2月6日、私は広島市で開催されし東方オンリー「東方椰麟祭」にサークル参加させていただいた。
「椰麟祭」レポートはまた稿を改めるとして、何故か同日開催でバッティングしてしまった同じ広島市内のオールジャンル同人誌即売会「広島コミケ」(主催・スタジオYOU)にも顔を出したので、そのレポートをさせていただきたい。

「広島コミケ」は、長年広島市内で定期開催を続ける同人誌即売会。
会場は、JR新井口駅・広島電鉄「商工センター前駅」から徒歩8分の「広島市中小企業会館」。駅から若干距離は離れているものの、動く歩道もあるので、所要時間は距離ほどではなく、アクセスに優れた会場である。

最近は規模も縮小傾向ながら、それでもサークル数は随時250sp前後を集め、県下最大の即売会としての地位を保っている。
参加者は他の地方即売会同様に、女性陣・学生が大半。若い人たちの同人との触れ合いの「入り口」としての役割も担い、広島県内における同人文化の発展に寄与し続けている即売会である。
私がこの即売会に参加した理由、それは、元々参加予定だった即売会「東方椰麟祭」と同日にバッティングしてしまったからである。
元々「東方椰麟祭」が、2月6日開催ということで告知を始めたにも関わらず、「広島コミケ」が後からぶつけて来た、という構図である。
元々、広島は同人の市場もそんな大きくない所だと思うし、即売会だって開催数も少ない。せっかく開催される地元の即売会同士、協力し合うのが筋であり、お互いが食い合い・潰し合いとなるバッティングは極めて遺憾に思う
「広島コミケ」には、もう少し考慮して日程を組んで頂きたかったが、その件については少し置いておく。

日程バッティングは確かに残念だが、全国の即売会行脚を生業とする「STRIKE HOLE」としては、1回の遠征で2つのイベントに参加できる格好のチャンスでもある。
「椰麟祭」は最初の1時間ちょいだけ無人店舗とし、その間に「広島コミケ」に顔を出すという道を選んだ。

行ってみての感想としては、やはり「椰麟祭」との同日バッティングが、悪い方向に出てしまった、という事。
確かに即売会自体はそれなりにサークルもコスプレイヤーも一般参加者も多く、賑わっていた。
他の地域に比べても、絵のレベルの高いサークルさんも多かった。グッズ中心と言われる地方即売会の中でも、立派な本を出すサークルの率が高かったようにお見受けする。「同人誌即売会」の名が示す、「同人誌の流通を媒した交流」が機能している、良即売会であったと思う。
私も新刊でお世話になった「大陽出版」が出展し、同社と協力提携しての「コピー本コンテスト」など、企画も充実していた。

だが、参加者数という数字で見ると、椰麟祭とのバッティングにより、明らかに数字を落としている。
昨年11月開催「広島コミケ」は、サークル参加約250sp。内、東方サークルは15〜20sp程度だ。
これに対し、今回の「広島コミケ」は、サークル参加約210spと、約2割減。東方サークルはそれメインが僅かに1sp、ボカロ等他ジャンルも掛け持ちしてのよろずサークルを含めても、5sp程度しか居ない。
…非常に分かり易い展開である。

すなわち、「椰麟祭」と同日バッティングにより、東方サークルはほぼ全てが広島コミケを回避。椰麟祭に流れた。
恐らく、他の男性向け系列のサークルさんも、椰麟祭に流れているのではなかろうか。東方サークルの目減り以上にサークル数が減っているのは、それが原因だろう。

私は「広島コミケ」開場後30分しかいなかったので、その後の事は分かりかねるが、カタログも大量に余っていたようにお見受けする。
普段は12〜13時頃にカタログも完売するそうだが、果たしてこの日はどうだったのだろう?(午前中椰麟祭→午後広島コミケのハシゴ組で入場者数が盛り返せれば良かったのだが…)
興業面を考えても、今回のバッティングにより、「広島コミケ」は明らかに「損」をしていると思う。

正直、今回のバッティングで誰も得をしていない。
ぶつけた広島コミケ、ぶつけられた東方椰麟祭、共に得をしていない。
サークルの中には、どちらか片方を選ぶ選択を余儀なくされ、悩んだ方も少なくなかろう。一般参加者も、両方ハシゴする等負担を強いられた。
唯一得をしたのは、1回の遠征で記事が2つ書けるようになったとか寝言抜かす、「STRIKE HOLE」とかいう糞ブログの著者だけだろうw

「STRIKE HOLE」の花羅一人が得をしても、同人世界に得るものは何も無い。
広島はイベント数も少なければ、同人市場も小さい。今回のバッティングにより、運が悪ければ共倒れしていたのかもしれない。その危険性の方がよっぽど大きな問題である。
幸いにも「東方椰麟祭」は前回を大きく凌ぐサークル数を集め規模を拡大。広島コミケもサークル数ベースで2割減と致命的なダメージには成らずに済んだ。共倒れにならず済んで良かったが、一歩間違えばどうなっていた事か。
今後は、このようなバッティングの無きよう、日程選択には万全を期していただけるよう、お願いしたい所である。