昨年参加した即売会だが、一つレポートを後回しにしていた即売会があった。
今時分、少し余裕が出てきた所で、レポートをしたためさせていただく。

という訳で私は、昨年2012年は11月23日、川崎市産業振興会館にて開催された、黒髪ロングオンリー同人誌即売会「クロカミノンストップ2」http://www.kurokami-long.com/ に一般参加させていただいた。

このオンリーの第1回目は、2010年春に開催された。
私もサークル参加させていただいた伝説の東方オンリー「東方皐月祭」を始め、複数オンリーの集合型イベントとして、その中の1イベントとして開催された。

参考リンク・5/3 蒲田PIO「東方皐月祭」他諸々(前編)
http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51643508.html

この時は、各イベント共有力即売会とのバッティングもあり、サークル数は振るわなかった。
確か6サークルだったはず。
しかしながら今回は、黒髪キャラオンリーの当たり年という追い風にも助けられ、14サークル(18sp)と倍増させた。
集合型イベントではなく、単独イベントでの開催たることも、求心力を増し、サークル数の積み増しに繋がったのだろう。

とは言え、14サークルはオンリーイベントとしては、いささか小規模である。
だが、この「クロカミノンストップ」は、14サークルの小規模即売会とは思えぬ、雰囲気の良さや賑わいを出す事に成功した。
今回は、「クロカミノンストップ」の、小規模即売会が如何に戦い抜いたかの「工夫」を取り上げたい。

先ず、イベント開催中における、主催氏の黒髪愛が病的なまでに(ひでぇw)たっぷり詰まった企画を取り上げたい。
イベントのイメージキャラクター「黒百合シスターズ」の発表なんて企画もあるが、これは取り敢えず置いておく。
まあ、主催氏は本当に黒髪キャラ大好きなんだなあ…と生温かい目で見守る事としたいw
(だからこそ、主催の情熱が詰まった好即売会になるわけだが)

注目したいのは、「クイズ!黒髪ロング選手権」と称したクイズ大会の方。
これは、黒髪キャラに対するカルトクイズ的なものである。
これは即売会中にペーパーテスト形式の「予選」を行い、テストは即売会の頒布時間内に回答する。
そして、アフターイベントにて決勝戦を行い、勝者に景品を進呈する。
アフターイベントに決勝を行うので、来場者を即売会会場にずっと留まらせる事が出来る点、上手い工夫であり、他のイベントにも応用が利きそうだ。



もう一つのポイントは、会場選定である。
会場は、首都圏開催の同人誌即売会にてよく利用される、川崎市産業振興会館。
このホールは、1階ないし4階の多目的ホールを利用する事が通例だ。両ホール共、50〜100sp規模が適しているだろう。
しかしながら、このオンリーは、1階でも4階でもなく、より狭いサイズの9階会議室を会場とした。
どんなにギチギチに詰め込んでも、30spが限界の広さだろう。

前回開催が6サークルという事も踏まえ、サークルも余り多く集まらないと読んだのだろう。
それを見越し、集まると想定されるサークル数に見合った箱を選定した。

結果として、狭い会場たることが幸いし、会場内の人口密度が高くなった。
密度の高さゆえ、当日来場者は決して多くなかったものの、賑わいを感じさせる事が出来た。

また、何か会場内で楽しそうな話をしていると、会場の皆が聞き耳を立てるw
狭い会場ゆえ、その雰囲気は会場内にすぐ伝播する。
狭い会場だからこそ、会場全体での一体感も生まれた。

当日参加しての雰囲気の良さは、狭い9階を選定したからこその賜物、と言えよう。
もしこれが1階や4階を会場としたならば、閑散とした雰囲気が漂っていたはずだ。
自身のイベントに来るであろう参加サークル数の想定を見誤らず、そしてそれに見合った狭い会場を敢えて選択したからこその、成功とも言える。

但し、この方法にはウィークポイントもある。
主催氏と挨拶した時、もっと多くのサークルさんを呼べれば…なんて話をいただいた。
そのお気持ちは分かるが、この9階会場を選んだ以上、多くは望めないだろう。

狭い会場を選ぶという事は、サークルに対し「小規模な箱を用意したよ」というメッセージを出す事にも繋がっている。
規模が小さいければ、その分、サークルに対する求心力は落ちる。
この狭い会場を選んだことが、より多くのサークルを集める事への「足枷」ともなっているのだ。
これが、狭い会場を選んだ事のウィークポイントとなってくる。

もし今以上にサークルを集めたいのなら、会場も、もっと広い所を選ばねばならない。
その分、サークルが集まらなかった時に寂しくなるリスクを抱える。
そのリスクを小さくすべく、そしてより多くのサークルを集めるべく、オールジャンルや黒髪キャラが登場するオンリーイベントにチラシを撒き、1サークル1サークルに挨拶回りをする。今以上の努力も求められるだろう。

端的に申せば、場の雰囲気を取るか、サークル数を取るか、となる。
どちらを取るかは、主催の判断やイベント像次第であろう。
どちらを取るにせよ、主催のつくりたいイベント像に基づく判断ならば、私はそれを尊重したい。