6月17日、私は名古屋開催・なのはオンリー「ユニゾンイン」に一般参加させていただいた。

このオンリーは、過去2回、2009年並びに2010年の2月に開催。100サークル近くを集め盛況のオンリーイベントである。
なのはオンリーは遠征参加者の多いジャンル。東京や大阪のオールジャンル同人誌即売会やなのはオンリーで積極的に告知した事が奏功し、サークル集めに成功したと言えよう。
主催氏自身、若い方ながらも、名古屋で実績を上げるオンリーイベント「ツインテールカーニバル」「VOCALOID PARADISE」や東京・大阪のオールジャンルでスタッフ経験を豊富に積み、ノウハウは充分。
不安を感じさせない運営を貫けた事も、サークルを集め結果を出せた一因になるだろう。

今回は3回目の開催だが、前回が2010年2月の開催だから、実に2年半ぶりの開催となる。
2年半の空白が空いた理由としては、この間九州でなのはオンリー「Stand by Ready!」が開催され、東京・大阪でもなのはオンリーが健在。開催頻度がいささか過多となり、開催のタイミングが取りづらかった事が挙げられよう。

今回6月開催に至った理由としては、以下の三点が想定される。
前後になのはオンリーの開催が無く、他のなのはオンリーとの「食い合い」が無かった事。
7月に劇場版が公開され、もう少し人気が盛り返すだろうとの期待感。
そして、昨年までこの時期に開催されていたひぐらし/うみねこオンリーが無くなり、そこにイベントをぶち込み易くなったという事情。
特に最後の三点目は、これまでひぐらし/うみねこオンリーにスタッフ参加していた方に誘いを掛けやすくなるという、スタッフを集め円滑な運営を図るという観点からも、地味に重要な要素かもしれない。

とは言え、2年のブランクのせいか、今回は52サークル58スペースと、以前の勢いから衰えてはいる。
他地域開催のなのはオンリーも、軒並みサークル数を減らしているから、ジャンルの縮小という文脈の中で捉えることもできるだろう。
最盛期からの衰えはいささか残念だが、2年半のブランク、そしてジャンルの縮小傾向を鑑みると、致し方ない部分も少なくないだろう。
個人的には、参加者を集めるにハンディとなる要素の少なくない中、充分健闘した即売会として位置付けたい。

会場は、名古屋駅から徒歩5分のウインクあいち。
会場代がやや高めなのは欠点だが、駅から近く、かつ新しい会場なので人気も高い。
名古屋のオンリーイベントにおいて、定番となりつつある会場だ。

5階の小ホールを借りての運用だが、この小ホールは2つの小部屋に分かれている。
今回は片方の部屋にサークルを集中配置。もう一つの部屋は、本部ブース、そして一般参加待機列兼コスプレスペースとしての運用。
…とは言え、コスプレ参加者は余り多くなく、即売会開催期間中はスペースが余り気味、スペースを持て余していたかも?
もう一方の部屋は、サークルを集中配置。参加者の大半は、ここに滞留していた模様だ。

初動待機列は150人となかなかの人出。
ジャンルの勢いが衰えたとは言えども、それでも尚会場は熱気に溢れ、流石はなのは厨といったところだw
主催側が用意した、キャラクターの等身大パネルも、会場を彩った。
総じて見れば、「好きな人が集まる」という、オンリーイベントのあるべき姿を体現した良即売会と言えよう。

次回の開催は未定だが、ジャンル自体の勢いが弱まりつつあるのは否定できないので、ジャンルの状況を見ながら判断するのでは無かろうか。
このジャンルが今後いかに推移するかの見通しは、安易に予想はできないものの、今後盛り返すのではないか、との期待感もある。
カタログを拝見するに、「まだまだ新しいサークルが増える」とある。他のオンリーの動向は不明だが、少なくともこの「ユニゾンイン」では、新しいサークルが増えている模様だ。
新規参入のサークルが増えれば、このジャンルもより面白くなるだろう。
加えて、今月から劇場版が公開されている。劇場版が燃料となり、なのは熱が再燃する可能性も期待される。
なのはジャンルは、確かに最盛期よりは衰えたが、上記の事象により、人気の盛り返しも期待される。
その時は、「ユニゾンイン」の次回開催を、是非ご検討いただきたいものである。