6月24日、私は、大阪市内で開催された東方Projectオンリー「東方鈴仙祭2〜うどんげと愉快な従者たち〜」に一般参加させていただいた。
元々、このオンリーは、東方Projectの登場人物である鈴仙・優曇華院・イナバ(うどんげ)のキャラオンリーとして開催されていた。
前回の開催は、2011年5月。
主催氏は、大9州東方祭他幾つかの東方オンリーでスタッフ経験を積み続けていたが、「自分でもオンリーを始めてみたい」と一念発起してこのイベントを立ち上げた。
最初の発表は、2010年の京都「勧業祭」でのイベントアピールの席上だったと記憶している。
しかし、この時にはwebもチラシも出来上がっておらず、実質的な告知が一切できていない状況。
これらが完成し、本格的に告知できるようになったのは、2011年の1月下旬。イベントの僅か4ヶ月前の事であった。
正直、名の知れているイベントならいざ知らず、初登場のイベントが4ヶ月前からの告知というのは、いささか遅めじゃないかとは思った。
出来れば、冬コミや「こみっく☆トレジャー」といった、冬季に開催される巨大イベントでもチラシ撒きに励みたい所。
出だしの遅さは、流石に否めない。
それ以後の東方オンリーで一生懸命告知し巻き返しを図ったが(特にうどんげが登場する「東方永夜抄」のオンリーでサークル誘致に積極的)、やはり出足の遅さが響いたか、2011年5月の「鈴仙祭」は、30サークル程度の小じんまりとした規模に止まった。
その反省を生かしてか、今回2012年の「鈴仙祭」は、極めて早期から告知活動に励んだ。
私が知っている限りでは、開催8ヶ月前に当たる、2011年10月に香川で開催されたうどんげオンリーや大阪の「東方紅楼夢」で、既にチラシが撒かれていた。
その後も、東方オンリーや大規模イベント中心に、着実に告知を重ねていった。
その成果が実り、今回の「東方鈴仙祭」では、実に116サークル(142スペース)を集める「大躍進」を遂げたのである。
綾瀬なずな氏のブログ「@++(あっとまーくいんくりめんと)」http://blog.livedoor.jp/increment/によると、サークル数ベースで前回比363%との事。
東方界隈は無論、同人誌即売会史上でも五指に入る、屈指の成長率と言えよう。
更に申せば、今回の鈴仙祭、会場キャパシティの都合上、落選サークルをも出している。
実際の申込数は、更に上である。
もし会場のキャパシティが許されるのであらば、この数字以上の大躍進となったであろう。
さて、今回の躍進は、告知の充実以外にも理由を求められよう。
コンセプトの変更もまた、参加数躍進の大きな要因である。
昨年2011年の「鈴仙祭」は、あくまで「うどんげ」という単一キャラのオンリーイベントに過ぎなかった。
これに対して、今回2012年の「鈴仙祭」は、「うどんげ中心5面ボス(=従者)達のオンリー」としている。
これは、参加者から寄せられた要望を元に実現させたとの事だが、これにより参加の間口が広がっている。
5面ボス(従者)の対象となるのは、十六夜咲夜、魂魄妖夢、東風谷早苗、火焔猫燐、虎丸星、物部布都、そしてうどんげ。
対象には、東方界隈においても人気の高いキャラが複数含まれている。
流石に「鈴仙祭」というだけあって、うどんげ中心が全体の約4割・約40サークルと最大手だが、それ以外は他キャラでの参加だ。
他キャラにも間口を広げ、より多くの方に参加しやすい環境となった事で、今回の大躍進が生み出された事が読み取れる。
元々うどんげオンリーとして始まっただけに、うどんげ分が弱まった事は否めないが、参加者の意見を取り入れてのコンセプト変更ならば、それは否定されるべきものではない。
参加者在っての即売会だ。
参加者の意向に沿ってイベントが変質するのなら、それはそれで自然の流れであり、否定されるべきではない。
会場は、道頓堀にもほど近い、なんば駅から徒歩5分の「難波御堂筋ホール」。
会場代は高めだが、立地は極めて良く、きれいな会場だ。
数年前より、女性向けの小規模オンリーイベントで使われていたのは見ていたが、100サークル以上・そして東方オンリーでの起用は、初めてである。
最盛期の動員数には劣るものの、それでも尚他ジャンルに比べ高い人気を保ち続ける東方だ。果たして会場は持つのか?いささか心配ではあった。
一般参加者は推定500人以上。初動は350人いたとか。
会場近辺は繁華街、飲食店街。都心の一等地ゆえ、人を並べるには難しい環境だ。
過去のイベントでは、なんば駅地下通路に待機列を置いた事もあったようだ。
今回は事前に警察への申請を行い、占有許可を取得。御堂筋の幅が広めの歩道を、待機列に充て対応した。
その甲斐あって、大きなトラブルもなく参加者の誘導に成功。
最悪を見越し入れ替え制も想定。整理券も用意していたようだが、幸いにもそこには至らずに済んだ。
主催氏は鈴仙祭が初主催、他のイベントでスタッフ経験は積んでいるが、主催としての経験は弱い。
だが、他の即売会主催/スタッフ経験者のノウハウを活かしつつ、上手く運営を回していった印象も持つ。
当日手伝いのスタッフも豊富に居り、他の即売会でスタッフ参加しながら、スタッフ人脈を上手く築けていけた故の賜物であろう。
こうして、若く経験少ない方であっても、努力を重ね、即売会が育つのみならず、主催としても成長していく。
東方というジャンルは、若い世代が主催として手を挙げやすい土壌があると思う。
鈴仙祭主催にしても然り、他の東方主催もそうだが…経験乏しくとも若い世代が立ち上がる。
経験の乏しさ故、時に粗相や失敗をする事もあるかもしれないが、そういう経験も経て、彼らは主催(またはスタッフ)として成長する。
また、周りに居る経験豊富な年長者が助け舟を出すこともあり、彼らの力を借り、またノウハウを盗む事で、より一層主催は成長する。
私は、「鈴仙祭」の躍進を目の当たりにし、東方ジャンルからから輩出される若手主催の成長を、改めて実感した。
そして、若い主催を生み、育てる。東方ジャンルの同人界に果たす役割の大きさも、改めて実感したのであった。
元々、このオンリーは、東方Projectの登場人物である鈴仙・優曇華院・イナバ(うどんげ)のキャラオンリーとして開催されていた。
前回の開催は、2011年5月。
主催氏は、大9州東方祭他幾つかの東方オンリーでスタッフ経験を積み続けていたが、「自分でもオンリーを始めてみたい」と一念発起してこのイベントを立ち上げた。
最初の発表は、2010年の京都「勧業祭」でのイベントアピールの席上だったと記憶している。
しかし、この時にはwebもチラシも出来上がっておらず、実質的な告知が一切できていない状況。
これらが完成し、本格的に告知できるようになったのは、2011年の1月下旬。イベントの僅か4ヶ月前の事であった。
正直、名の知れているイベントならいざ知らず、初登場のイベントが4ヶ月前からの告知というのは、いささか遅めじゃないかとは思った。
出来れば、冬コミや「こみっく☆トレジャー」といった、冬季に開催される巨大イベントでもチラシ撒きに励みたい所。
出だしの遅さは、流石に否めない。
それ以後の東方オンリーで一生懸命告知し巻き返しを図ったが(特にうどんげが登場する「東方永夜抄」のオンリーでサークル誘致に積極的)、やはり出足の遅さが響いたか、2011年5月の「鈴仙祭」は、30サークル程度の小じんまりとした規模に止まった。
その反省を生かしてか、今回2012年の「鈴仙祭」は、極めて早期から告知活動に励んだ。
私が知っている限りでは、開催8ヶ月前に当たる、2011年10月に香川で開催されたうどんげオンリーや大阪の「東方紅楼夢」で、既にチラシが撒かれていた。
その後も、東方オンリーや大規模イベント中心に、着実に告知を重ねていった。
その成果が実り、今回の「東方鈴仙祭」では、実に116サークル(142スペース)を集める「大躍進」を遂げたのである。
綾瀬なずな氏のブログ「@++(あっとまーくいんくりめんと)」http://blog.livedoor.jp/increment/によると、サークル数ベースで前回比363%との事。
東方界隈は無論、同人誌即売会史上でも五指に入る、屈指の成長率と言えよう。
更に申せば、今回の鈴仙祭、会場キャパシティの都合上、落選サークルをも出している。
実際の申込数は、更に上である。
もし会場のキャパシティが許されるのであらば、この数字以上の大躍進となったであろう。
さて、今回の躍進は、告知の充実以外にも理由を求められよう。
コンセプトの変更もまた、参加数躍進の大きな要因である。
昨年2011年の「鈴仙祭」は、あくまで「うどんげ」という単一キャラのオンリーイベントに過ぎなかった。
これに対して、今回2012年の「鈴仙祭」は、「うどんげ中心5面ボス(=従者)達のオンリー」としている。
これは、参加者から寄せられた要望を元に実現させたとの事だが、これにより参加の間口が広がっている。
5面ボス(従者)の対象となるのは、十六夜咲夜、魂魄妖夢、東風谷早苗、火焔猫燐、虎丸星、物部布都、そしてうどんげ。
対象には、東方界隈においても人気の高いキャラが複数含まれている。
流石に「鈴仙祭」というだけあって、うどんげ中心が全体の約4割・約40サークルと最大手だが、それ以外は他キャラでの参加だ。
他キャラにも間口を広げ、より多くの方に参加しやすい環境となった事で、今回の大躍進が生み出された事が読み取れる。
元々うどんげオンリーとして始まっただけに、うどんげ分が弱まった事は否めないが、参加者の意見を取り入れてのコンセプト変更ならば、それは否定されるべきものではない。
参加者在っての即売会だ。
参加者の意向に沿ってイベントが変質するのなら、それはそれで自然の流れであり、否定されるべきではない。
会場は、道頓堀にもほど近い、なんば駅から徒歩5分の「難波御堂筋ホール」。
会場代は高めだが、立地は極めて良く、きれいな会場だ。
数年前より、女性向けの小規模オンリーイベントで使われていたのは見ていたが、100サークル以上・そして東方オンリーでの起用は、初めてである。
最盛期の動員数には劣るものの、それでも尚他ジャンルに比べ高い人気を保ち続ける東方だ。果たして会場は持つのか?いささか心配ではあった。
一般参加者は推定500人以上。初動は350人いたとか。
会場近辺は繁華街、飲食店街。都心の一等地ゆえ、人を並べるには難しい環境だ。
過去のイベントでは、なんば駅地下通路に待機列を置いた事もあったようだ。
今回は事前に警察への申請を行い、占有許可を取得。御堂筋の幅が広めの歩道を、待機列に充て対応した。
その甲斐あって、大きなトラブルもなく参加者の誘導に成功。
最悪を見越し入れ替え制も想定。整理券も用意していたようだが、幸いにもそこには至らずに済んだ。
主催氏は鈴仙祭が初主催、他のイベントでスタッフ経験は積んでいるが、主催としての経験は弱い。
だが、他の即売会主催/スタッフ経験者のノウハウを活かしつつ、上手く運営を回していった印象も持つ。
当日手伝いのスタッフも豊富に居り、他の即売会でスタッフ参加しながら、スタッフ人脈を上手く築けていけた故の賜物であろう。
こうして、若く経験少ない方であっても、努力を重ね、即売会が育つのみならず、主催としても成長していく。
東方というジャンルは、若い世代が主催として手を挙げやすい土壌があると思う。
鈴仙祭主催にしても然り、他の東方主催もそうだが…経験乏しくとも若い世代が立ち上がる。
経験の乏しさ故、時に粗相や失敗をする事もあるかもしれないが、そういう経験も経て、彼らは主催(またはスタッフ)として成長する。
また、周りに居る経験豊富な年長者が助け舟を出すこともあり、彼らの力を借り、またノウハウを盗む事で、より一層主催は成長する。
私は、「鈴仙祭」の躍進を目の当たりにし、東方ジャンルからから輩出される若手主催の成長を、改めて実感した。
そして、若い主催を生み、育てる。東方ジャンルの同人界に果たす役割の大きさも、改めて実感したのであった。