11月28日、私は千葉県東金市開催のオールジャンル同人誌即売会「RING」にサークル参加させて頂いた。
年三回ベースで開催のこの即売会。今回で35回目を迎える、地域に根差した即売会と言えよう。
この即売会の存在は締め切り後に気付いたが、締め切り後に「飛び込み参加」も受け付けるとの事。日程が空いていた事もあり、「飛び込み参加」でサークルとして申し込む。
今回のサークル申込数は、土曜開催ながら32。私のような飛び込み参加10サークルを含めると計42。
人口7万弱の小規模都市という事も考えると、このサークル数は十分健闘していると言えようか。
最大勢力はボーカロイドの4。それに次ぐはヘタリア3、東方3。ボーカロイドと東方は女性向け文脈・地方への浸透が著しい。何処の地方の即売会でもお見かけするが、この「RING」も例外ではない。
他、ギャグマンガ日和、忍たま、リボーンなど様々なジャンルにまんべんなく分かれていた。

10時40分、地方即売会では珍しい頒布物確認。
この即売会は「全年齢向け」。18禁作品の頒布が禁じられている。
故に、18禁の頒布物が入っていないか、スタッフによるチェックを行っている。

11時、一般参加者入場。
初動10人と少なく、しかも内半分がコスプレ更衣室に消えていく。
正直少ないとは感じるが、土曜開催、そして東金市という場所の市場性も考えるとこんなもんかなあという気も。

その後は…うーむ、正直語れる事が無い。
企画も特に無く、まったりとした雰囲気のまま、閉会まで進んでいった感じだ。正直、幾分の物足りなさを感じた。

変わった所を敢えて挙げるならば、主催がBASARA好きな件ぐらいだろうか。
パンフレットを見ると、スペースナンバーが【戦国武将名】だったり(勿論「数字」も併用し分かりにくさを回避している)、本部席に飾られてるBASARAグッズの数々から、それは伺えようか。

ただ、それ以外特に目立った特徴も無く、淡々と即売会は進行していった。
非常に淡白な即売会であったと言えよう。

千葉県東金市は人口6万ちょい。市場的にも厳しく、本来ならば、即売会を定期開催しているだけで充分な頑張りを見せていると思う。
ただ、実際に参加している身としては、余りにも何も無さすぎる。時として、冗長な時の流れも感じる。
正直、ただ開いているだけ、な印象を抱く。
例えば、比較的手間も掛からずにできる「らくがきコーナー」や「ブロックノート」程度で構わない。何か一つ、交流のきっかけづくりになるアクセントがあっても良かったのではないか。

また、市場性もあるし、一般参加者が少ないのは仕方無い。
ただ、それでも3時の閉会までな50人入ったかどうか。
もう少し、告知努力を図り、一般参加者を増やす取り組みが出来ないものか。

例えば、同じ人口6万程度の福井県敦賀市「BUTTERFLY」は、地元学校の定期演奏会が行う告知の如く、地場のコミュニティセンターやコンビニ・JR駅など、地方即売会参加者の主力層たる中高生に目につく場所にポスターを張る等、地域に根差した告知を図っている。
また、秋田県大館市の「新装快店」は、地元の文具屋・画材屋を告知先として開拓。また、県内他即売会を小まめに回っている。
結果、これらの即売会は、市場規模のハンディを乗り越え60サークルをも集め、一般参加もそこそこ来る。
これらの地域に根差した告知は、一般参加者増が主な狙いだが、そこに参加した同人を知らない子達が「面白そうだから次はサークル参加してみよう」と意欲を燃やす事も多く、サークルの開拓にも役立っている。

「BUTTERFLY」のような地域に根差した告知方法は、小規模な他地方都市なら、応用出来る取り組みである。
「RING」も、「BUTTERFLY」や「新装快店」のような地域に根差した告知を強化し、一般参加者やサークルの増加に取り組んで欲しい。

全般的に見て、市場的に弱い地方都市で、サークルをそこそこ集め、足かけ10年継続している事。これは称賛されて然るべきである。
だが、それ以上の特色が見らない。
スタッフも5〜6人しか居らず明らかに人手不足。余り手間のかかる事が出来ないのも、理解できる。
だが、それでも、物足りないのは事実。
人手不足っぽいので多くは求めないが、企画なり告知なり、せめて「もう一歩の頑張り」が欲しい、と感じた次第である。