2月27日、私は「横須賀文化会館」にて年3回ペースで定期・安定開催される同人誌即売会「Black Rose」に一般参加させていただいた。
神奈川は個人主催による、地元の若者をターゲットとした即売会が、相模原・藤沢・小田原等で頻繁に開催されている。神奈川は、地域に根ざした即売会の開催が盛んな土地柄、とも言える。
一度お邪魔してみたい、と興味は抱いていたが、この日少し時間が取れたので、横須賀に向かった次第である。
サークル数はなかなか多く、募集100spがほぼ満了。
地方のオールジャンルは、一般論で申し上げると、参加の年齢層が低く女子中高生が主体。
だが、この横須賀の「Black Rose」は、参加者は高校生〜大学生中心。地域単位で活動するオールジャンル即売会にしては、「やや」年齢層高めのような気がする。
年齢層が高めという事もあり、その分レベルの高いサークルも多かったような気がする。
とは言え、pixivで上位アクセスの実力・人気兼備のサークルも居たのは流石に驚いたが…。実際絵柄はプロ級、そういう力のあるサークルさんを開拓できたことも、個人的には収穫であった。

参加100spの半数がラミカサークルだが、本を出すサークルも約4割系。本サークルの比率もやや高め。
年齢層がやや高めであるがゆえ、それに比例して本の比率もやや高めになっている、という構図だろうか。
ラミカがやたら多い一方、ラミカ同様に地域の即売会で目立つはずの便箋・アクセサリー等を頒布するサークルは少なかった。

地域の即売会だと、コスプレイヤーの数が増えすぎてサークル勢力とのバランスが崩れ、「コス栄えてサークル衰退」の傾向もあるが、この即売会に関してはそこまでコスプレイヤーの数も多くはない。
完全事前登録制、そしてコスプレ登録者は全員コスプレコンテストに参加という独特のシステムも影響していると思うが、結果として、コスプレイヤーにサークルが圧され、サークルが居づらくなる、という現象も無い。
コスプレイヤーにしても、開放的な中庭でコスプレ撮影会を楽しみ、また参加者の要望を受けて急遽東方レイヤーの集合写真撮影会が始まったり、とそれなりにイベントを楽しんでいた模様だ。

特筆すべきは、カタログがフルカラーで印刷されていた事。
最近は一部東方オンリー等でフルカラーの即売会も目立つが、地場のオールジャンルでフルカラーというのも珍しい。
サークルカットもフルカラーを生かした表現が可能で、サークルのアピール・表現の幅が広がる、という意味では歓迎したい試み。…俺らのような文章系のサークルは、カラーのイラストに埋没しちゃうんだが、俺らは少数派だしまあいいやw
ただ、フルカラーのサークルカットという概念がサークルさんにまだ定着していないのか、提出されるサークルカットの半分以上が黒1色だったのは残念。カラーで表現できる機会なんて余り多くない。折角だしカラーでのサークルカットに挑戦してみては?と個人的には思った。
家庭用のプリンターでの印刷なので、その分色が弱い事が惜しまれる。色が弱いのは印刷所に発注すれば解決できるが、その分コストがかかりカタログ代が馬鹿高くなり、それは参加者数にも影響する。まあ、それを考えると色の不十分さを言うのは野暮で、寧ろフルカラーのカタログにチャレンジした事自体を褒めるべきだろうか?

もう一つ、この即売会で興味深かったのは、相模原の「Happiness」、横須賀&藤沢開催の「FREAKS」、小田原の「本屋」(2月5日開催「東方求名録」も主催した所)等、県内イベントのチラシが多く目に付いた事。
とある別イベントの参加者様にお聞きしたところ、相模原なり小田原なり他の即売会でも、県内他地域のチラシが置かれている模様だ。
県内イベント同士でチラシ交換等協力体制が築かれているのだろうか?同じようなタイプのイベント同士、互いに協力し合う相互扶助の気持ちは、同人の基本だと思うが、そういう助け合いの精神が、県内各即売会の繁栄を呼んでいるのかもしれない。
今後も助け合いの精神で、互いのイベントを、盛り上げ合っていただきたい、とも願いしたい。

全般的に見て、サークルの居心地も悪くなく、アットホームな雰囲気。
今後も安定的に開催を続け、地域の若い人たちの「受け皿」になる即売会を営み続けていただきたいものである、