2月6日は、広島コミケにも参加したが、メインはやはり、東方オンリー「東方椰麟祭」である。
既刊の東方オンリー評論本に加え、2/13コミティア初売りの筈の新刊を引っ張り出し、サークル参加に臨んだ。

広島コミケに参加するという自分勝手な理由で、最初の1時間サークルスペースを空け無人にしていたにも(また、新刊頒布も自身が戻ってからということで新刊頒布も遅れたにも)かかわらず、存外に多くの参加者の皆様に、当サークルの作品をお手にとっていただいた。
当サークルにお立ち寄りいただいた全ての皆様に、心からの感謝を申し上げたい。

以下、「東方椰麟祭」のレポートを少々。
「東方椰麟祭」は、一昨年夏に始動。昨年2月に開催し、大成功を収めた東方オンリーである。
「椰麟祭」主催氏は、コスプレ畑を歩んでいた人物。まあ、ぶっちゃけ「カメコ」といふ奴である。
同人誌即売会の経験は浅く、主催・スタッフも当然未経験。しかしながら、主催としての素質に優れた人物でもあり、主催未経験という事情を踏まえても尚、私に、この主催ならこのオンリーは成功する、との確信を抱かせた人物である。
(この当たり、私がそう思わせた理由の詳細、及び昨年の椰麟祭の状況については、2010年03月18日付拙文「2/14 「東方椰麟祭」成功の要因を改めて分析する」をご覧いただきたい)

私のその確信は間違っていなかったようで、当日は150サークル・1500人の来場と、広島では極めて異例の盛り上がりを見せた即売会であった。
残念ながら私は、当日バッティングした仙台「杜の奇跡」にサークル参加した為、椰麟祭には行けなかったのだが、注目度の極めて高い即売会であり、次があるなら絶対に参加しよう。そう固く心に決めていた。

そして迎えた今回の「椰麟祭」は、一次締切時点で前回実績を上回るサークル参加数と超ハイペースの申し込み。
最終的には、300spの大台に乗せた。これは、地元最大規模の即売会「広島コミケ」の規模すらも上回っている。…どうしてこうなったよw

告知に関しては、協力者の力添えを得つつ、西日本を中心に全国各地ほぼ全ての東方オンリーを網羅し、万全の告知体制。ただ、前回を凌ぐ告知力だったとまでは、流石に言えない。
サークル数を押し上げた要因は、告知以外の要素にもあったと考える。

考えられる所としては、以下の各点であろうか。

1.遠征クラスタの動向
 東方オンリーある所なら、全国どこにでも馳せ参じる遠征クラスタの皆様。
 昨年は、東方界隈でも有力な即売会「東方杜郷想」と同日バッティング。過去の実績等を考慮すると、大半が「杜郷想」に流れた。今回は小田原の「東方求名録」とバッティングするも、「求名録」の出だしの遅さや過去の実績で、「椰麟祭」に軍配が上がる。他に有力な即売会も無いとなれば、遠征クラスタの過半は椰麟祭だ。
 前回「椰麟祭」に参加せず「杜郷想」に参加し、今回の「椰麟祭」に参加したサークルは、結構多い。

2.前回実績を上げた事による信頼性の向上
 前回多数の来場者を呼び、また開催直前に投入した隠し球「東方椛饅頭」等の効果もあり大いに盛り上がった「椰麟祭」。前回様子見だった方も、このイベントなら参加に値する、と参加を決めたケースも少なくないだろう。私のお隣のサークルさんも、前回一般で参加しての盛り上がりを見て、今回サークルでの参加を決めている。


告知のみならず、これらの効果も加わった結果が、前回をも凌ぐサークル数に結びついたのであろう。

この「東方椰麟祭」は、単にサークル数を集めるのみに終わらない。
いかに自らのイベントを盛り上げていくか?これを常に考えているイベントである。
Twitterを導入し、公式タグ「#tohoyarinsai」を設定。参加予定者にこのタグを付けて呟くよう呼びかけ、Twitter上でも「椰麟祭」をネタに盛り上がれるよう試みた。
今回は、カードゲーム企画のみならず、痛車展示にも挑戦。20台近くが集った。隣県岡山が痛車の盛んな土地柄という事もあり、岡山から大量に痛車が押し寄せたようだった。

同人音楽のバイオリニスト「TAMSIC」・TAM氏による「ゲリラコンサート」を実施する事を告知。
当日は、一般入場前、一般参加者の待機列を目の前にゲリラコンサートを敢行。
バイオリンの弱音なので、余り音も出ず、サークルの頒布を妨げずに済んでいる。
一般参加者も待機による退屈が凌げつつ、盛り上がれる。上手い事考えたものである。

前回大好評だった、東方キャラをモチーフに広島名産の土産と合体させた「東方椛饅頭」は、今年も再販。
広島オタクマップ」等との提携協力の下、「幻想郷物産展 廣島の市」と題し、そのラインナップを更に拡大させた。
前回の「東方椛饅頭」に加え、ブランデー入りのもみじ饅頭「おとなのもみまん」、そして広島特産の一つ・竹炭を用いた「妹紅炭(いもこたん)」をお土産として販売した。

さらにそのラインナップは、ケータリングにも及んだ。
今年は、「彩り八雲小箱〜東方多弁彩(たべんさい)〜」と題した、八雲紫ら八雲一家をモチーフにしたお弁当を販売した。
お品書きも、「八雲紫のしそゆかりおむすび」「八雲藍のいなり寿司」「橙の橙果実&お魚」「その他スキマおかず」と八雲一家に因んだ特製メニューである。
この他、秋姉妹をモチーフにした大学芋「秋姉妹乃安芸商店 大学芋」も好評であった。

残念ながらケータリングの方は完売には至らなかったが、お土産はほぼ完売。僅かに余った「おとなのもみまん」を、期間限定でD−STAGEで委託販売している程度である。


こういった独自の取り組みの甲斐もあり、サークルのみならず、一般来場者も前回よりも増大した。
朝9時のサークル入場開始時点で、一般待機列には既に200人を超える人気ぶり。
最終的には2000人近くに達したであろう。
流石に、一般参加の伸びは、サークル数の伸びほど大きくないため、動員係数(1サークル当たりの一般来場者数ないし総参加者数)は減ったが、これは最近の東方の傾向ゆえ仕方ない。てか、今までの東方の動員係数が異常なだけで、「狂乱の人気が少し落ち着いた」だけの話。人多すぎな状態に変わりはない。
否、寧ろ2000人も集め盛り上がった事が、価値ある素晴らしい事なのではないか。

広島オタクマップ様は、東方椰麟祭終了後に出したエントリー「雑記:東方椰麟祭お疲れ様でしたとか」の中で、次のように述べている。

>ところでイベント自体はというと、最近の広島のイベントの中ではずば抜けて活気があった即売会ではないでしょうか。
>主催のしぇるしぇる氏とは長い付き合いですが、広島の即売会歴史に風穴を開けたかもしれないコイツはやり手だなーとつくづく思いましたです。
(中略)
>今回のイベントでは他県からハイクオリティな本やグッズを持参したサークルさんが多く、県外のイベントにあまり行かない人からしたら「地元ではお目にかかれない素敵な商品」が目の前にワンサカあるわけで、そりゃテンションも上がりますよね。とにかく、楽しんでいる参加者さんが多いなあと肌で感じました。

また、Twitter上ではこうもおっしゃっている。

>広島の即売会であんなレベル高くて熱気があるイベントはこの20年の広島同人業界で初めて見ました


長年広島の同人世界・オタク世界に携わって来られた氏をして、ここまで言わしめる。これこそが「東方椰麟祭」がもたらした、価値ある大きな功績では無かろうか。
次回はまだ未定との事だが、次も開催されるであろうと強く期待したい所である。

と、ここまで椰麟祭を手放しで褒めちぎったが、反省点も決して少なくない。
最後に、椰麟祭の課題となる点を何点か列記したい。

1・サークル案内が遅い
 おそらく、前人未到の規模・300spをいかに配置するかで相当悩んだ結果、作業が後手に回ってしまったのだろうと推測するのだが…開催10日前の到着は、私が青龍刀振りかざし暴れずに済むギリギリのレベルの遅さだ
 今回新刊を刊行したからこそ余計に感じた点なのだが、新刊を印刷所から宅配搬入するに当たり、サークル案内が来なかったから、どこに宅配便出せば良いか分からず、印刷所への指示出しに困った記憶が…。サークルが「椰麟祭」合わせで新刊を出すに、これは間違いなく障害だ。
 サークルの事を鑑み、もう少し早めの発送となるよう努めていただきたいものである。

2・サークル配置ナンバーの分かりづらさ
 「あなたのサークルはここですよ」という案内が全くなく、我々サークルが自身のスペース番号を知るには、同封サークルリストから自身のサークルを探す形。300近いサークルのリストから自身のサークル(ナンバー)を探させるやり方は、流石に不親切だ。
 他イベントは、宛名ラベルかサークルチケットにスペースナンバーを記載する事で、分かりやすい案内に努めている。椰麟祭にも、この点を見習っていただきたいものである。

3・配置図の分かりづらさ
 サークル案内に配置図を入れる即売会は多いが、椰麟祭はそれが無い。
 当日にカタログを入手し、カタログの配置図を元に、自身のサークルの位置を確認するのだが…困ったことに、配置図の数字が小さすぎて解読が不可能なレベル
 せめて、配置図記載の数字が、もう少し読みやすい大きさなら良いのだが…

4・サークル机に何も貼ってないから、本当にここで良いのか不安だった
 先の配置図の読みづらさもあり、本当に自分のサークルがこの位置で良いのか、正直相当悩んだ。他の即売会でやっているように、机にサークル名かスペースナンバーを示すシールでも貼ってみれば、サークルにとって分かりやすいのではなかろうか。

5・会場案内が無い
 サークルの車来場は可能なのか?可能ならば駐車場はどこが利用できるのか?公共交通機関なら何処の駅で降りれば良いのか?
 会場へのアクセスに関する案内が全くないのは、この即売会に遠征組が多い事情を併せ考えるに、不親切ではなかろうか。

正直、サークル的には不便な所が目立ったような印象。
さらに申せば、即売会の盛り上げ方の上手さはこの即売会の長所で、それがインパクト強く、短所を覆い隠してるような印象だ。
逆に言えば、これらの粗を修正すれば、この即売会はもっと伸びるのではなかろうか。
今回の反省を生かし、次回以降(があれば)の「椰麟祭」に繋げていただければ幸いである。