメントさせていただく…かもしれませんが、その時は宜しくお願い致します。
という訳で、本日のお題は、本日開催「COMIC1」の見本誌に関するお話。
とりあえずCOMIC1準備会の公式見解は以下の通り。
4/19付「見本誌」
4/25付「見本誌の件」
4/25付「見本誌寄贈の件」
この他、4/23付「児童ポルノ法の行方」も重要
COMIC1側の見解が、散文的・感情的で少々分かり辛いのだが、自分なりに解釈すると、恐らくこういう趣旨ではないかと考える。
(違っていたら遠慮無く、メール・コメント・TB等ご指摘いただきたい)
同人誌の世界には理解者や味方が少ない。世間的に見れば少数派に過ぎず、「文化」として世間的に認知されていない。
現状、児童ポルノ法改正の動き等、同人誌にまつわる社会情勢は厳しいものがある。サークル・一般・スタッフ問わず、同人の世界にいる人間全てが、何ができるか考えて欲しい。
大学への寄贈を通じ、同人誌に文化的な価値を認知させたい。同人誌を「守る」事の一環として、大学への寄贈を決めた事をご理解いただきたい。
今回の見本誌のお話について、COMIC1ブログにおけるエントリーでの主張を要約すると、恐らく上記のような話になるのではないか、と思う。
児童ポルノ法改正問題とリンクして語っているが、大学に寄贈する事で、同人誌に文化的・学問的価値を付与する。そうする事で、児童ポルノ法の規制対象に同人誌を含めようとする動きへの牽制も狙っていると考えられる。
コミックマーケットには、1日20万近い人間が参加している。
秋葉原では、目抜き通りに同人誌ショップが立ち並ぶ。
同人誌の世界を、経済効果という観点から研究するシンクタンクも現れた。
マスコミでも、同人誌の世界を取り上げるケースが増えてきた。
同人誌に対する社会的認知度は、少しずつ深まっている、と私は考える。
昔のように「アングラ」「閉じた世界」から、少しずつ「開かれた世界」に。流れが変わってきているように映る。
そんな中、同人誌の世界は、いかに外の一般社会と接点を持ち、お付き合いしていくか?
私は、そこを重視している。
法規制の動きに一喜一憂するよりも、一般社会との「調和」を考えた方が、同人世界の継続発展に繋がるのではないか、とも考える。
一般社会との調和が取れなければ、反社会的とみなされ規制の対象になる。一般社会との調和が取れれば、社会に溶け込めるから、規制する必要も無くなる。
そういう観点からすると、社会との接点を持つ一環としての、同人誌の大学への寄贈は充分「有り」だと考える。
同人誌を規制したい勢力も居る訳で、そういう連中への牽制効果も期待したい。
COMIC1の趣旨・考えには賛同したい…本来であれば。
だが、今回の拙速な「大学への寄贈」発表に対しては、私は激しく反対したい。
@++様「4/25 見本誌寄贈のまとめ - なぜサークルは反発したのか」において問題点が詳しく纏まっているが、問題点を一言で表せば、結局誰の了解を得て決めたのか?…そこに尽きると思う。
提出された見本誌は、主催が保管する。これが今までの慣例である。
サークル側にも、「今回もそうなるだろう」という暗黙の了解があるからこそ、特に抵抗無く見本誌提出が行われている。無論、抵抗はあれども「決まりだから」と渋々提出しているサークルも居よう。
だが、今回の一件は、サークルが想定しない箇所への寄贈である。そりゃ、サークル的には「んな話聞いてねえよ」と反発したくもなろう。
流石に反発が大きかったようで、COMIC1側も譲歩し、当日見本誌提出の際に寄贈の可否をサークル側が選択できるようになった。
サークル側の了解が得られての寄贈ならば、サークルの意思も反映しての処遇となるので無問題だろう。
但し、昨年4月の「COMIC1」の同人誌の処遇をどうするのか、という問題も残されている。昨年の見本誌も今回同様、サークルの同意無しに寄贈しないよう求めたい。
奥付の個人情報の問題もある。奥付は、サークルの発行責任を記すものとして必要不可欠なものだが、個人情報が明記されている物でもある。個人情報が記載されているものが、勝手に図書館に行った日には、サークルも気持ち悪かろう。
そもそも、「サークル目線」に立っての運営を行っていれば、こんな事は起こらずに済んだ筈だ。
サークルにとってみれば、同人誌は、自分が心血注いだ作品だ。手間暇をかけ、オフセット印刷で多額の費用を投資し、その上でようやく完成した本であり、サークルにとってみれば「我が子」同然の存在だ。
決まりだから見本誌として提出するが、出来る事なら見本誌を提出したくないサークルも多い。地方の即売会は特に顕著で、見本誌提出に不平を言う若い子は多い(まあ、地方即売会は、お小遣いから同人誌を作ってるお嬢さんが多い。都内のサークルよりも金銭的にシビアにならざるを得ないって部分もあるが…)。
サークルも、本来ならば見本誌提出自体嫌なはずだ。
少なくとも、見本誌提出が有るより、見本誌提出の無い方が良かろう。
そういうサークルの気持ちに配慮が届けば、回収した物を更に第三者に渡す事について、サークルがどう感じるか、読めてくると思うのだが…。
主催側も、見本誌を提出/回収する事が「当たり前」の事になってしまったのだろうか。見本誌を預かる事への意識が鈍っているように思える。
見本誌は、主催者の個人所有物では無い。
あくまで、即売会を円滑に運営する目的で、サークルから「お預かりしている物」という認識で考えるべき、そう私は考える。
繰り返すが、私は、COMIC1の見本誌寄贈の取り組みは、新しい取り組みとして肯定的に捉えたい。
だが、サークルの充分な同意を得ずの拙速さが、サークルの反発を生んだ。そこを私は問題視する。
(逆に、「サークルの同意」を得ての取り組みであれば、私は全面的に賛成する)
次回以降のCOMIC1(コミケ等他即売会にも言えるが)において、見本誌をどこかに寄贈するなら寄贈するで構わない。
だが、その事をサークル募集の際から充分に告知し、サークルの同意を充分に得て頂きたい、そのように私は考える。
「サークルの同意」という課題をクリアして、寄贈に動いて頂きたい、と考える。
最後に。
今回、COMIC1を激しく批判したが、COMIC1主催は青龍刀で打ち首、というつもりも別に無い。
サークルを2500も集め、事実上の「ポスト・レヴォ」として、多くのサークルの信頼と支持を得ている即売会である事。今回の失敗にしても、見本誌回収の際に寄贈の可否を選択出来るようにし、可能な限りのフォローを図っている事。この2点、私としては評価すべき点である。
今回は先走りしてミスしてしまったが、ある程度のフォローイングは果たせた。
同じミスを犯さなければ、次回以降もサークルの信頼を得、良き即売会として継続できるのではなかろうか。そう期待したいものである。
4/19付「見本誌」
4/25付「見本誌の件」
4/25付「見本誌寄贈の件」
この他、4/23付「児童ポルノ法の行方」も重要
COMIC1側の見解が、散文的・感情的で少々分かり辛いのだが、自分なりに解釈すると、恐らくこういう趣旨ではないかと考える。
(違っていたら遠慮無く、メール・コメント・TB等ご指摘いただきたい)
同人誌の世界には理解者や味方が少ない。世間的に見れば少数派に過ぎず、「文化」として世間的に認知されていない。
現状、児童ポルノ法改正の動き等、同人誌にまつわる社会情勢は厳しいものがある。サークル・一般・スタッフ問わず、同人の世界にいる人間全てが、何ができるか考えて欲しい。
大学への寄贈を通じ、同人誌に文化的な価値を認知させたい。同人誌を「守る」事の一環として、大学への寄贈を決めた事をご理解いただきたい。
今回の見本誌のお話について、COMIC1ブログにおけるエントリーでの主張を要約すると、恐らく上記のような話になるのではないか、と思う。
児童ポルノ法改正問題とリンクして語っているが、大学に寄贈する事で、同人誌に文化的・学問的価値を付与する。そうする事で、児童ポルノ法の規制対象に同人誌を含めようとする動きへの牽制も狙っていると考えられる。
コミックマーケットには、1日20万近い人間が参加している。
秋葉原では、目抜き通りに同人誌ショップが立ち並ぶ。
同人誌の世界を、経済効果という観点から研究するシンクタンクも現れた。
マスコミでも、同人誌の世界を取り上げるケースが増えてきた。
同人誌に対する社会的認知度は、少しずつ深まっている、と私は考える。
昔のように「アングラ」「閉じた世界」から、少しずつ「開かれた世界」に。流れが変わってきているように映る。
そんな中、同人誌の世界は、いかに外の一般社会と接点を持ち、お付き合いしていくか?
私は、そこを重視している。
法規制の動きに一喜一憂するよりも、一般社会との「調和」を考えた方が、同人世界の継続発展に繋がるのではないか、とも考える。
一般社会との調和が取れなければ、反社会的とみなされ規制の対象になる。一般社会との調和が取れれば、社会に溶け込めるから、規制する必要も無くなる。
そういう観点からすると、社会との接点を持つ一環としての、同人誌の大学への寄贈は充分「有り」だと考える。
同人誌を規制したい勢力も居る訳で、そういう連中への牽制効果も期待したい。
COMIC1の趣旨・考えには賛同したい…本来であれば。
だが、今回の拙速な「大学への寄贈」発表に対しては、私は激しく反対したい。
@++様「4/25 見本誌寄贈のまとめ - なぜサークルは反発したのか」において問題点が詳しく纏まっているが、問題点を一言で表せば、結局誰の了解を得て決めたのか?…そこに尽きると思う。
提出された見本誌は、主催が保管する。これが今までの慣例である。
サークル側にも、「今回もそうなるだろう」という暗黙の了解があるからこそ、特に抵抗無く見本誌提出が行われている。無論、抵抗はあれども「決まりだから」と渋々提出しているサークルも居よう。
だが、今回の一件は、サークルが想定しない箇所への寄贈である。そりゃ、サークル的には「んな話聞いてねえよ」と反発したくもなろう。
流石に反発が大きかったようで、COMIC1側も譲歩し、当日見本誌提出の際に寄贈の可否をサークル側が選択できるようになった。
サークル側の了解が得られての寄贈ならば、サークルの意思も反映しての処遇となるので無問題だろう。
但し、昨年4月の「COMIC1」の同人誌の処遇をどうするのか、という問題も残されている。昨年の見本誌も今回同様、サークルの同意無しに寄贈しないよう求めたい。
奥付の個人情報の問題もある。奥付は、サークルの発行責任を記すものとして必要不可欠なものだが、個人情報が明記されている物でもある。個人情報が記載されているものが、勝手に図書館に行った日には、サークルも気持ち悪かろう。
そもそも、「サークル目線」に立っての運営を行っていれば、こんな事は起こらずに済んだ筈だ。
サークルにとってみれば、同人誌は、自分が心血注いだ作品だ。手間暇をかけ、オフセット印刷で多額の費用を投資し、その上でようやく完成した本であり、サークルにとってみれば「我が子」同然の存在だ。
決まりだから見本誌として提出するが、出来る事なら見本誌を提出したくないサークルも多い。地方の即売会は特に顕著で、見本誌提出に不平を言う若い子は多い(まあ、地方即売会は、お小遣いから同人誌を作ってるお嬢さんが多い。都内のサークルよりも金銭的にシビアにならざるを得ないって部分もあるが…)。
サークルも、本来ならば見本誌提出自体嫌なはずだ。
少なくとも、見本誌提出が有るより、見本誌提出の無い方が良かろう。
そういうサークルの気持ちに配慮が届けば、回収した物を更に第三者に渡す事について、サークルがどう感じるか、読めてくると思うのだが…。
主催側も、見本誌を提出/回収する事が「当たり前」の事になってしまったのだろうか。見本誌を預かる事への意識が鈍っているように思える。
見本誌は、主催者の個人所有物では無い。
あくまで、即売会を円滑に運営する目的で、サークルから「お預かりしている物」という認識で考えるべき、そう私は考える。
繰り返すが、私は、COMIC1の見本誌寄贈の取り組みは、新しい取り組みとして肯定的に捉えたい。
だが、サークルの充分な同意を得ずの拙速さが、サークルの反発を生んだ。そこを私は問題視する。
(逆に、「サークルの同意」を得ての取り組みであれば、私は全面的に賛成する)
次回以降のCOMIC1(コミケ等他即売会にも言えるが)において、見本誌をどこかに寄贈するなら寄贈するで構わない。
だが、その事をサークル募集の際から充分に告知し、サークルの同意を充分に得て頂きたい、そのように私は考える。
「サークルの同意」という課題をクリアして、寄贈に動いて頂きたい、と考える。
最後に。
今回、COMIC1を激しく批判したが、COMIC1主催は青龍刀で打ち首、というつもりも別に無い。
サークルを2500も集め、事実上の「ポスト・レヴォ」として、多くのサークルの信頼と支持を得ている即売会である事。今回の失敗にしても、見本誌回収の際に寄贈の可否を選択出来るようにし、可能な限りのフォローを図っている事。この2点、私としては評価すべき点である。
今回は先走りしてミスしてしまったが、ある程度のフォローイングは果たせた。
同じミスを犯さなければ、次回以降もサークルの信頼を得、良き即売会として継続できるのではなかろうか。そう期待したいものである。