7月15日、私は大分の同人誌即売会「おでかけライブin大分」(主催・ユウメディア)に一般参加させていただいた。
大分の同人誌即売会は今回初めてだったが、色々と新たな発見もあり、参加して有意義だった良即売会であった。

ちなみに、この大分訪問をもって、STRIKE HOLEは九州全県の同人誌即売会を制覇!
即売会訪問県は44都道府県。即売会未踏県は、鳥取・山口・山形の3県を残すのみとなった。


会場の「大分イベントホール」は、ホテルと健康ランドを運営する「豊の国健康ランド」の併設施設。
健康ランドでの開催というユニークな展開。
即売会帰りにお風呂で一汗流して…なんて展開もOKだw

アクセスは、大分駅から徒歩10分。
若干遠さを感じたので、バス使おうかとも思ったが、適切な路線が無いので、素直に歩いて会場入り。
この程度の距離の歩きなら、参加者も十分許容できる程度の距離だろう。

地方の即売会は、車社会ゆえ車での来場に対応できる環境が望ましいが、この即売会は、広大な健康ランドの駐車場を利用可能で有り難い。
サークル参加者やコスプレ参加者等、荷物の多い方中心に、車での来場が多い印象だった。

サークル参加規模は172sp。
昨今のオールジャンル即売会の縮小傾向や、大分の商圏人口を考えると、健闘している部類に当たると思う。
健闘の理由としては、大分県内唯一の即売会であること、3連休中日という絶好の日程であること、この二点が考えられるだろう。

ジャンル傾向を申し上げたい。
最大手は、イナズマイレブンの17。ここのところ、地域問わずイナズマイレブンの人気は手堅い。
次いで雑貨アクセサリーの15。これも、頒布物にグッズ系の多い地方即売会ならではの数字。
そして、それに次ぐのがボカロの14、東方の12である。
以下、NARUTO9、ヘタリア8、歴史ゲー8、ポケモン7といった所。
他の地域で強い傾向のあるタイバニや忍たまは5sp。大分ではいささか弱い。
アニメのTV放映地域に関する事情もあろうが、アニメ系よりゲーム系統が優位。そんな傾向を感じる。
また、詳細は後述するが、この即売会は、地方開催の即売会にしては、いささか年齢層が高い。創作JUNEが7spと一定勢力を占めている事は、車組の多さと共に、この即売会が年齢層高めたる事を裏付ける、傍証となるだろう。

初動列は300人以上、地方即売会としては相当盛況な部類に入るだろう。
ただ、列の長さが200m以上と無駄に長くなっており、適切な列整理が為されていない点が課題となろうか。
原因は外警スタッフを【置いてない】事になる。出来れば、外警スタッフは常駐させたい。
とは言え、駐車場が余りにも広大で、他のお客様に迷惑はかからない。この事自体は、課題は課題でも、喫緊のものではない。

寧ろボトルネックは、入場処理の遅さである。
入場時にその場でカタログを売る、という方式ゆえ、どうしても入場は停滞してしまう。
今回私は、200番目ぐらいに並んだが、入場までに15分以上を要した。

おでかけライブのカタログは、他地域は700〜800円が多いが、ここ大分は、500円と安い。
若い世代の参加が多いイベントだし、このくらいの値段の方が、参加者的にはありがたいのだが…。
しかしながら、ワンコインで済む料金設定、精算も比較的スムーズに進む筈だ。
にも関わらずこの入場の遅さは、入場・パンフ販売部分が相当に滞っている事を示している。

入場・パンフ販売は2名の要員で回しているが、ここを一時的に増員する事ができなかいものか。
仮に増員できなくとも、カタログ販売要員2名の内1名を待機列に巡回させ、待機列でカタログ売る事はできないものか。
スタッフ各部署ごとの担当業務も、時間によって暇な時もあれば、忙しい時もある。忙しい時間に入った部署に加勢するといった程度で良いので、臨機応変な対応を取る事で、即売会運営も改善できると思う。

こうして会場内に入ったが、入ってみての感想としては、満足感の高い良即売会、といった所か。
老若男女誰でも、間口広く楽しめる同人誌即売会かな、と感じた。
会場はいささか古めだが、逆に言えば「使い慣れている」会場とも言える。使い勝手もそんな悪くなさそうな雰囲気。

特筆すべきは、頒布物の傾向だろうか?
一般的な地方即売会の傾向としては、ラミカ・ポスカ・便箋・シールといった小物類が多いが、ここ大分に関しては、オフセット本が目立つ。
全体の3割は占めているだろう。地方即売会では有り得ないレベルの比率だ。

グッズ系サークルも、ある程度の資本を投下し、業者に頼んで製作した良質のものが目立つ。
オフセット本にせよグッズにせよ、中高生サークルの財力では難しい。財力ある年長者だからこそできる芸当で、作品を頒布している。
勿論、手づくり感溢れる小物を頒布する学生サークルも決して少なくはないが、明らかに他の即売会より比率が低いと思う。
頒布物の傾向からも、年長サークルの比率の高さが読み取れる。

参加者全体を見ても、年長者の多さが目立つ。
確かに高校生ぐらいの学生層が一番多いが、年長者も少なくない数見かけるので、年長者もアウェイ感を抱かずに参加できるだろう。
男女比にしても、流石に女性陣が多いが、男性も2割以上は居り、男性もアウェイ感を抱かずに済む。
地方即売会にしては珍しく、老若男女問わず幅広い層が気軽に参加できた即売会であったと言えよう。
過去訪問したユウメディア主催即売会で言えば、「おでかけライブin青森」「岐阜コミケ」に、傾向が似ているかと思う。

ちなみに、コスプレ参加者は、意外と多くない印象だ。
約300人の待機列の内、コス組(カート引いてる数で判断)は、全体の3割ぐらい。意外と多くはない。
会場内見てもコスプレ参加者はほどほどのレベルであり、コスプレイヤーが多すぎてサークルが居辛い、といった事象は発生しないだろう。
参加形態のバランスの良さもまた、サークル参加し易い環境を培っている。

買い手側も、本を購入する意欲が高いとお見受けする。
買い手が参加サークルに立ち寄るのは勿論、委託コーナーも少なくない買い手が立ち寄った。
この「おでかけライブin大分」は、YOUCLUB等のサークルからの委託販売も引き受け、専用のコーナーも設けている。
ここにも、一般参加者はそこそこ立ち寄っている。
(もっとも、最近は委託コーナーを出さない「おでかけライブ」も多いので、このコーナーが在るという事自体が、それなりに売れる事の証左とも言えるが…)

但し、委託にスタッフの多くが割かれているのが、少し気にはなった。
委託コーナーが3つあり、それぞれに2〜3人ずつが常駐している。そこに割かれる要員は、7〜8人。
入場とパンフ販売が2人、外警がゼロというのを間近に見た身としては、要員配置のバランスが欠けているように映る。
販売準備等で色々業務が立て込んでいるのかもしれないが、11時過ぎまでは、委託に割く人員を、外警・パンフ販売に割くなど、やりくりを工夫できないだろうか?とは思った。


総じて見て、今回参加した「おでかけライブin大分」は、地方即売会にしては珍しく、男性や年長者も参加するに障壁の低い即売会と言える。
買い手も購入意欲が比較的高いので、勿論サークルさんにより個差はあるだろうが、結果を出せるサークルさんも少なくないだろうとも感じた。

おでかけライブ参加後、大分在住のサークルさんと食事に行って少し話した。
文章系のサークルさんだが、おでかけライブに自分が参加しても大丈夫なのか?という意の質問を受け、私はこう答えた。

サークルさんにより相性や個人差は在るかもしれないが、案外売れた!なんて可能性はそこそこある。
一度試しに参加してみて、手応えあれば次参加しても良いのでは?

人により差は当然出てくるとは思うが、手応えある人も少なくないだろう。
地方の即売会なんてどうせ女子中高生向け、俺の本なんか売れねえよ…という事で参加を躊躇っている地元のサークルさんに対しては、一度試しに行ってみることをお勧めしたい。
サークル参加を躊躇うのは、行ってみて結果が伴わないと解った時でも、決して遅くはない。