9月3日開催「東方因幡祭」は、鳥取県では初となる東方オンリーだ。
鳥取県や米子市が主催する「鳥取アニカルまつり」内での開催というユニークな形式たる事にも、興味を持っている。

鳥取県は、鳥取市で散発的に個人主催の同人誌即売会が開催されるが、余り即売会の数も多くなく、同人的な盛り上がりと言う点においては、少し寂しい。
当然、オンリーイベント開催がされるなんてのも、中々無い。
せいぜい、数年前鳥取で開催されたアイマスオンリー「亜美にπタッチ!」ぐらいだろうか。まあ、あれはあれで伝説的な盛り上がりを見せたが…。
(参照リンク・2007年11月24日付「頑張ったイベントはちゃんと評価しないといかんですよ」及び2010年06月30日付「5/15北海道帯広市「兄ちゃん!×2 とかちつくちて〜in十勝」」)

同人的には厳しい土地柄ながら、それでも尚開催される東方オンリー。
これが成功すれば、鳥取県内そして山陰同人界の、更なる活性化にも繋がるだろう。
先日4月17日に島根県松江市で開催された東方オンリー「東方翠神祭」も盛況だったと聞くが、9月の因幡祭も成功すれば、山陰の東方界隈・同人界に弾みが付く。
そういう思いから、応援の意も込め、サークル参加させていただく事を決意した。

以下、東方因幡祭に関する私見を、アットランダムに申し上げたい。
【「因幡祭」の綿密な告知に見る「経験豊富」の香り】

先日4月17日、彼らは当然ながら「東方翠神祭」の方に参加された模様だ。
つーか、「東方翠神祭」は一番重要な告知先の一つだから、そこに来なかったら、青龍刀片手に死ぬより辛い目に遭うほどに調教する所だがな!w
…そういう戯言はともかく、私はサンクリ参加を選んだ身なので、サンクリで東方オンリーにチラシ撒きますよー、とお申し出をさせていただいた。

また、4月3日、愛媛県松山市で開催されし「美柑たると。」に遠征参加させていただいたが、その中で「因幡祭」の関係者とお話させていただいた。

そういったやり取りを通じて分かった事だが、「因幡祭」は、告知計画を相当綿密に立てており、かつそれを実行に移している。
西日本や都内を中心に、殆ど全ての東方オンリーを網羅しつつ、更に都心の大規模即売会(COMIC1など)も視野に入れ、かつ地元山陰の即売会も押さえている模様だ。
私は、関係者から告知計画表を見せて貰ったが、押さえるべき所を漏れ無く押さえており、文句の付けようの無い出来。後はそれをキッチリ実行に移せるかどうか、だけだろう。
これだけ告知宣伝活動に頑張ろうと意欲的ならば、「サークルを集め成功する確率は高まる」と思う。
…本当ならば「これは成功する」と断言したいが、そこまでせず微妙な表現に留めるのは、不安要素もあるからだが、それは後述する。

「因幡祭」のスタッフには、同人誌即売会のスタッフ・主催経験者も少なくない。
山陰の名即売会「花鳥風月」や先述オンリー「東方翠神祭」でスタッフを務める方もいらっしゃる。「博麗神社例大祭」でスタッフを務める方もいらっしゃるようだ。
また、同じ鳥取県の即売会という繋がりで容易に連想可能だが、先述した伝説の鳥取アイマスオンリー「亜美にπタッチ!」の関係者も加勢されている模様。
アイマス繋がりで東京にも告知協力者がいらっしゃるようで(というか4/17サンクリでは、私はアイマス関係の方と一緒に因幡祭のチラシ撒きやりましたし)、主催が鳥取在住ながらも、都内での告知もし易い点は、「因幡祭」にとって優位に働こう。

…結構、同人の世界に長けた方やら、名即売会・成功即売会に関わった方も多い。
これは「因幡祭」というイベントの安心感にも繋がる。ベテラン多いしイベントとしても形になりそう、ハズレは無い。そう私は判断している。
(但し、経験者であるが故に他者の意見を聞かず自爆…という落とし穴もあるので要注意)


【「市・県の主催」は考慮に値せず?官製イベントの匂いを感じない「東方因幡祭」】

んー、世の中には、この「因幡祭」が「鳥取アニカルまつり」という県や市が主催するイベントの中で開催される企画の一つという事で、心配する向きもいらっしゃるようだが…
私に言わせれば、その心配は杞憂である。
もっと言えば、「市・県の主催」という事実を、不必要なまでに大きく取り上げ、大騒ぎしているだけではないかとすら思える。「木を見て森を見ず」といえば分かりやすいか。

いかに市や県の主催とは言え、市や県の職員は、普通同人に詳しくない。経験者に運営を丸投げするのが通例だ。
例えば、2008年秋、石川県は同人誌即売会の開催を水面下で企画。地元の即売会主催KACに、運営への委託協力を打診している。

#もっとも、KACに断られ、即売会を開ける見込みも失せ…最終的には同人誌即売会ではなく「まんが祭り」というイベントに変わったようだが。(参考:2008年09月14日付「2009/3/29「石川県主催 同人誌即売会」に関する怪」、2008年11月14日付「石川県主催の「同人誌即売会」…ではなく「まんが祭り」」)

それと同じ事が、「東方因幡祭」にも言えるのではないか。
すなわち、市や県は同人誌即売会を知らない(と想定される)から、経験者が豊富にいる「team因幡祭」に丸投げ!いっちょ上がり!という構図だw

市や県が口を出す事は、殆ど考えられない。
だって同人の世界知らない人達だ。口出しするにしても、せいぜい「一応税金使ってやってるイベントな手前、派手にエロいの置くのは批判受けそうだし勘弁してね!」とか「折角のイベントなんで、人を頑張って集めてね!」とか、その程度だと思う。
下手に口出しして、丸投げした相手がヘソ曲げてイベント運営から辞退とかなったら、困るのは市や県の担当者だ。
自分たちには同人誌即売会のノウハウなんぞ無いのだから。立ち往生するのがオチだろう。

私が言いたいのは、市や県の人は、普通、同人には詳しくないものだ。同人の事知らんのだから、経験者に丸投げするしかない。丸投げしても、下手に口出しはできない。
別の言い方をすれば、【丸投げされた側はフリーハンドで動ける】という事である。

因幡祭の告知計画の緻密さは評価に値するが、そこに、県や市が介在した形跡は無い
同人誌即売会の経験に長けた人間が、ちょいと本気を見せただけに過ぎない。
告知チラシや公式サイトだって、その構成は、普通の同人誌即売会のセンスに基づいている。
このチラシから、お役所的なセンスを見出す事は難しい。

これらを見るに、県や市から委託されてはいるものの、一定の独立性をもって動いている、と判断できよう。

あ、一応、市や県の担当者が、同人に長けているというケースも稀にありそうだが…そうなればもっと話が早いはずだw
担当者が「俺たちの仲間」なのだから、もっとスムーズに事が運ぶw 大丈夫だ、問題ないw


【この即売会の一番のネックは日程にあり】

「東方因幡祭」も、勿論懸念点はある。
官製イベントだの県や市の主催だのは、前段で述べたように、懸念に値しない。他にも、それなりに形を残した「官製イベント」の実例もあるし、何ら気にもしていない。

参加見合わせを呼び掛ける向きもいらっしゃるが、呼びかけた当人の東方界隈における影響力の小ささや、呼応する動きの無さを鑑みるに、(主催側からすれば余り気分の良いものではないが)何らの懸念にも値しない。
参加見合わせのサークルは居るだろうが、それはこの呼びかけに呼応してというよりは、日程を考慮しての見合わせのサークルだろう。
勿論、こういうサークルを取り上げ、自身の主張に呼応して参加を取り止めたサークルさんなんだ、と勝手に主張するもまた個人の自由であるw

そんな鼻くそのごとき瑣事はどうでも良い。
私が最も重要視する懸念点は、今少し触れたが、「日程」にある。
ご存じの通り、9/4という日程は土曜日だ。翌日日曜日9/5は、西日本最大級の同人誌即売会「こみっく☆トレジャー」がある。
更にはその翌週には「博麗神社例大祭SP」も控えている。
大型イベント・有力東方オンリーが控えており、厳しい戦いが想定される。

できればこの日程を避けるのが理想なのだが、母体となる「鳥取アニカルまつり」が9/4〜5という日程設定にしちゃった以上、それに従うしかない。
親イベントに従うのは子イベントの宿命、子イベントの弱点だ。
9/5にバッティングさせ、トレジャーと完全ガチンコでやり合うよりは、まだ9/4に設定する方がマシというものだろう。

とはいえ、開催時間は11時から。通常の即売会と同じ時間である。
果たしてこの時間設定は、参加者にとって親切と言えるだろうか?

昨今は土曜開催の即売会も増えてきたが、その中には、土曜日の午後からの開催とし、遠征組が参加し易いよう配慮しているケースも増えている
3/5にPIOで開催された「オトナゲーム帝国」は13時から開催だったし、もっと分かり易い例を挙げると、アイマス亜美真美オンリー「とかちつくちて」は、遠征組の飛行機の接続をも考慮し土曜の15時開催としている。

東方は地元人のサークル参加が過半だから、遠征組を切り捨て地元サークルを集めれば充分戦える。私は当初そう見込んでいた。
だが、先日の「東方翠神祭」においては、県外からの遠征サークルが過半という、東方の地方開催オンリーの一般的傾向とは反する結果が出た。この結果を無視する訳には行かない。
これが翠神祭のみの状況であればともかく、山陰全体がそういう傾向の可能性も捨てきれない。則ち、山陰の東方サークルの絶対数が少ないから、サークルを集めるには遠征組に頼らねばならぬ、という可能性だ。
勿論、従来通りの地元密着告知も行うべきだが、同時に、遠征クラスタへの参加を呼び掛ける活動のウェイトを上げた方が良いのではないか。
その方が、サークル数を増やせる可能性はより高まる。

そこで問題となるのは、遠征者に優しくない現在の開催時間だ。
金曜の夜まで仕事して、次の日10時にはサークル入場はちょっと厳しいものが…
関東の人間なら夜行列車サンライズ出雲という武器があるが(そしてそこで椰麟祭でも車内ご一緒だったサークルさんとばったり出会い、やあまた会いましたね、なオチだろうなw)…在阪サークルさんは却って厳しいと思う。米子に適切な時間に着ける便があまり無いぞ?

私は、遠征参加者に配慮し、かつ遠征参加者の取り込みを図る意味から、開催時間の繰り上げを強く提案したい。
具体的には、一般入場14時・17時閉会。これで3時間の頒布時間が確保できる。
そんな規模も大きくないイベントだろうし、3時間あれば売る側も買う側も、充分足りるだろう。
サークル入場は、13時からとなる。これなら、サンライズ出雲に頼らずとも、飛行機等も利用でき、関東からの選択肢が広がる。
関西からも、電車・高速バス等によるアクセスに余裕ができ、アクセスの難易度が下がる。九州・名古屋等他地域からも、アクセスしやすくなる。
勿論、サイト上での訂正告知や、チラシ増刷時に新しい開催時間を反映させるなど手間も増えるが、サークル参加が増えることは、それ以上のメリットであろう。

この他、これはこみっく☆トレジャー側や運送業者等との調整も必要かもしれないが、こみっく☆トレジャーとのハシゴ遠征者を対象とした、荷物搬送のサービスを実施しても良いだろう。
トレジャー前日の開催は一見不利に見えるが、見方を変えれば、トレジャー参加サークルを取り込むチャンスでもある。

トレジャーと因幡祭をハシゴするに当たり、最大の弱点は、荷物を持ったままの移動となること。
トレジャーは、開催2〜3日前までに奈良の配送センターに荷物を送らねばならず、因幡祭の売れ残りをトレジャーに持って行くとなると、宅配便の利用でのトレジャー会場への直送は不可能だ。
トレジャー会場まで手持ちにするしかないが、東方は大荷物のサークルが多く、手持ちも難しいだろう。

そこで私が提案するこのサービスの導入により、トレジャーハシゴ組サークルの利便性は格段に上がる。
具体的には、何かワゴン車かトラックかでも用意。積載容量もあるから、事前予約制でサークルから荷物搬送の受付を行う。当日は因幡祭本部で荷物をお預かりし、それを車に積み込み、翌日朝インテックスの駐車場にて、荷物をサークルに引き渡すという具合だ。
運搬に掛かる実費程度の費用なら、サークルからお金を徴収しても良いだろう。

以上、単なる批判に終わらず、懸念点に対する改善案もご提案させていただいた。
日程的には確かに不利かもしれないが、その不利な環境下であれ、知恵を絞ればサークル増に結び付けることも、決して不可能ではないと思う。
是非、東方因幡祭の皆様には、参加者のためになり、サークル集めにも寄与できる、これらのサービスの導入もご検討いただきたいと思う。