10月12日、同人界における有力主催の一つ・ケットコムが突如発表したオンリーイベント「大丈夫だ、問題ない。」http://ketto.com/els/は、様々な意味合いにおいて、同人界に衝撃を与え、皆を驚愕させた即売会である。
そもそもこの即売会、ありとあらゆる意味において、同人世界の常識を打ち破った(かのように見える)即売会である。
【発売前のゲームのオンリーイベント…】
この「エルシャダイ」は、来年3月、PS3発売の3Dアクションゲーム。つまり、発売前のゲームである。
発売前のゲームで、どうしてオンリーイベントが開催できようか?誰もが一度はそう思うだろう。一見、非常識に映ろう。
だが、「エルシャダイ」に関しては、発売に先行して発表されている、プロモーションビデオが人気を博している。ニコニコ動画やpixiv等でも人気が出てきている。周辺ユーザーのニーズもある。
つまり、「エルシャダイ」に関しては極めて例外であり、発売前であってもプロモーションビデオという元ネタがあり、二次創作の機運が高まっているジャンルと言える。
(このような現象は他ジャンルでも見られる。ケットコム主催の即売会を例に上げると、逆転裁判オンリー「裁きの庭」において、最新作発売前なのに最新作同人誌を刊行したケースもある)
オンリーイベントは、作品の発売後だから開くものではない。
二次創作の機運が高まるからこそ、主催もオンリーイベントを開こうと考えるものであり、今回はそれがたまたま【発売前】であったに過ぎない。
(まあ、普通は二次創作の機運が高まるのは発売後だが…。)
故に、一見非常識に見える「発売前のゲームのオンリーイベント」だが、実は二次創作の機運に呼応しただけの、極めて自然な流れで成立したオンリーイベントである、と私は分析している。
【募集期間、僅か2日!発表の2日後には申込締切!】
このエルシャダイオンリー「大丈夫だ、問題ない。」は、申込・募集期間も革命的におかしい。
10月12日に発表、翌々日の10月14日には募集締切…ええと、昔、北陸開催の「こみフェス」という即売会が、開催11日前にサークル募集を開始した、という事例もあるが…それに勝るとも劣らない「有り得ない」募集形態である。
但し、これも背景を考えると、この異様な募集形態に至る経緯も、決して理解できない話ではない。
そもそも、「大丈夫だ、問題ない。」は、ニッチジャンルオンリーイベントの集合イベント「スキマフェスティバル」http://ketto.com/sf/内で、急遽開催の決まったオンリーイベントである。
「スキマフェスティバル」は、マイナージャンル・ニッチジャンルを集め即売会としての体を成す規模に仕立て上げ、イベントとして成立させた即売会である。
当ブログでも、2009年11月05日付「11/3 横浜「スキマフェスティバル4」」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51574873.html等の記事で、「単体では出来ない切り口でのオンリーが実現可能な為、挑戦的・先鋭的なオンリーイベントが多く存在し、大変面白い」「主催達が本当にやりたいマニアックな「夢」が、少ないリスクで実現可能」とし、スキマフェスの存在意義を積極的に肯定している。
だが、元々がスキマジェンルの集合体という事もあり…サークル数には中々結びつかない。それでも、過去のスキマフェスでは最低150サークルは集めるも、今回のスキマフェスは大苦戦…。
9月下旬が当初の締切も、スペース数に余裕がある為追加募集を図り、その締切は10月14日。エルシャダイオンリー「大丈夫だ、問題ない。」の締切日でもあった。
また、「大丈夫だ、問題ない。」発表の10月12日時点でのサークル数は、おおよそ40〜50。昨年より大きく数を落としており、スキマフェスの苦戦が伺えた。
スキマフェスのサークルが伸びず苦戦する中、少しでもテコ入れを図りたい。今話題の「エルシャダイ」を投入し、少しでもサークル数を積み増ししたい。
主催として、自らの開く「場」を盛り上げたいと考えるならば、そう考えるのも、気持ちは理解できる。
そして、最後の打開策、最後の賭けに出た。それが締切2日前の開催発表…エルシャダイオンリー「大丈夫だ、問題ない。」の募集開始である。
つまり、スキマフェスがサークル集めに苦戦。最後のテコ入れ打開策としてエルシャダイに賭けたという事。
一見無茶に思える募集だが、僅かの募集期間で、少しでもサークル数の積み増しを目指した、と考えるならば、決して理解できない話でもないと思う。
【極めて投げやり・ネタ臭漂うQ&A…でも掴みはOK?】
急遽立ち上がった「大丈夫だ、問題ない。」の公式サイトを拝見。
だが、その公式サイトも極めて酷いものだった。
どう酷いかと言うと…そうだなあ…「東方皐月祭」の主催挨拶http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51644565.htmlを読んだ瞬間鼻水リアルに吹いた記憶があるのだが、その時以来の衝撃…いや笑撃といった所であろうかw
詳細は、トップページに掲載されし「Q&A」をご覧いただきたいが、その応答の余りの投げやりっぷり、ネタっぷりに、頭を抱えたw
ニコ動だったら「主催は病気」タグを貼り付けて然るべきであろう…というか「主催は病気」として扱うのが「マナー」な気すらしてきたよ俺w
余りにもネタ臭が強いQ&A。募集期間2日という条件も相まって、この即売会の開催自体を疑い、エイプリルフールの嘘記事と同列に捉える方が出るのも、決して不思議ではないかのように、一見しては思える。
ただ、私に言わせると、主催は実績豊富なケットコムである。
東方皐月祭のような何処の馬の骨とも分からぬ主催がこういう事するなら、本当に開催されるのか不安にもなろうが…主催がケットコムで、そしてスキマフェスであるが故に、このフザケたQ&Aも【本気でサークル集めを試みている証】と判断させていただいた。
一見ネタにしか見えないが、その裏には「本気」が隠されている。
前段で触れたように、ケットコムはスキマフェスにおいて、サークル集めに苦戦していた。そして、その打開策・穴埋めとしてエルシャダイの開催を決めた。
だが、時間は僅かに2日しかない。チラシを撒く時間もない。正攻法での告知には無理がある。
ならば、ネタ路線のQ&Aを打ち出し、世間の耳目を集め、ネット上の話題になろう…!と「賭け」に出たのだろう。私はそう捉えた。
(もう一つ申せば、エルシャダイ現在のファン層がネタ好きと分析、ネタ路線で行けると判断したのではないか。というか、他のジャンルで同じ事やったら、場合によっちゃファンに殺されるw)
そしてその戦略は奏功。募集開始から2日間でのアクセス数は、何と16万。
ガジェット通信http://getnews.jp/archives/80695でも取り上げられ、twitterでは拡散リツイート、pixivでも話題になる。この即売会の存在は、急速に、世間に知れ渡っていった。
ネタ的Q&Aも、「掴みはOK」という事。というか寧ろこのネタ的Q&A無くして、16万アクセスは叩き出せなかったのではないか。
流石に注目は集めど、募集期間は僅かに2日。
多少物好きなサークルさんの参加は見込めるだろうが…それでも15〜20サークルが限界だろう。
ただ、元々45サークルの所に、15サークルでも入れば場の盛り上がりは違ってくるだろうなあ、ぐらいには考えていた。
…だが、事態は私の予想を大きく超えた。
ええと、2日後にサークル申込が締め切られて…サークルリストを拝見したのですが、何か90サークルぐらいあるんすけど…気のせいかしら?(汗)
90サークルなんて私も予想してなかった。果たして主催氏も読めていたかどうか…?誰もが予想し得なかった、脅威のサークル参加数である。
終わってみると、スキマフェスティバルは、総勢150サークルと前回並みの規模。
だが、内90サークルがエルシャダイ…スキマフェスティバルの性質すらも大きく変容させた、エルシャダイのパワー、と言えようか。
【今回の方法、素人は決して真似をしてはいけない!】
確かに、一見滅茶苦茶に見えつつも結果を出す。
ケットコムのプロモーションの上手さには、脱帽である。
但し、この方法は、ケットコムだから、そしてスキマフェスだからこそ出来た荒技である。
よい子は、決して真似してはいけないw
ケットコムは、数多くの即売会で実績を上げており、主催としての信頼性は高い。ケットコムなら何とかなるだろう、参加サークルはそう読んだ筈。
仮にサークルが少なくとも、スキマフェスの中だし、サークル少ないのは他ジャンルも一緒。大勢力に圧される心配も無い…
ケットコムの信頼性、スキマフェスというイベントの独特の特性。それ故にサークル参加がし易かった、という事であり、他のイベント/主催が同じ事やっても失敗するだけだろう。
今回の事例は、ケットコム/スキマフェスだからこそ成し得た成功、と考えるべきであり、他主催が安直に模倣する事は失敗の素、あってはならない物と考える。
告知にしても、やはり正攻法で。準備期間をきっちり整え、イベント会場やお店できっちり告知するべきだ。
エルシャダイは、革命的な成功事例だが、その告知方法は、決して正攻法ではない。素人が安易に手を出せば、大やけど必至の方法である事は、申し上げておきたい所である。
#次回(というか暇があれば)、今回エルシャダイに反発されたご意見に対する、当方の見解を申し上げる…かもしれない。ちょっと書くかどうかは未定ですが。
そもそもこの即売会、ありとあらゆる意味において、同人世界の常識を打ち破った(かのように見える)即売会である。
【発売前のゲームのオンリーイベント…】
この「エルシャダイ」は、来年3月、PS3発売の3Dアクションゲーム。つまり、発売前のゲームである。
発売前のゲームで、どうしてオンリーイベントが開催できようか?誰もが一度はそう思うだろう。一見、非常識に映ろう。
だが、「エルシャダイ」に関しては、発売に先行して発表されている、プロモーションビデオが人気を博している。ニコニコ動画やpixiv等でも人気が出てきている。周辺ユーザーのニーズもある。
つまり、「エルシャダイ」に関しては極めて例外であり、発売前であってもプロモーションビデオという元ネタがあり、二次創作の機運が高まっているジャンルと言える。
(このような現象は他ジャンルでも見られる。ケットコム主催の即売会を例に上げると、逆転裁判オンリー「裁きの庭」において、最新作発売前なのに最新作同人誌を刊行したケースもある)
オンリーイベントは、作品の発売後だから開くものではない。
二次創作の機運が高まるからこそ、主催もオンリーイベントを開こうと考えるものであり、今回はそれがたまたま【発売前】であったに過ぎない。
(まあ、普通は二次創作の機運が高まるのは発売後だが…。)
故に、一見非常識に見える「発売前のゲームのオンリーイベント」だが、実は二次創作の機運に呼応しただけの、極めて自然な流れで成立したオンリーイベントである、と私は分析している。
【募集期間、僅か2日!発表の2日後には申込締切!】
このエルシャダイオンリー「大丈夫だ、問題ない。」は、申込・募集期間も革命的におかしい。
10月12日に発表、翌々日の10月14日には募集締切…ええと、昔、北陸開催の「こみフェス」という即売会が、開催11日前にサークル募集を開始した、という事例もあるが…それに勝るとも劣らない「有り得ない」募集形態である。
但し、これも背景を考えると、この異様な募集形態に至る経緯も、決して理解できない話ではない。
そもそも、「大丈夫だ、問題ない。」は、ニッチジャンルオンリーイベントの集合イベント「スキマフェスティバル」http://ketto.com/sf/内で、急遽開催の決まったオンリーイベントである。
「スキマフェスティバル」は、マイナージャンル・ニッチジャンルを集め即売会としての体を成す規模に仕立て上げ、イベントとして成立させた即売会である。
当ブログでも、2009年11月05日付「11/3 横浜「スキマフェスティバル4」」http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51574873.html等の記事で、「単体では出来ない切り口でのオンリーが実現可能な為、挑戦的・先鋭的なオンリーイベントが多く存在し、大変面白い」「主催達が本当にやりたいマニアックな「夢」が、少ないリスクで実現可能」とし、スキマフェスの存在意義を積極的に肯定している。
だが、元々がスキマジェンルの集合体という事もあり…サークル数には中々結びつかない。それでも、過去のスキマフェスでは最低150サークルは集めるも、今回のスキマフェスは大苦戦…。
9月下旬が当初の締切も、スペース数に余裕がある為追加募集を図り、その締切は10月14日。エルシャダイオンリー「大丈夫だ、問題ない。」の締切日でもあった。
また、「大丈夫だ、問題ない。」発表の10月12日時点でのサークル数は、おおよそ40〜50。昨年より大きく数を落としており、スキマフェスの苦戦が伺えた。
スキマフェスのサークルが伸びず苦戦する中、少しでもテコ入れを図りたい。今話題の「エルシャダイ」を投入し、少しでもサークル数を積み増ししたい。
主催として、自らの開く「場」を盛り上げたいと考えるならば、そう考えるのも、気持ちは理解できる。
そして、最後の打開策、最後の賭けに出た。それが締切2日前の開催発表…エルシャダイオンリー「大丈夫だ、問題ない。」の募集開始である。
つまり、スキマフェスがサークル集めに苦戦。最後のテコ入れ打開策としてエルシャダイに賭けたという事。
一見無茶に思える募集だが、僅かの募集期間で、少しでもサークル数の積み増しを目指した、と考えるならば、決して理解できない話でもないと思う。
【極めて投げやり・ネタ臭漂うQ&A…でも掴みはOK?】
急遽立ち上がった「大丈夫だ、問題ない。」の公式サイトを拝見。
だが、その公式サイトも極めて酷いものだった。
どう酷いかと言うと…そうだなあ…「東方皐月祭」の主催挨拶http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51644565.htmlを読んだ瞬間鼻水リアルに吹いた記憶があるのだが、その時以来の衝撃…いや笑撃といった所であろうかw
詳細は、トップページに掲載されし「Q&A」をご覧いただきたいが、その応答の余りの投げやりっぷり、ネタっぷりに、頭を抱えたw
ニコ動だったら「主催は病気」タグを貼り付けて然るべきであろう…というか「主催は病気」として扱うのが「マナー」な気すらしてきたよ俺w
余りにもネタ臭が強いQ&A。募集期間2日という条件も相まって、この即売会の開催自体を疑い、エイプリルフールの嘘記事と同列に捉える方が出るのも、決して不思議ではないかのように、一見しては思える。
ただ、私に言わせると、主催は実績豊富なケットコムである。
東方皐月祭のような何処の馬の骨とも分からぬ主催がこういう事するなら、本当に開催されるのか不安にもなろうが…主催がケットコムで、そしてスキマフェスであるが故に、このフザケたQ&Aも【本気でサークル集めを試みている証】と判断させていただいた。
一見ネタにしか見えないが、その裏には「本気」が隠されている。
前段で触れたように、ケットコムはスキマフェスにおいて、サークル集めに苦戦していた。そして、その打開策・穴埋めとしてエルシャダイの開催を決めた。
だが、時間は僅かに2日しかない。チラシを撒く時間もない。正攻法での告知には無理がある。
ならば、ネタ路線のQ&Aを打ち出し、世間の耳目を集め、ネット上の話題になろう…!と「賭け」に出たのだろう。私はそう捉えた。
(もう一つ申せば、エルシャダイ現在のファン層がネタ好きと分析、ネタ路線で行けると判断したのではないか。というか、他のジャンルで同じ事やったら、場合によっちゃファンに殺されるw)
そしてその戦略は奏功。募集開始から2日間でのアクセス数は、何と16万。
ガジェット通信http://getnews.jp/archives/80695でも取り上げられ、twitterでは拡散リツイート、pixivでも話題になる。この即売会の存在は、急速に、世間に知れ渡っていった。
ネタ的Q&Aも、「掴みはOK」という事。というか寧ろこのネタ的Q&A無くして、16万アクセスは叩き出せなかったのではないか。
流石に注目は集めど、募集期間は僅かに2日。
多少物好きなサークルさんの参加は見込めるだろうが…それでも15〜20サークルが限界だろう。
ただ、元々45サークルの所に、15サークルでも入れば場の盛り上がりは違ってくるだろうなあ、ぐらいには考えていた。
…だが、事態は私の予想を大きく超えた。
ええと、2日後にサークル申込が締め切られて…サークルリストを拝見したのですが、何か90サークルぐらいあるんすけど…気のせいかしら?(汗)
90サークルなんて私も予想してなかった。果たして主催氏も読めていたかどうか…?誰もが予想し得なかった、脅威のサークル参加数である。
終わってみると、スキマフェスティバルは、総勢150サークルと前回並みの規模。
だが、内90サークルがエルシャダイ…スキマフェスティバルの性質すらも大きく変容させた、エルシャダイのパワー、と言えようか。
【今回の方法、素人は決して真似をしてはいけない!】
確かに、一見滅茶苦茶に見えつつも結果を出す。
ケットコムのプロモーションの上手さには、脱帽である。
但し、この方法は、ケットコムだから、そしてスキマフェスだからこそ出来た荒技である。
よい子は、決して真似してはいけないw
ケットコムは、数多くの即売会で実績を上げており、主催としての信頼性は高い。ケットコムなら何とかなるだろう、参加サークルはそう読んだ筈。
仮にサークルが少なくとも、スキマフェスの中だし、サークル少ないのは他ジャンルも一緒。大勢力に圧される心配も無い…
ケットコムの信頼性、スキマフェスというイベントの独特の特性。それ故にサークル参加がし易かった、という事であり、他のイベント/主催が同じ事やっても失敗するだけだろう。
今回の事例は、ケットコム/スキマフェスだからこそ成し得た成功、と考えるべきであり、他主催が安直に模倣する事は失敗の素、あってはならない物と考える。
告知にしても、やはり正攻法で。準備期間をきっちり整え、イベント会場やお店できっちり告知するべきだ。
エルシャダイは、革命的な成功事例だが、その告知方法は、決して正攻法ではない。素人が安易に手を出せば、大やけど必至の方法である事は、申し上げておきたい所である。
#次回(というか暇があれば)、今回エルシャダイに反発されたご意見に対する、当方の見解を申し上げる…かもしれない。ちょっと書くかどうかは未定ですが。
10/11イラスト依頼
10/12サイト立ち上げ
10/14サークル締切(92サークル)
10/19サークル案内発送
…一週間で全てが終わった件。
こんな展開で、大丈夫か?www