昨年末に開催された「コミックマーケット77」において、コスプレROM写真集の頒布停止が続出した、との話が複数筋より上がっている。
昨年夏までは、特にそのような話を聞かなかった事を考えると、恐らく、今年の冬から、より厳密に頒布チェックを行うようになったのではないかと思われる。

その伏線と考えられるのが、12月13日開催「第三回拡大集会」において、コミケット・市川共同代表の語った言葉である。
一種の「警告」なのかもしれない。
@++さん「12/13 コミックマーケット77 拡大集会 レポート」より引用。

>市川:わいせつ表現について、篠山氏の事件をからめて。
>公共の場で露出していたことがまずかった。
>コスプレ写真集にも「許可得たの?」というのが時々ある。
>わいせつ表現については、写真モノや、リアルなフルカラーイラストなど注意して。


3拡簡易レポ」より。

>市:児童ポルノとワイセツの問題について。
>つい先日、篠山紀信が、公然ワイセツによっていろいろとお伺いをされて
>いる。路上、青山墓地や線路の上でそういう写真を撮影した。
>今、我々としてこれを考えると、コスプレのCD−ROMに、いい感じで
>過激な露出になっているものがある。
>中には、いったいどこで撮影したのかというものもある。ビッグサイトの
>前で乳出しとか。行き過ぎるとよくない。>
>都議会でも話題に挙がっている。
>写真か絵か見分けがつかないものもある。>
>コミケットアピールには、少し考えてほしい、と書いている。


両者捉え方は微妙に異なるが、コミケット・市川代表がコスプレ写真集の過激さに懸念を抱いている旨の記述は、両者に共通している。
では、この「コスプレ写真集」は如何なるものなのか?

具体的には、「コミケで販売停止になっちゃった作品達」(どう考えてもリンク18禁)辺りが参考になろう。
ぶっちゃけコスプレヌード写真集とも言えるが…寧ろ全裸で×××パックリ!…そう申した方が分かり易いだろうか。
まあ一応墨塗りだの修正はしているようだが、墨塗りが薄かったり、或いはモザイクが薄かったり…になれば人気が出るのはこの手の常。過激な方向にエスカレートしていくのは想像に難くない。

私個人の趣味を申せば、「性器の叩き売り」みたいな感じがする。

「さあ安いよ安いよ〜
 おま×こ御開帳でたったの1000円だよ〜」


みたいな感じがして、この手の写真集に興味を持つ事は無い。それだったら、よっぽど野郎が女装して【青春18金魚】みたいな「これはひどい」な写真集を買った方が楽しい、とすら思う。
ただ、世の中には表現の自由と言う物があり、それは尊重する必要がある。
まあ、法に抵触しない範囲内で好きに御開帳頂ければ結構である

…ただ、昨今のコスプレ写真集に関しては、「法に抵触しない範囲内」かとなると、ちょっと微妙な気がする。準備会が販売停止を下すだけの物はあると思う。

先ず、青少年育成条例。物凄い端的に申せば、教育上良かないから18歳未満に変なの見せるな、という事。
ポイントは、売る事のみを禁じているのではなく、見せる事も含め禁じている事だ。
これらの写真集は、「18禁」だの「成人向け」だのクレジットを打っているが、パッケージ写真からして相当過激、黒線一本で修正なんてのもある。
パッケージ写真からして18歳未満にお見せ出来ないような気がするので、陳列する事自体が既に青少年育成条例に抵触しそうな気もしないでもない。
作品が18禁か否かを決めるのは頒布者である。表紙は18禁じゃない!と頒布者が強弁する手も、理論上では可能だろう。
但し、乳出し&御開帳だと、例え修正しても大半の方は18禁にカテゴライズするだろう。その強弁は、世間的に支持されにくい。

そして刑法170条、猥褻物禁止規定
一応今の所、性器見せない事が「目安」だと思うが、それは決して明確な規定ではない。
都議選にも出馬された後藤麻衣先生は、性器見せたかどうかとなると、正直微妙だ。太股や腹部の皺で疑似タテスジを作っただけの気がするが、それマンスジに見えるじゃねーか!という事で捕まった。
沢本あすか22歳(自称)はパンツ見せて捕まった。後藤麻衣よりも露出は低いが、秋葉原の歩行者天国という場でそれを敢行した事を重んじたのだろう。

猥褻物規定は、悪く言えば曖昧で恣意的な捜査が懸念される。別の言い方ならば、ケースバイケース
時と場合により対応方は異なり、決して性器を見せなければ良い、という訳では無い。

私が思うに、性器見せる寸前のこれらの作品は、リーチがかかっているのでは?という気がする。
その気になれば、いつでも逮捕できるレベルに達しているのでは無かろうか。

少なくとも、コミケが頒布停止を命ずる位だから、相当微妙なラインに差し掛かっている事は否めない。
言葉を変えれば、コミックマーケットとしては最早責任を取れませんよ、という立場を表明している訳である。
とある頒布停止を受けたサークルさんは、自身のブログでこう語っている。

>きちんと。印刷所でチェックを受けたものでもダメ!
>じゃあ。どこだめ?消しはどっからOK?私のはダメであれはいいの?

あくまで印刷所チェックは、印刷所として責任持てる範囲内たる事を示しているに過ぎない
また、どこまでなら良いかなんて話は、ケースバイケース。線引きは曖昧だ。
このような過激な写真集を出す割には、それに纏わるリスクを考慮せず、前提知識も弱いのでは?自身の表現に伴うリスク、責任に対する自覚が乏しいのでは?と疑問を持たざるを得ない。

これを機に、自身の過激路線を見直す事を、検討しても良いのではないか。

私がこの手のエロ写真集作る立場だったら、先ずきっちり頒布出来るよう、「限界ギリギリ」を追求せず、多少の安全牌を取る。
刑法170条が多少拡大解釈されても大丈夫そうなレベルまで、過激度は落としたい。
即ち、「御開帳」等の過激路線は自粛する、という方向だ。
「エロ」を見せたいのなら、性器を極限まで見せる以外のアプローチを取りたい。

何故なら、最終的に責任を負うのは頒布者たる自分。真っ先にお縄にかかるのも自分だ。
そうならないように自己防衛が必要、と考えるからだ。

今回、頒布停止を受けたサークルは、DLサイトに販路(活路)を見出している。
サークル的には、何とか頒布の機を見い出したいのだろう。サークル自身が好きでやること。一応は、その判断を、その意志を、尊重しておく。

だが、頒布する事により、お縄にかかる可能性。これは決して否定出来ない。
幾らDLサイトがOK出しても、最終的に法に抵触するか否かは、警察の判断。摘発される時は摘発される…その時は、DLサイトや印刷所も一緒に纏めてお縄だ。
頒布したいのなら、その危険を身に纏っている事を、自覚して頒布して頂きたいものである。