この秋、明らかに東方オンリーづいている自分。
地方即売会情勢を研究・評論する上でも、東方の存在は見逃せない。
ましてや、来年初頭に全国各地の東方オンリーについてのレポート本「コーマニズム宣言 東方論」(仮題)の刊行を予定している事もあり、東方オンリーへの参加に積極的なのだろう。
という訳で、今週は仙台市開催の東方オンリー「東方姫草紙〜双子糀〜」に参加させて頂いた。
「東方姫草紙」は今年3月に、第1回目が開催された。この時は事前告知が充分で無かった事もあり、20サークル台の参加に留まった。
殺伐即売会ばかりの東方、こういう小規模で小ぢんまりしたオンリーもありかな?という気も多少は感じた。
だが、同じ仙台の「東方杜郷想」が100サークル近く集めた事を鑑みると、やはり「物足りない」というべきか。

今回は、場所を仙台駅前の仙台市産業・情報プラザ(アエル)多目的ホールに移しての開催。アクセスは便利になった。
だが、開催時間が同人誌即売会としては異例の開催時間だった。夜の18時台からの開催(終了21時30分頃)。
時間が時間という事もあり、遠征組は終電を気にせねばならない等、サークル参加には厳しい条件。
告知の弱さも相まって、サークル数は16サークル。当日の飛び込み参加を加えても20サークルで、前回にも増してサークル数を落とした。

この「アエル」大ホール、昼間は18時までユウメディア主催のコスプレイベント「コスプレファイヤー」が会場を借りていた。
ユウメディアの後に借りて異例の夜間開催となったこのイベント。私は17時30分頃来訪したが、その頃にはスタッフ・サークル等合わせ約20人位がたむろっていた。
条件の宜しくない開催時間であっても人が集まる。東方のパワーの健在ぶりを感じる。

17時50分、スタッフが会場入り。
18時15分にはサークル入場開始という厳しいスケジュール、果たして間に合うのか?
気にはなったが、サークル机もわずか16、これに対し設営スタッフは9人。この規模ならば充分過ぎる要員だ。定刻までに設営は完了した。
但し、他の部分で手間取っていたのか、サークル入場は18時20分にずれ込んだ。

程なくして、一般参加の待機列も形成。50人程度が並ぶ。
館内では、地元の他即売会、或いは他東方オンリーのチラシ撒きも始まる。
また、「東方非想天則」ゲーム大会の設営も同時進行で進められる。

定刻より若干遅れるも、18時48分頃、一般入場開始。初動は約90名、地方の小規模なオンリーイベントにしては、決して悪くない動員だ。
驚いたのは、この5分後にカタログが完売した事。恐らく150程度しか刷っていなかったのではないか。
以後は、入場チケットの購入制にして対応した。本部受付で、急ごしらえの手書きのチケットを作っていたスタッフの姿が印象的であった。

館内はそれなりに盛況で、東方の底力を感じた。
東北では半年ぶりの東方オンリーという事もあり、人ダマの出来るサークルさんもあった。

19時15分より、ホールの片隅でチルノダンス教室が始まった。
講師役のスタッフが2人に対し、受講者3人と少々寂しかったが、時間を追う毎に受講者は増加。最終的には15人程度が参加した。
また、東方非想天則のゲーム大会も一般入場後即募集数を満たす人気であった。

他の企画としては、イラストコンテストが目を引いた。
イラストコンテストは、実に17点もの応募。動員数にしては実に多くの作品が提出された。
休憩スペースに紙・色鉛筆等の画材が予め用意され、一般・サークル問わず、誰でも気軽に参加出来る環境を整えた事が奏功した
イラストコンテストを企画される即売会が、是非見習うべき取り組みだろう。

但し、企画が充実している一方、サークル的には余り面白く無い展開だ。
時が経つごとにサークルスペースの滞留者は減り、ゲーム大会やコスプレスペースが交流の中心になる。
開始後2時間にも満たぬ内に、サークル全体の1/3が帰ってしまった。
更に、20時40分過ぎには「ダンスタイム宣言」。先のダンス教室の成果が披露され、約15人が「チルノのパーフェクトさんすう教室」「ケロ(9)destiny」の二曲を踊った。
この頃には、サークルの過半数が撤収済。全サークルが撤収した列も存在した。
一応イベント終了は21時30分だが…その1時間近く前に殆んどのサークルが撤収を始めている事態。これの意味する所を、主催は考えるべきだろう。
コスプレイヤー35人が、21時手前になっても殆んど残っている状況との対比が際立っている。

21時00分になると、サークル机の撤収が始まった。サイト上に21時30分にイベント終了とあるので、その後に撤収かと思いきや、大幅な前倒しである
サークルが撤収したから前倒ししたのだろうか?
スタッフに話を伺うと、「20時30分で販売終了です」とのこと。
…そんな話どこにも書いて無いぞ。この件については、後程別項で論じる。

そして21時05分にはサークル机の撤収が完了。10分には、本部も含めての全ての撤収が終了した。
15分過ぎには、コスプレ参加も含む全ての参加者が退場。即売会の終了と撤収が大幅に前倒しされるという意外な展開で、即売会を終えた

総じて見て、サークル数が少ない一方、企画の充実が場を盛り上げた。
サークル数が少ない割には、立派に即売会としての体を為したオンリーイベントであった。

だが、このオンリーは、余りにも多くの憂慮すべき問題を抱えており、手放しで誉める訳には行かない。
次回以降、何回かに分けて問題点を論じて参りたい。